[2795] 「辣腕行政マン・掲示板」サイトの立ち上げを更に促します。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2003/01/25(Sat) 13:32:51副島隆彦です。 この「学問道場」に集まる地方公務員の皆さんはかなりいます。その人たちを中心にして、「行政マン掲示板」を立ち上げて欲しいと思います。どんどん名乗りを上げてください。みんな仕事で死ぬほど忙しいから、そんな時間は無いのでしょうか。検討と見当と健闘とお祈ります。
副島隆彦拝
(転載貼りつけ始め）
＊＊＊＊君へ
副島隆彦です
あとは、ご自分で、重たい掲示板で呼びかけて「辣腕行政マン掲示板」（仮称）の立ち上げを促進してください。何も誰にも遠慮などいりませんから、仲間を募って、自分がやりたいと思うことを、どんどんやって下さい。私は何も指示したり、指図したりしません。
副島隆彦拝
----- Original Message -----
From: "Ito Fumiaki" fumi-ito@yk9.so-net.ne.jp
To: "副島隆彦"
Sent: Saturday, January 25, 2003 5:46 AM
Subject: Re: わかりました。やりましょう！
副島隆彦先生
＊＊＊＊です。
自己紹介メールに対し丁寧なご返事ありがとうございました。またその日のうちに「重たい掲示板」に転載、ご提言いただき正直驚いています。ご返事遅れて申し訳ありません。
ご提言の趣旨は理解したつもりです。また先生の国家戦略実現の布石でもあるのでしょう。
謹んで設立発起人の一人として名乗りをあげさせていただきたい。
先のご挨拶の時は、はっきりとは書きませんでしたが、「ぼやき」有料版がはじまってからは、仕事の多忙さもあってほとんどサイトにアクセスしていませんでした。今回思い切って入会し先生にご挨拶するとこういう展開になるとは。これも何かの縁だと思います。
ただ、このサブサイトの対象が「地方公務員」であることから、以下の点が少々気になりますが。
� 崛反ァ廚紡阿桂‥�に守秘義務や公務員倫理に 縛られている事。
�△靴�も、優秀な人間ほど仕事のしわよせを受けているので多忙である事。
��またそういう人ほど「用心深」くて「匿名性」を好むものと考えられる。
しかしそうであっても、能力的にも優れ、真摯に仕事に取り組んでいる方ほど、国家官僚のエリートの方の「机上のプラン」をただ実施したり、「現場の状況に合うよう」調整することで満足しているとは思えません。必ず「一家言」をお持ちでそれを上手に吐き出す場、そしてそれを前向きなものに発展させようとする強い衝動をお持ちだと思います。
先生がご提言されて1週間経ちますが、高校教師の方からの期待のメールはありましたが、まだ名乗りをあげる方が出てきません。（正直言って誰か先に名乗りをあげてくれないかなあと思っていたのですが。）
確かに「多忙」は否定の仕様がない事実ですが、優秀な方ほどそれは理由にならないことはわかっていらっしゃると思います。
私自身、今まで自分に与えられた仕事をただなんとかこなしてきただけの人間です。副島先生のもとには、私よりもはるかに優れた行政マンの方々が集まっていらっしゃると思います。そういうかたがたとこのサイトを通して切磋琢磨できればと思います。
副島先生及びスタッフの方々におかれましては、よろしくフォロー、ご指導のほどお願いいたします。
＊＊＊＊拝
追伸：もし可能ならば、他の地方公務員の方々の自己紹介メールを拝見できれば、と思います。
--- Original Message -----
From: "副島隆彦"
To: "Ito Fumiaki"
Sent: Sunday, January 19, 2003 1:54 PM
Subject: Re: Re:ご挨拶
伊藤文章さまへ
副島隆彦です
この度は、購読会員になられましたあと、伊藤さまの自己紹介メールをいただきありがとうございます。私どもの会員の中には、相当に優秀な地方公務員の行政マンたちが数十人おります。伊藤さまもこのお仲間に加わっていただき、大きく地方分権推進（真の住民自治権の獲得）の立場からの、「辣腕行政マン掲示板」とかのサイトを、ここにお開きいただけるとありがたいのですが。医者の皆さんが、医療掲示板を開いているように。
いまのところは、みんなお仕事で大変忙しいので、とてもそのような時間が見つからない、と言うことのようです。どうか、こういう行政マンたちのネット上での結集と団結ということもご一考下さい。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
副島隆彦拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[2794] 私の文章を読んでくれた方からのメールとその返事の転載 投稿者：山田宏哉 投稿日：2003/01/24(Fri) 22:14:46私のような全くネーム・バリューのない人間の福沢諭吉論とブラック・ムスリム論を読んでくださった購読会員の方からメールをいただいたので、その返事とともにここに掲載します。最近、特に強く感じていることは、自分の文章を読んでくれる方を何より大切にしなければならない、ということです。 （転載貼り付け開始）
＊＊＊＊＊様へ
山田宏哉です。
メールをありがとうございます。
しかも拙文を誉めていただき大変うれしく思っております。
実のところ、私のような全くネーム・バリューのない人間の文章なんぞ誰も読んでいないのはないか？ という強い疑念があったのですが、＊＊様のような方に読んでいただけて本当に幸いです。
正直な話、副島所長はいくら本人が「自分は認められていない」と言ったところで、やっぱり出版社から原稿依頼がきて、数万人の固定読者がいるという時点で、客観的には最低限は世間から認められている、と考えるべきだと私は考えています。もちろん、現状のままでは本人にとっても不本意なままでしょうが。
しかし、たとえ憎しみや反発であっても、何かしら社会的な反応があるということは、ただそれだけで素晴らしいことで、羨ましい話です。私には、出版社から原稿依頼など来たためしがありません（笑）
残念ながら、政治や経済の世界では「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」の方が重視される傾向があります。数学などの世界では、「誰が言ったか」より「何を言ったか」の方が重視されます。学問としてしっかり確立していない分野ほどこういう「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」を重視する傾向があります。ですので、政治や経済に関して一流の発言をしたいと考えたら、まず自分自身が社会的に偉くならないといけません（笑）
少し前、正直にも「副島隆彦の弟子たちは、論文を書くなどと言わずに、副島隆彦の誤字脱字の修正をしてはどうか」という提案をしている方がいました。これが多くの副島隆彦の読者の偽らざる心境だと思います。誰も好き好んで、ネーム・バリューのない人間の文章を読みたいとは思わないのです。この現実を無視した「もの書き・言論人」議論は生産的ではありません。
だから、社会的に無名の人たちが、自分の言いたいことを少しでも多くの人に伝えたいと思ったら、どうしたらいいか、という問題は、私自身、本当に真剣に考えなければならないことです。そのひとつが自分の文章で読者を引き付けるという考え方を捨てて、信憑性の高い情報源からの引用を主体とする、という書き方です。この方法は副島所長から教わりました。自分が衝撃を受けたニュース記事の貼り付けなら、誰が投稿したものであろうと、読んでもらえる確率が高いです。
ミュージシャンやプロレスなどの世界には「前座」と呼ばれるような人たちがいます。メインのバンドなりプロレスラーが登場する前に、ちょこっと登場してきて芸を披露する人たちです。観客は「早く終わってくれないかなあ」という気持ちで彼らを見ています。ネームバリューのない人間というのは、それくらい惨めで悔しい思いをするものです。彼ら自身、自分が前座にすぎない、ということが嫌というほどわかった上で、それでも「このまま終わってたまるか」と、精一杯自分の実力を発揮しようと努力します。私もこの姿勢を見習おうと思います。
今のところ、私も彼ら同様の前座にすぎません。しかし、前座のまま終わるつもりはありません。
ですので、私にはせっかくぼやきが更新されたと思ったら、副島隆彦の文章ではなく、山田宏哉の論文でガッカリした、という読者の方々の気持ちが痛いほどよくわかるのです。それでも、さしてものを考えず、とにかく個人としての副島隆彦に追従し、宗教的に賞賛するような文章を書けば、表面的に「副島隆彦ファン」を納得させることは容易です。
しかし、私はその期待をあえて裏切ります。私はあくまで山田宏哉であって、"副島隆彦の家来、信者、太鼓持ち"の類ではないのです。第一、副島所長にしても何か事件があるたびに「小室直樹はこう書いている」というような訓古学的な、自分の先生を崇め奉るような書き方はほとんどしません。
第一、自分の先生の言葉を引用して誉めることしか能がないようなイエスマンでは、正直言ってものすごく退屈で、もの書きとしては全く通用しません。「隠された事実（ファクツ）を証拠つきで、どれだけ明らかにできるか」だけがもの書きとしての価値を決定します。これが私が副島所長から学んだ最大の収穫でしょう。私にとって、この他の例えば、「グローバリスト」とか「ネオ・コン」などの知識は、これに比べたら、些細なことにすぎません。
ですので、「俺は副島隆彦のファンだから、ぼやきや重たい掲示板を見たら、副島隆彦の文章じゃなくてガッカリした。お前の福沢諭吉論やマルコムX論なんてどうでもいいから、せめて副島隆彦個人を賞賛する文章を書いてくれ」という無言の圧力を蹴っ飛ばします。これが、前座研究員としてのわずかなプライドです（笑）
そして、「隠された事実（ファクツ）を証拠つきで、どれだけ明らかにできるか」という本来のもの書き・研究者としてのあるべき姿勢にこだわり、我が道をゆくのです。
今後ともよろしくお願いいたします。
山田宏哉
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To:
Subject: 山田宏哉さま、こんにちは。「福沢論」よかったです。
Date: Fri, 24 Jan 2003 18:50:10 +0900こんにちは。
＊＊＊＊＊と申します。有料会員で二度ほどキャンパッシングにも参加しているので、知らないうちに面識があるかもしれませんが、はじめまして。
過日、「今日のぼやき」に掲載された「福沢諭吉論」を読みました。とってもよかったです。
苦もなくスラスラと字面が頭に流れ込んでくる感じ、とでも言うか新たな発見と喜びに恵まれた一時でした。
重たい掲示板のマルコムxは時間が無かったのでじっくりとは読んではいないのですが大変興味深かったです。
よく、妙な言葉の使い方や、おかしな語法、読み手を煙にまく論旨を展開して世間をたぶらかす事に憂き身を費やす愚かで哀れな人たちの文章をさまざまな媒体で多々目にしますが、その点、山田さんの文章は素直で十年たっても読める文章です。
私は、まず学問の研鑚というのは適切に考え、かつ書ける(文章が組み立てられる)事ができるというのが第一だと思います。そうしたプロセスを経た上で20年30年後おいても適切に働く頭脳の鍛錬がなされ、その上に偉大な思想、学問は出来上がると思います。
若いうちにおかしな文化人の真似をして世間を煙にまく技(原住民の呪い師が使う目くらましですね{笑})を磨くことだけしている人は生きていく過程のなかで少しづつ自らのマインドを蝕み、ひどい時は廃人になるか自殺に駆り立てられることでしょう。
副島先生は(今のところ)世間の覚えのめでたくない(笑)人ではありますが、思想、思考、学問の真摯な闘士であり、自分なりに真理を追求し続けた人間のみが持つ凄みがあります。山田さんにとっても、この点についてはよい影響を与えているのかもしれませんね。
来週には少し時間がとれるので＊＊の事務所に顔をだそうと思っています。また、キャンパッシング等ご縁がございましたら会う機会もあるかと存じます。
では、お体にお気をつけてがんばってください。
自分のペースを守って活動の幅を広げられる事をお祈りしております。
ごめんください。
（転載貼り付け終了）
[2793] 「アメリカ併合編」を書評する。（１） 投稿者：縞蘇鉄 投稿日：2003/01/24(Fri) 00:02:36小室直樹著「国民のための経済原論II アメリカ併合編」を書評する。（１）０、はじめに。
拝啓。せきぐち よう様。
縞蘇鉄です。
早速のＲｅｓ．ありがとうございました。はげまされます。
アマゾンの「読者レビュー（書評）」へ、の件、
べつにかまわないのですが、ひとつだけ「ひっかっかる」ことがあって、
１週間ほど悩んでいました。
「ひっかか」っているのは、次の一文です。
＞ 「アメリカ併合編」の著者としての小室直樹
＞ は(善意の)デマゴーグでは？」と思ってきた。
今、私の机上に有る本書の奥付を見ますと、「1993年 5 月 30 日 初版１刷発行」
と、あります。
多分、待ちかねるようにして買って、読んだのでしょう。
ひとつの＜印象＞が残りました。
「どうもこの本だけは、後味がよくないなあ」
本書を、この＜印象＞とともに、この度思い出したのは、
かれこれ１０年ぶり、ということになります。
小室直樹氏の本を読み終わったときに、なんか、
「尻切れトンボのような気がする」ことがままあります。
これはおそらく「もっと読んでいたい」という思いの裏返しです。
要するに、概して、私は小室氏（の本）がホントにとっても大好きなのでしょう。
それなのに、（「ああ、それなのに、それなのに」（小室））
「どうもこの本だけは、後味がよくない」。
この「後味の悪さ」の依って来る所以については、
私なりにも思うことが無いではありませんでしたが、
この度、「金融鎖国」を読むにいたり、
いまやそれを、まあいわば＜理論的に＞ですね、解明できるのではないかと、
いう気がしてきまして、なんとか文章化すべく試みてみたい。
これが今回の「書評」の試みへの動機の、第１点。
そして、このことはまた、小室直樹という大先達への、
最低限の＜礼儀＞の表明でもあります。
だってね、およそ＜デマゴーグ＞などという人種とは、
まさに対極にある（と、私も信じている）人物に対して、かりそめにも、
「ひょっとしてそうなのでは？」と書いてしまえば、
この私の「思い」が生じた経緯を表明すべく試みるくらいは、
最低限の義務であると心得るべきではありませんか。
（撤回はしない。）
以下、動機の第２点。
本書の冒頭に、次のようにあります。
この本は、『国民のための経済原論II』である。
なんとしてでも、国際経済がわかりたい。この緊急要請(イマージェンシー)に応えるために書かれた。
主人公は比較優位説。さらにこの理論を護持するヘクシャー・オリーン・サムエルソンの定理。及び、この定理のその後の発展。(p.8)
要するに本書は「（国際）貿易理論」（「国際分業論」）（註）を説明するために書かれている。
（註）：この理論は、「国内貿易」（「分業論」）にも適用可能であることが本書でも言及されている。(p.26〜) これに対して私は主張したい。それは本当は「国内」貿易にのみ適用しうるものでしか、未だないのだと。 結論を先取りして言ってしまう。
私には、この「（国際）貿易理論」（「国際分業論」）自体が、きわめて不快である。
人類史上最高に手の込んだ＜詐術＞ではないのか。
＜論理性＞というものの最低の（最強の）悪用例ではないのか。
これによって、本当は、＜科学＞なるもの自体が地に墜されたのではないか。
本書で、比較優位説について、次のようにいわれる。
・（略）デーヴィド・リカードによって発表され、サミュエルソンによって敷衍された（大発展した）この理論は、経済学、いや社会科学における最大の発見の一つだといわれている。(p.13)
・さて、第二の関門。比較優位（比較劣位）があれば、貿易は起きる。
これが比較優位説の最大の収穫の一つ。星辰と共に永遠なる経済学の金字塔。(p.24)
・比較優位説こそ国際経済学の要である。要諦である。(p.40)
以上は、第一章「自由貿易で損をする国はない 比較優位説の説得力」にある。
第４章には、次の１句もある。
・（略）比較優位説はリカードによって発表されたとき、すでに一個の科学であった。
しかるに、第四章「アメリカ併合の論理 理論経済学の恐るべき陰謀」では次のように言う。
・比較優位説は、社会的機能という点から論ずると、イギリス帝国主義のイデオロギーであった。
論理的に間然するところがない（文句のつけようがない）というのは、最大の説得力。(p.142)
・気の毒なのは、この論理に説得されて自由貿易に踏み切った国ぐに。
当時世界に冠たるイギリス工業との競争に負けて、みるみる没落していった。資本主義の勃興期に工業を失った国の末路は哀れである。何にしろ、たちまちイギリスの経済的植民地に堕せざるをえない。(p.143)
（ex. ポルトガル、アイルランド・・・）
・比較優位説の教えに忠実に、自由貿易に踏み切れば、イギリスも自国も双方ともに、よりよくなるはずであった。そのはずなのに阿鼻叫喚の地獄へ落ちた。そのような例が頻発した。
（略）よりよくなるのはイギリスばかりなり。(p.144)
・アメリカはいまや、かつてのイギリス帝国主義、自由貿易の正当な後継者。
しかもその地位は、自由貿易を徹底的に排除したゆえにこそ確立されたとは。
現在、アメリカが自由貿易を掲げる最大の理由は、それが自国の最大の利益となるからである。(p.187)
・一九世紀の大英帝国。二十世紀の米帝国。
いずれも、「特定の条件のもとにおいてのみ成立する比較優位説」を、あたかも公理のごとく振りかざすことで、不利益を被る国にも利益が得られるごとき錯覚を抱かせていたのである。
詐欺師のごとく。はたまたどこかの新興宗教のごとく。
しかも、さらに大事なこと。
保護貿易は、有意義である。
このことの重大性、推して知るべし。※(p.192)
小室直樹、偉大なり！
「（国際）貿易理論」（「国際分業論」）の根底にある「比較優位説」が一見いくら科学的にみえても、実際に適用されてみれば、実相斯くの如し、ということを、これほどまでに明々白々、白日の下に晒しうるのは、彼なればこそではないか。
実相がこれほど明らかになってしまえば、これ以降は誰も、恥ずかしくて「自由貿易は正しい」などとは言えないだろうとは思いませんか。
ところが、さにあらず。
ＷＴＯ，ＩＭＦ，ＵＳＴＲ，ｅｔｃ．・・・のなす論議の下敷きになっているのは、今でもこの比較優位説を要とした貿易理論なのではないか。
・・・ムムム、まあ、それはいい。・・・良くはないけど、それが帝国の利益をふまえた意志であるなら、当面は如何ともし難いことで、ここではこれ以上問題にしない。
私がここで問題に、というか議論の対象にしたいのは、次のことである。
（※の続き） しかし、しかし、さらに特筆すべき大問題は、さらにその先に潜んでいた。
日本経済、いや、日本そのものが拠って立つ基盤。それは自由貿易しかない。あり得ない。
これである。
日本人が片時も忘れてはならないことは、日本は自由貿易によって利益を得る国であり、しかも、「世界最大の利益」を得る国になってしまったということである。現在日本の繁栄は、自由貿易という前提においてのみ可能であり、自由貿易が否定された刹那に、槿花一朝の夢と化す。
いま、日本にとって必要なのは、十九世紀、大英帝国がとったのと同じ行動。つまり自由貿易で自国だけが利益を被りつつも、これを決して認めず、外国を説得すること。自由貿易を押し付けることである。(p.193)
私が十年前にこの文章に対したとき、「その結果がどういうものか誰よりもよく解っている者が、『日本にとって必要なのは、十九世紀、大英帝国がとったのと同じ行動。』などというのは、アモラルも度が過ぎるのではないか」という感じで不快だった。
国家戦略に道徳の入り込む余地は無いって？
では、借問する。
我々（日本）は、十分にながい＜期間＞の結果として、本当に「世界最大の利益」を得ているといえるのだろうか。
我々は今こそ、
「比較優位説」の公理に換えて、
「儲けるのは帝国のみ」の公理を
全面に押し出すべきではないか。
あるいは、「儲けるとは何か」という設問を・・・
縞蘇鉄 拝。
http://www2.ocn.ne.jp/~megami-k/
[2792] アメリカ／ブラック・ムスリムの蠢動 〜マルコムXとルイス・ファラカン〜（上） 投稿者：山田宏哉 投稿日：2003/01/23(Thu) 00:48:32【アメリカ／ブラック・ムスリムの蠢動 〜マルコムXとルイス・ファラカン〜】
山田宏哉
［山田宏哉プロフィール］
1981年生まれ。現在、早稲田大学社会科学部在学中。
専攻は国際政治学、国際関係論、平和学など。
2002年5月よりSNSIのMLに参加。なお、私の主要論文は
http://members.tripod.co.jp/hiroyatan/
にも掲載しています。
また、私宛のメールは、hiroya32@hotmail.comまでお願いいたします。
[このレポートの構成]はじめに
１．マルコムXとは何者だったのか
２．ブラック・ムスリムの蠢動
（１）ブラック・ムスリムの起源
（２）マルコムXの師 イライジャ・ムハマド
（３）肌の色が薄い黒人の方が偉い
（４）現代の黒人指導者 ルイス・ファラカン
３．ルイス・ファラカンとマルコムXの暗殺
（１）ファラカン曰く「我々のメンバーがマルコム暗殺に関わった」
（２）マルコムXの娘がファラカン暗殺計画疑惑で逮捕
あとがきにかえて
＊「ブラック・ムスリム」…直訳すれば黒人イスラム教徒ですが、アメリカにあるイスラム教の宗教団体を示す固有名詞として用います。
はじめに
アメリカの星条旗が画面全体に誇らしげに映し出される。
その裏でマルコムX（本名 マルコム・リトル）の力強い演説が始まる。画面は星条旗を移したまま。マルコムは声だけの登場である。マルコムは白人とアメリカ社会の嘘と欺瞞を迫力ある口調と言葉で告発する。マルコムのシャウト（叫び）に合わせて、聴衆の方からもYeah！,Yes！などと怒号が飛びかう。時折り、KKK（クー・クラックス・クラン）が黒人に暴行を加える映像が差し込まれる。
やがてマルコムの演説に合わせて、星条旗に火がつき燃え始める。ついには星条旗全体に炎が広がり、星条旗は無惨にも焼け落ちる。そして、「X」という文字を型どった部分だけが残る。
以上は、スパイク・リー監督の『マルコムX』（1992年）のオープニングのシーンである。この映画はジャーナリストのアレックス・ヘイリーがマルコムの口述を記した『マルコムX自伝』を下敷きにしている。濱本武雄・訳『完訳 マルコムX自伝』（中公文庫 2002年）は上下巻合わせて800ページを超える大著である。自伝を読んでから、この映画を見ると、無駄なシーンが１コマもなく、自伝の中の重要箇所の連続だということに気づくだろう。それでも３時間２０分という長さである。
この映画の真骨頂のひとつはマルコムのスピーチの巧みさにあると言えると思う。演説の見栄えも内容も素晴らしいと私は感じた。本当にアメリカが嘘と欺瞞の上に成り立っているのではないか、と感じさせる説得力を持っている。百聞は一見に如かずなので、気になる人は直接この映画を見ていただきたいのだが、本物の演説とはこういうものなのか、ということが実感としてわかった。
日本でありがちな、ボソボソと作文の棒読みをする演説とは大違いである。ただ、このような歯切れのよいリズムでの演説は、母音の多い日本語では無理なのではないかと、少々寂しい気もする。少なくとも、この映画を日本語吹き替えで見るとしたら、この映画の魅力は激減してしまうだろう。
１．マルコムXとは何者だったのか
そもそもマルコムXとは何者なのか。
マルコムX(1925〜1965)は黒人のために闘った黒人指導者である。「X」には、本当の自分の正体がわからない、という意味が込められている。マルコムは、若い頃は、ドラッグや売春の斡旋をやって逮捕されている。刑務所の中で黒人イスラム教徒のイライジャ・ムハマド氏の思想に目覚め、以後、ブラック・ムスリム（後のNation of Islam）の人間として頭角をあらわし、黒人運動に身を投じるようになる。自伝や映画を見て気づいた、興味深いことは、マルコムXは、黒人の中で、特別グレていたりしたわけでもないということだ。
もっとも、小学校の教師に将来の職業について相談した時、「弁護士になりたい」と言ったところ、「現実的にならなければならない。お前は黒んぼ（ニガー）だ。黒んぼが弁護士になるというのは現実的ではない。大工なんかどうだ？」と言われ、少なからぬショックを受けたことはあるが（このシーンは映画でも自伝でも重要シーンとなっている）、これとて直接的にドラッグや売春の斡旋に直接結びつくわけではない。
それどころか、学校の成績は優秀だった。それが、ごく自然に、犯罪に手を染めるようになる。これが、今も２０代の黒人男性の４人に１人が逮捕された経験があるという黒人世界の現実だろう。そして最期には、講壇の上で十数発の弾丸を身体に打ち込まれ、暗殺された。黒人イスラム教団体であるNation of Islam をやめてから11ヵ月後のことである。
ところで、高校世界史の教科書にマルコムの名は出てこない。「非暴力・非服従」のキング牧師の名前はアメリカの1960年代頃に起こった公民権運動に関連して、必ずといっていいほど出てくるにもかかわらず、である。
マルコムは、単に白人に対する怒り、憎しみを持っていただけではなく、白人たちの真似をし、白人に対して言いたいことも言えず、ヘラヘラ笑いながら媚びへつらう黒人たちを激しく嫌っていた。マルコムはこのような黒人たちを「腰抜け黒人（アンクル・トム）ども」と呼んで罵倒した。そして、この「腰抜け黒人（アンクル・トム）ども」には、「白人と黒人の融和」を唱える黒人指導者たちも含まれていた。このような人物は、教科書に載せるには好ましからざる人物、ということだろう。
マルコムXは、キング牧師と比較すれば、過激な人種差別主義者というレッテルを貼られがちである。マルコムXとキング牧師は、その政治的な立場の違いから、仲があまりよくなかったような印象があるが、内面においては深い信頼関係で結びついていたようだ。
もっとも、マルコムXに比べれば、キング牧師はただ「いい人、立派な人、温厚な人」だったというだけで片付いてしまう。やはり私が魅力を感じるのは、キング牧師よりも、マルコムXの方である。
このマルコムとキングの比較は、現代の黒人指導者、強硬的なルイス・ファラカンと穏健なジェシー・ジャクソンの比較と相似形である。
２．ブラック・ムスリムの蠢動
（１）ブラック・ムスリムの起源
先述したマルコムXと切っても切れない関係にあるのが、ブラック・ムスリム（Black Muslims ）である。ブラック・ムスリムは、公民権運動や白人との融和を求める穏健派の黒人運動とは一線を画し、黒人の分離独立を提唱している。このような立場は黒人の内部でも賛否両論がある。
そもそも黒人イスラム教徒の組織、ブラック・ムスリムは自らを「現人神」だとするウォーレス・D・ファード（Wali Farad）によって1930年に作られた。しかし、ウォーレス・D・ファードは1934年に謎の失踪を遂げ、代わってイライジャ・ムハマド（Elijah Muhammad）がこの組織の指導者となる。
マルコムXの自伝からも、ブラック・ムスリムズとムハマドやファードの生い立ちに関する記述を引用する。
（引用開始）デトロイトでいちばんあとから改宗したレジナルドをはじめ、兄や姉たちはみんなイスラム教徒になっていて、彼らからの手紙に書かれていた「イライジャ・ムハマド尊師」とか、ときには「アラーの使者」と呼ばれる小柄でやさしい男の信者になっていた。その男は「われわれと同様に黒人なんだ」とみんなはいった。イライジャ・ムハマドはアメリカ、ジョージア州のある農場で生まれた。家族とともにデトロイトに移住し、その地で、自らを「現人神」であると主張するウォーレス・D・ファード〔黒人イスラム教団の創設者。一九二〇年代の末ごろより活発な布教活動を行なった〕なる人に出会ったのである。ウォーレス・D・ファードはイライジャ・ムハマドに、アラーの言葉を託した。それは、「この北アメリカの荒野に住まう、一度失われ、いままた見出されたイスラムの民（ネイション・オプ・イスラム）」である黒人たちへの御言葉だった。
『完訳 マルコムX自伝 （上）』（中公文庫 2002年） P303
（引用終了）
（２）マルコムXの師 イライジャ・ムハマド
イライジャ・ムハマドが教団を受け継いだ時、メンバーは8,000人程度しかいなかったが、1950、60年代のマルコムXの宣教活動により、急速に勢力を拡大した。現在では、数十万単位のメンバーがいるはずだ。
そして、この、イライジャ・ムハマドこそは、マルコムXの生涯をいいようにも悪いようにも決定的に変えることになった人物である。彼は自らを「アラーの使者」（Messenger of Allah）と呼んでいた。
もっとも、厳密に伝統的なイスラム教の教えに従えば、「現人神」とか「アラーの使者」などマホメットの後に出てきてはならないのである。ただ、ブラック・ムスリムは宗教団体である前に、黒人のための政治団体だったことを考えれば、この辺りは仕方のないことと言える。
マルコムXが刑務所に服役中、兄弟姉妹から「黒人についての真実の知識」と題されたイライジャ・ムハマドの教えの核心部分が印刷物とともに送られてきた。
イライジャ・ムハマドの反白人思想の核心部分をマルコムXの自伝より引用する。
（引用開始）「真実の知識」は、私が得た知識よりもはるかに簡潔に要約されていた。歴史は、白人の手による歴史書で″白人化″され、そのため黒人は″何百年も洗脳されて″きたとあった。地球という星のアフリカと呼ばれる大陸に人類が出現したとき、「最初の人間」は黒かったのに、である。
白人があいかわらず、四つんばいで洞窟に住んでいたあいだに、最初の人間、すなわち黒人（ブラック・マン）は、偉大な帝国と文明文化を建設した。「悪魔のごとき白人」は、全歴史を通じてその悪魔的本性をむき出しにし、白くないあらゆる人種を略奪し、殺教し、竣辱し、搾取してきたのである。
人間の歴史における最大の犯罪は、黒人の人身売買（ブラック・フレッシュ）だった。悪魔のごとき白人はアフリカに出かけてゆき、何百万人もの黒人の男、女、子供たちを殺害し、また、西欧に連行するために拉致し、鎖につなぎ、奴隷船に積んだ。黒人たちは奴隷として働かされ、殴られ、拷問にかけられたのである。
（中略）
アメリカの黒人奴隷女たちは、所有者である白人によってレイプされた。その結果、最初の黒人奴隷たちの世代のたった三十年ほどのあいだに、本来の皮膚の色さえとどめていない、もともとの姓さえ知らない、アメリカ製の、白人製の、洗脳された一種族が出現しはじめたのである。奴隷所有者は、強姦によってつくられたこの種族を「ニグロ」と呼び、自分の姓を押しつけたのだ。
新種族ニグロは、自分の母国であるアフリカには異教徒の真っ黒い野蛮人がいて、猿のように木から木へとぶら下がって生きていると教えこまれた。こういった教えを、白人を受け入れ、服従し、崇拝するようにとの狙いで奴隷所有者が教えたその他のあらゆる教えとともに、ニグロは受け入れたのである。
奴隷所有者は、自分たちの宗教であるキリスト教の教えさえもニグロのなかにそそぎこんだ。地上にあるあらゆる宗教は、少なくともその種族のだれかと似ている神を自分たちの神として認めるように、信者たちを教え導くというのに。ニグロは、その所有者と同じ金髪と白い皮膚と青い目をもった異邦の神を、崇拝するように教えこまれたのである。
キリスト教はニグロに黒は呪いであると教えた。白いものはすべて善であり、讃美され、尊敬され、愛されるべきであると教えた。キリスト教はニグロに、もしも自分の顔の色が所有者の顔の色である白色で薄められれば薄められるほどに、かえって自分を優れたものであると考えるよう洗脳した。さらに、いつでもべつの頬をさし出し、にやにや笑い、敬礼し、お辞儀し、謙虚であり、歌い、祈り、悪魔の白人の分けあたえてくれるものはなんでも食べ、先の楽しみと現世の彼方の天国を思うようにと、白人のキリスト教によってあざむかれ、洗脳されたのである。一方、所有者である白人は、ほかならぬまさにこの地上にあって、おのれの天国を享受していたのだ。
『マルコムX自伝 （上）』 P304〜306
（引用終了）
山田宏哉です。
これは、イライジャ・ムハマドとマルコムXのネーション・オブ・イスラム時代、さらにはルイス・ファラカンへとつながる思想そのものである。
＊（下へと続く）
[2791] アメリカ／ブラック・ムスリムの蠢動 〜マルコムXとルイス・ファラカン〜（下） 投稿者：山田宏哉 投稿日：2003/01/23(Thu) 00:46:25（３）肌の色の薄い黒人の方が偉いまた、イライジャ・ムハマドの教説の中で、私が特に気になったのは、「キリスト教はニグロに、もしも自分の顔の色が所有者の顔の色である白色で薄められれば薄められるほどに、かえって自分を優れたものであると考えるよう洗脳した。」という部分である。これは黒人内部にも、肌の色による微妙な差別意識があるということを意味している。そして、このような差別意識は、確かに存在するのである。何より、マルコム自身、若い頃、ハスラー（ヤクザ家業）をやっていた時期は黒人の縮れ毛を白人のように真っ直ぐに伸ばすために、髪に強烈な薬品を塗ったりしていた。
また、例えば、マルコムXの父親、アール・リトルは、「黒人よ、アフリカに帰れ」という主張をする、UNIA（世界黒人向上協会）のオルグ（組織者）であった。だが、結局、おそらくは白人たちに暴行され、線路に寝かせられ、轢死させられる、という悲惨な結末をむかえた気骨のある人物だった。その父にしても、肌の色という烙印から自由ではなく、自分の子供を肌の色で差別するのである。マルコムの自伝から引用する。
（引用開始）父は白人嫌いではあったけれども、潜在意識的には黒人にたいする白人の洗脳にひじょうに影響されていたので、色の比較的黒くない子供にひいきする傾向があったのだと、私ははっきり信じている。私は兄弟中でいちばん色が白かった。当時のたいていの親たちは、色の白い子供には、黒い子供にたいするよりもほとんど本能的に甘かったようだ。これは、「混血（ムラトー）」が見た目がそれだけ白人に近いという理由で上等あつかいされた、あの奴隷制時代の遺習がそのまま伝わったものだった。
『マルコムX自伝 （上）』P25
（引用終了）
（４）現代の黒人指導者 ルイス・ファラカン
ブラック・ムスリムに話を戻す。イライジャ・ムハマドの死後、ブラック・ムスリムは、アメリカン・ムスリム・ミッション（American Muslim Mission）とネーション・オブ・イスラム（Nation of Islam）に分裂する。
アメリカン・ムスリム・ミッションの方はイライジャ・ムハマドの息子ウォーレス・ムハマド（Wallace D. Muhammad ）が作ったもので、国際的なイスラム共同体とも提携し、すべての人種に対して門戸が開かれた。親子とはいえ、これでは、イライジャ・ムハマドの反白人の思想とは折り合わない。
これに対し、ルイス・ファラカンが設立した、ネーション・オブ・イスラムの方は、イライジャ・ムハマドの反白人の思想と教説を受け継ぐものだった。当然、両者は犬猿の仲だった。しかし、1990年代の後半になると、ネーション・オブ・イスラムの方も、伝統的なイスラムの教えと実践を取り入れるようになる。そして2000年、ファカランとウォーレスは仲直りした。
ファラカンは現在も精力的に活動しており、2002年8月には、政府を相手取って「過去の奴隷制を償え」という、人によっては非常識にも見えるデモを起こしてメディアを騒がせた。
現在、ネーション・オブ・イスラムを率いるルイス・ファラカンが一躍、時の人となったのは、おそらく1995年にワシントンで行われた「黒人100万人大行進」だろう。この行進の動員数は、かのキング牧師の動員数を超えた。いまや、ルイス・ファラカンはキング牧師を超える黒人指導者とすら言われる。
行進のテーマは「贖罪（しょくざい）」と「社会、家族、自分自身への責任」という、1960年代の行進の時の目標であった、公民権の獲得などに比べれば、抽象的なものであった。この行進の様子を伝える記事を「朝日新聞」 1995年10月18日より引用する。
（引用開始）
平和裏の団結 新指導者は強硬派 ワシントンの黒人１００万人大行進
このパワーは、どこに向かうのだろうか。ワシントンで十六日行われた黒人男性による「百万人大行進」。「贖罪（しょくざい）と和解」を掲げ、参加者は口々に「社会、家族、自分自身への責任」を誓った。一九六〇年代の「白人への怒り」を知る者にとって、驚きともいえる平和裏の大集会で示されたのは、アフリカ系市民の団結と、呼び掛け人である強硬派黒人団体「ネーション・オブ・イスラム」のルイス・ファラカン議長の台頭だ。それが、人種間の亀裂が目立つ米社会にどんな流れを呼び起こすのか。クリントン大統領をはじめ、米指導層は計りかねている。（ワシントン＝アメリカ総局）
ファラカン議長は、午後四時前から二時間以上、「いまだに人種で分断され、不平等な」米社会への批判と、黒人男性の責務を説き続けた。参加者は警察当局によると四十万人（主催者発表では百万人を上回る）。六三年に故マーティン・ルーサー・キング牧師が同じ場所で組織した「公民権大行進」の二十数万人を超える、史上最大規模の黒人の集会になった。
米連邦議事堂を背に、その大群衆を壇上でひきつける議長の姿は、全米にテレビ中継された。「黒人だけの団結」などの過激な言動で物議をかもしてきた同議長が、黒人社会の新たな指導者として認知を迫る「始まり」ともいえる。
米黒人社会の「既成指導者」ジェシー・ジャクソン師が演説し、人気歌手スティービー・ワンダー氏も登場したが、どちらも、同議長の登壇をもり立てる「前座」に過ぎなかった。
同議長を「夫マルコムＸ暗殺の首謀者」と批判してきたベティ・シャバズ夫人も、壇上に並んだ。
キング牧師でさえ「これほどの人々は集められなかった」と、同議長側近は言った。新たな指導者の誕生を誇示してみせたのだろう。
「朝日新聞」 1995年10月18日
（引用終了）
３．ルイス・ファラカンとマルコムX暗殺
（１）ファラカン曰く「我々のメンバーがマルコム暗殺に関わった」
もっとも、この活躍するルイス・ファラカンにしても、あまり触れられたくない点がある。マルコムXの暗殺を指揮したのではないか、という疑惑である。
今や、マルコムXを暗殺したのは、ブラック・ムスリム（Nation of Islam）の人間たちであったことまでは疑う余地がない。何より、イライジャ・ムハマド氏の死後、Nation of Islamを率いているファカラン氏自身が、「我々のメンバーがマルコム暗殺に関わった」と証言している。争点はむしろ、ファカラン氏が直接マルコム暗殺の命令を下したか否かにある。
マルコムXは、自分がブラック・ムスリムの人間に殺されるであろうことを知っていた。マルコムの家が火炎ビンで放火された時、ブラック・ムスリムは「マルコムの自作自演だ」という発表までした。ただし、その一方で、アレックス・ヘイリィに対して次のように語っている。暗殺される直前期である。
（引用開始）「でも、ひとつ耳に入れておくよ――というのは、つまり、最近たてつづけに起こっている事件について考えれば考えるほど、それが黒人イスラム教団の仕業だということにだんだん確信がもてなくなってきたんだ。連中のできること、できないことが俺にはわかっている。ところが最近の一連の事件には、彼らではできそうもないことが混じっているんだ。フランスで俺の身に起こったことを考えるにつれて、黒人イスラム教団の仕業だというのはやめようと思ってるんだ」
『マルコムX自伝 （下）』「エピローグ」 P336
（引用終了）
山田宏哉です。
ちなみに、映画ではこのセリフは妻のベティに対して言っている。
これはつまりは、ブラック・ムスリムの背後でさらに大きな力を持った組織が操っていたということである。事実、そうだっただろう。社会の支配層にとって、真に都合の悪い人間は消されることになるのだ。マルコムの同時代人では、ケネディがそうだった。
しかし、皮肉なことにマルコムXの意思と行動を引き継ぎ、現代に体現する者を挙げるとするならば、ルイス・ファラカンを置いて、他にはいないだろう。そもそも、1955年、ルイス・ファラカンをネーション・オブ・イスラムに誘ったのは、他ならぬマルコムXなのである。
実のところ、私は、マルコムXの思想とルイス・ファラカンの思想の区別がほとんどつかない。マルコムXはイライジャ・ムハマドの女癖の悪さに幻滅し、ネーション・オブ・イスラムをやめるわけだが、教団の方も、マルコムX一人ばかりがメディアに登場し、目立っていた事にたいして面白くない感情を抱いていた。両者の対立の根底には思想的対立とは別の要因（嫉妬や人間的好き嫌い）があったのだと、私は考えている。また、これはひとえに近親憎悪と呼べるものではないかと思う。
（２）マルコムXの娘がファラカン暗殺計画疑惑で逮捕
さらに、1995年1月12日、マルコムの娘、キビラー・シャバズ氏が、「父の敵討ち」として、ルイス・ファカラン暗殺計画を立てたとして逮捕されるという奇怪な事件が起こっている。しかし、ジャズバ氏が雇った殺し屋が米連邦捜査局（ＦＢＩ）の協力者だったことなどから、マルコムXの権威失墜や黒人社会の分断を狙った陰謀だとする批判がなされ、結局、起訴は取り下げられた。
この問題に関して、「アエラ」1995年05月29日に重要な記事が載っているので、同誌より引用する。
（引用開始）
マルコムＸの娘の疑惑、歴史的和解？ アメリカ（ｉｎ・ｓｈｏｒｔ）
黒人指導者、故マルコムＸの娘（三四）にかけられていた、黒人イスラム組織「ネーション・オブ・イスラム」のリーダー、ファラカン師暗殺計画の嫌疑がこのほど取り下げられた。その五日後、ニューヨークでマルコムＸの夫人ベティー・シャバズさんとファラカン師の会談が開かれた。
「歴史的和解」と銘打ち、劇場に千四百人を集めて開かれた会談は、もともと裁判支援の寄付金集めを兼ねて計画。二十五万ドル（約二千万円）が集まったという。
会談は、ファラカン師の独演会。「我々のメンバーがマルコムＸ暗殺にかかわったのは悲しむべき事実だが、私は無関係」と潔白を強調。「（マルコムＸの）娘の起訴は黒人社会の分断を図る政府の陰謀」とぶちあげた。
彼女が雇ったという「殺し屋」がＦＢＩ協力者だったことなど、陰謀と疑われても仕方がない事件だった。が、つい最近まで「（ファラカン師の暗殺関与は）公然の秘密」と話していた夫人と、「マルコムＸは死に値した」と非難していたファラカン師が、なぜ急に「和解」したのか。
会場に、黒人のディンキンズ前ニューヨーク市長や黒人指導者ジェシー・ジャクソン師の姿がなかったことの方が注目を集めた。
今も続く「マルコムＸ信仰」に乗じて黒人社会での認知を図りたい彼らと、裁判費用を必要とした夫人一家の「利害が一致した」との見方もささやかれている。「アエラ」1995年05月29日
（引用終了）
山田宏哉です。
いずれにしても、このように謎は謎のまま、和解が成立してしまった。マルコム暗殺に関して、ファラカン追及の急先鋒だった遺族が日和ってしまっては、私にはこれ以上のことを知る由はない。
あとがきにかえて
マルコムXとルイス・ファラカンはブラック・ムスリムという一本の軸でつながっている。そして、その背景には、人種差別の哀悲があり、危険な香りもする黒人イスラム教徒ときな臭い現実がうごめいている。その意味で、このレポートのタイトルは「ブラック・ムスリムの蠢動」と名づけた。このような雰囲気を大雑把に感じ取ってもらえれば、筆者の目的は達成されたと言ってよい。
近年は、アファーマティブ・アクション（少数民族に制度的にゲタを履かせて優遇する措置）に対して、かえって黒人を甘えさせて堕落させる、という方面からの批判が強くなっていて、黒人運動も転機を迎えたといえる。単純により自分たちに有利な権利を求めれば、黒人が幸せになれるほど、問題は単純ではないのだ。
ただ、残念ながら、日本に住み、日本人である私がこのようなレポートを書くには限界がある。理想を言えば、このテーマに関して、私にはまだまだ書かなければならないことがあるだろう。しかし、そもそも私には普段、黒人の人と口をきく機会すらないのだ。池袋や原宿をたむろしていたり、ファッション店の呼び込みをやっている黒人を見るのが関の山である。しかも、彼らがイスラム教徒である確率はあまり高くないだろう。
それでも、このようにある程度まとまった分量でブラック・ムスリムとその系譜を引くネーション・オブ・イスラムを日本に紹介・報告をすることは、誰かがやらなければならない作業である。幸い、私にとってこの作業は楽しく有益なものだった。あとは、このレポートが読者の方にとっても有益であることを願うばかりである。
最後に、このレポートを書くにあたって、本文中明記した参照文献の他に、
ネーション・オブ・イスラムの公式サイト
http://www.noi.org/
ブラックファクツ・コム
http://www.blackfacts.com/
も事実関係の確認などに利用させてもらったことを付記して結びの言葉としたい。
2003年１月20日 山田宏哉
[2790] 若い会員読者からのメール。「ネット言論のＰＯＳシステム化」へ向かうしかありません。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2003/01/22(Wed) 08:08:24副島隆彦です。 ぼやきの無料版の方は、山田宏哉君の「福澤諭吉論」が載っていますので、やはり、こちらに載せるしかありません。私は、私宛てに来た読者からのメールに返事を書きながら、どんどん、自分の考えを、「問答形式」（ディアローゲ、産婆方式）で発表してゆくしかなくなりつつあります。一般雑誌や、自分の単行本の原稿も書かないで、ネット中毒状態です。苦しい選択です。しかし今は、このままネット中心で書きつづけます。
若い学生会員からのメールに返事メールで答えながら、私はかなり書きたいことを自由に書けるようになった自分に気付いています。もう我慢しないぞ、という感じです。「いつ我慢していたんだ。これまで、あれだけ好き放題書いてきて」と私の友人や編集者たちは言います。
冗談じゃない。私は、まだ本気で自由に書かせてもらった事はないぞ。どこの出版社にも。というのが私の気持ちです。
副島隆彦拝
（転載貼り付け始め）
Date: Wed, 22 Jan 2003 01:27:40 +0900
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: GZE03120@nifty.ne.jp
はじめまして。私は北海道の私大に通う＊＊＊＊（会員番号２＊＊＊番）というものです。かねてより先生の御著作は拝読させて頂いておりました。先生の御著作を拝読させて頂いて、いつも思うことは、「副島先生という御方はなんと造詣の深い方であろうか」ということです。政治思想はもとより経済、歴史、法律、文化、社会、英語等々、様々な学問分野に対する幅広い知識と、歯切れのよい文章は、私の目を引き付けて止みません。
ここで、すこし私自身の事についてお話したいと思います。冗長でしたら、読み飛ばしてください。私は中学入学とともに政治に興味を持ち始め、中学時代から読書を趣味とするようになりました。当時は、井沢元彦氏を中心に読んでいました。とは言っても、中学生だったので大した小遣いもなく、読んでいた分量は今から考えればごく僅かなのですが。
高校に入ると多少ながら金銭的に自由となり、西部邁氏や岡崎久彦氏、立花隆氏の著作を読んでおりました。私は浪人経験があるのですが、浪人時代には小林よしのり氏の著作にはまり、その流れから段々と右傾化し（当時は、小林氏が従軍慰安婦問題等をマンガにしていた頃でした）、反中反韓国的態度を強めていきました。
また、当時の小林氏と類似した主張をしていた、渡辺昇一氏や谷沢永一氏、中川八洋氏の本を読んでいました。大学に入ると、大学の授業のツマラナサに落胆し、家で本ばかり読んでいました。そんな時に書店で何気なく手にした本が、「属国・日本論」でした。当時は、「日本は他国とは違って悠久の歴史が素晴らしいある国であり、同時に、日本国民は優秀な民族である。」と考えていたために、この著作は「アホサヨクか」と考えながらも（スミマセン）、取り敢えず手に取ってみたのです。
その時の興奮は今でも忘れられません。最初の数行を読んだ途端に、私はその「属国・日本論」の内容に、非常に苛立ちを感じながらも、抗いがたい著者（副島先生）の説得力の前に、言葉では表せない感情を抱きました。結果、私は属国・日本論を買いました。
それから半年程は、西部氏や中川氏の主張（日本は無前提に素晴らしいんだ論）と副島先生の主張（日本は属国だ論）の間を行ったり来たりしました。いわゆる、先生の仰る、「脳がビリビリくる状態」というものだと思います。私が、先生の主張がおそらくは正しい、と決断したのは、「覇権アメ」を読んだときでした。先生の詳しいアメリカ政界分析、分かり易い法思想説明になにか「本物」を感じました。それからは、副島先生の著作を中心に、小室先生や岡田先生、片岡先生の著作を渉猟しました。いまでは、すっかり副島先生のファンです。
さて、今日こうしてメールさせて頂いたのは、先生に伺いたいことがあってなのです。それは学問分類についてです。一般に、日本では文系・理系という分類が為されますが、欧米諸国でもそうなのでしょうか。というのも、日本の大学などでは、
文系学問：法学、政治学、歴史学、理論経済学、文学、社会学、外国語学、心理学、哲学等
理系学問：物理学、化学、生物学、医学等
と分類されます。
これを欧米の基準で分類し直しますと（『決然たる政治学への道』Ｐ１７２参照）、
社会学問：政治学、理論経済学、社会学、心理学、
自然学問：物理学、化学、生物学、医学
人文：歴史学、文学、外国語学、
学問（サイエンス）に分類しにくい人間学：法学
本来は学問（サイエンス）と対立するもの：神学、哲学、数学
と分類し直せます。
といたしますと、欧米諸国では、社会科学（社会学問。人間社会の営みを法則性で研究する）と自然科学（自然の物事や現象を法則性で研究する）といった分類のみで、日本のような文系・理系の区別が無いように思うのですが。
欧米諸国にも文系・理系といった区別は存在するのでしょうか？もし宜しければ、教えてください。最後に、私のような稚拙な若輩者でも、宜しければ先生の弟子にしてください。それでは、先生の益々のご活躍を心より期待しております。では、失礼致します。
拝読させて頂いた御著作
『覇権アメ』、『法律学の正体』、『英語で思想を読む』、『小室直樹の学問と思想』、『属国・日本論』、『日本の秘密』、『日本の危機の本質』、『金持ちサラリーマンになる方法』、『決然たる政治学への道』、『裁判のからくり』、『テロ世界戦争と日本の行方』、『アメリカの秘密』、『ハリウッドで政治思想を読む』、『英文法の謎を解くシリーズ』、『道具としての英語基礎の基礎』、『リバータリアニズム入門』
＊＊＊＊さまへ
副島隆彦です
この度は丁寧な読書遍歴メールをありがとうございます。
＊＊君からのこういう自己紹介メールを、ここの購読会員になっていただいたあと暫（しばら）くしてからいただく、というのが私にとりましても自然な気がします。
貴兄も、自己の思考深化と真実探求精神の必然に誘われて、いわゆる「副島隆彦の本をほとんど読んだ組」に入るのだと思います。ありがたい事です。
考えてみれば、「副島隆彦の本をほとんど読んだ組」という人たちは、相当に貪欲な精神をした人たちです。私が３０年かけて苦しみながら書き続けた文章（そのまとめとしての本たち）を、おそらく読む人によっては、半年で３０冊読んでしまうでしょう。３０冊ぐらいが私の本で手に入る本の全てです。
真実らしきものに対して一気に近づいて行く人たちというのは貪欲な精神をしている人たちであって、それが本当にその人にとって幸せな事かどうかは分かりません。副島隆彦の本は宗教かもしれない、という疑いと、副島隆彦の本は陰謀論の一種だ、という警戒感を持ち続けるタイプの人の方が、固体としては伝染病にやられにくいのではないか、とも思います。しかし、大きな世界規模の真実をさっさと知った方が、やっぱり有利に生きれると思います。
私もそうやって先人たちの本を読みました。あとからやって来る若者たちは貪欲です。
私が時代と商業主義と恵まれない環境の中で、苦しみぬいて書いてそして何とか出版してもらった本たちを、いとも簡単に、１冊あたりほんの１０時間ぐらいで読み終えてしまいます。
人間（人類）が賢くなってゆく、というのはそう言う事なのでしょう。私たちは、理科系の技術者たちが「物理学や化学が発見した自然界の諸法則」を、「（産業用の）応用科学（＝applied science アプライド・サイエンス）」として使った様々の「文明の利器」に囲まれて暮らしています。そして、その発見者や応用科学者＝技術者（エンジニア、テクニシャン）たちへの敬意など払いません。「理科系の」技術者たちにとっては残酷な話です。
「産業用の応用科学」（アプライド・サイエンス）というのは、金儲け＝営利活動としての企業活動としての「科学技術」（テクノロジー）の発達ということです。
私は、自分がここまでほぼ自力で這い上がって、自力で「日本が属国である秘密」と「アメリカ帝国の秘密」を学問（サイエンス）として暴きました。もうここまでやれば、あとは若い人々の中から跡を継いでくれる人たちが出てきて、間違いなく、更に過激にガンガン真実を暴いて行ってくれるでしょう。
私が危惧（きぐ）しますのは、真に凡庸な人間たちが、私、副島隆彦の学統を、のちのち陳腐であたり障りのない、ごく普通の、人民抑圧学問に変質させて、旧来のくだらない日本土人学問の系譜の中に合体させてゆくことです。そういう者たちが出現していることの危険性を今から既に警戒しています。
それは、ヴィトゲンシュタインの言語哲学の過激な思想を、ソール・クリプキのような凡庸な者が出てきて講壇「愚劣」哲学に巧妙に変質させたように。カルナップまでは何とかゆるせる。それよりは、ドイツのファイアアーベントのような泥臭い後継ぎがいい。トマス・キューン（クーン）と・・・・誰だっけ、あのジョージ・ソロスが先生だと言いつづけた「オープン・ソサエティ」（開かれた社会）の人。このふたりは、やっぱりグローバリストだ。アメリカとイギリスに渡って、ロックフェラーの手先になったようなやつだ。
私の跡を継ぐ者たちは、私と同じような事を書く者であってはなりません。私、副島隆彦が唖然として、呆然とするようなとんでもない事を平気で書く者たちでなければなりません。ただし事実の持つ衝撃力と、人々への秩序破壊的なまでの説得力のある文章力でです。そうでなければ、副島隆彦の焼き直しのようなことを、穏健に変質させたような文章などを、私よりもずっと、３０年も遅れてやって来た者たちのくせに、私、副島隆彦程度のジジイの過激ささえも持たないような者たちは、すべて否定されるべきです。
私は、副島隆彦のまわりに穏健な言論官僚主義がはびこるのが一番厭なのです。おもしろくも何ともない。
何でもいい。若い人たちは無制限の言論バトルをやって見せてくれ、というのが私の願いです。それが、「副島隆彦の本をほとんど読んだ者」たちの次に進むべき荒野のはずです。人それぞれの持って生まれた能力というのはありますが。
ですから、私とあまり年齢の変らない４０代の人たちで、副島隆彦の本に出会って衝撃を受けた人たちは、残念ながらもうあまり「キチガエ・バトル言論」やるを可能性はないでしょう。ネット時代（情報通信革命時代）が日本に到来して６年です（１９９７年から数える）。こうやって、ネットの力で、従来の反動的な、テレビ、新聞、出版社群の国民言論統制、国民思想洗脳を、本気で打ち破って行くには、白金ゆうき君ぐらいの気合がなければ駄目だ。
他の人たちは、日本における言論系のネット革命に意義というものを分かっていないのです。学者を気取ったり、職業知識人を密かに目指したり、と、そういう、旧弊の慣習思考への従属からは何も生まれない。新しい職業は、新しい時代と共に生まれる。
コピー・ライターと環境芸術家とか、コマーシャル制作デザイナーとか、アニメ制作者とか、ＣＧ（コンピュータ・グラフィック）マンガ制作者とか、新しい時代と共に出現して、飯が食えるようになったでしょう。そういう風に言論系も考える事は出来ないのでしょうか。
どうして、そんなに立派そうな言論、知識にあこがれるのでしょうかね。私が今、２０歳だったら、やっぱり、ネットで「キチガエ・バトル言論」をやると思います。一切無制限の、アルティメットとか、Ｋ−１（の石井社長が、藤原紀香の愛人）とかの格闘技のようなバトルをやると思いますけどね。
私はもうジジイですから、１６ビートの歌は歌えと言っても歌えないのです。４ビートしか歌詞が聞き取れないし、口も回りません。だから、カラオケではジジイの歌しか歌えないのです。今は３２ビートの曲もあるそうですが。どうやって、聞き取るのだろう。困った。
ですから、４０代でここのサイトに来てくださる人たちは、温かく若い人たちを見守るということになると思います。２０代、３０代の若い連中が、「死に物狂い」で自分の人生の成否をかえて新しい仕事をしてくれて、私たちに見せてくれるのを待ちましょう。
と言うわけで＊＊君。私は、朝起きて（４時ごろ起きます）、ネットの仕事をしながらこうやって戴いたメールにお返事を書いていますが、このことについて、最近、一つの決断をしたのです。
それは、もう、「読者からのメールの集中転載」というのをぼやきの無料版にまとめて載せるのは、今、在庫で溜まっているものだけにしよう、と決めたのです。私は、掲載予定の文章在庫をもう今後は極力、抱えないことにしよう、と決めつつあります。
それは、私の精神衛生上非常に良くない、ということが分かったからです。「ああ、あの文章も、あれも、あれも、お客様たちから戴いたメールだから、ぼやきに乗せなくては」とずっと、気にしながら、何ヶ月もたってしまう、という弊害を、全廃にしようと思い始めています。どこまでうまく行くか分かりません。
それで、この「ネット言論のＰＯＳシステム化」（商品在庫を極力減らす、コンビニ・チェーン経営技術。トヨタの看板方式の応用。路上での「運搬車の倉庫化」の弊害もある。出版業界も導入した。）をやらねば、と思い立ちました。
このことの弊害もあります。それは、まず、私の生活時間が原型的にまで無くなること。ネット以外のことが出来なくなることです。
もうひとつの弊害は、「副島隆彦個人宛てに書いたメールは、すべてネット上で公開されてしまうぞ」という恐るべきプライバシー侵害の副作用（サイド・イフェクト）の発生です。この事は、いまだに私は考え込んでためらっています。が、きっと断行します。もう、私自身には、あまりプライヴァシー（私生活の平穏の権利、と法律学では訳します）はありません。私の弟子たちは、私宛ての個人メールをすべて読めます。そして笑っています。
ですから、皆さん、覚悟して下さい。いちいち皆さんの許可など取りませんからね。と書くとあまりにも平穏ではありません。ここはいくら私でもすこし躊躇（ちゅうちょ）すべきところかな。でも、その方向に向かいつつあります。
＊＊君。こういう訳で、君から戴いた自己紹介メールへの返事でこんな事まで書いて申し訳ない。
ご質問に答えます。
欧米には、君も予想する通り、「欧米諸国にも文系・理系といった区別は存在する」ことはありません。
日本語の、「理科系」というのは、数学が出来る、か好きな人たちが選んだ道、という意味であり、数学という「（人類）世界言語」で知能を磨こうと、無意識で選んだ人たちの分類のことでしょう。これは、旧制高校で、明治中期から「文�機廖嵎賢供廖ΑΑ嵳��機廖嵳��供廖ΑΑΑΔ妊疋ぅ銚豬蓮▲侫薀鵐晃豬蓮�英語系に分けたことから始まったのでしょう。
私、副島隆彦は、「文科系、理科系」という言葉自体も嫌いです。そもそも「科学」という言葉も意味不明で嫌いです。ナチュラル・サイエンスは、「自然（を対象とする）学問」と訳せ、とずっと書いてきました。しかし、そんな事を私ごときがいくら言っても誰も聞いてはくれません。それで私も妥協して使ったりします。どうしようもないのです。この土人の知識人たちの国の現状では。
私が、しつこく噛み続けたからか、さすがに、×「人文科学」と言う、お馬鹿な言葉は、最近、文部「科学」省内で死んで、「人文学」と表記するようになったようです。
あとは、＊＊君。自分で考えなさい。若いのですから、しかも、北海道、でっかいどーに住んでいて、東京の植民地扱いから脱しようとすれば、それこそ何でもありなのです。頑張って下さい。
副島隆彦拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[2789] 半導体製造企業の社長からのメールを転載します。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2003/01/21(Tue) 20:28:50副島隆彦です。 私の友人で、ドコモなどに半導体の部品を納めている中堅の製造企業を経営している人からの情報メールが来ましたので転載します。彼の会社もなかなか経営が厳しいようです。しかし経営者は歯を食いしばって、次の売れそうな商品開発に向かいます。
副島隆彦拝
（転載貼り付け始め）
＊＊＊＊さまへ
副島隆彦です
貴重な情報メールをありがとうございます。
私は、これまでの自分の信念と思想を変えることなく、一切妥協もせずに。ネオコン＝グローバリストどもとその日本国内の手先＝「ポチ保守」どもを日本国内で叩き続けて、グイグイと押して行きます。たとえどんなに無視され妨害されても、私が頑張らねば日本は救われないのだ、という確信のようなものが生まれ始めています。
ですから、グローバリストとその手先たちを攻撃する言論を、これからも同じ言葉の繰り返しでもいいから、何千回でも書きつづけてゆこうと思います。既に、私が日本におけるグローバリズム批判の旗頭であり、司令官（侍大将）ですから、旗色（馬じるし）を変えることなく一徹に彼らを攻めたてる所存です。
今後とも宜しく。
副島隆彦拝
Date: Mon, 20 Jan 2003 10:54:52 +0900
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: 副島隆彦さま GZE03120@nifty.ne.jp
副島隆彦さま
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中小企業経営者《お上の都合で倒産させられるのはいやだと考える少数派*》グループの会報からの転載です。既にご案内のことばかりとは思いますが、ご参考まで。
なおその会合で聞いた話では、ノーパンしゃぶしゃぶ事件でパージされた大蔵官僚は、反米的《と見なされた》人達だと、パージされた一人が言っているそうです。今度その元官僚を呼んで話を聴きたいと考えています。
実際に生命の危険すらあり、幾つかは自殺として処理されたそうです。代議士の新井 将敬や新生銀行の本間社長の自殺もあれは他殺でしょうね。最近読んだラドラムの新作『シグマ最終指令』に、そっくりな実例が出ていました。
お上のする事には一切逆らわず、マスコミの報道は総て信じるという、沈黙する羊の如き経営者の方が多数派ですが。私は羊年だがそれはごめんです。
（以下貼付）
『中小企業景気振興東京会議 』・事務局長の吉田 誠男氏よりの寄稿です。
タイトル ： アメリカの友人から
中小企業景気振興東京会議事務局長 吉田誠男
同会議のURL
http://www.ibasen.com/
�螳望貔膽卍�
http://www.keiki-shinkou.net/
私の出ていたABC・NEWSをたまたま何処かで見ていたアメリカの友人から電話がありました。「日本人で不良債権処理に反対している人達がいたとは驚きだった、アメリカの高学歴のビジネスマンやエコノミストの多くは何故日本は不良債権処理を急ぐのか？不思議で たまらなかった」そうです。
日本はそんなことより「デフレを防止 し、景気をアップさせることが最優先課題だ」というのが彼らの常識。アメリカ人である彼でさえネオコンの政策には首をかしげており、「ブッシュはどうかしちゃった」というのがこの頃の合言葉。
「イラクは攻撃、北朝鮮は平和的解決」のダブルスタンダ−ドに疑問を抱いているアメリカ人はかなり多いのだそうです。そのブッシュの言うことをハイハイ聞いている小泉、竹中を見て、「これは何かあるな？」と彼らも思っていたそうです。
そもそもイラク攻撃に賛成している人達はテキサス州など南部だけに集中しており、東部や西部の勤労者の７０％が「攻撃は何の意味もない」と思っているのが現実。ただ小泉・竹中がブッシュに脅迫されているのと同様、実はブッシュ自身もネオコンに脅迫されているようで、イラク攻撃をしなければ暗殺されてしまうのではないか？という噂がニュ−ヨ−クで飛び交っておるそうです。
（アメリカ人の間ではイラク攻撃の真の目的はイスラエルの安全保障と軍需産業の利権がたまたま合致したというのが本音、石油の利権説はスケ−プゴ−トだそうです。）
さて彼に早速「政府通貨発行」の件を相談したところ、この件は「NEWSWEEKの日本支社」に持ち込んだら良いのでは？という提案を貰いました。
NEWSWEEKは最近「アンチネオコン」の姿勢を鮮明化していると共に、「非常識な日本人」（不良債権処理などという一般的な事を考えないという意味）として取り上げてくれるのではないか？と言っておりました。
NEWSWEEKに取り上げられれば、「経済音痴な日本のマスコミも注目するよ」とはその友人の提案でもあります。
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昨日のアメリカABCのニ昨日のアメリカABCのニュ-ス内容が届きました。
吉田 誠男
Transcript
14/1/2003
Japan nurtures Aust ties despite economic woes
Japan's economic Tsar, Heizo Takenaka, has slipped into Australia for a whirlwind visit. He is the man giving the directions, as Prime Minister Junichiro Koizumi triesto steer the world's second largest economy out of stagnation. Mr Takenaka told a lunchtime audience that Japan was well on the road toreform. The reality though is that the economy is stuck in the mud. It faces huge challenges, not least a rapidly ageing population that could mean, in the words of one commentator,"a catastrophe". The Government is being forced to consider once unthinkable options, such as increasing the consumption tax by a staggering 16 per cent. Theimplications for Australia are enormous. Despite its economic decay,
Japan remains a key customer.
MARK SIMKIN: Each year, around 50 million Japanesepeople sing at least one karaoke song.It's not always pretty, but it is a national obsession.And yet even this industry is feeling the blues.
The number of customers coming to karaoke bars has plunged by 10 million.For the first time since the industry took off onedecade ago, companies are going out of business. Japan is officially out of recession, but that doesn't mean the economy has got its groove back. Banks are being crushed under the weight of $1 trillion in loans that are unlikely to be repaid.
JUNICHIRO KOIZUMI, JAPANESE PM: We need to take drastic measures to deal with the structural problems.Without this, there will be no economic revival.
MARK SIMKIN: And yet the reform is going nowhere.Japan already has 7,000km of highway - far more than countries of a similar size.Semi-government corporations running the roads, are all virtually bankrupt.Collectively they owe $580 billion.The Government wants to privatise the corporations,and cut back on highway construction.But the work continues unchecked.
AKIO OGAWA, CHUO UNIVERSITY: Mr Koizumi hasn't done nothing much.This is the worst government we ever had.Mr Koizumi's government is blatantly distancing the economy and the social system from its foundation.
MARK SIMKIN: The reform effort is feeble, but the need for change is urgent.Japan has a very low birth rate and a very long life expectancy.Within 20 years, one in four Japanese will be retired.By 2050, it will be one in three.That's a financial time bomb.The Government will need vast amounts of money to paypensions and provide health care, just as there are fewer taxpayers to shoulder the burden.
AKIO OGAWA: I don't want to look into the future because it's just - we are waiting for a catastrophe in 10 years or something.
MARK SIMKIN: The obvious solution would be to stop spending money on highways, but the Government is considering other options - options that seem suicidal. Imagine the backlash in Australia if the Government proposed increasing the consumption tax by 16 per cent? Such a huge hike could kill consumer demand and have adevastating impact on small companies like this one.
NOBUO YOSHIDA, BUSINESSMAN:
Koizumi doesn't understand the economy at all.He has never done business and doesn't understand it.I wish he would make real policy.Raising the consumption tax by 16 per cent will simply stop people buying.
MARK SIMKIN: The public is becoming impatient.When we visited this shop 12 months ago, it was doing a roaring trade selling Koizumi merchandise.Now, though, it's virtually deserted.The products have had their prices slashed by 60 percent,but still aren't selling.
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[2788] 先生、今年の流行語大賞は「ネオ・コン」のようですね 投稿者：大澤 知弘（Ｎｏ．１２４８） 投稿日：2003/01/21(Tue) 01:50:10副島先生、学問道場のみなさま。
新年あけましておめでとうございます。キューバ、グアンタナモ基地のアルカイーダ幹部達についてです。
先生の読まれたヨーロッパの新聞に近ければ良いのですが。
個人の方が実にマメにまとめておられます。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/1771687.stm
http://members.tripod.co.jp/masa_www/us_prisoner/bbc20020120.txt
http://members.tripod.co.jp/masa_www/us_prisoner/
http://members.tripod.co.jp/masa_www/server/peace_link.html#recent
[2787] 『裁判のカラクリ』をめぐる山口宏氏のお詫び広告全文を掲載。 投稿者：上田浩之 投稿日：2003/01/20(Mon) 15:31:16 去年の年の瀬に先生宛のメイルにおいて間違いと文字化けが有りましたのでお詫び申し上げます。それと山口宏氏のお詫び広告の全文を掲載すべきでした。このことに関してもお詫び申し上げます。早速ですが、まず山口宏弁護士の謝罪広告全文を載せます。１２月２８日(土)付け朝日新聞社会欄２３面より
(引用開始)
謹 告
私外一名が著作者となっている『裁判のカラクリ』(平成12年5月講談社より刊行)の一部に、いわゆる市民派弁護士が、破産手続きや債務整理等にあたって、不適切な行為をしているかのような記述が存在しました。いわゆる市民派弁護士の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫びするとともに、同書4訂版において同記述を削除しましたので、ご報告申し上げます。
平成十四年十二月二十八日
第二東京弁護士会所属 山口 宏
(引用終了)
次に、『裁判の秘密』(宝島社)で『裁判のカラクリ』の問題の記述を読んだと書いてしまいました。正しくは『ゴミ投資家のための人生設計入門[借金編]』でした。つい思い込んで書いてしまいました。この掲示板を読んでいる皆さんにもこの記述のどこが問題か？考えていただきたく敢えて『ゴミ投資家のための人生設計入門[借金編]』(Ｐ１３２〜Ｐ１３３)から孫引きではありますが引用します。前述のお詫び広告と合わせて考えてみてください。
(引用開始)
現役弁護士・山口宏氏は『裁判のカラクリ』（講談社／共著）のなかで次のように告発します。
「つまるところこの市民派弁護士たちの多重債務者問題の解決法は、依頼者を自己破産させることに尽きている。自己破産させてしまえば、これまでのサラ金やクレジット会社などからの借金は全て帳消しになるからだ。
しかし、問題なのは自己破産させる直前に、
『最後に300（300万円）つまんでこい』と債務者にそれとなく指図することだ。かならず300万円といういうことはないだろうが、要するに自己破産させるため、裁判所に納める費用と弁護士費用を、最後にサラ金から借りてこいというわけだ。
債務者にとっては自己破産することが前提だから、300万円でも400万円でも新たに借りてくる。２、３カ月後に免責の決定が出るのだから、自分の腹は少しも痛まない。
裁判所もこのところの事情は先刻承知であり、
『最後の借金は裁判所に納める費用と弁護士の着手金です。前もってもらっておきました』
と弁護士が言えば、問題にしない。」
日本では現在、年間１４万件の自己破産が起きているといいます。１件当たりの弁護士費用が50万円なら、総額で700億円(！)のビッグビジネスです。「困ったらドンドン自己破産しましょう」とあおる弁護士が出てくるのももっともです。
こうして、「闇金融の終着点」として悪徳業者の代表のように言われたシステム金融業者は、自己破産者とそれを“支援”する一部の弁護士の食い物にされて、あえなく淘汰されてしまいました。
このように、バブル崩壊後の日本では、大銀行から個人までが凄まじいモラルハザードを起こしています。日本の金融危機とは、たんなる不良債権問題ではなく、「借りたカネは返さなくてもいい」「借りては弱者でかわいそうだ」という風潮が蔓延したことにあります。いくら自業自得とはいえ、こんな社会では、まともな金融ビジネスが営めるわけがありません。
(引用終了) 最後に、文字化けして消えてしまった箇所を簡単に書いておきます。
１．ゴミ投資家のためのインターネット株式投資入門［デリバティブ編](ごミ投資家シリーズ「デリバティブ入門」ではありませんでした。この場で訂正しておきます。)の２７２ページで住友商事銅不正取り引き事件の背景を取り上げる中で、ヨーロッパの非鉄金属市場、とくに銅市場は、歴史的に、世界最大のロスチャイルド家の支配下にありました。という記述が気になりました。銅だけではなくロンドンの金市場もロスチャイルド家の支配下にあるような気がします。世界最大の金現物市場のロンドンでは日々の金価格を決める場所がなんと『ロスチャイルド家の黄金の間』です。また機会がありましたらＦＡＸで取り寄せたＷＧＣのＦＰ向けの資料から詳しく述べたいと思います。
２．スイス系の銀行に勤めているあるいはいた人はアメリカ・ヨーロッパグロ ーバリスト双方の動きが手に取るように分かっているような気がしてなりま せん。日本で初めてのブッティック型投信かつ個人名の投信会社さわかみ投 信の社長澤上篤人氏のあちこちで書かれているコラムを読むとそんな気がし てなりません。それにさわかみ投信の看板ファンド、さわかみファンドは２ ００１年９月１１日テロ後の世界同時株安にも耐えて基準価額一万円を割っ たことが無いように記憶しております。どなたかモーニングスターで調べて みてください。凄いファンドです。今はさすがに市場環境の悪化で一万円 割ってますが長期投資を主にしているファンドですから大手証券系列のくず ファンドを買うよりいいんじゃないでしょうか。長期、もちろん１０年以上 で見ればこのファンドがいいような気がします。澤上篤人氏のプロフィール を載せておきます。引用元はＤＬＧdirect ＳＦＧ証券のＨＰのさわかみ経 済教室です。アドレスは、http://www.dljdirect-sfg.co.jp/
(引用開始)
1973年 ジュネーブ大学付属国際問題研究所
国際経済学修士過程終了
1974年 山一證券国際アナリスト
兼ファンドアドバイザー
1980年 スイス･ピクテ銀行 日本代表
1986年 ピクテ･ジャパン株式会社
代表取締役社長
1996年 さわかみ投資顧問株式会社
代表取締役社長
1999年 さわかみ投信株式会社設立
(引用終了)
今日のテレ朝のビートたけしの「テレビタックル」に山口宏弁護士が出演しているかどうか楽しみです。先週、テレ朝のビートたけしの「テレビタックル」をみたとき眼鏡を掛けていた紺色のスーツを着ていた人が出ていましたのでこの人が山口弁護士かな？と思いました。どこか副島先生と感じ似ていますね。寒い冬はまだまだ続きますね。
[2786] さる官庁の若い官僚からのメールと私の返事メール。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2003/01/20(Mon) 06:43:08副島隆彦です。 さる対外的な国家政策に関わる官庁の若い官僚でここの会員の人からのメールが来ていましたので、私の返事メールと共に、ここに転載します。みんな組織、団体の中で生きてゆくということは大変なことなのです。特に才能のある人間にとっては、自分を殺して組織の中で生きてゆくということは、大変なことなのです。そのことを、社会人になりたて、数年目の人たちにはよく噛み締めてほしい。
少しでも我が儘を言うと、組織はその若者を叩き出します。そうすると、プータローになってまいます。自分の能力で、腕一本で自営業者として生きてゆく覚悟が必要です。それは並大抵の苦労ではありません。プータロー（フリーター）といえども、日本国家の職業統計上は、自営業者２１５０万人の中に立派に数えられています。サラリーマン（給与生活者）は、３２００万人です。
自営業者になる覚悟の無い者たちは、組織内の自分の立場をより安全にするために、上手に生きなければいけません。特に、才能のある（つまり人びとと調和出来ない気質の）人たちは、自覚して気をつけて生きなければいけません。それが出来ないと先々悲惨です。
私、副島隆彦は、およそ自分の生きてきた軌跡とは違うことでも、これからは書いてゆかねばと思います。「ひらめきのある若者たちよ。君たちはどう生きるべきか」という課題も、私は背負おうと思います。
副島隆彦拝
（転載貼り付け始め）
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From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: "副島先生" GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Sunday, January 19, 2003 4:59 PM
Subject: ぼやき「３９２」を通じて
副島先生へ
ご無沙汰しております。
会員番号＊＊＊＊番の＊＊＊＊です。
昨年十月、有料版の申し込み時に数度メールを差し上げた際に、簡単な自己紹介をさせていただき、先生に歓迎と激励のメールを頂戴したきりですので、改めて名乗りますと＊＊省のキャリア官僚をして３年目の２６歳です。
事務所の皆様からも年賀メールを頂戴しておきながら、筆不精が祟りまして、お返事も返しませんで礼を失しておりましたところ、先生のぼやきの有料版「３９２」を拝読して、大変な驚きを覚えました。
と申しますのも＊＊＊＊氏の講演については、存在は承知しつつも時間を確保できず出席を見送ったのですが、間接的に先生のお弟子さん（？）の存在が同じ省内にいることを知ることになったからであります。大変心強く思いまして、思わずこうして筆をとった次第であります。
ところで、現在の私の在籍は、＊＊局＊＊＊＊課というところで、＊＊＊の制度面での＊＊立案を行っている部署であります。したがって、いわゆる秘密に属する情報に接する機会が少なくはございません。
できることならばその立場を有効に利用して「情報提供」をさせていただければという衝動に駆られることもございますが、当然それは「秘密漏洩」と同義でありますので、歯がゆい思いもいたしております。
しかしながら、若輩者なりに先生やお弟子さんの皆様のような大きな視点から日本の現実（と言うと大げさでしょうか？）をしっかりと見据えていきたいと考えておりますので、これからもよろしくお願い申し上げます。
私事ばかりで恐縮でございますが、一口にキャリア官僚と申しましても、秘密（特にアメリカ関係）を含んだ重要な情報にアクセスできる部署に在籍し続けるためには、いわゆるキャリアアップの階段(ladder)からドロップアウトしてしまっては不可能になります。
（事実、もう何年も＊＊＊局に戻ってこない先輩も数多くおります。話は逸れますが、人事管理の現実として、主要部署のいくつかを、優秀と目されている人々がぐるぐると持ち回っているような感じです。当然その当事者たちの肉体と精神を蝕みながらですが。）その意味で「うまく立ち回り」ながら、自分の位置を確保していくことも大切であると、先生のお弟子さんの存在を同じ省内に知りえたことを契機として思った次第であります。
お忙しいところに、冗長なメールで失礼をいたしました。
お体、ご自愛ねがいます。
会員番号＊＊＊＊番、＊＊＊＊拝
---- Original Message -----
＊＊＊＊さまへ
副島隆彦です
メールをありがとうございます。
＊＊君が、現実の厳しさを深く実感しようとなさっていることがすばらしいと思います。中でも、
「優秀と目されている人々がぐるぐると持ち回っているような感じです。当然その当事者たちの肉体と精神を蝕みながら」
という言葉に、現実の過酷さがよく表わされています。官僚制に対する管理の仕組みは、どの国でもおそろしいまでに発達していまして、たとえ年間３０万人の国家官僚の才能と資源を使い潰したとしても、それでも、鈍重に国家体制というものは継続してゆくのです。政治(家）＝国民の代表者たちによる官僚統制というのが、国家の基本骨格だからです。
たとえその為に、国家にとって有為な人材を、３００万人を無残に廃材にしてしまうことがあったとしても、それでも国家は何知らぬ顔をして継続してゆきます。大国アメリカの官僚機構も同じように過酷なものでして、厳しい政治統制の元に置かれているのです。そうしないと、革新官僚たちが暴れだして、実質的なクーデターを仕掛けてくる、という事件は、どこの国でも始終、起きていることです。
個人の考え、能力の名において、官僚制（組織統制）に対して反抗と反乱を起こす者は、たとえその組織全体を動かすほどの才能とビジョンがあると衆目が一致しても、それでも叩き潰されます。そして体よく追放されます。
そのことは、いくらグローバリストの手先をやって、ジャパン・ハンドラーズたちの覚えが目出度い人(代表 岡崎久彦外交官、元大使）らでも容赦しません。外務省内の官僚機構では、岡崎氏などは、ペーペーでした。それを、メディアの手先（読売、ＰＨＰ、産経、文春、日テレ）たちが、上手に、彼をスター評論家に仕上げることで、それで日本国民への言論統制、思想洗脳の道具として使うのです。この構造の残酷さを＊＊君もさっさとよく分かって下さい。
大組織に殉ずる覚悟が無ければ、幹部にまではなれません。それでもトップ役員たちの中にもはいれません。そうやって有能な組織人間たちが、使い潰されて、深い恨みを抱きながら人生を終わってゆくのです。
＊＊君が学ぶべきは、君に目をかけてくれている先輩や、上司たちのその怒りをしっかりと体に叩き込むことです。アメリカ軍事分析や、政治研究などは、この先いくらでも出来ます。君にとって今大事なことは、組織原理を学ぶことです。
そうでないと、いずれたたき出されます。自分の個性を表に出して仕事をしようとする者は、組織が許しません。組織、団体というのはどういうものでもそういうものなのです。
恐い話が、私たちのこの「学問道場」にも組織原理が出来つつあります。この組織自己原理は、たとえ、私、副島隆彦の意思によってでも動かせなくなるでしょう。組織は組織の目的に向かって、突き進んで行きますから、それを阻害しようとする動きに対しては激しく対応しょうとします。そういうものなのです。
ですから、端的に言えば、給与所得者という、糧秣と寝場所が保証される「飼い犬」でありつづけるか、それとも、野山を駆け巡る一匹狼になるか、は、その人の資質であり、人生選択です。
一匹狼と言う言葉は、かっこいいです。しかし、それは誰にでも出来ることではありません。一匹狼の、本当の姿は、本当は、野良犬（野犬）ということです。その日その日の食糧を求めてさまよわなければならないのです。毎日が飢えと寒さとの闘いです。
そして、野犬はやがて野犬狩りに合って撲殺されるか、捕縛されて収容施設に入れられて、そしてやっぱり、毒ガスで殺されます。
私は、昨秋、アルカイーダの幹部たち８００人が、キューバのグアンタナモ基地の中のまさしく檻のなかで、動物扱いされながら、人間の尊厳を奪われて、拷問ではない、より残酷な静かな拷問にあって、つぎつぎに殺されてゆく極秘レポートをヨーロッパ経由で入手して、ひとりでずっとうめいていました。
アルカイーダを犯罪者として裁判になどかけることさえしません。国際戦争犯罪人が一般犯罪者であるか否か、さえ分からないからです。そして９．１１に対する憎しみがあります。激しい報復感情が人間を残忍にします。「おまえら、死にたいんだろ。反省する気も、改宗する気も仲間を裏切る気もないんだな。それじゃ、死ねよ」と言って、それで、両手両足を縛ったまま餓死させるのです。人類の戦乱の歴史の実像は常にそういうものでした。
ヨーロッパ人が、昨秋、決定的に反米になったのは、それは、このアルカイーダたちが羽交い絞めにされて、２４時間、猿轡（さるぐつわ）をかまされて、赤い囚人服を着せられてうずくまっている姿で、２メートル四方の檻のなかで、「ほら。おまえら、コーランを唱えて、メッカに向かって、礼拝したいのだろ」と、いう写真をヨーロッパ各紙が掲載したからです。それは、１５、６世紀の凄惨な宗教戦争の記憶をヨーロッパ人に呼び覚ましたからです。
＊＊君。政治思想を学ぶ、ということは、それぐらい過酷なことなのです。アルカイーダ過激派（イスラム帝国諸国＝イスラム共同体、ウンマー・イスラミヤの国際義勇兵たち）の狼たちは、そうやって撲殺されてゆきますが、それと自分の運命を重ねあわすことが出来ないような者達は、それは思想の素人であり、大衆読者程度です。とても国民的知識人になどはなれません。
私、副島隆彦は、この後者の野良犬、狼であることを１６歳の時に自覚しました。ですから、いつでも飢えと寒さの中で生きる浮浪者の覚悟も出来ています。そういう根性のある者でなければ、本当の軍事思想などは、語れないのです。
各省の官僚機構や、大企業の官僚機構の中で生き延びてゆくことの残酷さをこそ、私はこれからはもっと、みんなに教えてゆこうと思います。このことに較べれば、今の私たち日本人の甘えた、平和国家ぶりは、真に愛すべきなのです。国民を戦争の危険にさらしてはならない。これが政権政治家（民族指導者）の第一の仕事でなければならない。たとえ、自分は世界皇帝の前に土下座してはいつくばってでも、あるいは、幽閉されて自国には帰れなくなるとしても、それでもなお、妥協して、帝国の言うことに従わざるを得ないのです。
飼い犬であるサラリーマン人種の低所得・家畜ぶりは、誰もが味わっていることです。そういう自分の日々の現実を見ない振りをして、なめたことを私へ挨拶も無しに、ここに匿名で書きに来る、そういう者達は、私が、思想の棍棒で撲殺してゆきます。
あるいは、おとなしく良きパパとなって、平和で静かな家庭生活を営むべきだ。それが一番いいのです。
＊＊君。日本国の為に頑張って良い仕事をして下さい。
副島隆彦拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[2785] 「辣腕行政マン・掲示板」について 投稿者：まーちゃん 投稿日：2003/01/20(Mon) 02:08:10 私は東京都の高校の現場で教えている都立高校の教員です。
副島先生の著作は少なくとも５冊以上は読んでおりますが、まだ「凄く面白いことが書いてある」というくらいでそれが正しいとか間違っているとかいう判断はできておりません。
この掲示板は、もっとちゃんとした考えを書く掲示板のようなのでこの投稿は削除してもいいです。
「辣腕行政マン・掲示板」というアイディアはとても面白いと思います。個人的には東京都の公務員(特に教育庁の人が都立高校改革について書いて下されば非常に興味を持って読めます)の意見を読みたいと思いますが、それ以外でもいろいろな意見が書き込まれれば面白いと思います。
私はそのような掲示板がを作ってもらいたいと思います。
[2784] 「辣腕行政マン・掲示板」の設立を促します。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2003/01/19(Sun) 11:59:28副島隆彦です。 私は、ここのサイトに結集する会員の中に、多くの優れた地方公務員の皆さんを抱えている。「公務員エース」君たちである。全国の県庁や市役所内で、総合企画や産業振興などの重要な仕事をこなしている人々である。だらけてふて腐れている膨大な数の公務員人口の中で、気概を持った輝かしき歴戦の人々である。
以下に転載するＩ氏もそういう一人である。ですから、私からの提案として、どうか、これらの地方行政マンたちが、結集する「辣腕行政マン掲示板」（仮称）サイトを立ち上げていただきたい。
実際の住民行政の現場で悪戦苦闘しながら、どのように住民への行政サーヴィスを行なって来たか等をみんなで報告しあうことから始めて、各種の地に付いた政策提言までが出来るような掲示板に成長していただきたい。決して国家官僚のエリートたちだけでは国の政策体系は、動かないのです。私の提言をお汲み取りください。
設立発起人になる人たちが、この重たい掲示板で意思表明をしてから、連絡を取り合ってから始めていただけるとありがたいと思います。
副島隆彦拝
（転載貼り付け始め）
＊＊＊＊さまへ
副島隆彦です
この度は、＊＊さまの自己紹介メールをいただきありがとうございます。
私どもの会員の中には、相当に優秀な地方公務員の行政マンたちが数十人おります。
＊＊さまもこのお仲間に加わっていただき、大きく地方分権推進（真の住民自治権の獲得）の立場からの、「辣腕行政マン掲示板」とかのサイトを、ここのサブサイトとして開いていただけるとありがたいのですが。医者の皆さんが、医療掲示板を開いているように。
いまのところは、みんなお仕事で大変忙しいので、とてもそのような時間が見つからない、と言うことのようです。どうか、こういう行政マンたちのネット上での結集と団結ということもご一考下さい。こちらこそ今後とも宜しくお願い申し上げます。
副島隆彦拝
----- Original Message -----
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: "副島隆彦" GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Saturday, January 18, 2003 11:54 PM
Subject: Re:ご挨拶
副島隆彦先生
＊＊＊＊です。<会員no****>
(略） 簡単に自己紹介させていただきます。
195＊年＊＊＊市生まれ。＊＊＊＊大学法学部卒業後、１９８＊年＊＊県庁に就職。産業振興、福祉ケースワーカー、商店街対策、予算経理、観光、貿易振興、企業誘致業務を経て、現在ダム事業のなかの地元対策を担当しております。
途中、１９８９年（バブルの最後の年！）に電通に研修、１９９６年〜９８年に日本貿易振興会（ジェトロ）＊＊＊センターに出向し、主に＊＊県企業のための経済交流業務に従事しておりました。
先生の著作は、「小室直樹の学問と思想」と「道具としての英語シリーズ」が最初ですが、本格的に読み出したのは、1996年＊＊＊＊香港＊＊＊に出向していたときに大丸デパート香港店（当時）で「英文法の謎を解く」に出会ってからです。
以後先生の著作は、購読していない方が少ないくらい（英語辞書大論争と代々木ゼミ時代のテキストぐらいだと思います。）です。先生の著作から得られる情報及び思想には驚嘆しております。
「ぼやき」については有料サイトが始まる前から、ときどきアクセスさせていただき、サイン本も購入したこともあります。有料版が始まってからは、申し込む決心がつかず、内容を編集した単行本を購読しておりましたが、今回自分の4＊回目の誕生日を迎えたのを期に申し込ませさていただきました。
自分としては、今後も職業としての「地方公務員」であることに多少の誇りと使命感を持っていきたいと考えておりますので、それだからこそ先生の著作及びそれを通しての思想に向き合っていかなければと考えております。今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。 以上
＊＊＊＊拝
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[2783] 副島隆彦先生へ 投稿者：青葉鈍亭 投稿日：2003/01/18(Sat) 00:28:46副島先生のおっしゃるとおりです。深くお詫び申し上げます。これをのぞき、以降書き込みをいたしません。部外者ながら、最後にひとつ提案いたしますことお許しください。
先生はいま、組織を引き締めこれからの戦略に向けて地歩を固め、ご自身だけではなくお弟子の方々も著述をものにする思想言論集団、いわば副島工房を築き上げようとなされているのだと考えます。
そのためにお弟子の方々を鍛えようとされているのであれば、お弟子の方々を直接デビューさせることにではなく、まずは副島先生の著述業の補助作業に重点をおかれることを提案いたします。たとえば、副島先生のぼやきの誤字・脱字の校閲から始まって、その内容の裏付けや修正、そしてぼやきをもとにしたリライトにいたるまで、様々な段階で先生の仕事をお弟子の方々が補助することがあげられます。
その目的のひとつは、先生からより直接的なかたちで薫陶を受け、お弟子の方々が思想形成の助けとし、思考訓練そして論文作成技術を身に付けることです。もうひとつは、昔と異なり安価大量生産の出版時代となり出版社の編集能力に期待できる時代は終わりましたので、著作者の側で基本的な編集機能を確保しようとする狙いです。
このようなことを申し上げる理由はふたつあります。
ひとつには、先生がお弟子の方々にいきなり論文を書かせようとなされても、もとからできる者ではない限り難しいということです。そしてもとから論文が書ける人間は、すでに職業として書くことに携わっている者以外にはまれです。ですから、お弟子のなかからすでにプロであるものを選抜するもしくは会員の中からプロを募るという方針ではないのであれば、多くのお弟子さんがたに先生の仕事をなぞらせることで実践的に学ばせ、より多くの言論人を輩出していくためです。
またひとつには、ネット上のぼやきをそのまま出版することをさけるためです。不況の中ますます読書人の眼は厳しさを増しており、著者名買いの傾向が強まってきております。そうしたなかで、ささいなものであれ誤字・誤謬などを放置したまま出版し続ければ副島ブランドに傷が付き、以降の売り上げに支障がでる恐れもあるかと存じます。
以上のことをもしご考慮いただけましたら望外の喜びと存じます。先生とお弟子の方々、会員の皆様方の向後の御勇躍を祈念しつつ、乱文乱筆非礼お詫び申し上げ、ここに筆を置かせていただきます。
[2782] 購読会員からの「掲示板巡回ソフト」の提案を載せます。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2003/01/17(Fri) 11:45:04副島隆彦です。 購読会員から、以下に載せるような、「掲示板巡回ソフト」が便利ですよと言う提案のメールが来ていました。これをここでみんなで考えて下さい。私には、まったく分からないことです。
それから、下 ↓ の青葉鈍亭 とかいうような、一体誰なのか、分からないし、自己紹介も挨拶もなく、生来のケチの性分のゆえに会員にもなっていない者は、ここの総合掲示板には、書きに来るな。どうせくだらないことしか書けないし、「どうなんでしょうか」という馬鹿口語文体しか使えないような者には、私たちは用は無い。消えていなくなりなさい。何度言ったら分かるのですか。
副島隆彦拝
（転載貼り付け始め）
＊＊＊＊さまへ
副島隆彦です
（略）
貴重な「掲示板巡回ソフト」の導入の提言を有り難うございます。早速この提案を、掲示板の方で公開させていただきます。私には、それがどれぐらい便利なものか見当がつきません。ここに集る人々の間から建設的な意見が現れるものと思います。
私は、ネット技術の用語としての「スクリプト」なるものさえ分からないのです。「キャシュ・メモリー」ccache (あるいは、cachue ?)memory なるものがどういうものか、ようやく最近少し実感で分かった程度です。キャッシュとは貯蔵庫の意味で、「頻繁に用いられるデータを一時的に蓄える高速にメモリー」のことだと知りました。「キャッシュ、キャッシュて何だろうと」とずっと思っていました。
副島隆彦拝
Date: Thu, 16 Jan 2003 19:57:55 +0900
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: snsi@mwb.biglobe.ne.jp
SNSI・副島隆彦事務所 様
あけましておめでとうございます。
会員番号＊＊＊＊番 ＊＊＊＊です。
（略）
この機会を借りて一つお願いというか、質問です。
学問道場が日に日に拡大膨張していくにつれ、すべての掲示板を巡回することがとても大変になってきました。そこで巷に出回っている”掲示板巡回ソフト”なるものをインストールしてみました。
私が導入したのはＩＮＣＭと呼ばれるフリーソフトで、各掲示板の形式に合わせてＰＥＲＬ言語によるスクリプトで微調整する代物です。学問道場で利用している掲示板形式は、ＫＥＮＴ−ＷＥＢと呼ばれるものが殆どで、それ用のスクリプトをダウンロードしてそのままではうまく巡回できないので、微調整して学問道場を巡回したところ、殆どの掲示板を自動巡回することに成功しました。（投稿できるまでの修正はできてません。閲覧のみです）
但し、「日本英語の謎を解く」「岡田英弘歴史掲示板」の２つは特殊な形式の掲示板の為、未だにうまくスクリプトが動きません。
更に、今日のぼやきに至ってはＫＥＮＴ−ＷＥＢ形式ですらなく、My Diary Version 1.21という形式で有る為、巡回のスクリプトが存在しておりません。悲しいかな自分で作成する術を持っておりません。微調整くらいならできるのですが・・・。
そこで、お願い（質問）なのですが、どなたか自動巡回ソフトを使用されている方がいらっしゃったら共有させて頂けないかなと思いまして、この場を借りて書かせて頂きました。どこかの掲示板に書いて問い合わせれば良いのかもしれませんが、何処が適当なのやら分からず今日に至っております。
素人衆には、巡回ソフトで収集してきた記事の方が、ＷＥＢでの掲示板閲覧より何十倍も見やすいと私個人としては激賞推薦しておきます。その為のスクリプト類の拡充を是非とも、システム担当の方々でご検討頂けると幸いです。ご一考の程、よろしくお願いいたします。
＊＊＊＊
（転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[2781] Re:2772と2779 投稿者：青葉鈍亭 投稿日：2003/01/17(Fri) 00:30:17おじゃまします。Re:[2772]
書評掲示板について
閉じられた中で、すでにあるものに異なった意味を持たせ、仲間内で工夫してうまく運用していくということと、広く開くために、万人に使いやすいようにその新たな意味にのっとってそれにあう器を用意するということは近いようで非常に遠い。
ひどい悪文なので平たく言い直しますと、
「理科系掲示板のような形式で、著者別署名別のディレクトリ形式の
掲示板を、新たに用意して欲しい」
ということなのではないですか。
ずらずらと流れていく一次元形式の掲示板ではなく、二次元的なディレクトリ形式の掲示板にして、分野や著者名と書名の視認性をあげて使いやすくする。また、別に書名一覧リンクを用意するなど、時間の経過とともに情報が流れて散逸してしまわないように、データベースとしての機能を持たせる工夫もする。
やってみる価値があるかどうかは私の関するところではありませんが
すくなくとも2771の津田達也さんのいいたいのはそういうことではないかと考えます。
Re:[2779]島には部族社会が残っていた
さて、どうなんでしょう。
自分たちで火葬までやってしまうその島の住民。
因習の中に埋没し、「島のことは島の住民で解決する」島の住民
死から切り離され、死生観も持たない都市住民。
法制度も根付かず個人主義も芽生えず伝統も取り上げられ、全部おまかせで自分たちではなにもできず、全自動ベルトコンベアにのって墓標になるのを待っている都市住民。
このような視点をとった場合、はたして、その島の住民と都市住民のどちらが「寒気がする」存在なのでしょうか。
[2780] 「Re:」で始まる件名のメールに注意 投稿者：Rss-K 投稿日：2003/01/16(Thu) 19:14:43（貼り付け開始） 『ITPro』ニュース[2003/01/15]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20030115/1/
「Re:」で始まる件名のメールに注意，「Sobig」ウイルスを米CERT/CCが警告
米CERT/CCは米国時間1月13日，電子メールで感染を広げる「Sobig」ウイルスに関する感染報告が増えていることを公表した。公表時点で100を超える感染報告を受けているという。アンチウイルス・ベンダーであるシマンテックや日本ネットワークアソシエイツも，報告件数が増えているとの理由から，それぞれ米国時間1月13日および1月12日に危険度を引き上げている。
Sobigウイルスを添付したメールの件名（Subject）は，「Re: Movies」「Re: Sample」「Re: Document」「Re: Here is that sample」のいずれか。差出人名は「big@boss.com」。ウイルス本体である添付ファイル名は，「Movie_0074.mpeg.pif」「Document003.pif」「Untitled1.pif」「Sample.pif」のいずれかである。
ユーザーが添付ファイルをダブルクリックするとウイルス本体が起動し，パソコン内の特定ファイル（.txt，.eml，.html，.htm，.dbx，.wab）から取得したメール・アドレスへ，ウイルス自身を添付したメールを送信する。ウイルス自身がメール送信機能を備えているので，ユーザーが使用しているメール・ソフトによらず被害を受ける。また，メール・ソフトに送信履歴が残ることもない。
加えて，アクセス可能なすべての共有ドライブのスタートアップ・フォルダ（「Windows\All Users\Start Menu\Programs\StartUp」や「Documents and Settings\All Users\Start Menu\Programs\Startup」）にウイルス自身をコピーして感染を広げる。
さらに，Windowsの起動時にウイルスが実行されるように，レジストリを変更する。
ただし，目新しい感染メカニズムなどは備えていないので，従来のウイルス対策で被害を防ぐことができる。ほとんどのウイルス対策ソフトは対応済みなので，最新のウイルス定義ファイルを使用していれば検知できる。また，添付ファイルを実行しなければ被害を受けることもない。
◎参考文献
◆CERT/CC Current Activity「W32/Sobig worm」（米CERT/CC）
◆W32.Sobig.A@mm（シマンテック）
◆W32/Sobig@MM（日本ネットワークアソシエイツ）
◆WORM_SOBIG.A（トレンドマイクロ）
（勝村 幸博＝IT Pro）
『ITPro』ニュース[2003/01/15]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20030115/1/
（貼り付け終了）
[2779] 島には部族社会が残っていた 投稿者：CB750F 投稿日：2003/01/16(Thu) 14:25:12 初めて『重たい掲示板』に投稿いたします。“ＣＢ７５０Ｆ”と申します。実は以前に事務所宛に送ったメールを転載していただいた事がありるのですが、自分から進んで掲示板に送るのはこれが初めてになります。
二人の子持ちで、今現在は私立の高校で時間講師をしてなんとか生計を立てています。 さて、“今日のぼやき”391の“新家父長制”の稿を拝見していてふと考えた事があり、書かせて頂くことにしました。
先日、近くに住む知人のお婆様が亡くなられ、その葬儀がありました。知人は島の出身ですので、実家のある島に家族揃って帰郷し、そこでの葬儀となったのです。葬儀が終わり、再びこちらへ戻ったのですが、なんだかその知人の奥さん（この奥さんは島の出身ではない）の様子がおかしい・・とても興奮しているのです。
「田舎の冠婚葬祭は派手で支度が大変だった・・」とでも言うのかなと思っていたらとんでもない。「島の葬式には驚いた！自分達で遺体を燃やすとは思ってなかった！あんなのを自分の子供に見せて良いものか？・・」と言うのです。「島に住んでいる年寄り達の指示がなかったらあんな葬式なんて出せない」とも言ってました。
その島には火葬場はありません。橋もかかっていません。役場も無ければコンビニもビデオショップもありません。小学校と中学校が一つづつあるだけの小さな島です。本来ならばフェリーで遺体を本土に運び市の公営火葬場で火葬するはずです。（近所の者同士が集まって火葬場でも無い所で遺体を火葬するとやっぱり、死体損壊か何かになるんですよね・・？）
木を組んだ上に棺桶を乗せて遺体を火葬していた話しは、私の母親からも聞いた事があります。炎で筋肉が縮むので、遺体が動いたりしてとても怖かったと言っていた。でもそれは戦争直後の話しです。母の田舎（島でなく本土の山間部）でさえ今では火葬場があり、そんな事はしません。
でも、この島の火葬は先月の話しなのです。なんだかオカルトみたくなってしまいましたが、その島には何度も行った事がありますし、その葬儀があった知人のご実家にもお邪魔して、家族の方とお酒を飲んだ事もあります。いたって静かで平和な感じの島でした。
ただ、その酒の席で島の人は「島で飲酒運転をしても関係ない。そんな事くらいではここの警官（駐在が一人居るには居る）は何も言わない」となんともうらやましい話をしていたのですが、要するに島内での事件には警官さえも勝手に手が出せないのです。島のことは島の住民で解決する・・火葬場も消防所も派出所さえも要らない世界です。
もしかしてこれが本当の昔からある日本の部族社会なのか・・と思ったらちょっと寒気がしました。リバータリアンというのは日本だと頑固者の田舎のおっさんや爺さんなのかな。副島先生は著書で『大草原の小さな家に登場するインガルス一家』という表現をされてましたので、ＮＨＫドラマの役者さんの顔が頭に焼き付いていたのですが・・まぁあれはドラマで、かっこいい役者さんが演じているし・・当たり前か。
この島に限らず、こんな村はまだ日本にいっぱい残っているのかもしれません。「火葬まで自分達でやるとは、たくましいなぁ・・自分達で何でもするというのはこういう事なんだな。」というのが感想です。あれこれ葬式の段取りを指示していたという爺さん達は、きっと昔から見て来た事をそのまま自分達もやっているだけなのでしょう。
知らない人ならまだしも、よく知っている近所の人を火葬しなさい・・ともし言われたら・・。部族社会の本当の顔を見た気がしました。
[2778] >[2777]せきぐちようさんからの貴重なご意見に答えます 投稿者：せきぐち よう 投稿日：2003/01/16(Thu) 09:11:44山田宏哉さんへ誠意ある回答ありがとうございました。
議論になると感情的になる人間が多い中、理に対して理で冷静に答えてくれたので、さすがだなと思いました。
お互いがんばりましょう。
[2777] せきぐちようさんからの貴重なご意見に答えます 投稿者：山田宏哉 投稿日：2003/01/15(Wed) 19:38:52山田宏哉です。せきぐちようさんから大変貴重なご意見をいただきました。ありがとうございます。簡単に答えさせていただきます。
まず、はじめに断っておくべきでしたが、私は一般教養としての作文技術は全く念頭に置いていませんでした。職業的であったり、生きがいとして何か本気で文章を書く、ということに限定した話です。
従ってせきぐちさんの分類で言えば、
�� 文学作品における文章（文学用）
�� ジャーナリズムにおける文章（言論商売用）
�� 論文における文章（学術論文用）
�� 言語技術としての文章（初・中等教育用）
のうち、�い倭瓦�念頭に置いていません。主として�△鉢�の話です。
ただし、小説と論文の書き方は、精神的態度においてはさほど変わらない、という判断から小説を例に取っただけの話です。別に「ビジネス文書の書き方」という本を書いている人を槍玉に挙げてもよかったのです。
また、マクルーハンについては雑談・余談程度に付け加えただけで本気で論じるつもりはありません。これは末枝末葉の部分で、情報として面白かったのでベタっとくっつけただけです。マクルーハンに関する論文からの孫引きというのはその通りです。いけないと思いつつ、図書館で借りてきて読む時間がなくて、ついやってしまいました。
ただ、そもそも下の文章自体、「書いてくれ」と言われたから、ささっと書いたまでで、「文章作成の心構え」自体に説得力を持たそうとか、ましてや自分の文章作成技術を他人に押し付けよう、などとは全く考えていないです。
今、「マルコムXの怒りと闘争」という論文を書いているのですが、こちらには余計な文章や孫引きは一切付け加えません。説得力という観点からも最大限の注意を払います。
当然、私の作品としては下の「文章作成の心構え」より「マルコムX論文」の方がはるかに重要となります。ということでどうかご理解ください。
ところで、以下のせきぐちさんの指摘は大変重要です。私も全く同感です。
（引用開始）
私がここで言う文章とは、具体的には�い痢峺生豕蚕僂箸靴討諒絃蓮廚里海箸任后Ｏ斥�的にきちんと文がかけない人は、先生や師匠に真っ赤になるまで文を直されなければ、うまく書けるようにはならないでしょう。学校教育において文章を書かせるという場合、主に作文教育でそれがなされます。日本では作
文というと、一年に数時間、国語の時間にもうしわけ程度に書くだけです。誤字脱字以外はあまり指導されません。ほとんどの学生は、大学入試の「小論文」のために初めて本格的な文章指導を受けるありさまです。逆にアメリカでは徹底的に文章を書かせます。小中学校では作文、高校・大学以ではレポート、論文教育がなされます。私は日本人にはきちんと文章がかけない人が多いと思います。それは、巷に溢れる書物の中にある文の使い方、論理構成を見れば分かります。そうなっている理由はやはり、教育の現場できちんとした文章指導がなされないという理由に尽きます。
（引用終了）
山田宏哉です。
アメリカで、「エッセイ」という場合、それは日本でいう小論文に相当します。日本語の随筆で表現されるような「思いつくままに書かれた文章」ではありません。このあたりについては「福沢諭吉の研鑚過程と教育思想」というぼやき用の論文で詳しく書いたのですが、現在掲載予定ということになったままになっています。しばしお待ちください。
ただ、誤解していただきたくないのは、私は初等教育・中等教育において作文、小論文指導の必要性を軽視しているわけではないということです。日本の教育における作文・小論文指導の必要性はいくら強調してもし足りないくらいです。ただ、下の「文章作成の心構え」は必要最低限度の論理構成能力が備わった人に対して言ったわけで、その点をどうかご理解ください。
せきぐちようさんがとても頭脳明晰な方で、あまりいい加減なことは書けないなぁ、と現在反省中です（笑）
お互い、がんばりましょう。
[2776] >[2775]文章作成の心構え・必要最小限 に対して 投稿者：せきぐち よう 投稿日：2003/01/15(Wed) 14:09:41山田宏哉さんへ せきぐちようです。山田さんの、次々と新作の論文を発表するその熱意と仕事の速さに驚かされます。SNSIがこれからシンクタンク( think tank )としてやっていくのに欠かせないメンバーとなっていますね。
ところで、下の論文に関して３つ意見があります。
まず、第一点。山田さんが言う「文章」とは、次のいずれを対象にしているのでしょうか。
�� 文学作品における文章（文学用）
�� ジャーナリズムにおける文章（言論商売用）
�� 論文における文章（学術論文用）
�� 言語技術としての文章（初・中等教育用）
上の４つのどれについて述べているのでしょうか。どこに焦点をあてているのか、よくわかりませんでした。�△砲弔い峠劼戮討い襪里任靴腓Δ�。でしたら、そのことをきちんと明示したほうがよいと思います。山田さんは、（引用開始）「二流の小説家ほど『小説家になる方法』とか『新人賞を取る方法』などと言ったくだらない本を書きたがる。」（引用終了）と言っていますが、そこで突然�，紡个垢詒稟修�出てきています。どこに焦点をあてるかによって、述べる内容もおのずと違ってくるはずです（ただし、上の四つは厳密に分けられない場合もあります）。これは、定義づけの問題にもつながってきます。こうした問題は些細な点かもしれませんが、読み手に対しての説得力を失う場合もあります。
第二点目。第一点目と関係するのですが、以下の意見に反対します。引用開始します。（引用開始）「文章などというのは、他人に手取り足取り教えてもらうものではない。素質という言葉は使いたくないが、他人に手取り足取り教えてもらわないと何も書けない、書きたくない、という人は、別の道を歩んだ方がよい。」（引用終了）
理由は、人に手取り足とり教えてもらわないと、文章は上達しないと思うからです。私がここで言う文章とは、具体的には�い痢峺生豕蚕僂箸靴討諒絃蓮廚里海箸任后Ｏ斥�的にきちんと文がかけない人は、先生や師匠に真っ赤になるまで文を直されなければ、うまく書けるようにはならないでしょう。学校教育において文章を書かせるという場合、主に作文教育でそれがなされます。日本では作文というと、一年に数時間、国語の時間にもうしわけ程度に書くだけです。誤字脱字以外はあまり指導されません。ほとんどの学生は、大学入試の「小論文」のために初めて本格的な文章指導を受けるありさまです。逆にアメリカでは徹底的に文章を書かせます。小中学校では作文、高校・大学以ではレポート、論文教育がなされます。私は日本人にはきちんと文章がかけない人が多いと思います。それは、巷に溢れる書物の中にある文の使い方、論理構成を見れば分かります。そうなっている理由はやはり、教育の現場できちんとした文章指導がなされないという理由に尽きます。
第三点目。次の点は、説得力を欠いています。
（引用開始）
まず、自分の文章と引用文を混同するな、ということはあまりに当たり前すぎることなので私からは言わない。（が、日本ではこれが必ずしも徹底していない。マクルーハンというメディア研究の学者は「表意文字（漢字）が使われている国には、個人主義が成立しない」と言ったらしい）
（引用修了）
なぜなら、「自分の文章と引用文を混同するな」という意見は、それに続く文「が、日本ではこれが必ずしも徹底していない。マクルーハンというメディア研究の学者は『表意文字（漢字）が使われている国には、個人主義が成立しない』と言ったらしい」と論理的なつながりを見出せないからです。「表意文字が使われている国には個人主義が成立しない」。ゆえに、それらの国では「自分の文章と引用文を混同して使う」傾向があるという論理ですか？ならばなぜ、「表意文字が使われている国には個人主義が成立しない」のでしょうか。表意文字が使われているゆえに個人主義が成立しない、という意味でしょうか。それとも、表意文字が使われている国々で個人主義が成立していないことが多い、という意味でしょうか。この二つはまったく違います。わたしはこのマクルーハンという学者の論文を読んだことはありませんから、この人の論理の是非についてはここで議論できません。しかし少なくとも、山田さんはその理由までも明示して引用すべきです。山田さんが自分の意見の説得力を増すために使った引用が生きていないからです。読者に疑問や不信感をもたれると文章の説得力がなくなってしまいます。それともう一つ些細な点です。「個人主義が成立しない」と言ったらしい」ということは、山田さんはその論文を読んでいないことですか？自分が読んでいない論文を引用するのは山田さんが批判する「まごびき」と同じです。
以上のような問題点はありますが、山田さんの文章を書く力には圧倒されます。ある程度まとまった量の文章を書き、他人に伝えていくという点では山田さんに見習う点が多いです。これからもぜひ他の人を引っ張っていってください。私もSNSIの政策論文に投稿するために、構想を練っているところです。お互い切磋琢磨しましょう。
[2775] 文章作成の心構え・必要最小限 投稿者：山田宏哉 投稿日：2003/01/15(Wed) 11:24:53文章作成の心構え・必要最小限 山田宏哉
［本稿の構成］はじめに 切実感のない文章に価値はない
１．断定と推量の作法
２．引用と参考文献
（１）何のための引用か
（２）オリジナル・データに近づく
（３）厳密にはすべての参考文献を挙げることは不可能だが
あとがきとして 文章の書き方など切り売りできるはずがない
はじめに 切実感のない文章に価値はない
まず、真に人の心に届く文章を書くと決意したら、「文章の書き方」などという類の本や教説を蹴飛ばすことから始まる。人の心を打つ文章には、切実感（文章を書かずにはいられない気持ち）がこもっているものだ。これは断言してもよい。
安易なハウツー本で「起承転結」のお稽古をしたところで、小手先の技術しか身に付かない。
だからこそ、問題意識に関して一言言っておきたい。それは、生活実感や自分の身の回りの日常的な環境を全く無視してはいけないということだ。もちろん、文章の中では、直接身の回りのことに言及しなくてもよいが、問題意識のレベルではやはり、生活レベルの問題意識を大切にしたい。なぜなら、それは切実さに関わる問題だからだ。
例えば、日本のインテリかぶれが、ちょっと気取って韓国の本を読んだとして、韓国人が反日だと知ったとする。それで韓国人の知り合いもいないくせに、「韓国許さない」とか「韓国の事をよく言う人間は馬鹿だよなぁ」とか言い出したとしたら、その人は本物の愚か者だ。何よりこの種の言動には切実さがなく軽薄だ。そんなことを言っても何にもならない。時間の無駄だ。もっとも、この種の人間は「本を読むことは偉いことだ」という救いようのない考え方に取り付かれている場合が多い。以前の私がそうだったからよくわかる。このような現象が起こるのは、閉じられた空間で何かを学ぶという学校教育の弊害だと私は考えている。
そもそも、一流の人間は偉そうに文章の書き方などを他人に講釈したりしない。そういうことは二流の人間のやることだ。二流の小説家ほど「小説家になる方法」とか「新人賞を取る方法」などと言ったくだらない本を書きたがる。そうやって夢を売らないと自分自身が食べていけないからだ。三田誠広さんが言うには、小説自体より「小説の書き方」の方が何倍も売れるそうだ。また、今では、文芸誌を買う読者より、文芸誌に小説を応募する人間の方が多いという話だ。
文章などというのは、他人に手取り足取り教えてもらうものではない。素質という言葉は使いたくないが、他人に手取り足取り教えてもらわないと何も書けない、書きたくない、という人は、別の道を歩んだ方がよい。
だから、以下、私が書くことに対しても、「なるほど、そうだそうだ」と素直に納得する人より、「けっ、何をくだらねえこと言ってやがる。そんなもん読む価値もねえ」と思った人の方がかえって将来性があると私は思う。少なくとも、私自身はそういう人間だった。
１．断定と推量の作法
自分の直接体験したことだけで社会現象を語りつくせる人はいない。従って、私たちは自ら文章を書く際にも、主として書物など他者から得た情報をも基本にして何かを書くことになる。
当たり前の話だが、厳密に言えば、本人の直接体験以外の事柄は推量・伝聞系（「〜らしい」、「〜のようだ」など）で書く必要がある。しかし、例えば「1192年に鎌倉幕府が成立した”らしい”」とか「アメリカで同時多発テロがおきた“らしい”」などと言っていたら、力強い文章が書けなくなってしまう。ましてや、いちいち歴史的な出来事を日本史の教科書から「1192年に鎌倉幕府が成立した」などと引用していたら、本当に何も書けなくなってしまう。
だから、自分が鎌倉幕府成立に関わったわけではなくとも、「1192年に鎌倉幕府が成立した」と書くべきだし、ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込む場面を直接見ていなくても、「ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んだ」と書くべきだ。もちろん、これは極端な例だが。もっとも、時々、歴史書などに注釈気味に「伝聞系で書くのはわずらわしいので、断定系で統一した」というようなことが書いてあるのを見かける。誠実な態度だと思う。
ここで結論を出す。このような問題に対処するには、知識には”公共財産としての知識（一般的に知られている知識）“と”私有財産としての知識（独自の知識）“があると考えるとわかりやすい。”公共財産としての知識“は自由に利用して、断定的に書いてよい。逆に私有財産としての知識を利用するには、出典をキチンと挙げて引用などの形で利用する必要がある。 つまり、引用する必要があるのは筆者独自の「オリジナリティ」がある部分なのである。
具体例を挙げれば、「グローバリスト」や「代議制民主政体」「人定法」などの一般的ではない独自の言葉・前提を使って何か物事を説明したいと思ったら、”現時点では“副島隆彦の名前を出す必要があるということだ。だから、例えば人定法という言葉を使う際には、注釈なりで「Positive・Lowの日本語訳、人定法という用語は副島氏が考案した」などと断り書きを入れること。 ただし、独自の知識もやがては公共財産になっていく。現在では、引力や力学の論文を書く際に、ニュートンの著書から引用する理科系の学者はまずいない。このようにどのような知識であれ、それが真に有益な知識であれば、いずれ公共化されていく。この流れは止めようがない。
もっとも何が、公共的知識であり、何が公共的知識とは言えない、などの議論は議論のための議論にすぎないので深入りしない。一般常識（または、専門家同士でなら了解済みの知識）になっているか否か、複数のマスコミが報道しているか、くらいを一つの基準にすればよいだろう。
（注意） 形容詞・修飾語は削ぎ落とす
文章における形容詞や修飾語は、人体における脂肪みたいなものだ。最小限は必要だが、多用するとブクブク太って見苦しくなる。余計な形容詞や修飾語は削ぎ落とさなければならない。特に論文を書くのであれば、形容詞ではなく、数字で表現することが大切だ。例えば、「このメロンは大きい」ではなく、「このメロンは直径１５センチだ」と表現する。「あの店にはたくさんお客が入る」ではなく、「あの店には1日につき100人の客が入る」という具合に。
２．引用と参考文献の作法
まず、自分の文章と引用文を混同するな、ということはあまりに当たり前すぎることなので私からは言わない。（が、日本ではこれが必ずしも徹底していない。マクルーハンというメディア研究の学者は「表意文字（漢字）が使われている国には、個人主義が成立しない」と言ったらしい）
（１）何のための引用か
そもそも、何のために引用するのか、という問題がある。これは通常は、学術論文であろうと、一般評論であろうと、反論のため、もしくは自説の補強・論証という目的のために行われることが圧倒的に多い。もっとも、私自身のことを述べると、私は実際のところ、「事実提示のため」に引用している。これでは引用文が主で自分の文章が従と、主従関係が逆転してしまう。これは常識的に考えればあまりよいことではないだろう。ただ、商売価値のある文章という観点からすると、これが一番望ましいようにも思う。ただ、このあたりは各自の好みの問題だろう。
先日（2003年1月12日）、副島隆彦・SNSI所長と話した際、「山田君の文章を本にしよう」というようなことを言われた。その際、「本にするとなると、私の文章には引用文が多すぎますね」と答えたところ、「引用文だからいいんだ。これまでの書き手は自分が威張りたがっているだけなんだ。読者に素直に感動や驚きを伝えようとする姿勢（＝商売の姿勢）がない。小林よしのりが偉いのは商売に徹しているからだ」というようなことを言われた。（細部の言葉遣いは若干違います） なるほど、確かにその通りだ、と思った。
（２）オリジナル・データに近づく
また、引用するときに気を付けなければならないことは、孫引き（引用文を引用すること）に類することは極力避けるべきだと言うことだ。これは、ひとえに信憑性の問題である。
例えば、Aという書き手が「Bは○○と言っている」という文章を書いたとする。Aの著作を読んだCがさらにAの著作をもとに「Bは○○と言っている」などと引用するのは避けるべきだ。それなら直接Bの著作を読んで引用しなさい、という話になる。
新聞記事などにもよく、「○○省の調査によると・・・」などと書かれている。できればこの類の記事も、新聞から引用するのではなく、直接○○省が公開している資料に当たるのが望ましい。要は、極力より信頼できるオリジナル・データ（情報源）に近づけ、ということである。結果的にこれが情報価値と信憑性を高めることになる。だから引用する文献の種類も自然と偏ってくる。自伝・回顧録などの一次資料ほど引用する価値が高くなり、逆に一般的な概説本・解説本のような文献は、相対的に引用する価値が低くなる。
（３）厳密にはすべての参考文献を挙げることは不可能だが
書物から得た知識や発想法、論証パターンなどは、脳の中にストックされていく。そして、私たちはその知識をある程度、知らず知らずのうちに使っている。本から得た知識や発想法を使う際は、すべて参考文献を列挙せよ、と言われても現実には不可能だ。だから論文を書いていて参考文献を挙げる際には、一つの目安として、本文に直接引用したり言及した文献のみ参考文献として記す、という方法でよいのではないかと思う。正直な筆者が書いた本の参考文献欄には「本文中で直接引用・言及したものだけを記した」と書いてある。
あとがきとして 文章の書き方など切り売りできるはずがない
「文章の書き方について書いてほしい」と言われて、正直ためらった。私はさほど文章がうまいわけではないということもあるが、何より文章の書き方などというのは切り売りできる類のものではないからだ。この際、切実感があれば、起承転結がどうこうとかどうでもいい。いや、むしろ技術的な事柄に目がいくようではろくな文章が書けない。
だから、結局のところ、「文章の書き方」という発想そのものを批判する、という形になった。私が言いたいことは、突き詰めればこれだけである。技術論は必要最小限度に留めたつもりである。
冒頭でも触れたが、「小論文の書き方」とか「小説の書き方」といった類の本を書いている人たちは二流だと考えてほぼ間違いない。他人に教えるくらいなら自分がそれで金持ちなり有名になって優雅な暮らしをすればそれでいいだけの話だ。ところがあえて、文章が書けないというような人たちに講釈をたれて、夢を与えて食い物にしないと自分の生活が成り立たない、という所に大きな欺瞞がある。
高校時代、私は吹奏楽部でコントラバス（バイオリンを巨大化させたような弦楽器）をやっていた。それで、講師を呼んだ。音大の先輩だ。２時間教えてもらって、6,500円を部費から払った。その先輩の使っているコントラバスは、一千万円くらいしたそうだ。もう簡単には後には引けない。それでも、音大に行ったからといってプロになれる人はホンの一握りだ。だから、音大の人にしてみれば、後輩に夢を与えながら指導することが重要な収入源になっているということは直感的にわかった。文章の書き方にも、同様の構造が見え隠れする。
それでも、いざ自分で書いたものを読み返してみると、案外面白く重要なことが書けたのではないか、と内心自負している。
2003年１月15日 山田宏哉
[2774] >[2773]「金融鎖国」１００字書評 投稿者：せきぐち よう 投稿日：2003/01/14(Tue) 22:26:47こんにちは、縞蘇鉄様。せきぐちと申します。
書かれた書評を、アマゾンドットコムの「読者レビュー（書評）」に載せてはいかがでしょうか。
今後の読者への参考になると思います。アマゾン
『金融鎖国―日本経済防衛論』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396611587/ref=sr_aps_b_/250-3033180-9795458
私も時間があれば、できるだけ書評を書きたいと思っているのですが、まだあまり実行していません。
他の皆さんも時間があれば書いてみてください。
[2773] 「金融鎖国」１００字書評 投稿者：縞蘇鉄 投稿日：2003/01/14(Tue) 20:58:21初めまして。縞蘇鉄こと濱田和明です。以前この掲示板で、思いがけずも、
副島隆彦様直々に私のホームページをご紹介戴き、歓喜躍雀いたしましたが、
その後礼状一つも差し上げられませず、失礼いたしております。
この場を借りて御礼申し上げます。
この度、拝読の「金融鎖国」巻末に「１００字書評」用紙があります。
通例目もくれないのですが、この度はどうしたことか、
「１００字でどれほどのことが書けるものか」という
若干野心めいた思いにかられまして、試みてみました。
折角ですので投稿します。
こちらのサイトへ投稿するとすれば、
まあ、「ふじむら」か「しろがねーぜ」だな、と思っていますが、
この度は、上記御礼の件もありますので、
こちらにさせていただきます。
削除、移転等はご随意に。では。
副島隆彦著「金融鎖国」の「１００字書評」
（１００字書評----其の１）
無いものを有るとしてなされるが故に「構造
改革」等の諸議論は虚妄だ。副島氏はここで
「世界自由市場はまだ無い」という事実から
思考を始める。それ故その戦略論は、有効た
りうる必要条件は満たしているといえよう。
（１００字書評----其の２）
日本は貿易立国だという認識は普しい。それ
故誰も「世界自由市場は無い」とは恐くて言
えない。氏にそれが言えるのは、貿易による
果実も結局は根こそぎ持っていかれるしかな
いという現実を鋭く読み切っているからだ。
（１００字書評----其の３）
「金融鎖国論」の土台は「経済と政治のバラ
ンス論」にあり、その又土台が「国際自由市
場はまだ無い」という認識だ。この一貫した
論理の下で今後は、政治過程を捨象した国際
貿易論議はデマゴギーとして唾棄さるべし。
（１００字書評----其の４）
「アメリカ併合編」の著者としての小室直樹
は（善意の）デマゴーグでは？と思ってきた。
比較生産費説は「科学的なまでに精緻な理論
」なのかもしれないが、適用されて有益なの
は、政治過程を捨象しうる国内市場でだけだ。
（１００字書評----其の５）
金が無くなるという現象は（比較的）見易い。
実物資産（特に農地）や文化の破壊を見るに
はより心眼が要る。金融鎖国論は緒戦の狼煙
であり、主戦場は＜食＞と＜文化＞の死守に
ある。それが＜自立＞しうるか否かの境目だ。
（１００字書評----其の６）
「グローバリストを打倒して世界市場を真に
自由化」これが氏の大戦略の究極とすれば、
時には、「全面鎖国」という蛸壺戦術も辞さ
ずの構えも要ると思うが、この戦術の最大の
ネックはエネルギーにあり。次著(p.146)に期待する。
http://www2.ocn.ne.jp/~megami-k/
[2772] re:[2771]Untitled 投稿者：津田達也 投稿者：アルルの男・ヒロシ 投稿日：2003/01/13(Mon) 15:55:56津田さま。ＳＮＳＩのアルルです。
風邪をこじらせて意識朦朧とするなか、書き込みを拝見しました。読書掲示板の役割を果たしているのは、多分「ふじむら掲示板」です。
私も、書籍情報をここに投げ入れたりしてます。
参考まで。
[2771] (無題) 投稿者：津田達也 投稿日：2003/01/13(Mon) 09:18:41みさなん、はじめまして。[2770]の副島先生にメールを送った学生は僕です。
自分には命以外失うものは何も無いので、匿名ではなく本名で書かせてもらいます。今回ここで提起するのは、副島系学問掲示板に読書コーナーを新たに作って欲しい、です。
現在、日本の本屋には数多くの本が売られていますが、手元に何の情報もない場合に、その多くの本の中から素晴らしい価値のある本を探し出すのは至難の技です。
たいてい僕が本屋で買った本は、副島先生や学問道場で紹介した本、小林よしのりが紹介した本、気になる知識人(例えば小室先生)が出した本、です。それ以外で買った本は、暇な時に本屋でプラブラと本のタイトルを見て、気になったタイトルの本を立ち読みし、面白ければ買います。でも、この行動は時間の無駄が多いと僕は思います。
そこで、新たに副島系学問掲示板に読書コーナーを作り、自分が読んだ本の内容や、その本を推薦する理由などを書き、サイトのユーザーに情報を提供し共有する。その方が、時間が無い人や、何の本を読めば価値ある情報を手に入れることができるのか？と考えている人に都合がいいです。これは合理的なことだと僕は思います。
最期に、新参者が出過ぎたことを言ってすみませんでした。
２００３年１月１３日 津田達也
[2770] 学生の読者からのメールを転載する。 投稿者：副島隆彦 投稿日：2003/01/12(Sun) 18:31:52副島隆彦です。 会員読者からのメールの集中転載の
（１７）（１８）を急いでやらなければと思っていましたら、
若い読者からのメールが今日来ましたので、これをここに転載します。
なるべく読者との交信は掲示板に、即断で転載してゆきます。
私は読者との交信を、もうあまり私的に内密にするのはやめようと
思うようになりました。副島隆彦拝
(転載貼り付け始め）
----- Original Message -----
From: ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Sunday, January 12, 2003 3:50 PM
Subject: 初めまして＊＊＊＊と申します
副島先生、初めまして。多忙の中、突然、メールを送り申し訳ありません。＊＊大学に通っている＊＊＊＊と申します。副島先生の大ファンです。副島先生の著書と「今日のぼやき」を楽しく拝見させていただいています。
副島先生ほど、高度な知識・情報をシンプルに表現する方を自分は知りません。私たちが猿の惑星の猿である事実と知識をもっとお教え下さい（笑）。
メールの内容は自己紹介と私が読んだ本と、それから質問です。
自己紹介
昭和５６年に生まれ、高校卒業まで古都・奈良の奈良市で生活していました。初めてむずかしい本を自分で買ったのは中学３年の時です。それまで、漫画や小説しか読まなかったのです。ある日突然、「自分が受けている、この義務教育とは何だろうか？」と悩み、地元の本屋さんで教育本を買いました。確か、小浜逸郎氏の本だったと思います。
その後、ニュースステーションや朝生などを見て、政治や経済に関心を高めていきました。高校生の時ある「朝生」で小林よしのりが出ていて、「アレッ？この人“お坊ちゃま君”書いてた人やん。なんで漫画家が朝生出とるんのや？」と興味を抱き、その後ゴーマニズム宣言を読み、ハマりました（笑）。
そしてゴーマニズムに出てくる西部氏に興味を抱き、あの頃西部氏の言論に盲信しました。今はもう西部氏に対して何の幻想も抱いていませ
ん。むしろ、憎しみに近いものが心（頭）の中にあります。（月に一回、西部氏は＊＊大学で現代文明論という授業を講義をします。１月６日に西部氏の授業で“売春”について議論というか喧嘩しました。似非バーキアンと似非リバータリアンでは、やはり水と油だった（笑）。
副島先生の本を知ったのは、高校２、３年の頃で政治面では西部氏にハマっていて、経済面では増田俊夫氏にハマっていました。増田氏が述べる世界経済と日本経済の内容と、副島先生が「正論」で述べる経済の内容が似ていたので、副島先生の本を探しました。ある日、地元の本屋さんで副島先生の著書「悪の経済学」を発見して立ち読みし日本と世界の裏側を知り、驚き興奮しました。
その後副島先生の著書とは、古本屋さんで「属国・日本論」にブチ当たりました。当時、自分は馬鹿右翼（日本文化優越論者）だったので、「属国・日本論」を全部読んだ後、本棚の奥にしまいました。そして、「属国・日本論」の内容を必死に忘れようとし、「あれは事実ではない」という自分の言葉を信じ込もうとしました。でもその後も「属国・日本論」の内容が忘れられず、副島先生の言う「頭にズキズキとする痛
み」が少しづつ脳に広がっていきました。（アレは自分の信念の崩壊へのアラームだったのでしょうか？）
大学受験の時は、西部氏がいる＊＊大学に行くか、副島先生のいる常葉学園に行くか悩みました。結果は上記のように西部氏のいる＊＊大学を選びました。＊＊大学を選んだ理由は、西部氏がいること、そして大学一年の後期から一年間イギリスのカンタベリーで研修できることです。イギリスの保守思想を学びたかったし、副島先生の主張が事実かどうか、イギリス人に尋ねたいと思ったからです。
イギリス研修に行く前の夏休みに、副島先生の著書「ハリウッドで政治思想を読む」を読みました。日本と日本知識人についてと、小林よしのり氏について書いてある部分だけは無視して、それ以外の知識だけを受け入れました。
今は、副島先生の主張が理解できます。日本はプレ・モダンであり、事実を無視し隠す国である。イギリス研修の時、イギリス人に「日本は近代ですか？」と質問しました。みんな「ＮＯ」でした。それなのに自分は「どーせあなたたちは日本のことは何にも知らないんだろ」と考え、日本文化優越論に凝り固まっていました。
そんな自分が日本文化優越論を捨て、副島先生の主張に傾いたのは、ある授業で外人の先生が遊びでゲームをした時です。そのゲームは、一人一個の題目を与え、それについて、何か喋り続ける。そして喋り続けている時間を量る。黙ったり、考え込んだりしたらそれで終わり。
他のクラスメイトの題目は、友人や親や夢とか、身の回りのありふれた題目でした。ところが自分に与えられた題目はずばり日本でした。日本について何か喋り続けなければならない。日本文化優越論者であった自分がそのとき喋ったのは「日本は経済大国です。しかし・・・・・」ここで自分は詰まりました。記録は４秒ぐらいです。
詰まった理由は簡単です。自分は「しかし」の後、副島先生の主張する、日本はアメリカの属国であり、近代ではない、と喋ろうとしたからです。自分は馬鹿右翼（日本文化優越論者）だったのに、とっさに喋ろうとしたのは副島先生の主張でした。自分の思考の根っこの部分では、あらがいながらも副島先生の主張を認めていました。そのことが分かった時、本気で副島先生の本から学ばなければならないと考えました。
イギリス研修が終わり実家に帰ってすぐに副島先生のHPの「今日のぼやき」を読みました。一発目の「神学と学問の大きな戦い」を読み、驚きました。内容よりも自分の頭に驚きました。今まで本を読んできた自分は大衆とは違うエリートだ、と思っていましたが、「科学（近代学問）」の意味すらも知らなかった。その事実に驚いた。まさに自分は猿の惑星の猿だった。
「今日のぼやき」で「日本人の男性は、自分は近代人だと思うから苦しそうだ。自分が土人だと気付けば肩の荷がおりる」というようなことが書いてありました。それまでは日本文化優越論者だったのに、今の自分は素直に「自分は未開人だ」と思えるようになった。でも土人のままでもいいのだろうか？とも思います。土人のままで前近代国家のままで近代人や近代国家群との競争に生き残れるのか？たぶん、無理だろう。だから、自分は副島先生から近代思想を学び、近代化人を目指しています。以上で、自己紹介（？）を終わります。長々と駄文を書きました。
読んだ本 副島隆彦氏の著書
「悪の経済学」「属国日本論」「ハリウッドで政治思想を読む」「覇権アメ」「アメリカの秘密」「日本の危機の本質」「英文法の謎を解く１、２、３」「決然たる政治学への道」「堕ちよ！日本経済」「日本の秘密」「アメリカの秘密」「法律学の正体」「現代の預言者・小室直樹
の学問と思想」「逆襲する日本経済」「悪賢いアメリカ 騙し返せ日本」「テロ世界戦争と日本の行方」「世界覇権国アメリカの衰退が始まる」「属国日本論を超えて」「金融鎖国」「裁判のからくり」
小室直樹氏の著書
「悪の民主主義」「ソビエト帝国の崩壊」「アメリカの逆襲」「大東亜戦争、こうすれば勝てた」「日本の敗因・資本主義中国の挑戦」「偏差値が日本を滅ぼす」「ソビエト帝国の最期」「韓国の悲劇」「韓国の呪い」「大国、日本の崩壊」「大国、日本の復活」「韓国の崩壊」「昭和天皇の悲劇」「国民のための経済原論１、２」「自ら国を潰すのか」「人にはなぜ教育が必要なのか」「日本国民に告ぐ」「これでも国家と呼べるのか」「小室直樹の資本主義原論」「歴史に観る日本の行く末」「小室直樹の中国原論」「日本人のための宗教原論」「数学嫌いな人のための数学」「日本人のためのイスラム原論」「日本国憲法の問題点」「資本主義のための革新」
その他
「天皇が分かれば日本が分かる」「日本永久占領」「日本史の誕生」「歴史の終わり」「大崩壊の時代」「ムッソリーニ」「妻も敵なり」「アメリカ帝国への報復」「学問のすすめ」「奪われし未来」「ゴーマニズム宣言」「オメガトライブ」・etc
質問
副島先生にいっぱい質問したいのですが、ここでは２つ質問します。多忙の中、本当にすみません。
一つ目の質問は、近代、もしくは近代社会について、です。
「今日のぼやき」で「近代社会とは民主政体＝近代資本主義＝近代憲法体制であり、これらは同じモノである。それを３方向―政治学、経済学、法学―からの観察であり、言葉だけが違うだけだ」と書かれていますが、では、その３方向を捨象して残った同じモノとは何でしょうか？
自分が考えた末、出した答えは、同じモノとは「契約」または「契約社会」だと導き出しました。それプラス「所有権」かな？と考えましたが、全然違うでしょうか？哀れな猿に近代思想を教えてください。
二つ目の質問は、契約と法律はどちらが優先するのか？について、です。契約と法律のどちらが優先するのか？とは、契約＝自分の意思・自分が約束した言葉であり、法律＝他人の意思・支配者、権力者の意思・他人が勝手に自分に対して義務づけた言葉、でよろしいのでしょうか？
私自身は契約を優先したいと思います。理由は、勝手に行動・財産を支配されたくないからです。おそらく自分は自尊心が高いのでしょう。これ以上の理由は、まだ分かりません。
もっと早くに副島先生にメールを送りたかったのですが、一人暮らしで貧乏人なのでお金の問題でネットに繋げられませんでした。あと、西部氏に盲信していたのがコンプレックスだったので、副島先生にメールを送るのが少し恐かったです。副島先生、学問道場へ未熟な自分の意見を書きこんでもよろしいでしょうか。それと、希望なのですが、副島先生の弟子に入れてもらってもよろしいでしょうか。お願いします。
最期に、自分のことばかりダラダラと駄文を書き連ねて、多忙の中お邪魔して申し訳ありませんでした。副島先生のご活躍、今後とも期待しています。お体にはどうぞ気をつけてください。 ＊＊＊＊
＊＊＊＊さまへ
副島隆彦です
メールをありがとうございます。
＊＊君が、それほどに私の本を読み考えた末にようやく私にメールを
書いて送る気になったのでしたら、君のその気持ちがよく分かりますので「学問道場」への弟子入りを認めます。
東京都内にお住まいであれば私たちの事務所があってそこで定期的に
集まっていますから、ご連絡下さい。みんなが居る時に来てくれるのが一番いいです。＊＊君はまだ学生さんですから時間はあるでしょう。引っ込み思案でなければ私たちの仕事や運動の手伝いをして下さい。
現実は本や理論や言葉なのでは簡単には動きませんから、いつも目の
前のいつもと変わらない現実の中でただ何事も無く生きているだけです。
私の仕事も、外側から見た本当の日本の姿を冷酷に暴き立てただけであってそれを望まない、認めない、嫌がる人々との静かな闘いを、これからもずっとやってゆくだけです。この現実はどうにもならずただ続いてゆくだけです。よっぽどの動乱の時代が来ない限りは、このままです。
しかし私にとりましては＊＊君のような若い人が私の本に出会って、大きな真実に気付いてくれて、ではこれから自分たちはどうするのだ、という議論を始めてくれることが、待ち望んでいたことです。外側から見れば、副島隆彦の偏った考えにのめりこんだ「信者たち」という悪罵になるでしょう。私ぐらい宗教や信仰から遠い人間はいないだろうに。
あとは徒党や集団を悪く言う、悪意に基づく憎しみの感情だけでしょう。それでも｢学問道場」は、これから多くの若者を集めて成長して行かなければならないのです。私たちは時代の大きな流れに乗って無理をせずに大きな勢力になってゆくのです。問題は何を課題として掲げながら嵐の中を突き進んでゆくか、です。私はそのことを考えています。大きな方針を立てて、かつ各種の実践プログラムも組み立てなければなりません。その中には資本主義（市場経済）の法則に従って動いて資金を集める、ということもします。
＊＊君。そういうわけで君もご自分のことで忙しいでしょうが、時間を見つけてそのうち顔を出してください。歓迎します。それとここのサイトの有料版を読みたければ、貧乏学生であることを理由にする会費免除制度がありますから、その旨を記載事項と共に書いて申し込んでください。今後とも宜しく。
副島隆彦拝
(転載貼り付け終わり）
副島隆彦拝
[2769] 榊原英資・乗数 投稿者：函羊生 投稿日：2003/01/11(Sat) 14:48:29榊原英資慶大教授《大蔵OB》が､何かに『今乗数は1.1くらいだ』と書いていたのを読んで驚いた事がある。なぜなら経済原論の始めの方に書いてあるように､もし乗数が１.１なら消費関数は０.１以下となり､所得の９割以上を貯蓄している事になる！そんなことが出来るのはよほどのお金持ちだけです｡しかし榊原さん自身の感覚としては確かにその通りなのだろう｡というのは本道場主が昨秋発行された『金融鎖国』の123ページに次のような文があったからなのです｡《この本は情報の宝庫です｡》
『榊原氏がタックス・へイブンの一つであるケイマン島のペーパー銀行に､約三〇〇〇万�法垰綾熟参�円》の隠し預金を持っていることがイギリスの経済警察の一斉査察で判明したという｡』とあります。
もしもこれが本当なら無税の金利所得だけで年1億5000万くらいになるし、慶応からの給与や各所からの顧問料などを併せれば､2億近い可処分所得となる｡これなら確かに所得の1割くらいで十分やっていける｡従って榊原さん個人の生活実感としての消費関数は0.1、従って乗数は1.11くらいで､確かに正しいわけです｡
竹中大臣についても同じような事があるのでしょうが､実にこういう頭の良い人たちのやることと言うのは！