[338] 核武装論について 投稿者：松 投稿日：2006/09/06(Wed) 14:32:52こんにちは、名古屋の「松」です。 マッドマンさんがおっしゃるとおりとても難しい問題ですが、いま「核武装」や「中立」の是非を論じることはとても重要で意味のあることだと思います。しかしその際決して忘れてはならないのが、現在の日本が属国状態であるということです。
この事実は核武装論を展開する際に必ずセットにして同時に論じられなければならない最重要課題であると思います。
やはり核武装の前にいかにして属国状態から抜け出すか、です。そして属国状態脱却後どうように中立するかということになります。
振り返ってみれば、自衛隊（警察予備隊）の設立もアメリカの意向であり、田中角栄の失脚もアメリカの仕業であり、現在のＦ２支援戦闘機の開発時（計画時の名称はＦＳＸ。当初純国産を目指していた。最近ではもっぱら欠陥機という評価。）の強制的な介入もしかり。昨年の郵政民営化もアメリカの命令。
まだまだいくらでも列挙できるのですが、実質このようにアメリカに管理されているような状態のままで、もし近い将来日本が核武装したとしたら、それはすなわちアメリカに「持て」と命令されたか、もしくは「持ってもよろしい」と許可されたかのいずれかです。
そしてこの場合の真の発射ボタンは日本の首相官邸ではなく、ホワイトハウスの地下司令室の置かれるということです。
これではアメリカの「持ち駒」としての日本の価値を「桂馬」級からイッキに「飛車、角」級（飛び道具）にまで引き上げることになってしまいます。
以前、何番か忘れましたが、【危機感を抱きます。】（感じますだったか？）という私の投稿文で報告したように、『昨今の若者の間での嫌中国感情の水位の上昇』と同時の核武装論が活発化してきているように思います。
彼らは属国であることには無知無関心で、核武装だけをあたかもまっとうに論じているように見受けられます。私が勤めている会社の連中もまさにこれです。危険です。
「アジア人どうし戦わず」「日本は金輪際戦争をしない。させられない。」が大前提です。
その上で核武装がその確率を下げることであるならば是としますが、いまのところ私にはそうは思えません。
[337] 核武装中立論 投稿者：マッドマン 投稿日：2006/09/06(Wed) 03:05:58北朝鮮の件以来、この論を支持する日本人は増えてきてはいるようだ。
自分で支持した論に自ら反論することになってしまうが、いい論でも実行となるとかなり難しいとは思う。「日米安保を解消し、日本から米軍を追い出す」という２つの作業を
同時にしなければならないからだ。万が一この「米国からの属国状態を
脱することができても、これでは米国を裏切って中国を得させることになってしまう。その時に米国からの逆襲への対策ができていないと大変なことになる。９割を中東に依存している日本の石油（エネルギー）のラインはアメリカを通じて切られることになるだろうし、３割の自給を
通じての食料も同様だ。
榊原英資が「アジア共通通貨構想」を提唱した時に、キッシンジャーは
「君はアメリカではなく中国を選ぶというのか。もし日本がそのような姿勢をとるなら、日米安保条約を根本的に見直す。」といって脅迫した
らしい。
米国の利益が極端に減らないような方策（米国を騙しつつ）をとりながらも、米国が衰退していった時のための準備も裏で進めていかなければ
いけないという難しい技を要求されるのだ。
米国は日本という「杖」で支えられて何とか立っている「死ぬ直前の老人」のようだが、重さに耐えられない杖が先に割れるか、老人が先に
倒れるかである。
そしてどちらも先方が先に倒れた時は、自分だけが生き残ろうと目論ん
でいるのだ。
[336] アメリカでも「真実言論派」への呼び名変更の動き 投稿者：アルルの男・ヒロシ 投稿日：2006/09/04(Mon) 12:49:32アメリカ・サンフランシスコの「サンフランシスコ・クロニクル」の記事から。アメリカでも「陰謀論者」たちは、自分たちのことを「真実を求めて活動する人々」と呼ぶようになっているという事を報じた記事。(まあ、表向きは陰謀論を貶す体裁になっているが、まったく取りあげないよりはずっとよい。)（引用開始）
Conspiracy fans are viewed by most people as gullible, opportunistic, disgruntled or simply suspicious. It's widely believed that conspiracy theorists emanate from the margins of society, that they're a combination of paranoid, powerless, undereducated and desperate (at least desperate to assign blame). But Avery and other prominent Sept. 11 conspiracy theorists claim to represent society's mainstream, which is skeptical of the Bush administration's rationale for the Iraq war and Washington's version of what really happened that day.
Some of them reject the term "conspiracy theorist," instead calling themselves "truth activists" -- people who want to expose hidden facts that the major media ignore or downplay because of their corporate ties. While many conspiracy theorists are politically liberal, they also include people on the right, including members of the John Birch Society, who imply that the Sept. 11 attacks were part of a continuing plan by U.S. elites to create a "New World Order" and impose greater control over Americans.
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2006/09/03/INGR0KRCBA1.DTL
（引用終わり）
上の記事では、自分たちの事を「陰謀理論家」と呼ぶのを嫌っている人たちは、「自分たちは真実を求めて活動する人々、真実要求活動家」でると自己のことを呼ぶと書いてある。
彼らは、「主要メディアが、その大企業との利害関係故に、無視し軽んじた一般からは隠された事実を暴くことを望んでいる人々」であると定義されている。
この定義は仲々良いと思う。ちなみにこの地元紙はボヘミアン・グローブなどのエリートの秘密会合について頻繁に報道する信頼の置ける新聞である。
それから、最近知ったのですが、「真実要求活動家」の間でも同類相哀れむのような形で内輪げんかが起こっているようなのです。簡単に調べた範囲ですが、主にヴィクター・ソーンを中心に繰り広げられている内紛らしい。
「ロック本」の著者のヴィクター・ソーン、リサ・ジュリアーニのコンビの「ウィングTV」は、陰謀理論家の先駆的存在であるジェフ・レンズと、電波少年的な突撃取材行動で知られるアレックス・ジョーンズは「中途半端だ」という主張を行っているようですな。
ヴィクター・ソーンは、この中で言えば、かなりラディカルな主張を行うようで、アレックスなどが主流派メディアの報道にも気を配るのに対して、ソーンの場合はあくまで独自の路線、活動を行っているという印象。アレックスは、今年のビルダーバーグ会議でカナダのブルック・ストリートホテルの前でメガホンを持って大演説を行いましたが、これなどもソーンにはお気に召さない様子。
日本では太田龍氏に近いのはアレックスよりもソーンの方だろうと思う。
私はコールマンの「３００人委員会」を殆ど評価していないのだが（ウィキペディアで確認できる事実は除く）太田氏のサイトによると、ソーンのサイトで行われたネット投票では最も素晴らしい「反NWO本」のトップになったのがコールマンの「３００人委員会」だったということだ。
日本ではきくちゆみ女史やフルフォードが、アレックス・ジョーンズの紹介者になっているようだ。
私はどちらかといえば、アレックスの方がなんだか山師っぽくて好き。ソーンの方がイルミナティなどには詳しいようだが・・・。
要するに、アレックスは一般向き、ソーンはマニア向きとでもいうのか。前者はニュース重視、後者はセオリー重視、仲間内での裏切り・内通警戒重視でのとでもいうのか。
真実言論派の間でも色々と大変なようです。活動家になるか、半分商売としてやりその上で真実を追い求めるか、仲々難しいようです。
ソーンのサイト：http://www.wingtv.net/thornarticles/thornarticles.html
アレックスのサイト
http://www.prisonplanet.com/
[335] Re[329]: 書評：『若者殺しの時代』（堀井憲一郎） 投稿者：アルルの男・ヒロシ 投稿日：2006/09/03(Sun) 20:11:02この堀江憲一郎氏の本は非常にシャープでした。
全部数字で語っている。例えば、クリスマスにホテルで過ごすという風習が出来たのはいつか、とかのことを、「雑誌に何年から現れた」と書いている。私も若い方なので、この堀江氏の昭和後半〜平成の日本社会のカルチャー史というものは、ハラハラどきどきしながら読みました。
しかし、この人の本は他のモノを買ってみましたが、ただのサブカルものに過ぎませんでした。
ただ、この「若者殺しの時代」は山本夏彦の読者に是非読んで欲しい一冊と思いました。
[334] Venona:返り血を浴びた国際金融資本 投稿者：アルルの男・ヒロシ 投稿日：2006/09/03(Sun) 16:49:02
最近、「正論」や「諸君！」などの親米・新保守派雑誌に、「太平洋戦争の仕掛け人はソ連＝コミンテルン、スターリンだ」とか「ルーズヴェルト政権は共産主義の巣窟だった」というような記事が幾つか載るようになった、これは基本的にはいわゆる「ヴェノナ文書」の公開による新発見が大きい。
このヴェノナ文書というのは、アメリカと旧ソ連の間で交わされた電報を、1930年代から1940年代にかけて傍受し、暗号を解読した、米国家安全保障局（ＮＳＡ）の記録文書である。この文書では、第二次世界大戦前後の米国におけるソ連共産党の暗躍が記されている、という。
この中には、次のような事実を伺わせる通信が暗号文で記載されていた。
＊ ルーズヴェルト政権の周辺にはソ連のスパイ・エージェントが多数存在した。
＊ その最たる例は、ハリー・デクスター・ホワイトという人物だった（注：この人物はソ連の意向を受けて、コーデル・ハルに代わって「ハル・ノート」を起草したとされる）
＊ また国際機関にもソ連のスパイがいた。カーネギー国際平和財団の理事長を務めた、アルジャー・ヒスはそのひとりである。
＊ ローゼンバーグ夫妻は、ソ連に核技術を極秘に横流ししていた。
このヴェノナ文書について、最初に取りあげたのは、「産経新聞」に連載されたルーズヴェルト秘録（前田徹記者が執筆）だっただろう。このヴェノナを公開するように要求したのは、ネオコン派の重鎮だった米国上院議員、パトリック・モイニハンだった。
これに加えて、ソ連崩壊後に「コミンテルン記録文書館」に保存された文書の研究が進んだ。このアメリカ側のヴェノナとソ連の資料がつきあわされることで記録の実態が明らかになったという。
この文書の発見を受けて、大東亜戦争の仕掛け人はソ連だったのではないかという議論が保守論壇にわき起こっている。私はこの件に極めて深い注意を払っている。
今年の『諸君！』の６月号、『正論』の１０月号は、ヴェノナ文書を元にした記事が寄稿されており、一読に値する。
『正論』の記事は、早大、東京外語大、コロンビア大学ロシア研究所、防衛大教授を歴任した瀧澤一郎という人の手によるものである。論文は、国連に巣食う共産主義と題されたもので、国連や国際通貨基金（ＩＭＦ）といった多国籍機関が事実上ソ連の草刈り場になっていた時代があったという記事である。
彼によると、歴代国連事務総長トリグヴェ・リー、ダグ・ハマーショルド、ウ・タントは容共の社会主義者であり、国連ナンバー2の事務次長はほぼすべてソ連の出身であった。
そして、彼は国連の「第ゼロ代事務総長」として、カーネギー国際平和財団の理事なども務めたルーズヴェルト政権の国務省高官だった、アルジャー・ヒスの存在を挙げている。
Alger Hiss
彼は弟のドナルド・ヒスと一緒にルーズヴェルト政権時代の国務省に務めたほか、１９４５年に行われた国際連合結成のきっかけとなる、ダン・バートン・オークス会議や、大国の首脳があつまって第２次世界大戦終了後の世界秩序について話し合ったヤルタ会談にも政府代表の一人であった。彼はこの会談で直接スターリンと会談し、ソ連の国連での議決権の数について交渉した。（瀧澤氏によるとスターリンは１６の議決権を求めたが、ヒスはそれに反対し、最終的に３の議決権を与える線で妥協したという）
この記事に依れば、ヒスは日本も参加国の一つであった「太平洋問題調査会」（ＩＰＲ）の理事でもあった。この瀧澤氏は書いていないが、太平洋問題調査会に対して、資金を提供していたのは、何を隠そうアメリカのウォール街であった。ロックフェラー財団やカーネギー財団の資金援助を受けており、これを代表していたのが、ジェローム・グリーンというロックフェラー財団につながる人物である。（と、キャロル・キグリー博士は暴露している）
Prof. Quigley
瀧澤氏は書く。「ＩＰＲは上層部が全部ソ連スパイであったというとんでもない組織であり、ゾルゲ諜報団に連なる尾崎秀美、西園寺公一、牛場友彦、平野義太郎、角田順などが情報収集や意見交換の場としていた。わが国にはＩＰＲについての分厚い研究書が何冊かあるが、なぜかこのような面がほとんど無視されている」
瀧澤氏の言っている、ＩＰＲ研究書とは以下の３冊であろう。
○ 太平洋問題調査会の研究 : 戦間期日本IPRの活動を中心として / 片桐庸夫 著
○ 国際関係に関する知の制度化 : オーストラリア・ニュージーランド・カナダにおける太平洋問題調査会と国際問題研究所の発足過程 / 山岡道男 著
○ 国際新秩序を求めて : RIIA,CFR,IPRの系譜と両大戦間の連係関係 / 塩崎弘明 著
確かに私もこの三冊を流し読みしたが、そのようなソ連のスパイ問題は書かれていないように思われた。三冊目は公式研究としては珍しい。ＣＦＲ、チャタム・ハウス（王立国際問題研究所）、太平洋問題調査会の性質が元々は同じものである、と書いている。だから、セシル・ローズのアングロアメリカン帝国の発展を研究する研究者にとっては有用かもしれないが、一般向きではない。（注：さらにいえば、現在の三極会議の原型はＩＰＲであろう）
Hotsumi Ozaki
私がこれらの本を調べたのは、中川八洋氏というあまり信用できそうにない学者の本に「近衛はソ連のスパイであった」「近衛の政策ブレーン・昭和史研究会は尾崎秀美、松本重治など共産主義者の巣窟であった」という記述を読み、尾崎について調べると、「ＩＰＲ第六回ヨセミテ会議で「日本の政策を南進に向かわせるように話し合いがもたれた」との記述を、これもまた素性のハッキリしない「国際政経学会」の渡部悌治氏の書いた『攘夷の流れ』という回顧録で読んだからである。
ここで判っているのは以下の三点である。
１．ヴェノナ文書が示すように、確かにヒス、ホワイトはソ連と通じたアメリカ人であった
２．国際連合の建物を寄付したのはロックフェラー家であり、瀧澤氏がソ連スパイの巣窟であると指摘した、太平洋問題調査会（ＩＰＲ）はロックフェラーやカーネギー財団というアメリカの屈指の国際金融資本から出ていた。
３．戦後の国際秩序はアングロアメリカンとソ連の二大巨頭が世界の勢力圏を二分した「冷戦構造」になった。
さて、瀧澤氏は、ディーン・アチソン国務長官が当時国務次官であった当時、一九四六年上院歳出委員会が新任のジョージ・マーシャル国務長官に手渡したメモについて書いている。そのメモには、「ディーン次官の下で省内に異常な事態がはびこっている。共産主義者の高級幹部を守り、保安情報管理手続きを無にしてしまおうという周到な計画が実施されている」と書かれていたという。このメモを、ジョージ・マーシャル長官は無視した。「マーシャルにも『上』からの圧力があったのだろうか」と瀧澤氏は書いている。
そうではない。ジョージ・マーシャル国務長官（元参謀総長）自身が、容共であり、アメリカの中のソ連の協力者であったのではないか、と告発している人物がいる。それが米国上院のジョゼフ・マッカーシー上院議員であり、彼の「アカ狩り」の矛先は根本的にはどうもマーシャルに向けられていたようだった。これは『共産中国はアメリカがつくった』（原題：アメリカの勝利からの撤退）に述べられている内容だ。マーシャルは、ソ連に独ソ戦の勝利を譲ったというのがマッカーシーの告発の内容だ。
以上を観てくると、瀧澤氏は、ソ連のアメリカに対する工作については詳細に述べているものの、アメリカ国内の国際金融資本のソ連援助の事実については、一言くらい触れても良さそうなものなのに述べていない。更にいえば、ボルシェヴィキの革命運動に対しても資金を提供したのは、ウォール街の国際金融資本だったことにも少しも触れていない。最近の保守派のアメリカにおける共産党の活動の研究は重要なものであるが、どうも「片手落ち」の感がぬぐえない。
しかも、ウィキペディアによると、ヴェノナ文書はその年によって解読率にばらつきがあるという。
（引用開始）
The NSA reported that, according to the serial numbers of the Venona cables, thousands were sent, but only a fraction were available to the cryptanalysts. Approximately 2,200 of the messages were decrypted and translated; some 50 percent of the 1943 GRU-Naval Washington to Moscow messages were broken, but none for any other year, although several thousand were sent between 1941 and 1945. The decryption rate of the NKVD cables was:
ＮＳＡが報告する所では、ヴェノナ通信の通し番号からもの凄い数の電文が発せられていることが分かっているが、しかし、ほんの僅かしか暗号解読班には手渡されていない。２２００程度の電信が暗号解読され、翻訳されている。ＧＲＵ（ソ連軍情報部）−Naval ワシントンからモスクワに対する１９４３年の電信の５割は解読されたが、しかし、他の年のものは、数千の電文が１９４１年から１９４５年の間に送信されているのにも拘わらず、解読されていない。ＮＫＶＤ（ソ連内務人民委員部）に関する電文で解読された割合は次の通りである。
1942 1.8%
1943 15.0%
1944 49.0%
1945 1.5%
Out of some hundreds of thousands of intercepted encrypted texts, it is claimed that under 3000 have been partially or wholly decrypted.
数十万もの傍受された電文のうち、３０００弱の電文が部分的か全面的に解読されている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Venona
（引用終わり）
私にはこの解読率のばらつきが非常に気になる。国際金融資本がソ連と「仲良く喧嘩」していたことは、キグリーの本やゲイリー・アレンの本、チャールズ・レヴィンソンの本などで明らかになっている。ソ連はアメリカの巨大資本にとって絶好の商品市場であり、ロックフェラー家の現当主デヴィッド・ロックフェラーはソ連の独裁者と握手していた。ビジネスが優先するという極めて現実的な思考である。
しかも、ソ連は独裁国であるから、交渉窓口は独裁者だけである。話をつけるための手間が非常に省ける。実に合理的である。
だから、この解読されていないヴェノナ文書の中には、国際金融資本とソ連のスターリンの昵懇な関係が個人名入りで記載されているのだろうと思う。マッカーシーがアルジャー・ヒスなどを槍玉に挙げてしまったのでこの点に関しては隠す必要がないと判断されたのだろう。だから１９９０年代の文書公開の中にヒスの件が入っている。
ところが、このアルジャー・ヒスとデヴィッド・ロックフェラーは後者が若い頃はカーネギー国際平和財団で理事会の席を一緒にした間がらであり、関係は非常に良好だった。デヴィッドの回顧録『メモワール』にもそれが書かれている。
David Rockefeller,Sr.
ということはどういう事になるか。デヴィッド・ロックフェラーも共産主義の「返り血」を浴びていたことになりはしまいか。あの当時の金融資本家はとかく統制的・寡占的なビジネスを好んでいた。共産主義のシンパも多数いた。一例を挙げれば、ラモント家のコーリス・ラモント、ヴァンダービルト家のコルネリアス・ヴァンダービルトである。国際金融資本家の間では共産主義は一種のトレンドだった。
となれば、マッカーシー議員の「アカ狩り」はアメリカの「戦列立て直し」として、消化されていったのかも知れない。アメリカの中でもソ連はビジネス相手として、世界秩序のパートナーとして有用であるが、それでもやはり増長させておくとヤバイという認識が生まれたのかも知れない。
「アカとつきあうのは金の面だけにしておきな。思想まで入れあげるとこっちが洗脳されるぞ」という具合である。
そこで登場したのは「冷戦」というテクニカル・タームであった。この「冷戦」という呼び名を考えたコピーライターは、ラウンドテーブル組織のメンバーの一人であるウォルター・リップマンであった。ああ、またしてもリップマンである。「戦争だけど戦争じゃない」という言葉のレトリックが実に興味深いではないか。
冷戦構造の進展とデタントというのは予め国際金融資本の描いた許容範囲内の「システムの誤差」の範囲であっただろう。アメリカ寡頭金融資本にしてみれば、寡頭政治国家ソ連とビジネスを行うことで世界経済を回していくという遠大なプランがあったわけである。これが米ソ冷戦の真実である。大衆はこの真実に気付かず米ソ対決ムードの中で生きていた。
だから、必ずしも瀧澤氏や中西輝政氏の言うようにソ連が「全てのパペットマスター」というわけではないだろう。キャロル・キグリーのいうような国際共産主義を資金面で操っていたのは、アングロアメリカンの資本家だったという主張も加味した上で理解しなければならない。
二つの主張はコインの裏表である。どちらも正しいが瀧澤氏にしろキグリー教授にせよ、半分の話しか述べていないということである。
歴史というものは一皮めくれば何が出てくるか分からないものである。
ゲイリー・アレンの本を翻訳している、ドイツ文学者の湯浅慎一氏はこれらの非主流派の文献を読む人も、読まないで通説で満足している人も一種の「独断論」に陥っていると警告を発している。
国際金融資本の研究をする時大事なのは、資料に引っ張られないようにすることであろう。
資料というものは書かれたことよりも書かれなかった事の方が重要であることが多い。ヴェノナ文書の発見と解読率の低さというのは何を意味するのかよく考えてみたい。
＜参考資料＞
※ ヴェノナ文書の意味するもの
http://www.zero-in.jp/inq/iq001.html
※ Venona project
http://en.wikipedia.org/wiki/Venona
※ Alger Hiss
http://en.wikipedia.org/wiki/Alger_Hiss
※ Vodka Cola. Charles Levinson. Paris: Stock, 1977, 476 pp.
http://www.foreignaffairs.org/19780401fabook14461/charles-levinson/vodka-cola.html（ＣＦＲの機関紙だけに、レヴィンソンのロックフェラー批判はスペルが間違っているだのボロクソ）
※ Funeral Speech for Charles Levinson, January 26, 1997
by Dan Gallin
http://www.global-labour.org/levinson.htm
※ Red Carpet (Hardcover)
by Joseph Finder
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/0030604842?v=glance
＊ ラウンド・テーブル公式サイト（現在はただの季刊ジャーナルになったもよう。本質はＣＦＲに移転しているということだろう）
http://www.moot.org.uk/history.asp
[333] ぼやき[787]の感想 投稿者：マッドマン 投稿日：2006/09/02(Sat) 23:04:32マッドです。最近、母校の上智大学外国語学部英語学科からやたらと「寄付」の依頼の手紙が着ます。少子化を理由にしていますが、イグナチオ教会も最近ではスポンサー先が見つからないのでしょうか。会報には、最近の「反米」の傾向を大いに批判した論文が載せられていました。
私が在籍していた８０年頃は「米国研究」をいくつも持つ先鋭的な日本一の大学として栄光を華っていたのですが、今や落ちぶれたもんです。
言論界・学界ではアメリカを批判するのが流行らしいが、一般国民はどの程度「反米」化しているのだろう。「反中」が増えているのは自分の
周りでも実感できます。具体的なデータや調査が欲しいところ。
いずれにしても、ナショナリズムの動きと結びつくことで、再び日本は大きく間違った方向に国が進んでいることだけは間違いなさそうです。
『昭和史からの警告』で十分指摘されているとおり、2006年は1931年で
シナリオ通りに進行中ですから。
１年前にこの場で、中曽根のハーバードでの演説全文が紹介されていたので読み、衝撃を覚えました。「あなたがたアメリカも独立したから気持ちがわかるでしょうが、日本も独立したいのです。」という涙の説得で憲法改正を主張したこの時点では、日本の国民の利益を考える愛国的な政治家青年だったのでしょう。
ところが、この場で青田狩りされキッシンジャーに「悪」の帝国へ誘われてしまったのです。映画「スターウォーズ」の話のように。そうして、「悪の帝国」の手先になってしまいました。身も心も売り飛ばした中曽根。３０年後という異常な時間がかかって属国王の椅子を獲得した１９８２年の１１月を私（マッド）はよく覚えています。椅子に座った瞬間にこの親父の顔の嫌らしさ・汚さをテレビで直感しました。
田中角栄にはアメリカは見えていたはずです。見えていたからこそ、会議で「おまえはそこまでわかっているのなら、こちらも本音で話してやる」と米国の重要政府員を怒らせてしまったのだから、やはり米国に
見込まれたのではないですか？
「こいつは出来る」と思う相手に出会った時に、�〇卻�にして、こちらに取り入れてしまおう。 �⊇錨┐箸靴董�徹底的につぶして、抹殺してしまおう のどちらかです。
悪の帝国の手下になったのが、中曽根だとすると、手下を拒否したのが
角栄ではないですか。
米国もロックフェラーも見えていたはずだ。エネルギーと食料を５０％
握られた路線が７３年の三極委員会での決定事項になっているのだから、角さんには見えていたはずだ。
戦略(strategy)は悪くはなかった。まずかったのは戦術（tactics)だ。
やりかたがまずかっただけで、「ロックフェラーを怒らせないように
実行する」という戦術プランに失敗しただけである。そして、最後に
「俺はロックフェラーの徹を踏んだ」と叫ぶわけですよね。
７３年の三極プランにすでに「金融と情報、クレジットカード、電話カードの国際化、総背番号化、思想管理」とあることがそのまま３０年後の今日本で実現してしまった。（『ロックフェラー帝国の陰謀』161P)
田中角栄には、中国も米国も２００６年の日本も見えていた。国民の利益のために、中東やロシア、中国、アジアと直接取引して、米国一辺倒のリスクヘッジをした戦略は実に正しい。この戦略を描けただけでも
戦後、ＮＯ１の政治家ではないか。それを「無用心」と言ってはいけない。「無用心」なのは角栄ではない、いつだって、わたしたち「国民」ひとりひとりである。
宮沢や中曽根には米国やロックフェラーが見えていたかもしれない。
しかし、田中角栄のように、２００６年、２０１０年、２０１５年の日本の姿が見えてはいなかったはずだ。そして毎年３万人自殺する人の
気持ちもわからなかったはずだ。政治家として優秀でも、人間としては
最低だ。その最たる例が、小泉純一郎だろう。
この透視力を英語でＶＩＳＩＯＮ（ヴィジョン）というわけですね。
国家戦略もヴィジョンもなくただ卑屈な政治家ばかり以降続出している
日本の政治。
「よっしゃ、よっしゃ」のあの人懐っこい顔と声が懐かしい。
政治言論や評論が矛盾していると言ってもどうしよもない。
もともと、国家や政治家に期待などするべきではないのだ。
わたしたち普通の国民ひとりひとりが賢くなっていくしかない。
[332] 宇根康裕（うねやすひろ）君とのやりとりの文を載せます。私の「ヨーロッパの近代と、近代思想について」論です。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2006/09/02(Sat) 07:35:50副島隆彦です。以下に載せる宇根君とのやりとりで、私は、かなり重要なことを書いています。読んで分かってくれる人だけ分かってくださるでしょう。 あとは、まあ、そのうち分かってください。 副島隆彦拝（転載貼り付け始め）
From: "康裕 宇根"
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Saturday, August 26, 2006 1:12 PM
Subject: 真理
副島先生へ
宇根康裕です。
以下の内容を結論として送ります。ご覧ください。
私は理解した。
自然は、思い、感じる。
反自然は、考える。
それらは、まったく正反対で、同時に行えない。
人間は、自然と反自然を行き来する。
自然には苦しみがある。
反自然には苦しみはない。
ブッダはこれを理解した。
そして、最後まで反自然を貫いた。考え抜いた。
私は以上を理解した。
これが悟りであり、真理である。
これで、すべて世の中の動きは理解可能である。
環境問題、金融工学による環境問題、性欲の問題
これらは、思うことと考えることの行き来によって生じる。
思っていると、それが「問題」になり、
思わなければ、そもそも「問題」にならない。
ウィトゲンシュタインは悟ったかもしれない。
だとしたら、最後まで考え抜けたかどうか。
私はすでにできそうにない。
だが、ブッダはなんと最後まで考えてしまった。
ユダヤ人は学問をしている。過去には哲学、そして社会工学、
金融工学科学、これらをすべて、考えていた。
私は、仕事で、自然に逆らって考えている。
だから、考えろというアイン・ランドの本に共感した。
そして、副島先生の自然で立ち向かうことに違和感を感じた。
だが今、すべては明らかとなった。
考えることに対抗するには、自然に思うこと感じること以外に
ないということが明らかになったからである。 以上です。
自然に逆らって考えすぎました。（笑）
なるほど、どうりで疲れるわけです。
お返事お待ちしています。よろしくお願いいたします。
２００６年８月２６日
宇根康裕
宇根康裕君へ
副島隆彦です。
すでに９通目までいただいていますが、５通目ぐらいである、以下の君からの文に返事します。
君が書いていることは優れています。私にはよく分かります。
ヨーロッパの近代（ modern モダン) は、狂気なのです。 人間が自然（ナツール nature）から意識的に自覚的に離れた時に、人類の近代（モダン）が始まりました。
ヨーロッパ近代は、今から丁度５百年前に成立しました。本当に、西暦１５００年前後に成立しました。ですから、今で丁度、５００年です。１６世紀からをヨーロッパで成立した「人類の近代」と言います。
そして、日本は、東アジア文明のはずれの国ですから、まだ部分的にしかこの近代（モダン）に入っていません。まだまだプレモダン（前近代）であり、前近代とは、近代の一部ではなくて、古代（アンシャント ancient ) です。中世（ ちゅうせい、the middle age ザ・ミドル・エイジ）という段階を世界基準の歴史学で認めるなら、この中世の方に所属します。
ですから日本（人）はまだ近代（人）ではありません。 このことを世界基準の学問では自明のこととします。この判定に日本国内からいくら反発してみどうにもならない。 これは冷酷な世界基準（ワールド・ヴァリューズ world values 世界普遍価値）からの判定、断定であって、この考えに日本人が異論を唱えても無駄です。自分の友人の
欧米人にこのことを、しつこく一人ひとりが確認すべきです。
ヨーロッパ近代が始まった時から、すでに、人間は狂気を内包しています。ですからヨーロッパ近代人 （ modern man モダンマン )は、 狂気を含んでいるのです。このことを一番、簡単に言えば、いわゆる自然から人間が離れすぎたからです。
たとえば、パリのパン屋さん（日本で言えば、かつての豆腐屋さん。みんな毎朝、手鍋を持って豆腐を買いにいった） でさえ、ものすごく突き詰めた知性を持っていて、彼らは何でも知っています。
人間とは何で、どこに行き着いた生き物であるか、ということを、パリのパン屋たちでも知っているのです。 ものすごい人たちです。 日本人ごときではとてもかないません。私は、そのことをイヤというほど知っています。
ですから、宇根君が、上記の原理論の書き方をして、理科系特有の、「数学的に物事を考える」すなわち、「論理学（ logics ロジックス）で、言葉を積み上げるように考える」 「ギリギリまで突き詰められた思考から生まれる 正確な理解の文章」を書いて送ってくれて、大変、嬉しく思います。
君は、まるで、近代西洋人（モダンマン）のように考えています。時々、君のように頭のいい人が、日本にも出現します。しかし、土壌がよくない。まわりの環境がよくない。日本の現状の原住民（土人、どじん とも言う）社会では、とても、それらの「突き詰められた思考（思想）の言葉の使い方」は、受け容（い）れられません。
ひとつは、日本は、東アジア（黄河、揚子江）文明の一部であって、その東のはずれであり、日本語という混合言語（雑種言語）で、考える（書く）しかない、という初源からの劣性を持っているからです。
この私の言い切り（言い方）に、多くの人がどのように反発しても、どうにもならない。日本人には、仏陀（釈迦、ゴータマ）や、孔子 や 、キリストなどのような、極限まで厳しく突き詰め
られた言葉を吐く（語る）ことの出来る人間は存在できなかったのです。それは、日本は文明の周辺属国だからです。 私たちは、この運命から逃れることは出来ない。このことは、劣等感の表明ではありません。冷酷な学問（サイエンス）による断定です。
それでも、宇根君が、ここまで、つきつめた言葉の積み上げをなさるのですから、どうぞ、これらを、もっともっと、彫琢（ちょうたく、彫り上げて、さらにみがきあげること）をしてください。
日本のヴィトゲンシュタインになれるかもしれません。 決して、ソール・クリプキのような、ヴィトゲンシュタインへの、腹の底からの裏切り者なのに後継者のように見なされた言語哲学者にはならないでください。
思想の創業者の言葉を、愚かな弟子たちが裏切って、遂には対極にまで行き着く、ということをします。その途中で、大教団、大きな支配組織 （これが、人間にとっての 悪 の発生）をつくります。
私は、ですから、前回、「仁や義（正しい支配秩序）」を強調した儒教（孔子の思想）よりも、無為自然（むいしぜん）であることの方が人間は幸せだ、と説いた老子（道教）の方が正しい、「船井幸雄論」で書いたのだと書きました。
しかし、東アジアの子供たちの為の教育用には、やはり、儒教の「五徳（ごとく）」、すなわち、「仁・義・礼・智・信」の五つを教え と、 「忠恕（ちゅうじょ）」（誠実さと思いやり）」を使って教えるのが、制度（体制）にとっては、正しい選択なのでしょう。
子供たちとは、体制の中で守られて、体制に順応するように育てられるべき幼い共同体構成員たちであるからです。「正直に、まじめに、勉強して、優秀な人でありなさい」と教えるのが、国家教育というものでしょう。
・・・・しかし、大人になってみれば、そんなのは、嘘だ。
嘘ばっかりだ。現実の世の中は、過酷であり、汚なくて、そんなエリート教育（儒教）のようなものは、支配のための学問にすぎない、と、みんな、分かります。
なんらかの商売（ビジネス）をやるか、そうでなければ、人（他人、会社＝企業）に使われて、使用人（従業員）として卑屈に生きるしかないのだ、とみんな、腹の底から分かっている。大学を出て、世の中に放り出されれば、「自分は、自分ではエリートだと思ったのに、実際には、商店の丁稚（でっち）のようにしか扱われない。現実の世界は過酷だ。自分はみじめだ」と、２３、４歳ぐらいで自覚する。
立派な官僚（士大夫、儒教による高官）や、お坊様（仏教の僧侶）、靖国人神者の宮司、神官たちも、良い暮らしをするには、お金がかかる。それを一体、誰が、持ってきてくれるというのか。誰が貢いでくれるというのか。あんまり、きれい事ばっかり言って、威張り腐っているだけで、世の中を騙すのも、いい加減にしなさい、ということになる。
だから、儒教（孔子の思想、）は、国家の教育用には使われるだろうが、現実の大人たちの世界では、綺麗事（きれいごと）であることを越えて、欺瞞（ぎまん）であり、虚偽（きょぎ）であり、そして
支配者たちによる「正しい支配」の道具（国民を洗脳する思想）であるに過ぎない。
次に。 宇根君は自分が使う、日本語の基本語が、 西欧各語とピタリと翻訳語で一致するはずと思って使っている。「真理」 「信仰」 「哲学」 などの諸基本語（土台語、観念語ではある）を、もう一度、はっきりと定義づけ確定するしかないのですが、その作業さえ、もう日本人（日本語）には、出来ないのです。手垢が着き過ぎた、とか、いまさら大きな国民的な合意はできない、という諦（あきら）めもあります。
それでも、君の書きたいことは、私には、よくわかります。どうか、この思考（思想）の純粋化の道を放棄しないで、自分の脳で出来るところまで、突き詰めて、そして、完成してください。
それらを、とりあえず、私たちの学問道場の総合掲示板である、「重たい掲示板」に折を見て、載せてください。 まるでヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』（トラクタゥス・ロジコ・フィロソフィクス ） のように、断片的（フラグメンタル）な ポイントフォームの命題（テーゼ thesis シーシス）の提起の書き方をしてください。提言命題 （ていげんめいだい、 proposition プロポジション）の短文を自分の思考の順に並べて、無理の無いように積み上げてください。
「なぜならば、なぜならば・・・」という因果律 （いんがりつ、 causality コウザリティ 原因・結果 cause & result の論理学それらは、結果と原因が逆であったりもするし、最終的には円環 する。 言葉は、しまいにはぐるぐる回りになる ） に従った書き方をして、それらのそして、それをどうか完成してください。
ヴィトゲンシュタインの 『論理哲学論考』 （トラクトゥス・ロジコ・フォロソフィクス ’Ｔｒａｃｔｕｓ Ｌｏｇｉｃｏ−Philosophics , 1922 ’) は、はやり、スピノザが大著「エチカ」（’Ethica Ordine Geometrico Demonstrata ,1675 ’ エチカ・オルディネ・ジェオメトリコ・デモンストラータ 『倫理学 幾何学の方法で例証的に証明される 』 ) 及び、この主著の前に出した第１著作である 「トラクトゥス・テオロジコ・ポリティクス」 ’Tractus Theologico-Politicus ,1670 ' 『神学的政治学論』 と書き方がそっくりです。
さらには、その前の、キリスト教（カトリシズム、人類の普遍の学と称した） の体制派神学を突き詰めた、本当はイスラム教（イスラム思想）から多くの事を学んだ（導入した） トマス・アクイナス の 「スンマ・テレオジカ」（’Summa Theologica ,1266 ' 『 神学大全』） を意識したものでしょう。
ヨーロッパには、近代以降（すなわち５００年前から）、５０年に一度、１００年に一度の、大天才というか、大思想家が現れて、その人物が書いた大著（たいちょ）が、ヨーロッパ中の知識人に
次第に広まり、絶賛されて、その本を中心にして、ヨーロッパ近代社会の議論の枠組みを作りました。
そういう５０年に一度、１００年に一度の大思想書は、ラテン語で書かれて、それで、ヨーロッパ中の知識人の眼力と判定に掛けられて、評価を下されたのです。スピノザや、デカルト、そして、カント、ホッブズ、ジョン・ロック、ライプニッツ、ヒューム＝バークリーなどどがそうです。そのあとは、ヘーゲルで、２０世紀にはいるとハイデガーがそうでしょう。カール・マルクスの思想もそういう理解をすべきです。
「ヨーロッパ中で一世を風靡（ふうび）する本（思想）となること」というのが、大事なことです。１７世紀からは、デカルトのように、バルガー・ラテン（俗ラテン語から生まれた、土俗化したフランス語という当時の土人語で書くようになった者もいます。デカルトはラテン語で書けたのですが、わざと俗語のフランス語で書いたのです。ローマ教会（カトリック）からの弾圧が怖かったので、「仮面のフィロソファー」と言われます。
それらは、５０年に一度、１００年に一度の大著（大思想の本）という判定を受けて、ヨーロッパ中の知識層の人々の間に広まった思想なのだ、ということが大事なことなのです。このことを、日本人（東アジア人）である私たち、後進の知識層の人間が知ることが大事なのです。中国の各王朝（歴代中華帝国）の中で、「洛陽（らくよう）の紙価を高めた」という漢訳仏教書や儒教の大著が現れて、それを日本人の国家エリートたちが、一冊、今のお金にして５００万円とかで輸入して、ありがたがって、「内容を読めたふりをした」というのも、この仕組み（構造）と同じです。
スピノザ というのは、そういう人です。 彼もフリーメーソンだ、秘密結社の会員だ、などという悪罵（あくば）の類（たぐい）を投げる。たとえ、それらの経歴調査が事実であるとしても、なぜならフリーメーソン＝イルミナティは、キリスト教会（カトリック）に密かに反抗する自由思想家たちの、革命家、陰謀家たちの集まりであるのだから、当然だ。
それでも、そういう秘密結社や陰謀という観点からしか、ものごとを見れない人は、ヨーロッパの近代学問のすごさを、すこしも原典にあたって、本当に時間を掛けて読んだこともないような、軽薄な人間たちだ。彼らは、すぐに、近代諸思想にレイベリング（レッテル貼り）で、自分の頭の悪さを自覚しないで、何かを喚（わめ）きたい時に、土人特有の言葉として書き散らす時の愚かな態度である。
日本で陰謀論者と呼ばれる人たちは、１９７０年代から出現したのですが、彼らは、１９６３年のケネディ大統領殺しがあって、ロックフェラー体制が確立し、アメリカ民主政体（デモクラシー）が、本当にいよいよ危機に瀕した時にアメリカ国内に出現した、真実言論派の言論人たちの本を、密かに自力で読み、日本国内に伝えた人たちです。
ですから、副島隆彦が、２００５年からこの真実言論派の運動を日本で始めた以降は、いわゆる日本の陰謀論者たちは、私のために、道を空けて、自分たちは脇にどかなければいけなくなったのです。なぜなら、彼らは、政治思想とか近代学問（サイエンス）というものを、やったことがないので、おどろおどろしい陰謀の物語（ものがたり、ストーリー）を素朴に書くしか他に、知恵がないからです。
ヨーロッパ近代の政治思想（モダン・ソート modern thoughts ）の大きな流れと、その枠組みを知らない人間たちは、無力です。 ですから、私の主著の『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』をしっかりと読んで、頭の中に、その土台であるヨーロッパ近代政治思想の全体像もそれとなく正確に理解しなければいけません。
まだ、私の主著『覇権アメ』をしっかり、ノートにとりながら、コツコツと時間をかけて読まない者には、「真理と信仰、そして思想」を考える能力は生まれません。 この作業を数ヶ月かけてやってください。このことは、副島隆彦に反感を覚え、反発ばかりしている、隠れた副島隆彦読者の者たちにも言えることです。 私の主著を乗り越えられると思うのなら、私に、正面から議論して来なさい。いつでもお相手します。
ヨーロッパ近代以前にも、中世の修道院の僧侶（モンク）の中にも、すぐれたヒエロニスムとか、ドゥンス・スコトゥスとか、アベラールとかの修道僧思想家＝初期知識人の膨大な伝統もあります。
アウグスティヌスたち初期の古代の神学者（セオロジスト）たちの思想も重要です。
今、私が簡潔に言えることは、理性（リーズン、reason) と合理（ラチオ、ratio )の思想が、その一番残酷な性質である強欲と拝金の思想としてユダヤ教（ユダヤ思想 Ｊｕｄａｉｓｍ）の中心に横たわっていることが、遂に、副島隆彦の研究によって、日本人にも分かってきたので
、このユダヤ思想の「理性と合理の思想」の強さが、キリスト教の愛の思想（「人間を人間らしく扱え。動物のように扱うな」という思想）と正面からぶつかるようになって、それで、２千年がたつ、といことです。そして、今も激しくぶつかっている。
今は、イスラム教もこの闘いの当事者になってきた。キリスト教の方は、ボンクラ知識人が多くなって、ただの信仰（宗教）となって、ユダヤ思想の「理性と合理の思想」に相当敗北して、アメリカ合衆国内のレリジャス・ライト（宗教右派）のように低脳で反インテリの、土俗的な新興宗教団体であるために、「旧約聖書」への劣等感からジュディオウ・クリスチャニティ（ユダヤ＝キリスト教主義 Judeo-Christianity )で、ユダヤ思想に屈服している者たちが多い。「自分たちアメリカ国民に、ご飯さえ食べさせてくれるなら、ユダヤ人のいうことを聞く。９．１１は権力犯罪（捏造）であることも薄々知っているが、そういうことも皆でしゃべらない。自分たちの生活が第一だから」 という醜（みにく）い態度に出て、居直っている。
私、副島隆彦が、今、もっとはっきりと簡潔に書くなら以下のようになります。
イマヌエル・カントは、この理性と合理を追究して、自分も遂にはユダヤ思想に屈服した。それで、彼は、あの『純粋理性批判』という、何を書いているのか、意味不明に近い、どうしようもない
大著を書いた。
’Kritik der reinen Vernunft , 1781'（クリティーク・デア・ライネン・フェアヌンフト 『純粋理性批判』）を書いて、それで、グチャグチャと、「キリストの愛（グレイス、恩寵）の思想も大事だけと、ヨーロッパ近代人は、それではもう生きてゆけないので、理性と合理の経済主義（強欲、拝金のユダヤ思想）を受け容れるしかないのだ」と、書いているのだと、最近、読み直して、はっきり分かってきました。
カントの本は、一世を風靡して、ヨーロッパの知識人すべての評価を得ました。したがって、彼は大思想家（１００年に一度の思想家）ということになりました。
私が、『中国ロック本』の翻訳本を、今年のはじめに完成して、そして、その中の文に感動して書いたとおり、全ヨーロッパの各都市にすぐに燎原の火のように設立されて、広がっていったイルミナティを
１７７６年に創設した、神学者（宗教学者）のアダム・ヴァイスハウプトは、「カントに反対して、ジョン・ロックの思想に賛成した神学者である」と説明されている。この一行の重さを分かる人は、ヨーロッパ近代というものの重みが分かります。それが分からない人が、何を言っても無効です。
ですから、日本人として、はじめて、私は、ついに、カントを読み解いた（読解した）のだろうと、思います。どんな日本人を相手にしても、全て私が説明し尽くすでしょう。
ですから、理性と合理のユダヤ思想に、新教徒（プロテスタント）思想が、敗北したので、そのことを指して、マックス・ヴェーバーが、『プロテスタンティズムの倫理と近代資本主義の精神』（１９０４年）を書いて、このことを説明したのです。
それで、キリストの愛の思想を裏切って棄てた、ヨーロッパの「理性と合理」の知識人たちは、もはや、「愛」は問題ではなく、「倫理」と「道徳」（すなわち、社会秩序、支配の正統性、体制の擁護）こそは大事だと、思考（思想）の駒を進めたのです。
このとき、ヨーロッパ知識人たちは、「真理の探究と信仰（宗教）の研究」を諦（あきら）めて、ユダヤ思想の本態である理性（リーズン）と
合理（ラチオ）に総敗北したものだから、それで、お茶を濁すかのように、「倫理と道徳」（これをカントは実践理性と呼んだ）の研究の方に逃れ出ていったのです。
ですから、スピノザは、「倫理学（エチカ）」を書き、カントは、倫理学の本である、『実践理性批判』を書いたのです。 こういう大きなことが、ようやく私に分かるようになりました。私は、自分の人生の４０年間をかけて（１５歳の頃から岩波文庫の青帯をずっと読んでいました）、この日本語と言う東アジアの一雑種言語で、この大きな読解に成功しつつあります。
これはきっと後々、重要なこととなるでしょう。今は、宇根君を含めて、私の読者の中でも一番、頭のいい、２００人ぐらいの人しか、私が今書いていることの意味は分からないでしょう。この２００人が私の同行（どうぎょう）の人たちです。
それでも、上記の理解は、私一個の勝手な思い付きではない。私の独創でもない。きっと、私のこの理解に沿って、やがてすべての日本の知識層の人間たちが、自分の理解を改めてゆくでしょう。そのことは、私にとっては自明のことです。
宇根君へ。君が見抜いたとおり、そして、私は、東アジアの土人である日本人の、自然（何も考えない＝哲学をしない、真理など突き詰めない）に戻ってしまった人間です。こんな国に生まれた以上、どうにもならないのだ、という大きな諦めが、若い頃からありました。
自然の方に戻って、のんびり生きるさ、という考えに生活内容としては、最近もどんどん固まっています。夏合宿の最中にも、勉強会は他の偉い先生に頼んで、私は弟子たち（の一部の世間摺れした者たち）とカラオケをずっとやっていました。
宇根君へ。私が、君の思考＝哲学＝真理の探究 の作業に、これ以上邪魔をしてはいけないので、君が、あとは独力でやってください。 私はそれらの君の努力を読みます。そして理解します。
前に約束しましたとおり、君の文章を、私なりに翻訳して、増文、加筆して日本の読書人層に分かるような文章にしようと思います。頑張って突き詰めて考えて、そしてそれを書いて公表してください。
この 私の「宇根君からの第３信とそれへの私からの返事」は、加筆して、重たい掲示板に今から載せます。 副島隆彦拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[331] 「真理と信仰について」を探求する宇根康裕（うねやすひろ）君との2回目のやり取りメールです。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2006/08/31(Thu) 11:07:17副島隆彦です。 「真理と信仰について」の宇根康裕君の探究を楽しみにしている、私は、彼に以下のようなメールを出しました。彼が、自分の 原理論 を以後、ここの私たちの総合掲示板に発表してくれて、最終的に論文として完成してくれることを期待して見守りたいと思います。 副島隆彦拝（転載貼り付け始め）
----- Original Message -----
From: "宇根 康裕"
To: "副島 隆彦" GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Sunday, September 24, 2006 10:59 PM
Subject: Re: 真理と信仰に関して
副島先生へ
宇根康裕です。
まとめて書けばよかったと、今更ながら反省する３回目のメールです。
キリスト教 が 隣人愛をとき、ユダヤ教に勝ったというのであれば、
ユダヤ教は、巧みに編み出した お金のシステム でもって、キリスト教に逆転勝ちしたといえます。
同じ勢いで、ユダヤ教は このお金のシステム で、世界の信仰を負かしていったのでしょう。イスラム教は最後まで、まだ戦ってるのかもしれません。しかし、もう負けてしまったかなと思います。
世界の信仰が、お金信仰に敗れたとき、あたかもお金信仰が「真理」であると思うのでしょう。そんな状況を救った人間は、ブッダと老子だと思います。彼らは 真理 を発見した。そして、その真理に、少なくとも近づこうと民衆はあつまったのです。最初は、真理ではありませんから信仰です。しかし、真理にいたる道でした。
一方スピノザは、キリスト教の時代に真理を得ました。
正しい信仰があった時代に、真理を得たのです。人々は正しい信仰で幸せを求めていたので、スピノザがあまり流行らなかったのかもしれません。私は、この お金信仰の時代 にこそ、スピノザやブッダのような真理を得た人が、はっきり真理を示すべきだと思います。
真理を得た者によって、「ああ、世界を支配する信仰は、真理ではないんだ」と示されるでしょう。そのとき、再び真理のゴールが照らされ、そこへ至る道を探し始めるでしょう。
その道は、仏教は自ら自然から導き出す理解によって、スピノザは、なんと論理学を使って証明することで、ゴールまでの道まで示したと考えてます。
なんども細切れですみませんが、今書かないと寝つきが悪くなりますので送ります。よろしくお願い申し上げます。
２００６年８月２４日 宇根康裕
Sent: Friday, August 25, 2006 6:26 AM
Subject: [ml:03445] Re: 真理と信仰に関して
宇根康裕君へ
副島隆彦です。
第４信 はよく理解できました。
問題は、この第３信です。
君は、大きな真実 を書いています。しかし、これらは、言語ゲーム（ヴィトゲンシュタインの 方法学 ）です。 言語ゲームは、真理 を探求しようとして、言語（言葉）の世界にとどまって、言語でゲームをやり続けるだけです。
おそらく、真理 は解明できません。 哲学（私は、哲学という翻訳コトバが嫌いなので、フィロ（愛する）ソフィア（知恵、知性を）という語義から、愛知学と使おうと思います、がなかなかうまく行きません） は、近代学問（サイエンス） としては失敗して、滅んだとさえ言える。 もう誰がやっても、言語ゲーム以上のものには、なりません。
価値相対主義（ヴァリュー・リラテヴィズム）の渦の中に巻き込まれて、もう、真理の探究＝哲学（愛知学）などど、言ってはいられないのです。それでも、宇根君。君の文章には、真理の探究 の大きな可能性がある。私は君のその探究におおいに期待します。頑張ってください。
真理（の探究） とは、別物になってしまった 信仰 は、信仰はその人のものですから、まわりがどういう言っても、どうにもなりません。ですから、今の世界には、「それぞれの信仰」だけが、実在して、そしてはびこっています。
今はユダヤ人のお金信仰 （強欲、拝金の思想、リーズン、ラチオの思想）が強力ですが、それも、ある時期になったら、再度、世界中で自覚のある人々から大きく反撃されて、打ち敗れられてゆくでしょう。時間はかかるでしょうが。日本では私たちが、こうして現にその反撃（＝大きな気づき）を始めたのですから。
私は、君とはちがって、イスラム教（アラブの貧乏国家群が中心。ムスリムのあつまりであるウンマー・イスラミア＝イスラム共同体＝イスラム帝国）のほうが、長い目で見たら、ユダヤ国家に勝ってしまうだろうと、私は見ています。イスラム教には、偽善がないからです。
イスラムは、いまも増殖しつつある信仰＝宗教であり、世界中に１７億人ぐらいいる、と言われています。信心の度合いは千差万別でしょうが。
私は、真理の探究 は、自分には、そしてこの日本語という雑種言語では無理だ、と諦めましたので、２０代の時にやめました。それ以来、自分は、（諸）思想 （thoughts 、ソート）を研究するのだ、と決めました。
スピノザ という思想家は、ラチオ（合理）、リーズン（理性）を、キリスト教世界であった１７世紀の当時のヨーロッパ世界に持ち込んで、キリスト教を解剖して、再構成しようとしました。かれは、明らかにユダヤ人です。君は、スピノザを持ち上げすぎだ。キリスト教徒たち（盲目の信仰だけの人たち）がスピノザの悪意に怒ったはずなのです。彼は、無神論者、唯物論者だと言って、嫌われました。キリスト教会どころか、ユダヤ教会からも追放されています。
スピノザは、初期近代知識人 ですから、たしかに 反信仰 です。 理性（リーズン）や合理（ラチオ）という言葉の恐ろしさを宇根君ももっと勉強してください。
日本では、私が、これをやっとのことで解明したのです。
キリスト教の、すなわキリスト本人が作った思想である、たいへんすばらしい思想は、愛（グレイス、アガペー、神からの愛、神への愛）であって、「隣人愛」などどいう言葉ではありません。
「人間を人間らしくあつかえ（動物のようにあつかうな）」という思想です。これがヨーロッパ全体に広まったのです。それから、パウロ教（カトリック教会）以降に、どんどんおかしくなって、巨大な権力になっていきました。それが、最近の『ダヴィンチ・コード』（キリストはマグダラのマリアと夫婦であり、サラという名の女の子がいた）問題です。
宇根君は、強欲・金銭崇拝（物欲、代表、女の物欲、買い物欲望） と、性欲（男の性欲）問題を、正面から捕らえなさい。 真理を求める言語ゲームの他にもこれも考えてください。私、副島隆彦は、論理学（ logics ロジックス）が真理を解明する、などということは無いと、あきらめています。
イスラム教には偽善が無い、ということが重要だと、私は考えました。神道（本当はすべて道教）、仏教、儒教 のこの神・仏・儒そして、キリスト教 のこの ４つが駄目なのだ、と私が、船井幸雄論で断定したのは、この人類の４大宗教は、僧侶（偉い人、修行者）たちに、性欲（結婚） と 金銭欲（強欲） を禁止した。
日本語で言えば、「肉食妻帯（にくじきさいたい）の禁戒」です。そして、お金を汚（きたな）いものだと、考えて、お金の話をしないようにした。
私は、それは巨大な偽善だと判定します。 お金（商売、取引、利益活動）がなければ、人間は生きてゆけない。それを、汚いものを扱うように考えたのが、先の4大宗教だ。そして、僧侶（坊主、モンク、プリースト、サンガ、修行者）に 「女犯の戒」を科して、性欲を禁じた。
そのくせに、それでは、自分たちの大教団が運営してゆけないものだから、巨大な偽善を実践して、陰で隠れて、商売（経済活動、占い、まじない、経文売り、加持祈祷）をやったり、隠れて子供を作った。
それで、織田信長が、「この売僧（まいす、腐れ坊主ども）め」と怒って、比叡山の焼き討ちをやって、皆殺しにした。居ないはずの比叡山から、一万人近くの女、子供が、比叡山の琵琶湖側（坂本の町）に、山火事の炎に捲かれれながら、命からがら逃れ出ててきたが、信長はそれも「ひとり残らず、なで斬りにせよ」と命じた。
それで、その前に、それまで5百年以上も続いた、延暦寺（山門派）と 円城寺（えんじょうじ、＝三井寺、みいでら、地門派、大津市）
と、奈良の興福寺（こうふくじ、法相宗ほっそうしゅう）のが、まるで大学闘争（学生運動）のような、京の町まで巻き込んだ、僧兵たちの殴りこみ合戦が絶滅した。このあとは、一向門徒（本願寺派、親鸞の系譜）の時代になる。
私も、この腐れ坊主たちめ、と今も思います。 言っていることと、やっていることが違うのを、偽善（ヒポクシシー）と言う。何よりも偽善がいけないのです。自分たちの真理探究が続かないものだから、ただの宗教（信仰）にしてしまって、あまつさえ、「女犯の戒」と、物欲、経済生活の問題を、ひたすらごまかして、いい加減にして、 ずらして、とぼけて、そして、現在の 葬式仏教の、腐れ果てた現状だ。
厳しい修行が出来ない者は、山を降りて、そして、普通の人として生きよ。
だから、私は、神・仏・儒 は、駄目だ。そうよりも、素直で正直な 道教（タオイズム）の方を中国と日本の民衆（とりわけ女たち）が崇拝したはずだ、と納得が行きました。
イスラム経と道教は、この点で偽善が少ない。言っていることがやっていることと一致している。 お金儲け（商業活動）を認める。しかし、それと同時に、人助けのための喜捨（きしゃ）もしなさい。お金を貧しい人にあげなさいと解く。 シャリア、ザカードという。
男の性欲も仕方がない者であるから、力があって、金もある男は、4人まで奥さんを持っていい、とした。道教も同様のようだ。この正直さは、すばらしい。
私は、思想家として、正直でありたい。偽善が一番嫌いだ。今後は、だから、もっともっとこの世の、人間たちの真実を暴（あば）きたい。
私が、なぜ、神・仏・儒、そしてキリスト教団（人間への愛を説いたキリスト本人ではなくて）の4大宗教が嫌いかと言えば、それは、偽善が大き過ぎるからです。だから、もう、これらが世界民衆を支配するのは、飽き飽きだ、と思います。
このように私が思ったからと言って、今の現実世界が、どうにかなるものではない。信者たちの信仰の世界はこのまま続きます。しかし、私は、自分一個の問題として、「自分の葬式をどうやってもらうか」とか「先祖崇拝（これは良いことだ）」を仏教などには頼らない、ということで、道教の方が、ずっと正直でいい、という風に考えて、大きな真実を、あの論文「船井幸雄は道教の思想家だ」で、暴露（ばくろ）したのです。
道教（老子の思想）は、素朴なお金儲けと先祖崇拝と、そして人間の諸欲望の肯定をした上で、それを穏やかに自省させる良さがある。書いていることは、皮肉と逆説と、反対論 ばかりであるが。
神・仏・儒そしてキリスト教が、ユダヤ教の強欲・拝金（ラチオ、リーズン、合理、理性）の思想に、ぼろ負けに負けて、この2百年間ぐらい（東アジアでは、1840年の阿片戦争以来）からずっと劣勢のはずだ、と納得が行きます。自分たちの教義（原理）の中に、巨大な偽善あるからだ。
そして、文明間の衝突」（サミュエル・ハンチントン）によって規定されたごとく、イスラム教 と ユダヤ教の 大激突の時代になった。今世紀初頭からすでに中東で始まっていたのであるが。 大川周明（おおかわしゅうめい）は、バグダッドにいたドイツ軍と連帯するために、ゴビ、タクラマカン砂漠を越えて陸軍中野学校の情報将校たちが行こうとした（ほとんどは、ネパールあたりで、英軍＝グルカ兵に捕まって処刑された）ことの戦略を作って、イスラム教の研究をしている。
私は、人間は言っていることと、やっていることが違うのが一番いけないと、思う。それが偽善だ。どんなにみっともないことであっても、言っていることとやっていることが一致していれば、その人なりに正直な生き方をしているのだ、と認めることにしている。 自分たち自身の内部の巨大な偽善を隠しながら、大教団をつくる者たちは、滅ぶべきである。
しかし、このことは、簡単なことではない、と私も分かっている。言葉（理屈）などで、どうにかなることではない。
仏陀、孔子、アリストテレス は紀元前５００年ぐらいの人で、ほとんど同じ時代に表れている。 （キリストはその５００年後ぐらい。イスラム教のムハンマドは西暦６２２年に成立ですから、さらに６００年後である。） といことは、地球上にほとんど同じ時代に、大きく４つの地域に、人類の文明（古代帝国）が生まれて、同じように、真理を探究しようとする態度が、全く同時期に、人類の各文明で同時に発生した、ということです。
その後も、多くの思想家と宗教上の争いと、多くの人間の苦しみがあったのですから、素朴な言語ゲームだけで、何とかなる、ということは、無いと私は思います。
その後の、多くの、世界中で数千人の知識人たちの思想的な闘いへの、配慮も必要です。原理論だけを、いろいろやっても、どうにもならない。
真理は、解明されない、と私は厳しく判断しています。宇根君の「真理をめぐる言語ゲーム」は、部分集合のひとつでしかない、ということになります。それでも君の言葉（抽象語、観念語） の使い方は優れていて、意味があります。 どうぞその道を極（きわ）めてください。
それと同時に、 できるなら、文献を引用して、誰がどの本でどのように書いている、それに対して、自分はこう考える、という書きもしてください。 それは、君の原理論を完成してからでいいです。
副島隆彦拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[330] 『フランクリン・コード ３』 投稿者：ゴーマニスト左派 「我田引用」派 投稿日：2006/08/31(Thu) 08:13:32 名言★山本五十六 嘘を言うようになったら、戦争は必ず負ける・・・ 世論の指導とか、国民士気の振作（奮い起こすこと。）とか、 口はばったいことだよ。 （阿川弘之「山本五十六」より。） 〈引用サイト〉 http://blog19.fc2.com/o/orangekick/file/P_Isoroku.html
【防衛庁防衛研究所 資料閲覧室】 http://www.nids.go.jp/military_history/military_archives/index.html ［閲覧案内］の中に 「・・・中略・・・・資料の中には当館が所蔵していないものや、閲覧できないものもありますのでご承知おき下さい。・・・中略・・・」 「閲覧できないもの」は具体的にどんなものだろう？ �‘�本が意図的に負けたことを裏付ける資料 ��海軍上層部がアメリカと裏で繋がっていたことを裏付ける資料 ��ぼろぼろで保存状態が悪くて持ち出し不可能の海図など �せ核楔渊熟擦�お妾さんに宛てた手紙５８通 �ァ�マレーの虎゛ 山下奉文率いる日本軍によって終戦時に隠された とされる莫大な埋蔵金の場所を標した地図 � 銑い鮓�るにはどうすればいいのでしょうか？・・・アルル様 �イ覆蕁△修涼録泙魯侫献張椶琶い錣譴進�箱に入っていて、 映画『パーレツ・オブ・カビリアン／呪われた海賊たち』風になります。 【日本近代史の研究ＡＢＣ Ｂ・図書館を使う】［サイトより］ http://www4.ocn.ne.jp/~aninoji/nationaldifence.html
[329] 書評：『若者殺しの時代』（堀井憲一郎） 投稿者：マッドマン 投稿日：2006/08/31(Thu) 07:37:41題名から想像したのは「若者が戦争に送られていく時代が再び到来」「ユング心理学の父親殺しなどのアンチテーゼ」といった内容の本だった。
４７歳のホリエのアニキは1989年に大ブームとなったお涙頂戴小説「一杯のかけそば」から始まり１９８０年代の世相や思い出を延々と結末まで
続けていくのである。どんでん返しのアガサ・クリスティの推理小説や映画『スティング』以上の大胆な構成・展開である！『バカの壁』の二番煎じを狙ってインタビュートークを書きおこした
第一稿は出版社に断られたので、自分のやりかたで「今までに書いたことのないスタイル」で書いてみたそうだ。全盛期のツービート（たけし）の漫才のように５行に一回は笑わせてくれるサービス精神。そしてこの本は新たな「ホリイアニイ文体」を
生んだという点だけでも、過去２０年間に登場したマーケティング本・世相論本の中でもベスト３に入る歴史的名著である。（「負け犬」「格差社会」を凌いでいる）
ベイビーブーマー世代（「団塊」と言わずこの用語を使用するあたり著者がグローバルスタンダードにいることを証明）が中心にシルバー
世代までもがいつまでも若者気分でいるから、席が空かず、今の若者を抹殺しているという指摘は「格差社会論」を言い換えたものだ。
「若いことは素晴らしい」といつまでも本気で信じているおめでたい年金受給者、団塊の世代への痛烈な批判がひとつ下の世代の新人類世代（マッドマンより５歳年上の
ホリイアニイは浪人・留年だから同時期にキャンパスにいた）から徹底的にされている本だ。若者であることが楽しくなかったのは、大昔
戦争に若者の命が召集された６０年前以来である。「2006年の若者殺しは冬眠していた全共闘世代の挫折への不気味な復讐」という著者の
類推にはドキッとする。
バブルな８０年代をリアルで過ごした世代（下は３０歳から上は５０歳くらい）の人間にとっては、この本は８０年代へのタイムマシン気分で
やたらと楽しい。洋楽派の私などは、当時の音楽でもＢＧＭにかけたくなるくらいこの本は楽しい。この本の読者層はこれらの世代だろう。
属国論や陰謀論や経済・国際政治の要素をいっさい使わず、日本のカルチャーとしてのテレビなどだけでずっと語りつづけながら2006年の日本の
問題点を提示するトレンドウォッチャー堀井は凡百の学者・評論家・ジャーナリストをはるかに凌いでいる。第四章の「早稲田大学の漫画研究会が日本社会で
どのように見られてきたか」の半世紀にわたる世代へのアンケートだけでも、１冊の本として出版すれば戦後最も重要な本となることは間違いない。
日本中の全ての漫画家と交友があるのではと思えるくらいのすごい人脈である。この研究結果発表は貴重なものである。
結末を書いてしまいます。人間が記憶が使い物になるのが６０年がタームだから国家も６０年周期。ソ連は１９１７−１９９１。
日本は１８６８−１９４５でリセットされ、１９４６−今で既に６０年。延命できても２０１５年、もって２０３０年とはっきりと
予想している。コンドラチェフの周期論などの経済理論とぴたりと一致させている。そして、オリジナルな属国理論を展開する
クライマックスの１９０ページ以降を紹介する。
（引用開始）
１９４５年以降はアメリカ依存型だ。実のところ日本人は近代国家がきらいである。そのシステムを何とか放棄しながらやっていけないかと
思っている。近代以前がすきなのだ。自らを敗戦国とやんわりと断ってきた「鎖国」である。アメリカ東アジア戦略の基点であるかぎり、
不思議で居心地がいい世界が続けられる。しかし、３００年も続くわけがない。いずれ終わるのだ。早ければ２０１５年をすぎた頃に
大きな曲がり角をむかえる。
（引用終了）
マッドマンです。属国という言葉を使わずに、上記のようにわれわれの属国論や米国・日本の崩壊の年の予測まで全く的確な予測をしている著者に
驚嘆の念を感じます。そして、映画「スティング」のように最後の１分間でのどんでん返しで初めて、１０代・２０代の若者へのメッセージを
わずか１ページでおくるのだ。（若者の観客はまだ席に残っていたのだろうか？）
（引用開始）
今の若者は気の毒だ。わりを食う。社会形成に参加せずに、滅びいく社会の一員にされてしまうのだ。だから社会を破壊するかそこから
逃げるかのどちらかだ。逃げるには、伝統文化を身に付けることだろう。今のシステムをやわらかに否定するしかない
（引用終了）
「ニート」呼ばわりされることで、すでに第一逃亡軍は、縄をかけられ再び牢獄に連れ戻されている。だから２回目はうまく、やれよ、
という暖かいアニキの言葉でこの映画、いや小説、いや社会論文は終了する。
何という作品なのだ、これは。先日酷評した「誇りを持って戦争から逃げろ」の中山治の不親切さ、優柔不断さにくらべて、アニキは
実にやさしい。そして、鋭い。あの本の欠点、解決を提示しているだけでも堀井氏はまちがいなく２００６年に最も正確な国家論を
展開した人間だ。
属国論や陰謀論にとりつかれ、鬱状態に陥っている私のような人間へもホリイアニイはメッセージを送ってくれる。
「次の社会システムは何だろう」と頭で考えた時点で沈むからね。「考えるな、感じろ」
資本主義社会の次はなどと始終考えて、生活も楽しめないマッドマンのような人間はダメだと諭されている。
道場的にいいかえれば、次は道教へむかえ、という導きのようだ。
しかし、アニキ、伝統文化で大丈夫なの？
「外へ逃げるとつかまる。だから内へ逃げたら？」
「それって、ナショナリズムっぽくないすか、アニキ？」
「いや、文化ってそういうもん。文化以外は自分で探してくれよ。わりいな。」
あいよ。社会の要請に応じないことか、うーん、それならオイラも自信がある。リバタリアンでいいんだね。
永遠旅行者の海外在住、日本語教師。無駄な存在のオイラ。反ラチオで反グローバリズムのわたし。
２００６年４月にリリースされた傑作。講談社現代新書より７００円。全日本国民に推薦できる素晴らしい本だ。文句なし。（評価：５つ中４つ半の古典：★★★★☆）
[328] 「３１９番」投稿の修正とメールの修正 投稿者：宇根康裕 投稿日：2006/08/31(Thu) 00:50:43宇根康裕です。みなさん。こんばんは。
日曜日は休めましたが、ここ数日は仕事で考えることばかりです。
ところで、また、自分の間違いに気が付きました。
早速ですが、以下の投稿を修正します。
（引用はじめ）[319]儒教とユダヤ人 投稿者：宇根康裕投稿日：2006/08/26(Sat) 21:46:20
儒教とユダヤ人は、どちらも自然に逆らって考えている。
道教と老荘は自然でもって、儒教に反抗する。
自然に逆らって考えている人と、自然にしたがって思っている（感じている）人は常に対立する。
（引用終わり）
修正は以下のとおりです。
私は以下の仮説を立てます。
儒教は、理性中心で支配する宗教であり、道教を信仰する民衆は感情中心で支配（良くも悪くも）されている。（被支配）
以上は、「支配」があれば、「反支配」の前に「被支配」があることから、仮説を立てたものです。
次に老子にかんして以下に考察します。
老子は、理性中心の支配を批判（反支配）するから、理性と感情の間にいると考えられる。
そして、理性中心の支配を批判するから、被支配の道教寄りに見える。
理性だけでも批判できない。感情だけでも批判できない。
社会的な問題を提起すること、それを判断することは、理性と感情のバランスがなければならない。なぜなら、社会的な問題とは、理性と感情の問題だと考えるからだ。
修正終わり
追記 副島先生へ送った１通目のメールの修正分
理性と感情の中道を守るのが初期仏教であり、中道を守っていない教えは、すべて初期仏教から完全に外れている。
ブッダは自分の生き様（理性に支配されぼろぼろになって、ようやく感情とのバランスに気付く）を真似ろとは言っていない。
（どこかの本で書かれていたように記憶しているので探します）
理性や感情に支配された悪い人に対しては、理性と感情の間に立つ人は常に争う。
理性と感情のバランスを持つ人は、支配されることもなく支配することもない。
感情と理性に支配された人は、支配するか、または支配されるかである。
どこかの本で、仏教（それか老荘）は、「理性と感情の間で、どちらもあるから、利用されるのだ」と書かれていたように
記憶しているので、これも探します。
[327] こういう馬鹿がまだ１０万人ぐらいいるのでしょう。それ以上はいないと思います。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2006/08/29(Tue) 08:03:23副島隆彦です。 こういう質問をして来る馬鹿が、まだ１０万人ぐらいいるのでしょう。 それ以上の数だとは思いません。アメリカの手先である「正論」、「諸君」派の読者の数は、少しずつ減っていると思う。あの二誌の読者は、純粋な愛国派老人たちだ、などど甘やかしてはいけない。 本当に優れた、愛国の、かつ身体堅強な若者たちは、あの戦争で、出征して多くは死んだのです。
今の８３歳から８８歳ぐらいまでの老人で、生き残ったのは、丙種（へいしゅ）合格で、馬卒（ばそつ、馬引き）か 輜重(しちょう)兵にしかなれなかったような、貧弱な体をした人間たちだ。
あるいは、抜け目無く病気になったか、中曽根康弘のように、内務官僚あがりの主計将校（しゅけいしょうこう）で、自分たちだけ、台湾の大陸側を通って、アメリカの潜水艦にやられないように、いち早く内地に
逃げ返って、地方隊（何と、高松の通信隊）に隠れていたような、卑怯者ばかりだ。 私、副島隆彦が、いろいろの真実を見抜かない、と思うな。 歴史の真実をすべて暴いてやる。 副島隆彦拝
(転載貼り付け始め）
----- Original Message -----
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Tuesday, August 29, 2006 1:01 AM
Subject: 「昭和史からの警告」の記述について
副島様
書店に並ぶ本の著者に直接メールするということが初めてなので、何か不躾な点があればお許しください。
書店で貴方の本が目に留まり手にとって見たのですが、釈然としない部分がありましたのでメールさせていただきました。
“南京大虐殺”はあったとされていますが、それはいかがなものでしょうか？
この5月に出版された東中野修道氏の「南京事件 国民党極秘文書から読み解く」では詳細にこの事件の謀略を明らかにしています。端的に言えば、日本軍による処刑はあったがそれは国際法違反の便衣兵だったということです。
実態は国際法に照らして問題なしの処刑です。数も6670名と日本軍の記録に残っているようです。もちろん中には不幸にして一般人が誤認された場合もあったかもしれませんが、それをもって“大虐殺”と呼ぶことはできません。
日本軍の国際法的に正当な処刑事実をもって、“大虐殺”と騒ぎ立てた国民党の宣伝謀略に過ぎないのです。
それに当時の南京は国際都市であり、反日的空気の出始めていた国際社会にあって、日本軍は慎重だったと思います。国際法の遵守については優等生だったのです。
事実、掃討部隊では「良民に危害を加えれば厳罰に処す」との厳しい布告もされています。その他詳細は述べませんが、その他いくつもの証拠の積み上げの中で、南京では“大虐殺”などなかったという結論が出されているのです。秦（はた）教授の結論は今や古いものになっていると私は思います。
もう一点残念に思ったのは論理展開です。
“南京大虐殺”はあったと断じて、なぜそこからいきなり、「だから日本は中国を侵略したんだ、謝罪はすべきだ」という論旨につながっていくのでしょうか？
仮に南京でそうしたことがあったとしても、それだけで中国を侵略したという結論まで持っていくのは飛躍しすぎの論理展開です。戦争に前後する長い期間の一点の事実だけを取り上げて全体を結論付けるのは、中抜きの横着ではないでしょうか。
それに、「侵略」という言葉のもつ響きから連想される悪辣さを考える
と、複雑な環境にあった戦前日本の立場を語るときに、勢いに乗ってこの言葉を使われる姿勢は不用意であると、私は思います。
もう一点、重慶爆撃が無差別爆撃のように書かれていますが、これも違います。無差別ではなく戦略爆撃です。重慶爆撃は軍事拠点を目指したものであり、外れて民間施設に落ちたことはあったようです。
爆撃の性格からも規模から考えてもアメリカの日本本土空襲と並べて論じるとは言語道断です。米軍の本土空襲の遣り方の酷さは言うまでもありませんが、日本軍はそのようなことはしていません。
「爆撃」という単語からの比較をされているようにしか思えず、ここでも論理の飛躍というか事実経緯無視をされています。実態に即していないと言わざるを得ません。
これらの点について、調査不足なのか意図的なのかわかりませんが、基本的事実の押さえが乏しいと思います。これだけの著作がおありの方にしては…というのが率直な感想です。
「諸君」「正論」の論者を激しい勢いで売国奴呼ばわりされていますが、それも私にとっては眉をひそめる意見でした。ご見解があれば、何がしかのご回答をいただけると幸いです。 二村
二村さまへ
副島隆彦です。
拙本へのご意見のメールをいただきました。
貴兄のような人間が、まだ１０万人ぐらいは今の日本に居るのでしょう。
満州事変以降、最大時、中国大陸には、２００万人の日本兵がいました。そのうち旧満州地区(今の東北部）だけで６０万人ぐらいの兵員でした。その他に居留民の企業家や商店主層たちも数十万人がいたでしょう。
外国の土地に２００万人も兵隊を置いて、それで侵略ではない、通州事件で日本人が数百人残虐な殺され方をした、だから日本人居留民を防衛するために日本軍が仕方なく出兵したのだ、とか、あれこれ言いたいだけ言いなさい。 貴兄らは馬鹿だ。
外国に、他の国の軍隊が居て、軍事行動をしたらそれを侵略と言うのです。国際社会の長い伝統の中から生まれた国際法（戦争と平和の法、グロチウス著）を無視したことを言わないでください。 「産経」と「正論」は、アメリカのグローバリスト(地球支配主義者）の手先なのです。貴兄ら、たいして頭のよくない、(自分では賢いと思っている）物事をさらに深く考える力のない人間たちは、コロリと騙され続けるのです。
今の自分の考え自体を疑う、ということをしてみようかなと、微（かす）かにも思わないのでしたら、あとはご自由にどうぞ。 あなたの頭はあなたのものだ。私とは無縁です。
中国よりも、アメリカを見つめなさい。アメリカが、日本に対して何をやったかを考えなさい。弱いものいじめの精神をやめなさい。 強いもの（アメリカ）には、へいこら するか、語らない、という卑怯な態度だ。
貴兄らは、「自分こそは、愛国者だ。日本民族主義者だ」 と信じ込んで、アメリカに敗戦後、ずっとクルクルパーにされて洗脳された人間たちです。 少しは反省しなさい。
アジア人どうし戦わず（戦争せず） が、何があっても正しいのです。
自分の顔を鏡に写してよく見て御覧なさい。そこには、貧相な東アジア人の顔があるでしょう。 じっと自分を見つめなさい。
他の質問点は、私が書いた他の本を読みなさい。すべて詳しく書いてあります。読みたくない、というのであればそれまでです。さようなら。
あるいは、私は公開の講演会にも呼ばれれば、どこへでも行きますから、その時に質問してくだされば、どれだけでも細かく答えます。
あるいは、私は、私の読者の人たちからの質問に答えるためだけの講演会（討論会）を開くべきなのかもしれません。 副島隆彦拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[326] Re[324]: 『誇りを持って戦争から逃げろ！』（ちくま新書：中山治）への書評 投稿者：土井敏喜 投稿日：2006/08/29(Tue) 01:29:04広島の土井です。 マッドマンさんの書評に、ありがとうです。
中山治『誇りをもって戦争から逃げろ！』の精読ならびに問題点の究明は、助かりました。この本のもつ弱点とこれからの課題を的確に指摘されてい て、ありがとうございます。
これらの問題分析・「逃げるための」意思決定、さらに潜在的問題分析を深めて、各自が「具体的」にいかに対処できるかを考えていければいいと思います。
【承前】
私は、humanitiesの輩ですから、「学問」として、「逃走権」とは、「六法全書」や「国際法」ではそんな権利があるのか不明ですが、自分だったらどうするのかという観点で、自分で出来ることがあるかないかを考えながら読みました。
また、「岡田英弘・日本誕生」に比すれば「珍説」かもしれませんが、日本列島に逃げてきた類族は、折口信夫・柳田國男・井筒俊彦を初め諸説があります。最近では、栗本慎一郎『シリウスの都 飛鳥-日本古代王権の経済人類学的研究 蘇我氏・聖徳太子は、どこから渡来してきたのか?!-』（たちばな出版刊）もあります。より先鋭なのは「-天皇と華僑-聖徳太子は曽我入鹿だった」（副島隆彦）『天皇の伝説』オルタブックス：ＳＮＳＩオンデマンド版2003.2.10)があります。
ついでに言えば、Wikipediaは参考にならないものも多々あります。誰が書いたかによりますね。
【逃げる対処法には：５Ｗ１Ｈ＆ハウ・マッチが必要】
１．「逃げる」ためには、あらゆる問題点を究明して、解決の為の準備が必要です。「ボート・ピープル」もあるのかもしれませんが、脱北者が中国の日本大使館に亡命拒否された事例があります。最近のヒット作・復刻映画『日本沈没』（小松左京・原作）の本を昔々呼んだ時に感じたのは、日本の外交は「そういう事態に耐えうる外交をしているのか」という疑問でした。現実は、天木直人氏が指摘されたような状況ですから、アウトにならないようにはどうすればいいのかです。もはや、個人的に考えておくべきでしょう。
「何処に逃げうるか」は、マッドマンさんが、現実に体験されている英国生活から得ている実感の通りでしょう。私に近しい子は、豪州の高校留学を経て、米国の大学卒なので、豪州か米国の大学院に行けるよう「準備」をするとか。年齢に関係がないので。それには、人脈とコネと金がいります。具体的な手段は「考えてみる」だけでも損はないと思います。
私自身は、年齢的に逃げる意味がないと判断しています。再びヒロシマはないから、いや３度目の正直ということもあるかな、と考えます。「軍都・広島」ということはよく指摘されれますが、戦前の広島市は、地域外から訪れると「異様な雰囲気の町」だったそうです。だから、「原爆」が落とされたという一面もあります。それが「軍都」の持つ本当の意味です。私はその雰囲気を全く知りませんが、今の日本にそのような「異様な雰囲気」を感じさせる町が、「関東都市圏」でもすでに出来つつあるのではないでしょうか。そういう町に住むことを避けるのがまず第１です。（そういえば、昔、座間キャンプの図書館でアルバイトしたことがあります。）しかし、新幹線や飛行機で移動している時には、常に「仕組まれたテロ」が起きる可能性があります。旅行先がそうかもしれません。なるようにしかならないから、自然体です。肉食という共食いを止めて久しいのですが、これはＢＳＥ対策もありますが、「清らかな」精神状態で悪い波動を防ぐためでもあります。（半分冗談で、半分本気です。おかしいですね。）但し、食糧だけは、既に「安全保障」のために確保できるよう準備済みです。これが私の出来る最高の対処法です。
２．ついでに、 「アイデンティティ」とは、「存在証明」と訳されるのが普通ですが、生まれてからすぐ「戦後民主主義」を至上のものとして、洗脳されつづけた世代としては気になる課題です。バブルが弾けた後の「心の破産」は、何をもたらしたか。「モノ・カネ」を失っただけで、1年に3万人の自殺者という数字の他に、潜在的に「ココロ」の劣化がますます進んでいると思います。
私は、このアイデンティティを「自分自身の物語」と「意訳」して理解してきました。この「自分自身の物語＝アイデンティティ」が自分の心の中で不安になる時に、「いい生活」を維持するために、逆にアイデンティティを意識するというハメに陥りました。マッドマンさんいわく「何を守るか」とは確かに、くだらない言論より、「失業もなく、夢や希望やモラルが生きていた『いい生活』を守る」、ということになります。ですから、私にはこれらは表裏一体の問題です。
３．最後に、＜私の安全保障論＞を付記します。
「憲法９条を守り、核武装中立」論が、私の結論です。
ここまでは、マッドマンさんと意見が大きくは違わないかと思います。人類は、もう原・水爆は使えないという事が前提になります。限りなく「核」に近い劣化ウラン弾でさえ、「被爆者」が多く生まれています。これだけ核保有国が増えたので、今でも在庫も含めて全てを使い切れば、原発が稼動していることも合せて、人類は「種」としての存在することが出来ないと思います。
最大の懸念は「種としての人類」が、破壊のＤＮＡをもっていることです。本来の宗教は、それをよく知る上で生まれてきたのだと思いますが・・・。「植民地」「属国」から「独立自尊」へも・・・。
現実に議論出来たらいいなということを考えてみました。前提は、私が顔をイメージできる人たち、ここでは、市民という「特定少数」を対象」にします。その論議の後に、不特定多数の市民に開かれた「空間」と時間」での議論が約束されていることです。
以下は、今まで考えてみた個別的な条件です。
�＼瀉崗貊蠅蓮峭�島市内」であること。
（＝ヒロシマから平和をつくること。国家を開くこと。）
�◆嵶参髻廚�得られるまで「住民投票」で承認を求めつづけること。
（平和とは「戦争していない状態プロセス」だと定義すること。)
��このため、了解（＝時間）が得られるまで「プロセス」重視し、「核武装中立論」の意見を集約する「場」を設置すること。
�の磴─⊆尊櫃寮瀉屬忙蠅蕕覆い泙任癲岾防霑�」をする意志を、日本・世界に向けて発信すること。
(戦争の反対語は平和ではない。平和は行為Doはない。「つくる平和」論に方向を転換すること。)
�ザ饌療�には、毎年の8/6の「平和記念祈念式典」で、市民の意見集約を、日本・世界に「情報公開」すること。
・・・等々、上記の議論のプロセスが収斂（しゅうれん）する時と場が可能であるかどうか？毎年の「平和記念式典の行事化」は、だれが得をしているのか分からないので、「平和をつくる」議論の場に転換が必要なのですが、ヒロシマではまだタブーに近い。
今のところ官が敵他「条件」は以上です。過不足については、まだ整理できていません。
また、考えを整理して、意見交換をしましょう。
マッドマンさんの「逃げる前」に、「騙されないこと、よく調べること、などなど、逃げる前にやることはまだまだたくさんあるはずだ」という意見に賛同します。特に、アメリカと中国双方が「得をする戦争」の「予兆現象」を常に観察していたいですね。
さらに、イスラーム研究者の井筒俊彦(1914-1993)の一連の著作と、イスラームを経由した「アジア主義」のプロセスを歩んだ大川周明や、北一輝の研究、石原莞爾の行き着いた『世界最終戦争論』（中公文庫）も、同じ時代性として「大東亜共栄圏」に至った道のりを見直す研究も必要かもしれません。目的は「アジア人同士闘わず」のためにです。
思いつくままの、取り敢えずのマッドマンさんの「書評」へのお礼でした。
＜了＞
[324] 『誇りを持って戦争から逃げろ！』（ちくま新書：中山治）への書評 投稿者：マッドマン 投稿日：2006/08/28(Mon) 08:02:22�仝悗蠅呂發討襪�、逃げられるのか？ジョン・レノンは「人を殺して国に貢献した軍人たちが勲章をもらえるのなら、人を殺さず音楽で楽しましたのだから僕だって勲章をもらってもいい。」と1965年に発言した。
戦争はセックスより猥雑である。戦争するくらいならセックスでもするほうがいい。(Make Love instead of War) ジョン・レノンとオノ・ヨーコのベッドの中からの1969年の平和メッセージは痛快だった。
「誇り」を持つことはできる。問題は、私が逃げても、戦争は私を追ってきて捕まえるのではないか？逃げ切れるのか？答とヒントが書かれている本なのだろうかと思い、買って読み始める。
��国家が困る、国民の奥の手は「逃走権」
「逃走権」というのだそうだ。第三章『「戦争放棄」は庶民の伝統』がこの本の要の章である。104Pから引用。
（引用開始）
人にも国家にも自衛権がある。（略）自衛権には「逃走権」「反撃権」の２つがある。ナチスドイツの侵攻にあった国くにの人は外国へ逃げた。ドゴールはロンドンに亡命し、亡命政権を樹立した。これは「逃走権」という自衛権の行使だ。（略）春秋戦国時代に日本に逃げてきて今日の日本の礎を作った人もそうだ。（略）日本人の祖先は戦争を避け海のむこうに楽土を求めて逃げてきたひとたちだ。
（引用終了）
この祖先論は岡田英弘先生の本にもでてこない珍説だけれど、法学的にはどうなのだろう。
�Ｋヽ愿�な「逃走権」の根拠は？
「逃走権」について法律的な説明・歴史的な説明がこれ以上著者からは本の中で全くないのでウィキペディアを引いてみると全く出てこないのである！！「自衛権は『自然の法則』で法律でどうこういうまえに存在する自然権である」と著者は言うので、今度は自然権を辞書でひいてみる。
ああ、倫理の時間に勉強したホッブズとかリヴァイサンね。同辞書での「自然権」の定義は次のとおりだ。
（引用開始）
自然状態をどう見るかによって次節のように以後の議論が分かれるが、いずれも自然状態を、それだけで完全に自足的かつ持続可能な状態とは考え得ないことで共通している。であればこそ、わざわざ無限の自由を捨てて、人間は社会契約を結び、政治に縛られる社会状態へと入るという選択を余儀なくされるのである。自然権は自然状態において人間が持つ権利である。
（引用終了）
政治思想を勉強したことのない素人の私には「自然権」自体が全くわからない。「自然権」自体が存在する権利なのかどうかあやふやなうえ、「逃走権」「自衛権」などという権利はあるのか。まさか著者の中山治が作った言葉ではあるまい。誰が言い出したのだろうか。学説の根拠とその発展この権利を実行した実例など簡単に歴史を説明してほしかった。属国の軍隊についての理解や解説はしっかりしている著者。だったら、過去の歴史の属国の国民が「逃走権」を起用した話はいくらでもありそうなのだから、その話がひとつでも本著でされなければおかしい。不親切な本だ。
副島先生、教えてください、と泣きつきたくなる。
�に椽颪悗了笋良床繊複気鎮羸隠海槌勝А�★★☆）
1947年生まれ自称「庶民派マキアベリスト」の著者は７０年安保時の右翼からのち左翼、今は脱政治イデオロギーの心理学者。世代論的には
まさに「団塊の世代」。学歴・経歴から明らかに欧米のロジックで本や論文を書いていなそうな人だ。本の基本としてまえがきに短い結論、各章の構成で全体を論理的に構築し、最終 章で結論といった本の書き方をしていない。同じ文章を何度もあちこちにくりかえしたり、話が突然に逸脱したりと、文章を読むことが読者にとって苦痛になってくる。エッセイとしても反則なのだが、ところが不思議なことに著者の主張は案外としっかりしていて揺らがない。文章は最悪だが、主張はわりといいのである。嫌いな本だが著者の主張には賛成したい。だから、なおさら読みづらい本でした。疲れる。
引用がなく不親切な本だが、著者が読んでいる本はここ１０年の新しい本ばかりで（副島先生の『属国論』(97)もその一冊）、情報や視点はかなり新しい。2006年に日本の将来の国家戦略を考える上でいい本なのである。アルル君や広島の土井さんがこの本を紹介されたのもこの点からであろう。
�ァ嵌麌霑�中立」はありえない：正しい主張
著者は「武装永世中立」の例としてスイス・オーストリア・スウェーデン・バチカン市国をあげている。私もこの立場である。ところがどうやら著者やアルル君や私のような主張派は２００６年の日本全体の中で超少数派のようだ。「だから実行は難しいだろう」と著者が本で書いてしまっては身もふたもないのだが。たしかに国民に意志がなければ実行はできない。
日本が米国の属国から独立する方法は消去法としてこれしか選択肢はないはずなのだが反発を招くのである。そしてその代案は絶対に彼らからは出てこない。属国論や陰謀論を認めている日本人でさえも「当面は属国のままでいい。」として「武装永世中立国論」に嫌悪感を示してくる。
属国論が理解できる日本人は日本人全体の中でも頭のいい人たちである。頭がいい人でも気概をもって独立しようという体を伴う人間は少ない。
2006年の今、７割の国民が格差社会に反対という結果を出してきているので「日本は米国の属国だ」と認める人はこの２年間くらいに急激してよりこの７割に近づいたと私は勝手に推測するが、独立国になろうと誘っても賛成が２割くらい、「武装永世中立」ましては核などと言い出したら１割も賛同は得られなそうだ。
「わかりました。米国の属国のままで今後も金や命を米国にむしられましょう。広島・長崎以上に破壊するまで。今年は４万人の自殺者目標！」「今度は中国の属国になりますか？抱かれるのなら黄色がいいよね」と面とむかって言うとほんとうに嫌な顔をされる。
昔から日本人は「ボート理論」です。このままだと沈没するボートから誰か一人を降ろそうとすると「かわいそう」と言う。「じゃあ、全員で沈没するんですか？」というと全員で黙ってしまう不思議な国民だ。欧米人のように議論して「誰々さんに降りてもらおう、〜だから」といった議論をしない。
�ζ�本は何を守るのか？
日本の何を守るのか、という質問は会員の水野さんからも頂いたがこの本の１３３Ｐに同じ質問と答えが書かれている。もちろん、イデオロギーとして守るのは今の日本には何もない。自分の家族や自分の健康や財産くらいでしょ。
著者の指摘通りで、勝つ気がなければ戦争には勝てない。だから日本は米国に太平洋戦争で負けたのであり、米国はベトナム、イラクとこの点で勝てない。出来レースではまして何をかを言わんや。
一般庶民にとっては「家族を守るため」以外に死んでもいい理由は見当たらない。水野さんの質問に答えるとなると、私（マッドマン）にとっては「いい生活」だ。高度成長期やバブル時期のように失業もなく、夢や希望やモラルが生きていた「いい生活」だ。アイデンティティはいらない。いい生活で心身に余裕ができれば、道徳心、国家・国民としてのプライドはあとからいくらでもつけられる。負け組の人間にとっては2006年の今は生活レベルは1972年くらいまでバックスライドしている。このままでは１９４６年の敗戦時の生活レベルまで確実に後退する。ゆっくり沈没するまでこのままでいいというのんきな「田舎者」日本人ならいいのだろうが、私はいやだ。後退はここでストップしてほしい。他の日本人がこのまま「タイタニック号」とともにゆっくり沈むつもりなら、私は泳いででも脱出したい。逃げて、逃げて、逃げまくるわけだ。
�С防霑�してどうする？
髪型を変えると気分まで変わってしゃきっとすることがある。外見だけ変えたって内面が腐ってたら同じだよと揶揄する人間はここがわかっていない。外見を変えると内面まで変わることだってある（自立心を取り戻す）。なにより、髪形や洋服を変えると、同じ発言をしていても世間やまわりの対応が変わることがある。
日本が核武装すると宣言すると、「アジアの他の国はどう思います？」「米国の軍に利用されるだけですよ」の反論がかならずある。しかし、今のままだと自衛隊が自衛軍という米国の尖鋭軍隊になってしまい、９条が改正されると、外国へ軍隊が自由に派遣できてしまう。そして先制攻撃権が発生するということは、先手をうたれて、日本国内に一瞬にして攻撃されるということである。軍隊の理論からすればたしかにそうだ。著者の説明通りである。
米国と中国とのトライアングルをできるだけ正三角形に保つためには�ヽ砲鯤殕�すること��中立国になること の２つの同時実行は米国と中国の両方への牽制という点で悪い戦略でないと思う。
日本にとって最悪のシナリオは米国と中国の両方から八つ裂きにされていくことである。（すでに兆候があるではないか？）この本の中で評価できる点は、中国が先制核攻撃を日本にするシナリオを紹介している点だ。低いと思われる可能性でも検討して事前対策するのが国家戦略というものだから、正しい指摘だ。
��逃げ方までは教えてくれなかった本
逃げるには覚悟と訓練が必要だ。これは内ゲバ経験者の話からもよくわかる。そのためのマニュアル本はないのだろうか。同書はなにも教えてくれない。外国に逃げるか、田舎に逃げるかなどと曖昧な答えだ。著者本人は果たしてどこへ逃げるつもりなのだろうか。
永遠旅行者を実践中の私としては、「国家から逃げろ」をテーマにした橘玲氏のＨＯＷ ＴＯ本の方がはるかに親切、役にたつ本であった。ベトナム戦争を忌避した戦士の本でも探してみるか。国籍・ビザの研究も自分でやらなけりゃならない。幸い私にはイラク戦争に反対して米国籍を放棄して英国に来たような仲間たちがここロンドンにたくさんいる。彼らからの話のほうがこんな本よりも「誇りをもって逃げた」貴重な言葉だ。
ところで、著者が指摘するように、逃げるのが上手な軍隊の人間が戦争を放棄する可能性を考えることは大事である。政治家たちなど戦場にも行きもしない逃げ隠れの名人。だからわれわれ一般人は「誇りをもって戦争から逃げていい」のだ。そのとおり。
��外国の視点や陰謀論は読んでいない著者
天皇はいつの時代も生き残りのために強い者の保護が必要（だから戦後は天皇からＧＨＱ米国にのりかえるのは当然）という著者の指摘や第二章の三島由紀夫の項はとてもよい。しかし、山本五十六を評価している点、この著者はまだ甘い。当然、米内まではまだ届いていない。戦争は
金融資本が作る金儲けの手段である、帝国の公共事業であるという２点
がはっきりと提示できなければ「戦争からどう逃げるか」というアドバイスはできないはずだ。
��気になる小室直樹先生への著者からの批判
同書２１８−２１９Ｐより引用します。
（引用開始）
「私が小室直樹氏と決定的に考えを異にするのは、アノミー進行をマッカーサーのマインドコントロールに帰するか否かの点だ。私は日本社会のアノミー進行はマッカーサーのせいではなく、過去に自力で精神的基盤を練り上げてこなかった日本人自身の精神的弱さにあると思う。自前の思想がもてないのだ。高度成長期時代にスカスカぶりを指摘していた小室は天皇愛国主義に処方箋を見出した。私はそれは時代錯誤だと思う。
外国の思想のほうがずっと魅力的だ。今の日本はこちらが多数でないのか。自前の思想は日本人が自分の頭で考えてこれから作りだすしかない」
（引用終了）
小室先生は別に処方箋を見出してはいないと思うのだが。この著者は小室先生の本を読み違えていないだろうか。理論のモデルとして天皇制が優れていたことは指摘されていたが、「天皇制に戻ろう」という主張を小室先生がされていたはずがない。
��結論
「戦争から逃げろ」という主張は自分と似ていても、読後になんだかもやもやした気持ちが残る。
アルル君が自分のホームページで書いていたように、この主張には賛成するが、やるなら徹底してやらなければだめだ。本を出版して主張するのに、「私は自分の主張を読者におしつけたくない。読者自身が自分なりの考えを決める参考にしてくれればいい」（ｐ２２１）とか「もっといいアイデアがあったら提案してほしい」とか書かないでほしい。
提案を求めるのだったら本にホームページのアドレスでも載せてくれればいいのに。
戦争が起きたら逃げるしかないだろうが、戦争を起こさない方法があればそれが一番いいのである。森田実先生はさすがに元左翼運動家としても格が違う。「絶対に戦争してはいけない。徹底に話しあって論議するので日本はいいのだ」の言葉は自らの経験から重くかつ優しい。やはり中山治の本に欠けているのは「絶対に戦争しない意思」そのものである。まだ選挙という武器を国民は持っているし、平和運動や言論の自由内での活動も今のところは（厳しくなってはいくだろう）十分できる。
騙されないこと、よく調べること、などなど、逃げる前にやることはまだまだたくさんあるはずだ。それでも起きてしまったら（敵は手強いから今後も戦争をしかけてくるだろう）、その時に逃げればいいのだ。
平和と空気と水がただの日本も時代は変わった。2006年の今、空気にも水にも値段がつけられてそして平和を維持することが最も高くつく時代になってしまったのだ。
[323] Re[322]: 反キリスト(笑) 投稿者：会員番号１２５９ 投稿日：2006/08/28(Mon) 07:08:51会員番号１２５９泉ピン子 反キリスト
ダビンチコード レオナルド・ダビンチもイルミナティーの総長のひとりであった。
で、ローマンカトリックに対する影よりの攻撃である、最後の晩餐の絵の中のマグダラのマリアの存在の暗示。マグダラのマリアは妊娠していた。その血筋はローマンカトリック側からすると反キリスト。その血筋が現在までうけつがれているとすると・・・。誰か？
６６６のオーメンの映画を見ていてひらめいた。ダミアンが生まれたのはいつ？
ダミアン・・女？泉ピン子をネットで調べた。１９４７年生まれ。まさにイスラエル建国の前年。聖書にも反キリストはユダヤ民族の建国の直前に生まれるとある。世界中から同胞が聖地に戻るまさにその時とある。ピン子のプロフィールにもその事がそのまま書かれてある。
１９４７年に生まれた人の一覧です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/1947%E5%B9%B4
「livedoor キーワード」から転載します。
（転載開始）
1947年生まれの...
65% は 泉ピン子 で出来ています
34% は スティーブン・キング で出来ています
1% は その他 で出来ています
http://keyword.livedoor.com/t/1947%E5%B9%B4%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C
（転載終了）
[322] 反キリスト 投稿者：金井克己 投稿日：2006/08/27(Sun) 17:44:07会員番号１６４４ヒラリーロダムクリントン 反キリスト
ダビンチコード レオナルド・ダビンチもイルミナティーの総長のひとりであった。
で、ローマンカトリックに対する影よりの攻撃である、最後の晩餐の絵の中のマグダラのマリアの存在の暗示。マグダラのマリアは妊娠していた。その血筋はローマンカトリック側からすると反キリスト。その血筋が現在までうけつがれているとすると・・・。誰か？
６６６のオーメンの映画を見ていてひらめいた。ダミアンが生まれたのはいつ？
ダミアン・・女？ヒラリークリントンをネットで調べた。１９４７年生まれ。まさにイスラエル建国の前年。聖書にも反キリストはユダヤ民族の建国の直前に生まれるとある。世界中から同胞が聖地に戻るまさにその時とある。ヒラリーのプロフィールにもその事がそのまま書かれてある。
[321] 先生の本を読んで 投稿者：原 千春 投稿日：2006/08/27(Sun) 14:04:09初めまして、原です。情報配信システム会社「株式会社 夢大陸」と福岡コミュニティ放送株式会社を経営しております。副島先生の著作は、船井先生からお聞きして購入、拝読。今、現在読み進めております。まさに、目からうろこ状態です。例えば、ロックフェラー。これは、以前私が証券会社と信託銀行に勤務した経緯から「ご納得」です。また、月面に関しては、以前スメソニアン博物館隣の宇宙博物館（大きな建物）でアポロ関連の展示を見ております。月の石は、桜島の溶岩のようでした。ロケットも展示していた記憶（５年前）があり、とにかく「え！！こんなもの？」「キレイ！！汚れていない」という素人一般人の感想です。ウワサは、確かにあります。副島先生の真実を追究する姿勢に感服しております。金融は、証券時代から「どうして？？アメリカ商品ばかり」「毎月分配型：大丈夫？デフォルトしそう」の印象強く、しかしながら給与を頂く身分では会社の為にＭＵＳＴ商品を売りさばいておりました。先だって、日経新聞夕刊に「毎月分配型・中高年に大人気」という一面に見出しがありました。びっくりです。新聞が、キャッチコピーとは、、、。毎月分配型は、タコ足配当と呼ばれていました。以前２回ほど、運用が悪く途中償還された商品がいくつかあったはずです。現在、一般の方が申し込みされている商品は単価はもうすでに割れています。元本割れ商品が多いと思います。証券会社の体質は、バブル時と同じです。全く変わません。最近は、銀行までが投資信託販売です。窓口の女性の商品説明の言葉は、かなり未熟です。しっかり、勉強して欲しいと思います。http://www.yumetairiku.co.jp
[320] Re[317]: 『フランクリン・コード ２』 投稿者：アルルの男・ヒロシ 投稿日：2006/08/27(Sun) 07:28:40ゴーマニスト左派さんへ春名幹男氏の著作からの引用の紹介有難うございます。
何度もこの本は読んだつもりになっていましたが、フリーメーソンと戦前・戦後の日本の指導者の話がここまで露骨に書かれているとは気がつきませんでした。
幣原喜重郎にせよ、山本五十六にせよ、親英米派であるがゆえに、太平洋戦争で日本がアメリカと一戦交えると決まった時点で何らかの「敗戦の戦略・戦後の和解」計画を発動させているように思いました。
その犠牲が300万柱の英霊というのが見合うコストだったのかというのははなはだ疑問ですが・・・。
某アニメが指摘しているように、米内光政が「この戦争日本は勝ってはいけない」と信じていたとしたら、永遠に十字架を背負って彼らは生きていかなければならなかったでしょう。
麻生外相も原作を愛読している某アニメ（リンクで動画に跳びます。フラッシュ使用）
今のところ言えるのはそれだけです。あまりにも規模の大きい話なのでなんと言ってよいやら判りません。戦前の水交社の名簿は防衛図書館にあるようですが、対応がいい加減でしたので、実際に行ってみても満足に閲覧できるかどうか判りません。
[319] 儒教とユダヤ人 投稿者：宇根康裕 投稿日：2006/08/26(Sat) 21:46:20儒教とユダヤ人は、どちらも自然に逆らって考えている。
道教と老荘は自然でもって、儒教に反抗する。
自然に逆らって考えている人と、自然にしたがって思っている（感じている）人は常に対立する。
[318] はじめまして 投稿者：宇根康裕 投稿日：2006/08/26(Sat) 21:09:51はじめまして
会員の宇根康裕です。
京都で技術開発をやっています。現在２７歳です。
掲示板「３１５番」に自己紹介と私の考えが紹介されています。
その後も副島先生にはメールで何度も書いています。
先生に間違いをご指摘いただき、私は完全に理解しました。
副島先生、本当にありがとうございます。
そして今、芸術（人間の持つ「自然」を最大限に引き出そうとすること）はすばらしいものだと
理解していますし、そう感じます。
考えることは自然に逆らう作業で、ユダヤ人はそれをやりまくっているということを理解しました。
すべてのメールの内容をまとめるのは時間かかるような気がしますけど、非常に重要です。
多くのことが解決しましたし、なんとか明日は頭を休めることができそうです。
頭を使った後は、すばらしい音楽でも聞いて頭を休めるのがいいのではないか、と本当に思います。
【注意】すばらしい音楽を聴きながら、頭を使うことはできません。
これからもよろしくお願いいたします。
[317] 『フランクリン・コード ２』 投稿者：ゴーマニスト左派 ＮＣＩＡ阻止派 投稿日：2006/08/26(Sat) 08:24:32（Ｐ１５〜 引用始まり） ・・・中略・・・ フリーメーソンは、「世界を陰で操る組織」とも言われてきた。 秘密の儀式や掟など、今でもベールに包まれている部分は少なくない。だが、彼らが世界を支配してきた、などという「陰謀史観」はきわめて疑わしい。 はっきりと断定できることは、フリーメーソンの主要なメンバーが世界をリードしてきたという歴史的な事実である。 アメリカでは建国の父ジョージ・ワシントンやベンジャミン・フランクリンら、独立の指導者の多くがメンバーだった。 ・・・中略・・・ 連合国軍最高司令長官ダグラス・マッカーサーは熱心なメンバーだった。マッカーサーは一九四九年七月、フリーメーソンの同志に祝辞を寄せ、「日本における組織の再興は、占領を支える強力な精神的支柱」になるとたたえた。戦後、日本のフリーメーソン組織は東京。芝、東京タワー近くの旧海軍将校クラブ「水交社」跡に再建された。 ・・・中略・・・ 戦後再興されたフリーメーソンは、日本のリーダーたちの間に、地下水のように浸透していった。「当時、公職追放を逃れようとしてフリーメーソンに入った日本の指導者も多い」フリーメーソンの日本グランド・ロッジ（本部）関係者はそう言う。 〜Ｐ１８ ・・・中略・・・ Ｐ７７〜 知日派ザカライアスの策略 ワシントンの在米日本大使館前の緑濃いマサチューセッツ通りを二キロあまり北西に行くと、ウィスコンシン通りと交わった角に、古いアパート、アルバンタワーがあった。戦前はこの四階に日本の海軍武官があった。太平洋に緊張が高まり始めた一九三○年中ごろから、この武官室を舞台に日米の激しいスパイ合戦が展開された。 主役は、そこから約一キロ北のポーター通りに住んでいた知日派のエリス・ザカライアス大佐である。ザカライアスは米海軍情報部（ＯＮＩ）に所属していた。あの手この手のテクニックを駆使して情報工作を展開するこの情報将校に、日本海軍は何度となく煮え湯を飲まされた。 ザカライアスは一九二○年、語学研修生として東京に派遣された。逗子に住み、巧みに日本語を操った。当時、米海軍で彼以外に満足に日本語ができた将校はいなかったと言われる｡ ザカライアスは米海軍きっての知日派で、山本五十六、野村吉三郎両大将らと親交を結んだ。 ・・・中略・・・〜Ｐ７８〜・・・略 （『秘密のファイル ＣＩＡの対日工作』上巻 新潮文庫 春名幹男 より引用終わり） 〈参考サイト〉＠映画の森てんこ森 「ナショナル・トレジャー」 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★☆ 是非ご覧ください。紹介していたニコラス・ケイジのインタビューサイトがブロックされてしまいました。 ＣＩＡ？ http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/NATIONAL_TREASURE.htm
[316] 読者からのメールを転載します。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2006/08/25(Fri) 06:48:59読者からのメールと、私の返事メールを転載します。（転載貼り付け始め）
----- Original Message -----
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: "副島 隆彦" GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Thursday, August 24, 2006 4:55 PM
Subject: Re: はじめまして
さっそくご返事をいただきありがとうございます。
陰謀論については今までもいろいろな方の本を読んできました。ジョン・コールマンさんとか。
副島さんの『預金封鎖』も買って読ませていただいていまし
た。私も危機感を感じてはいましたが、書かれていることの情報の信憑性（しんぴょうせい）をどこでとったらいいのかわかりませんでした。
それが、副島さんが船井さんと共著で書いていただき、船井さ
んほどの立場の人でも、ここまで言っていいのだな、ここまで言わないといけない。今はもう、そういう時なんだな、ということを強く感じました。
正直、どうしよう、どうしよう、という不安感が先走ります。しかし、不安感から走り回っても、いいことにはならないとも思っています。
そこで、私が「「こうだ」と強く思う順に書かせてください。
まず１番。私は、魂の不滅を信じています。あの「夜と霧」でフランクルがいみじくも語っているように、収容所の中で、苦しみの理由がわかる者は生き延び、わからない者はいくら頑健な身体を持っていても、倒れていった、のです。「魂の不滅」そして「魂の成長」これがわかるから、今を耐えることができるのだと思います。
実際、私は末っ子であまえんぼなため、痛い、苦しいに、すぐねをあげるほうなのですが、崖っぷちでなんとかとどまれるとしたら、それを知っているからだと思います。
２番目。情報脈と人脈。例えば、船井さんが言うのだから・・・はらをくくろう、とか。情報脈と人脈は連動していないと活きて働かないと思います。
３番目。非常時になったら、現物供給が落ちていくと思います。自分にできる範囲で物資とかなんとかを備えることは必要だと思います。
しかし、一番に備えるべきものは、自分の力量だと思います。空腹に耐える、人を妬まない、足（たること）を知る、怒りを人にぶつけない、人の言動に踊らされない、体力をつける、等々です。
しかし、これは単なる精神論や愛国主義ではなく、１番であげた、理
由を持ち合わせたものでないと、十分には働かないと思います。そしてできたら、周囲の人の力量もつけていけるといいですね。今のところ、上記３つです。
私は、養護学校の教師をしていて６人の子持ちなので、一昨日買った「日本壊死」と「昭和史からの警告」のうち、前者しか、まだ読めていません。後者を読ませていただき、またメールさせてください。では、失礼します。
＊＊＊＊＊＊＊さまへ
拝復
副島隆彦です。
再度のメールをいただきました。
ナカムラさまの、私と船井先生の対談本への複雑な反応は正直なものであり、私に納得が行きます。 何をどれぐらい信じたらいいのか、という、揺れ動く自分自身への問い掛けとなっています。
私は、私ですから、自分が提示する言論による大きな事実の指摘、摘示をこれが本当（事実）である、として書いています。このまま歩んでゆきます。
今のところ、私が賛成して「これが真実であろう」と自ら海外（外国）から満ちこんだ理解や知識や情報に誤（あやま）りはありません。もし、私が書いていることが、嘘だ、虚偽だ、誤解だ、誤報だ、ということになれば、私の敵たちからの言論攻撃によって、簡単に打ち破られてしまうからです。
印刷物やネットなどを通しての活字での言論戦というのは、穏やかそうに見えて、それでも決着がつきます。どちらがどれぐらい真実性、事実性があるか、は、そのうち判定されます。
この言論戦の土俵（リング）において、私が書いてきた本たちの内容は、ほとんど負けを知りません。 ほとんどと書くと、少しは負けたのだな、といやらしい猜疑心の者たちの言葉が返ってきますが、ほとんどでさえなく私が勝っています。
そうすると、傲慢な副島隆彦、謙虚でない副島隆彦、もっと世の中に頭を下げろ、という反感が返って来ます。 私は、そういう「周囲に謙虚であれ」という卑屈な類の人間反応と闘って生きて来た人間です。
謙虚であれとは、卑屈であれ、ということです。英語でハンブル といいます。 事実の指摘や、優れた言論と思想の提示においては、人は卑屈（謙虚）である必要などありません。 徹底的に堂々と、そして傲慢であっていい。どうせ、言論戦なのですから、相手を打ち負かす気力が必要です。
人間は、実生活において周囲の人たちに謙虚であればいい。
人間は、どうせどんな人も、釈迦もキリストも孔子さまも、生身の人間としては、小さなものです。 ひっそりとご飯を食べて、まわりの人たちとお話をして、という以上のものではありません。
ただし、生来、卑屈というか、周囲に異常に謙虚な人間というのがいて、とにかく、卑屈な態度に終始して、それでなんとか上手に生き延びている、という人間たちが、ものすごい数でいます。 それが、大衆、庶民なるものの、本来の善性 とは 異なる欠点です。 奴隷根性と、 無知（頭の悪さ）もまた大衆、庶民 の持つ劣った点です。
ナカムラ様は、６にんのお子様を育てておられる。いまどき、立派なことです。女の強さの本当の姿です。 私は、たった一人の子供しか育てられませんでした。知識人というのは、「自分のことで精一杯」という、かよわい、弱い人間です。
自分のことで手一杯、それ以上の生命（いのち）の面倒は見れない、という狭量な生き物です。 いつもびくびくして、自分が奴隷＝大衆にならないで済むように、と身構えて、がつがつと知識習得を、心配症と貧乏への不安の中で生きている、そういう弱い人種です。
どんなに偉いと言われる学者でも、私が接して実感で分かるのですが、「心配性と貧乏への不安」で生きています。それに較べれば、亀戸（かめいど）駅前派出所の両津シンキチ巡査のように、
「金のないやつは、俺のところに来い。俺も無いけどなんとかなるさ。みろよ、青い空、白い雲。 そのうち何とかなるだろうさ」 と歌うのが、一番いいと思います。 庶民、大衆は、どんなに踏みつけられても、権力者からいくらだまされて、戦争に行かされて殺されても、それでも負けません。多くは生き残ります。 大衆と女はめげません。
ですから、私は知識人であると共に本当に強い大衆、庶民でありたい。
お書きの１番目に対して。 仏教には、魂（霊魂、スピリット）はありません。 だから魂の不滅もありません。 霊魂（魂）を実在として認めるのは、アジアでは、道教（うらない、まじないの思想） の系統でしょう。船井幸雄氏は、道教の先生です。
「 ３番目。非常時になったら、現物供給が落ちていくと思います。自分にできる範囲で物資とかなんとかを備えることは必要 」という考えは大切です。さらにお書きのとおり、
「 しかし、一番に備えるべきものは、自分の力量だと思います。空腹に耐える、人を妬まない、足（たること）を知る、怒りを人にぶつけない、人の言動に踊らされない、体力をつける、」だと私も思います。
あとは、精神修養をして、いつも穏やかな状態で生きていられるようにすることでしょう。が、私はこれと一番遠いところにいますので、どうも死ぬまで精神修養は身につかないだろうと半ば、あきらめています。 副島隆彦拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[315] 今朝、会員の宇根君から来た学問研究メールは、すばらしいので、早速ここに載せます。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2006/08/24(Thu) 18:28:37副島隆彦です。会員の宇根康裕君から、以下のような、「真理と信仰について」と題する、手短かな研究論文をいただいた。一読して、大変すばらし内容であり、優れた文章なので、早速こちらに転載します。私は、急いで、この宇根論文に、私なりに手を加えて、もっと分かりやすい文章に増文、加筆をたくさん加えて完成させて、それを、ここの会員の皆さんに読んでいただこうと、今朝の４時に考案しました。
しかし、その時間が今は私にはありません。私も宇根論文を読んで、もっと考えたいと、思うからです。
ですから、まず、この宇根論文「真理と信仰について」を、そのままここに載せます。やや生硬な文章ですが、決して難解という事はありません。正確に読解できる人は、その内容の簡潔で明瞭なことを理解できるでしょう。
私が書きまして、会員ページに載せた「船井幸雄論」＝「船井幸雄は東アジア（東洋）の道教の思想家である」論（上下、二回分） に対して、宇根君が反応する形で、彼なりの「真理と信仰について」を鋭く論及しています。
再度書きますが、私は、宇根論文を、次回、分かり易く加筆、増文しますのでお待ちください。 よしかわ君、以下の吉田兼倶（よしだ・かねとも）論をありがとう。優れた視点です。 アルル君の「岡崎久彦の妄執」もありがとう。 副島隆彦拝
（転載貼り付け始め）
宇根康裕さまへ
副島隆彦です。
「真理と信仰について」 と題する君のすばらしく簡潔な理解をお送りいただきました。
私は、宇根君のこの小論文での理解で、正解だと思います。 君は、すばらしい理解力を持っています。学問道場では、君の能力は最上級生であると判定できます。 もしかしたら、将来、私の能力を君は超えてゆくかもしれません。
学問道場の先生である、私の能力から厳しく判定して、君の理解の到達点は、私の理解と同水準です。これから、時間をかけて、君の以下の文章を、私なりに解読し、分かり易く書き直して、それを、会員たちに読んでもらおうと思います。
自分勝手な思い込みではなく、なるべく、世界水準（world values
ワールド・ヴァリューズ、世界普遍価値）に合致するように、日本語の各基本語（words ワード）の中の、真理、信仰、哲学（フロソフィー、知恵への愛＝愛知という訳語を私、副島隆彦は以後は使おうと思います）などを使いながら、徹底的に、これを分かり易くしてもようと思います。
仏陀（ゴータマ）の本当の言葉であり、 「真理の言葉 」である、法句経（ほっくきょう）の言葉の中村元（なかむらはじめ）の日本語を使いながら、日本まで伝来した大乗仏教が、本物の仏教（上座部仏教＝簡単に言えば、小乗） からどれぐらい逸脱したものであるかも、も正面から考えます。
法相宗（ほっそうしゅう）こそが 大乗の中にあっても、本物の仏教であり、輪廻転生（サンサーラ、業、ごう、カルマ、ヒンズー＝インド教の思想）を否定して、竜樹（ナーガールジュナ）が再構築した「空」の真理を、伝える宗派であることも書かねばなりません。 日本では、三島由紀夫と、小室直樹が、このことを論究しました。
スピノザ と ヴィトゲンシュタイン というユダヤ人が、 どのように、キリスト教（人間への愛の思想、グレイス、アガペー）を、理性（リーズン）と、合理（ラチオ）というユダヤ思想のすごさで、切り裂いたか、を、今こそ、日本人としてはっきりさせなければいけません。
おそらく、この上野修（うえのおさむ）というスピノザ研究の学者は、相当な水準まで来ているはずです。 しかし、私が解明した、 リーズン（理性） とラチオ（合理）の到達点まで来ているかは、吟味しなければいけません。
宮元啓一（みやもとけいいち）と石飛道子（いしとびみちこ）という仏教研究学者も、君が正確に読み破ったのだから、きっと優れた到達度を示していると思います。私も時間を見つけて、読んでみます。
私なりの訓詁学（くんこがく、コンメンタール）のやり方で、簡潔に、君の以下の優れた文章を、書き増やして、ここの会員たちに分かるように書き直してみます。お待ちください。２００人ぐらいは、本当に理解力のある、生来の優れた人間たちが、ここの学問道場には居ますから、彼らは君の簡潔な理解を、正しく理解してそして、私を含めて、みんなで同じ水準に到達するでしょう。 我らの学問道場に栄（さか）えあれ、であります。 副島隆彦拝
----- Original Message -----
From: "宇根 康裕"
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Sunday, September 24, 2006 1:13 AM
Subject: 真理と信仰に関して
副島先生へ
はじめまして、会員の宇根康裕です。２７歳で京都で技術開発をしている会社員です。
今回メールする目的は、最近道場で話題になっている宗教に関して、最近読んだ「スピノザ」（上野修著ＮＨＫ出版）をヒントに、私が考えたことをとを書くためです。最後に、簡単な自己紹介を書いています。
いきなりですが、結論は
キリスト教は、キリストを信じる「信仰」であり、スピノザ、ウィトゲンシュタインは、真理を証明する「哲学」である。
初期仏教は真理を理解する「哲学」であり、各種大乗仏教は、「信仰」のあつまりであり“仏教”ではない。老荘思想は、儒教と対立していて、道教は、道を信じる「信仰」で、間違った政治（間違った儒教）に対抗している。
本論
キリスト教とスピノザに関して
哲学が真理であれば、聖書に載っている“真理？”と矛盾するのではないか、という問題が神学と哲学の分離で議論になっていたが、スピノザが哲学と宗教の境界をひいたのだと上野修氏は書いている。
「スピノザ」上野修著、ＮＨＫ出版、５７ページ
（引用はじめ）
哲学の目的はもっぱら真理のみであり、これに反して信仰の目的は、これまで十分にしめしたように、
服従と敬虔以外のなにものでもない。次に哲学は共通概念を基礎としもっぱら自然からのみ導き出されねばならないが、
これとは反対に信仰は、物語と言語を基礎としもっぱら聖書と啓示とから導き出さねばならない。
（引用終わり）
スピノザは著書「エチカ」で、真理の証明をした。
信仰によるのではなく、理性で神を導き出し、それが真理だと証明している。
一方、穏やかではないのは、キリスト教を信仰している民衆で、
彼らが自ら正しいと思っていることと別のことをいうスピノザを無神論者だと攻撃した。キリスト教徒は別の信仰だと思ったわけだが、スピノザからみれば「別の信仰」ではなく、信仰とは別の「哲学」である。
ウィトゲンシュタインは論理哲学論考で、真理について語り、倫理について語ることができないといっている。逆に、倫理もまた、真理を語ることができない。
信仰は、あたかも真理を語ろうとしているが、それは真理ではないとスピノザはいう。スピノザとウィトゲンシュタインは、真理の側から、信仰をみることができた。しかし、信仰から真理をみることはできない。
信仰の外側、信仰からの自由がある真理の世界、それが涅槃である。
真理にたどり着いたスピノザは、仏教でいう独覚といえる。
次に仏教に関して。
以下のブッダに関する記述は、主に宮元啓一氏と石飛道子氏の本を読み、私が理解したことである。
ブッダは１２因縁を順逆に観じ、悟りを得た。
ブッダが発見したのは、西洋にはない、因果の論理学であり、ブッダはその論理学を用いて、ついに真理を“発見”した。
これまでのヒンズー教は、信仰であったが、信仰とは別の世界、真理の世界に入った。
仏教は真理を発見する哲学であり、信仰ではなく、必死で考えなければならなかった。考えて、考えて、考え抜いた先に、真理を見ることができるのであって、信仰をいくらやっても、真理には到達しえない。
輪廻の輪から抜け出すということは、当時の信仰の輪（ヒンズー教）から抜け出すということである。
ブッダは信仰から抜け出して、真理の世界へ行った。
勘違いしてはならないのは、ブッダは輪廻を前提として、その輪廻から抜けたのではなく、輪廻など考え無くて良しというところにいったのだ。輪廻は真理でないと悟ったのである。
スピノザも当時の信仰の輪から抜け出して、真理の世界へ行ったわけで、それは信仰の世界からは見えない世界である。
また、ブッダは、信仰を捨てて真理の道へいくことが、自らの体験で難しいとわかっているから、信仰をすてるための修行をさせている。
しかし、民衆は修行に耐えれなくなった。そこで、民衆は真理ではなく、信仰を求めるようになった。これが大乗仏教である。
空なんだと思え、あるいは、唱えろ、極楽を信じろ、という信仰だと考える。
大乗仏教は信仰であるがゆえ、よいと思った信仰はどんどん取り入れられる。こうして、大乗仏教は、どんどん派生していったのだろう。
大乗仏教は信仰である以上、本当の仏教（哲学）ではない。
袴谷（はかまや）氏の批判仏教からは、ハッキリみてとることができなかったが、私は初期仏教と後の仏教は、真理（哲学）か信仰（宗教）か、の違いだと考える。
以上から、初期仏教と大乗仏教は、まとめられないことは明らかである。
宮元啓一氏と石飛道子氏の本は、ブッダの論理学の核心、大乗仏教の核心（＝般若心経の核心）に最速で迫る書物である。
最後に老荘と道教。
老荘は、真理を語るようにみえるが、まだハッキリ調べつくしていない。
ただ、なんらかの論理があり、ブッダと同じような真理に到達したのではないか、と私は考えている。
道教は民間信仰の現世ご利益の宗教である。これらの共通点は、儒教（権力）に対するものである。
老子は、「儒教の信仰は倫理上正しくないから受け入れらない」と言った。
仮に老子が、真理の側に立って言ったのだとすれば、「真理ではないし、倫理的にも正しくない」とスピノザがキリスト教について語ったのと同じように、儒教に言及したといえるだろう。
一方、道教を信仰する人は、儒教を「正しくない」と思う。
ここでは儒教というより、間違った政治というのが適切かもしれない。
圧政で苦しみだすと、道教の民衆は信仰上、圧政を正しくないと思うだろう。正しい政治でないとき、道教が立ち上がり、革命を起こしたのかもしれない。
対儒教で、老荘と道教は仲良しで、歪んだ政治に対抗する手段として、老荘と道教の信仰は優れていると考える。
リバータリアニズムも同じく権力に立ち向かうもので、権力のカウンターバランスをとる点で優れている。
だが、これらは、スピノザが証明したように、言論の自由に基づかねば成立しないだろう。「スピノザ」上野修、ＮＨＫ出版ＰＰ．８０ー８１
初期仏教は、真理を求める哲学なので、政治は語らない姿勢をとる。
大乗仏教は、初期仏教を引き摺っているため、政治を語らず、修行も残っている。
だが、もし、倫理的に正しいと思える行いを教え、修行なんかないような信仰だけになれば、それは一般化するだろう。
それが、日本の一般人の仏教である。そもそも、仏教と呼べないが、一般的に倫理的に正しいと信じるような内容（キリスト教でいえば、隣人愛をとくこと）であれば、それは良い信仰といえる。
でも、実際は、信仰の内容が薄いというか形骸化している。
また、政治を語らない姿勢のせいで、政治に対抗するには弱く、逆に政治に利用される危険もあるかもしれない。
ところで、日本神道はどうかというと、政治に利用される信仰で、その政治外であれば、信仰上激しく攻撃するだろう。
しかし、こちらも戦後に信仰を骨抜きにされて、政治に口出しできないようにされている。もはや元通りにならない。
日本は、これまで地域社会にあった規範が壊れていき、家にあった規範も壊れた。規範のバックにあるのは、同じレベルにない、第３者。
キリスト教では預言者、地域社会では酋長みたいな人、家においては父親。壊れた信仰の代わりは、何が代わりにしているかというと、テレビと新聞がやっていると私は考える。
少し言いすぎかもしれないが、メディアがキリスト教でいう預言者のような役割を果たしているのではないかと考えている。メディアは「何をみて、どれを、どう言うか」という選択が可能であり、そのバックに、キリスト教の神に相当する巨大な権力（ロックフェラーか）があって、その声を反映している構図にみてとれるからである。
この状態から、ネットによって、目覚めつつあるように思う。だが、目覚めたあとも問題である。
また、メディアを気づかずに信仰している一方で、お金を信仰する人もいる。どちらも真理でもなければ、私には正しい信仰とも思えないが、本人は正しいと思っているので変えることが難しい。
お金は、本来正しい使い方でもってすれば、よいものだと思うが、間違った使い方というのもある。
それは、力を示すことで支配する道具となるときである。
お金を必要以上に持つことは、力を持つことで、それにより世界を支配できると信仰している人間がいるからだ。
一方で、お金を持ってない人も、お金があればなんでも自由にされてしまう、と思う信仰もあるかもしれない。
お金は大きな買い物のため、貯めることができる。しかし、お金を必要以上にためるシステムができあがったとき、力を溜め込み、支配の道具になってしまったと思う。お金を力に変えていく、お金信仰の人間が、その目的で銀行を作ったのだろう。
歴史は、正しい信仰と間違った信仰の争いで、「真理」「哲学」は常に信仰の側から争いを起こされている。できるだけ、正しい信仰を増やさなければならない。そのために、最低限、言論の自由を守っていかなかればならない。
隣人愛を説くキリスト教、現世のご利益を説く道教、これらはいい信仰だと私は思う。
あと、スリランカ上座仏教の教えを説く、スナマサーラ長老もよいと思う。
間違った信仰は、正しい信仰でやっつけるしかない。間違った信仰とわかっていながら従えば、間違った信仰の奴隷である。
だから、嫌なものは嫌と、自らの倫理で間違った信仰を突っぱねる姿勢をたもたねばならない。副島先生や船井先生は、嫌なものを嫌という勇気と道を与えている。
「こっちのほうがいいだろう、だからみんなでこっちへ行こう。」と
私は、その努力の先に、きっと道がひらけていると考えている。
幸せは、われを忘れて、何かに集中しているという状態で、逆に心がかき乱され集中できない、または、なんにもなしの退屈は、不幸である。
今の日本人は、集中できていないから不幸である。
この集中と幸せの関係に関しては、飯塚毅（いいづかたけし）先生の講演をみて考えた。
http://www.sk-office.jp/
飯塚先生によると、空とは心に対象物をもたないで集中状態にある、といっている。悩むことなく、浮かれることなく、集中できることが重要だ。真理にいたれば、悩むことなく、集中するだろうが、そうでなくても集中する訓練するのが禅だと考える。
スピノザに関して
「スピノザ 無心論者は宗教を肯定できるか」上野修、ＮＨＫ出版
「スピノザの世界 神あるいは自然」上野修、講談社現代新書
仏教に関して
「ブッダが考えたこと」宮元啓一 春秋社
「般若心経とはなにか」宮元啓一 春秋社
「仏教かく始まりき」宮元啓一 春秋社
「インド哲学七つの難問」宮元啓一 講談社選書メチエ
「ブッダ論理学五つの難問」石飛道子 講談社選書メチエ
哲学書、仏典を読まずに、ほとんど解説本だよりに、いろいろ考えているので穴だらけかもしれません。
道教、老荘に関しては、まだまだ勉強不足で、判断できませんでした。
今後、もっと勉強して、よりよい生活を考えて、実践していきます。 簡単に自己紹介をしますと、名古屋大学工学部、同大学院工学研究科を修了しました。
その後、フリーター４ヶ月を経て、奈良で技術開発の職につきましたが、去年転職し、今は、京都で技術開発をしております。
中学生時代では科学に興味をもち、科学の雑誌や本をよく読みましたが、高校にはいり、読書がぱったりなくなり、
大学でも非常に堕落した毎日を送っていました。そして、大学院に友人のすすめで小室先生、副島先生の本を読むようになり、卒業後に技術者をようやく決意し、現在にいたります。
大学院で、再び社会科学（ソシアル・サイエンス）に驚き、学問に目覚めました。そのきっかけが小室先生と副島先生です。
就職する前から、悩みっぱなしで、哲学や宗教の本を読むようになって、最近、上のことを考えて、ようやく頭がスッキリしてきたように思います。残念ながら、文章はスッキリしません。これから先のことを考えると、やっぱり悩みます。
正しい現状把握があって、誰もがその事実を見ることで、正しい道が開けます。ですから、真実を曝（さら）すこと と言論の自由が必要です。
その中で、間違った信仰に流されず、正しい信仰を守っていきたいと思います。これからもご指導よろしくお願い申し上げます。
２００６年８月２４日
宇根康裕
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[314] 『昭和史からの警告』（ビジネス社、２００６年７月刊、船井幸雄と副島隆彦の対談本）の中の「最終章」、副島隆彦氏筆の「船井幸雄氏は東アジア（東洋）の道教（どうきょう）の思想家である」の読書感想文。 投稿者：よしかわ邦弘 投稿日：2006/08/24(Thu) 17:19:11【結論はじめ】
この論文で一番すばらしいのは、吉田唯一神道の大成者、吉田兼倶（よしだ・かねとも）が、日本思想史上の大人物であると、副島先生が喝破し、的確に説明した点にある。
【結論終わり】よしかわ邦弘です。
表題の本が出版され読み込んで２ヶ月近く、わたしなりには、ようやく表題の結論に達しました。
この結論に至り、わたしなりに色んなものが見えてきました。あらためて副島先生の慧眼に敬服する次第です。
さてしかし、吉田兼倶（よしだ かねとも）なる人物（1435年〜1511年）の業績は、よほどの歴史好きの日本人にも知られていません。残念なことです。
たとえば、大学入試の日本史では、国学の本居宣長は必須であっても、この人物を覚える必要はありません。山川出版社の教科書／「詳説・日本史」に一切の記述なし。また、図書館によく置いてある吉川弘文館の人物叢書でも、この人はとりあげられていない。吉田兼倶なる人物をまともに取り上げた一冊がない。また、ＮＨＫの大河ドラマで取り上げられる可能性もゼロ。まさに無名。
それでも、副島隆彦先生は絶賛しています。実に不思議です。
この人の日本史に与えた影響は小さいのでしょうか？ とるに足らない人物だから誰も取り上げないのでしょうか？ いいえ、決してそうではない。
吉田神社についてある程度調べていたので、わたしが今から説明します。
一言で言えば、吉田兼倶は「純粋無雑な日本神道を、思想面、儀式運用面の両面から創出した」のです。ですから、本居宣長に匹敵もしくはそれ以上の業績の持ち主だと、わたしは考えます。
まず思想面で言えば、
三教（仏教や儒教や道教）の影響を一切受けない、純一無雑な日本神道思想があるんだという理屈を、日本史上最初にこしらえました。たしかに著書『唯一神道妙法要集』を読むと、その理屈はかなり強引です。荒唐無稽です。
しかし、日本思想史上で、応仁の乱前後に生きた、この吉田兼倶より前に、ここまで言い切った人物はいません。
そういう後ろだて（思考の枠組み）を借用して古事記を研究したのが、本居宣長です。
日本神道の純一無雑性を発見（発明）したのは、吉田兼倶です。業績の重要性は、充分ご理解いただけるのではと思います。
また儀式運用面では、
当時の中国の道教儀式を、ほぼまるごと、自分のところの神社（吉田神社）に導入しました。
儀式がきちんと整備洗練されている点を強みとして、吉田神道は伸張し、江戸時代には、日本の神社神道に君臨しました。ですから、現在の神社で、道教流の影響を受けてない神社はないのです。
日本神道はまず、形や儀式から入って成立していったのです。 実は、これが日本史の大きな秘密です。
このような大人物が、なぜ、人々に知られていないか、その理由が、おわかりになるでしょうか？
わたしなりの推定回答を書きます。
この吉田兼倶さえ無視しておけば、「日本の神社神道が本当は道教の一変種である」ことが、日本人にばれずに済むからです。だから研究者もほとんどいない。閻魔大王について研究する日本人仏教学者がいないのと同じような理由です。
閻魔大王、吉田兼倶をさらりと無視しておくことは、日本が道教の国であると日本人に気づかれないための防波堤、道具立てになっています。わたしはそう考えます。
今少し、この人物に業績を調べて、今後はふじむら掲示板等で報告したいとわたしは考えています。
以上
[313] 岡崎久彦氏の老醜 投稿者：アルルの男・ヒロシ 投稿日：2006/08/24(Thu) 16:43:54
８月２４日の産経新聞オピニオン面「正論」の岡崎久彦氏の文章はあまりに異常だった。妄執のようなものを感じた。幾ら親英米派の人物であったとしても、ここまでアメリカに魂を売り尽くさなければならないというのは異常だ。アメリカの怖さを肌身で知っている岡崎氏のことだから、アメリカの友人などの意見を忖度して書いているのだろう。しかし、真珠湾攻撃をルーズヴェルトは知っていたのに、わざと日本軍に先に撃たせたというのは、公文書で網羅づけることのできる歴史の真実である。「真珠湾の真実」を書いているスティネットでさえ、それが真実であり「アメリカにとって正しい選択であった」とルーズベルトを褒め称えている。
岡崎久彦氏にせよ、秦郁彦氏にせよ真珠湾の問題では絶対に陰謀の存在を認めようとしない。放っておくならまだしも、秦氏は本まで書いて徹底的に反論している。
このアメリカに対する妄執ともいうべき従属ぶりは何なのだろうか。歴史の真実が陰謀で動いていたとして、もはや６０年以上も前の出来事ではないか。
実際、この靖国の展示は、全体の中のパネルの一枚に過ぎない。しかも表現もさほど過激なものではなく、私は今年再度見てきたがむしろ穏当なものだと感じた。（“追いつめた”というよりは、日米の一部勢力が裏で組んでやったこと、ということの方が正しいかも知れませんが・・・）
以下に紙面の画像を貼り付ける。岡崎氏は「つくる会」の教科書の反米的な部分も新版で全部削除したと書いている。
戦前の親英米派はどんな秘密を隠しているのか。それが知りたい。パズルのピースを持っているのは、アメリカ公文書館だろう。
