[2703] 北朝鮮ミサイル輸出問題を追う 投稿者:ひろや 投稿日:2002/12/12(Thu) 01:59:34

Jijiweb News Service (有料サービス)より北朝鮮のミサイル輸出問題をフォローします。
記事を読むかぎり、この問題は一般に考えられてるよりも、広範な波紋を広げそうです。

副島先生の書いたものでは、「北朝鮮のミサイルと中東・イスラエルを結ぶ線」(『正論』平成12年6月号 『悪賢いアメリカ 騙し返せ日本』/講談社 収録)がこの問題と関係してきます。

<転載開始>

2002/12/12−00:51
北朝鮮からのスカッド入手認める=米・スペインの拿捕に抗議−イエメン

 【エルサレム11日時事】イエメン国営サバ通信によると、同国のキルビ外相は11日、同国近海で拿捕(だほ)された不審船から見つかったスカッド・ミサイルについて、イエメン軍が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から購入したものであると認めた。イエメンが北朝鮮からのミサイル獲得を認めたことで、テロ組織アルカイダとの「対テロ戦争」で協力関係にある米国との関係がぎくしゃくする可能性もある。

 同外相は「積み荷は以前に結ばれた契約の一部である。イエメン政府・軍に属しており、自衛目的のために獲得した」と言明した。イエメン政府は、ミサイルを積んでいた船舶が拿捕されたことに対し、米・スペイン両政府に抗議、船舶の引き渡しを要求した。 

 カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによれば、イエメンによるスカッド・ミサイルの購入契約は数カ月前に北朝鮮側と結ばれたという。

 イエメンのサレハ大統領は10日、既に北朝鮮から購入したスカッド・ミサイルを所有していることを認め、「これらを獲得するのは正当な権利である」と語っていた。エジプトの軍事専門家は、イエメンは通常の軍備強化のために同ミサイルを入手しようとしたとの見方を示した。

 スペインのトリリョ国防相によると、拿捕された船舶は現在、米国の管理下にあり、米軍が軍事拠点として利用しているインド洋の英領ディエゴガルシア島に向かっているという。(了)

2002/12/11−23:29
北朝鮮ミサイル疑惑、新たな争点に=影響は軽微との見方も−韓国大統領選

 【ソウル11日時事】韓国大統領選挙は19日の投開票まで残り1週間となった。ここまでの選挙戦は従来より盛り上がりに欠けるとの見方もあるが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル輸出が新たな争点に浮上、与党・新千年民主党(民主党)の盧武鉉候補(56)、最大野党ハンナラ党の李会昌候補(67)は早速、この問題に言及した。

 ただ、北朝鮮の核開発計画が10月に発覚したにもかかわらず、今回の大統領選で、対北朝鮮政策は候補者選択の決定的な要因とはなっていない印象が強い。選挙戦終盤で出てきたミサイル輸出問題についても、「(選挙情勢への)影響はそれほど大きくない」(消息筋)との見方も韓国内にはある。 

 金大中政権の包容政策(太陽政策)に批判的な李候補は11日、「金大中政権下で韓国の安全保障は破たん寸前」とするコメントを発表。金大統領の後継者である盧候補では問題を解決できないことを示唆しつつ、自分が当選すれば「(北朝鮮の)核とミサイルの問題を必ず解決する」と強調した。

 一方、盧候補も同日、「北朝鮮は、大量破壊兵器不拡散に向けた国際社会の努力に協力すべきだ」と言明、日米韓3国協調を基軸に、核やミサイルの開発・輸出の停止を働き掛けることが重要との認識を示した。(了)

2002/12/11−23:20
対北朝鮮、一段と強硬姿勢へ=ミサイル輸出発覚で米政権

 【ワシントン11日時事】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が米政府の警告を無視して、核開発のほかにミサイル輸出を継続していたことが判明したことで、米政府は北朝鮮に対する強硬姿勢をさらに強めることになろう。米国が態度を一層硬化させれば、日韓両国の北朝鮮政策への影響も避けられない。 

 ホワイトハウス当局者は、北朝鮮のミサイル輸出発覚後、「事態を深刻にとらえている。今後の対応を日韓両国や中国、ロシアと協議したい」と述べた。11日に北京入りしたアーミテージ国務副長官は、中国政府当局者との会談で、ミサイル不拡散に向けた協力を要請する。

 ミサイルの輸出先のイエメンに活動拠点を築いているテロ組織アルカイダが、ミサイルを入手する可能性もあり、米政府は懸念を強めている。また、今後、米国が攻撃準備を進めるイラクに輸出される可能性も排除できない。

 ラムズフェルド国防長官が先週、「北朝鮮は弾道ミサイルの最大の拡散国だ」と指摘するなど、ブッシュ政権は米国が敵視するイラク、イランなどへの北朝鮮によるミサイル輸出を繰り返し批判。また、北朝鮮がミサイル供与の見返りにパキスタンから核開発協力を得ていた疑惑も取りざたされている。

 「北朝鮮のミサイル技術拡散は米国の安全保障を脅かしている」(政府高官)との声も政権内部で強い。11月の朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)理事会では、米国の主導で北朝鮮への重油提供凍結が決まったが、米政府は今後、軽水炉建設事業凍結を含む制裁措置強化などで北朝鮮の孤立化政策をさらに強めていくとみられる。(了)

2002/12/11−22:49
米の立場見越した行動か=ミサイル輸出、継続の公算−北朝鮮

 【ソウル11日時事】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)によるミサイル輸出に関して、消息筋は11日、「北朝鮮にとって貴重な外貨獲得手段であり、中止するとは思えない」と語り、今後も中東などへの輸出を継続するとの見通しを示した。北朝鮮の行動の背景には、イラク情勢への対応や韓国での反米感情の高まりなどで、米国が直ちに強硬な態度を取りづらいとの判断があるとみられる。 

 北朝鮮は現在、核開発計画に対する制裁として1994年の米朝枠組み合意に基づく重油提供を停止され、経済復興の源泉と期待した日本からの支援も獲得のめどが立たない。こうした窮状を打破するため、ミサイルによる外貨獲得に「なおさら力を入れる」(日朝関係筋)ことも予想される。

 その際は、米国がイラク問題に精力を割かざるを得ない上、朝鮮半島への関与に当たっても韓国の反米感情への配慮が不可欠な状況をにらみ、北朝鮮が国際社会の批判にも「強気の姿勢に出てくるのではないか」(同)との見方もある。

 ただし、今回のように不審船への臨検が徹底された場合、北朝鮮の思惑通りに事態が運ばない可能性が高い。(了)

2002/12/11−23:33
拡散する北朝鮮製ミサイル=中東の主要供給元に

 【エルサレム11日時事】イエメン沖で臨検された貨物船から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)製のスカッド・ミサイルが発見されたが、中東地域の軍事専門家は、イランやシリア、リビアなどの中東諸国に北朝鮮がミサイルや関連技術を提供し続け、脅威になっていると警告している。 

 イスラエルのテルアビブ大学ジャッフィ戦略研究所のエフライム・カム副所長は「北朝鮮は中東のミサイル供給を一手に引き受けている」と指摘する。1980年代まで旧ソ連がミサイルを供給してきたが、米国の圧力でストップ。中国やロシアも過去には関与していたが、現在は北朝鮮が大きな役割を果たしていると強調する。

 同副所長によれば、北朝鮮は80年からのイラン・イラク戦争時に、弾道ミサイルを保有していなかったイランにミサイルを供与し始め、現在も軍事協力関係を継続。イランが保有するミサイルの射程を延ばす技術協力も行っているという。(了)

Jijiwebより
<転載終了>

ひろや 拝


[2702] リバータリアニズムの思想系譜についての学生からの質問 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/12/10(Tue) 23:00:06

副島隆彦です。

 現代の欧米の政治思想の一流派であるリバータリアニズム についての議論を、私たちがこのサイトと、仲間たちのサイトで牽引して行かねばならないのです。

●【リバータリアニズム掲示板】
http://soejima.to/boards/bbs.cgi?room=libertar

 それに十分に対応できないうちに、いつのまにか、極めて俗流化した、安っぽい、リバータリアニズムへの理解が勝手に流布しているようだ、と私は危惧しています。

 リバータリアニズムに対しては、日本国内での理解の流布は、私が管制高地( high commands ハイ・コマンド )を最初から握ろうと思います。これは決断であって、あれこれの解釈を許さないことにしようか、とまで私は考えています。

 今は、こういう書き方しかしません。誤解されることを私は恐れません。私がこの思想の日本における解釈の内容を、逐一、馬鹿な理解どもと、逐一闘いながら、決定して行きます。

 森村進などという東大日本共産党系の人の、愚かなリバータリアニズム理解は、一切、認めません。と、私が、書くと、森村の本がかえって注目されるのかな。しかし、ひねくれ者たちの日本特有の、属国人間の、先進思想の密輸入および勝手な解釈態度を私は、今回は、初めの始めから拒絶しなければならないのです。

副島隆彦拝

(転載貼りつけ始め)

Date: Mon, 9 Dec 2002 22:14:42 +0900
From: ******************
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Subject: リバータリアニズムについて

こんにちは。
都内私立大学に通う法学部学生です。先生の都内講演には友達と欠かさず行っております。「金融鎖国」もサイン付きのを買っちゃいました。

じつは、副島先生のリバータリアニズム関連の学問に興味があり、ディビット・ボウツ氏の「リバータリアニズム入門」、森村進氏の「自由はどこまで可能か リバータリアニズム入門」など読んでみました。

そこで、リバータリアニズムは自己所有権としての自然権にもとづくとおおまかに私は解釈したのです。が、

副島先生は「世界覇権国アメリカを動かす…」第六章でリバータリアニズムはベンサム主義であるから人定法派(positive law)に属すると書かれておられます。

自然権派と人定法派は対立してると、先生の本で知ったもので、少々混乱しております。なぜリバータリアニズムはベンサム主義で人定法派に属するのでしょうか? 自然権派ではないのでしょうか?

愚問だと思われるかもしれませんが、若輩者にどうぞ御教授下さい。
何の本の何ページを読め、でもかまいませんので。いきなりのメールで質問、すみません。

*****拝


*****君へ
副島隆彦です

ご質問のメールに極めて簡単に答えます。

 リバータリアニズムについては、貴兄が疑問に思っているとおり、いろいろな立場があるのです。貴兄はまだ若いですし、きちんと本を読む力がありませんから、あんまり簡単に答えを出さないで、じっくりいろいろの本を読んで考えて下さい。私の本もしっかりとは読まないで、安易な質問をしています。

 楽して勉強しないで下さい。

 ロッキアン(=自然権)派のリバータリアニズムを北アメリカの大学では教えるのが普通です。政治思想と言うものは、本当は苛烈なものです。私、副島隆彦は、ベンサマイトとしての、苛烈な思想を日本に移植しようとしているのです。これ以上は、もう書きません。もっと苦しみなさい。

副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


[2701] 皆さまもお気をつけ下さい。 投稿者:Rss-K 投稿日:2002/12/10(Tue) 00:06:56

(貼り付け開始)

『ITPro News』[2002/12/09]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20021209/1/

IEのセキュリティ・ホール,深刻度を最悪の「緊急」に変更

 マイクロソフトは12月7日,12月5日に公開したInternet Explorer(IE)のセキュリティ・ホール「Internet Explorer 用の累積的な修正プログラム (MS02-068)」の深刻度を,下から2番目(上から3番目) の「警告」から,最悪の「緊急」に引き上げた。ユーザーのマシン上で,任意のプログラムを実行させられる恐れがあることが明らかになったためである。

 対策はパッチを適用すること。今回新しく公開された攻撃方法に対しても,当初から公開されているパッチは有効である。そのため,既にパッチを適用しているユーザーは何もする必要がない。まだパッチを適用していないユーザーは,早急に適用したい。

 当初マイクロソフトは,「MS02-068」のセキュリティ・ホールに対して,最大深刻度を「警告」に設定していた。細工が施されたWebページやHTMLメールを閲覧すると,ユーザー・マシン上のファイルの内容を読み取られる,あるいは既存ファイルを実行される恐れがあるものの,攻撃者が任意に選択したプログラムを実行させられることなどはないと考えられていたためである。

 しかし,「MS02-068」のセキュリティ・ホールを悪用すれば,任意のプログラムをユーザー・マシン上で実行させることも可能であることが明らかとなった。そこでマイクロソフトは,直ちにパッチを適用する必要がある「緊急」に深刻度を変更した。

◎参考文献
◆Internet Explorer 用の累積的な修正プログラム (324929) (MS02-068)
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms02-068.asp

(勝村 幸博=IT Pro)

『ITPro News』[2002/12/09]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20021209/1/

(貼り付け終了)

*「Internet Explorer 用の累積的な修正プログラム (MS02-068)」
http://www.microsoft.com//japan/technet/security/bulletin/ms02-068.asp


[2700] 感想文 投稿者:quew 投稿日:2002/12/09(Mon) 15:52:25

『諸君!』一月号<ポチ・ホシュへの「宣戦布告!」聞け!聞け!我らが「反米」という作法について>(以下『諸君!』と略す)の感想を書きます。
先生が小林氏に言いたかった事は「反米」についてというよりもこんな感じではないでしょうか。

 1.あなたの意見には、諸手を上げて賛成する。
 2.あなたが思っていること、感じていることは世界の常識で言えば(学問の用語で言えば)こういうことになるんですよ。(デモクラタライゼーションなど用語の説明など)
 3.あなたが思っていることは、世界では常識になっていることですが、日本の言論人はみんなアホで英語すら読めないから世界で常識とされていることが分かっていないんですよ。失礼ながら、あなたの知っている知識人たちも頭の悪い連中ばかりだ。

ここからは、上記の2.について書きたいと思います。
(『諸君!』より引用)
小林 (前略) ほとんど副島さんの独演会を、わしが聴きにきたみたいな感じだね。
(引用終わり)

これが、私の読後感想の一つです。独演会というよりは講義そのものだと思うのですが。
以前、ある雑誌で、小室先生と大川興行の大川某氏の対談がありましたが、この時も小室先生の独演会のような感じでした(この時も用語説明のオンパレード)。 この対談の中では小室先生は、大川氏に対して、「あなたは、感は鋭いが知識がない」と言うようなことを言っていました。

(『諸君!』より引用)
副島 もっと酷いのは、「グラス・ルーツ」(草の根)。これも日本のインテリ層さえが誤解している言葉です。日本では、左翼の市民運動化や労働運動をする手合いのことをアメリカの「草の根」だと思っている。
小林 辻本清美なんかが、自分たちが「草の根」だと言う感じでよく使っていた。
副島 あんなのとはぜんぜん違う!アメリカを裏から支配している金融財閥を疑って保守的な白人の階級、商工業者、農民達が、「自分達の真の代表者がワシントンの政治を作っていない」と騒ぎ出す動きのことをグラス・ルーツというのです。ポピュリズム(民衆主義)というのがその先鋭化した形態です。この簡単な事実を、日本のアメリカ研究者たちさえ知らない。「アメリカは外国を占領するな。干渉するな」と説いている。まさしくアイソレーショニズム(国内優先主義)を唱えるパット・ブキャナンこそ、ポピュリストなんですよ。
小林 大統領選挙にも何度か出ていましたね。共和党系右派でしたっけ?
副島 単なる根本保守ではない。彼は元共和党でニクソン大統領のスピーチライターをやっていた立派な保守は言論人であるけれども、湾岸戦争のときに「国際石油資本とグローバリストのために、アメリカの若者達が中東の砂漠で兵士として死にに行かねばならないのか」と派兵に反対した。今のそうです。この反グローバリストとポピュリズムを体現する人々を私は支持している。
小林 へぇ、なるほどね。
(引用終わり)
 小林氏は、副島先生の著書を読んだことがないようですね。
 副島先生が、なぜこのように執拗に用語の説明をされたのか。
 私の考えでは、先生と小林氏が対等に話し合うためには、共通認識をもたなければならない、しかしその前に共通のコトバ(=用語)を使わなくてはならない。コトバとは、世界で一般常識とされているコトバだ。しかし、日本ではこれらのコトバが誤用だらけで、全く世界に通用しない。それを正さなくてはならない。と副島先生が思ったからではないか。

(『決然たる政治学への道』に引用されている『論語・子路第十三の巻』の現代口語解説訳から引用)
 孔子の一番弟子の子路が孔子先生に尋ねた。もし、衛の国の王様が、孔子先生の学識と能力を、大いに期待して「自分の国の政治の責任者になってほしい」と頼まれましたら、先生は、まずどういうことを実行に移しますか。
 孔子が答えて言うには、私ならきっと、まず、「ものごとの名称(名前)をきちんと整頓すること」から始めるだろうな。
 子路は言う。「ほら、これだから孔子先生は、まだるっこしいんですよ。何の必要があって名前の整頓なんかなさるのですか」(中略)
孔子が答えて言う。子路よ。おまえは、ほんとに無教養だね。君子(支配階級に属する立派な人間)というのもは、自分の知らないことについては黙っているべきなのだ。われわれが日常使う言語そのものに妥当性がなくなるではないか。そして、言語を使用する上で妥当性がなくなれば、礼楽(礼儀作法や儀式や正式の楽典のこと)による正しい文化に基づく正しい国民生活は振興されない。礼楽による文化(正統なる秩序)の生活が振興されなければ、刑罰というものの妥当性が失われる。刑罰の執行が妥当性を失えば、民衆は手足の置き所もなくなってしまう。したがって、君子は、あるものごとに舞い賞を与える場合においては、ここに明確に確立した、普遍的な言語としての使用を望まねばならない。そして、いったん、ある名称が名づけられたら、それを公表して、みんなのものとするべきであり、必要に迫られたら、その名称(言語)のとおりに、必ずそれを実践するべきなのだ。したがって、君子は、このように言語(コトバ)というものに対して、決していい加減であってはならないのである。
(引用終わり)
続いて同書より上の文の解説を引用します。
(引用始め)
ここで初めて、孔子によって、「名正しからざれば、すなわち言(コトバ)順(したが)わず」という思想、すなわち、「正名」という考えがだされたのである。(中略)
孔子はここで、まず「名」(ものごとの名前)を、「実」(実体、実状、実際)にぴたりとあわせることが大切である、とする。現実を、しっかりと正確に、コトバに置き換えなさい。そして、その上で、すべての人が偽りではなく、正しく「名」(コトバ)を使う政治社会の秩序を作ること、これが「政治」だ、といっているわけである。(中略)
この「名」と「実」とが、ずれるということは、世界がずれるということだ。つまり、政治社会の秩序が乱れる。だから、混乱した政治状況においては、従って、まず、「名」を正すことから始めなければならない。(中略)
 古代ギリシャのプラトンもアリストテレスも、それから十七世紀の思想化スピノザやデカルトや近代政治学の祖と言われているトーマス・ホッブスらが、「政治」について説いていることは、大きく言うならば、「正しくコトバを使うこと」すなわち、まさしくこの「正名」のことだったのである。だから、秩序を作り出すことは、実はコトバを作り出すことだったのである。
(引用終わり)
そして、ここで作り出されたコトバ、かつ普遍的なコトバを二人の共通のコトバにしようとしたのではないか。
 
さて、『諸君!』に書いてなくて、『ぼやき有料版』に書いてあることで、一番注目すべきことは、つぎのことだと思います。
副島先生は、反米ではなくて、アンチ・グローバリズムである。

(ぼやき有料版から引用)
私こそは、日本を代表するアンチ・グローバリストです。このように言っても、もう誰もどこからも異論は出ないでしょう。
(引用終わり)
さらに、引用。
(ぼやき有料版から引用)
即ち、グラス・ルーツ=ポピュリズム=アイソレーショニズム=アンチ・グローバリズム なのです。私は、日本ではただひとり、はっきりとこの立場に立っている人間です。
(引用終わり)
さらに、引用。
(ぼやき有料版から引用)
両方に繋がっているのが大事。だから私は政治家の勉強会でも、「すべての国と仲良く
/アジア不戦/日米同盟の堅持」と言ってしまいますよ。
私の属国論というのは、価値中立的なんですよ。マッカーサーが良いことを言った。「
餓死させるのが、我々のアライである」と。
同盟関係とは属国関係です。
(引用終わり)
これが『諸君!』には載っていない。これが無ければ、何のために、「グローバリズム」と「グラス・ルーツ」=「ポピュリズム」=「アイソレーショニズム」を力説したのかという話になってしまう。アメリカに逆らえば、アメリカにどのようにされるかを分かりやすく、明快に説明しているのは、副島先生だけではないか。今、私達はイラクと北朝鮮の状況を見れば、「反米」国家がどれほどの代償を背負わなければならないのかを目の当たりにできる。
先生を反米だと決め付けたのは、やはり小林氏諸共「反米」というレッテルを貼りつけて闇に葬り去りたいらしい。
それは、ふざけたタイトルからもありありと窺えます。
以上


[2699] 郵便貯金は本当に返ってくるだろうか? 投稿者:山田高明 投稿日:2002/12/09(Mon) 10:53:03

「×××万円を××××公庫から借りておりまして、(略)実質的にも債務(不良債権か?)になってしまっている分が〜」
 という箇所を「有料ぼやき」で見て、急に思い出したことがありまして、書かしてもらいます。自分の資料ファイルをあさり、今年9月19日の「週刊文春」の切抜きを見つけました。そこには「公的部門の負債が172兆円」と匿名記者C氏の話が掲載されております。
 私はこの情報にたいへん驚きました。
 というのも、これはディスクロージャーされていない情報なので、私が知りたくても、知ることができなかった種類のものだからです。数年前ほど、副島先生も推奨の経済評論家・森木亮氏が、同負債について、100兆円とか120兆円とか、推計していたように記憶しています。
 私がこの記事を読んだときに、真っ先に思い浮かんだのは、「ああ、これで将来、もう郵便貯金は封鎖するしかないな」ということでした。
 理由を説明します。財投機関すなわち特殊法人の事業原資は、国民の金です。つまり、郵貯・年金・簡保などが「財務省資金運用部」という政府直営の金融部門に「預託」され、それが「運用」されます。運用方法は、主に「債権の引き受け」と50あまりの特殊法人への「融資」です。これがいわゆる財政投融資の仕組みです。これで公共事業・文教政策・福利厚生などをやっているのです。現在は資金運用部に代わって「財投機関債」で市中より資金調達しようとしているのですが、しかし、そんなもの集まるわけがないので、「財投債」という新型国債に郵貯や年金を突っ込むという風に、「改革」されたばかりなんですが、話がややこしくなるので、これは省きます。ようするにこの財投の債務残高が400兆円超ある、とだけお考えください。
 で、このお金は「運用」されておりますから、厳密にいうと「純借金」ではありません。なぜなら「貸付回収金」が将来にわたって入金するので、それで債務残高に手当てできるからです。したがって、理論上は借金はゼロです。
 さて、ここで大問題です。たとえば○○公庫などの政府系金融機関だけでも、160兆円をこえる融資を行っています。これらの融資が無事に「回収」できれば、それは資金運用部にバックされ、さらに原資たる郵貯などに戻すことができるわけです。しかし、融資が回収できないと、当然ながら、原資に充当できません。
「いったい財投400兆円超のうち、どれくらいが末端で不良債権化しているのか?」
 私はこの情報を欲していたのですが、どこを探しても、ありませんでした。かろうじて森木氏の推計で「なんとなく100兆円くらいかなあ?」と漠然と考えていたのですが、先の「週刊文春」で「172兆円」なる具体的な数字が出てきました。この数字の意味が、みなさんにもお分かりいただけたですか?
 つまり、公的企業が回収できないこれだけの金は、「そっくりそのまま郵貯や年金に穴が開いている」ということを意味しているのです!
 郵貯や年金に「新規の入金」があるから、この「穴」はどんどん先送りすることができて、ごまかすことができるのです。しかし、いずれごまかしがきかなくなるときが来るに違いない、と思います。つまり返す金がないので封鎖するしかありません。
 民営化? そんなことがそもそもできるはずがない。郵貯がポストバンクになったら、即、日本最大の不良債権をかかえる銀行の誕生でしょう。シビアな民間の金融機関でさえ、貸し出し残高500兆円のうち査定を厳しくすれば100兆とも200兆ともいわれる不良債権を抱えている。ましてや政府系金融機関なるものが、いかに甘い融資を行ってきたことか。
 郵貯の穴は、通常の税収で手当てできません。おそらく、「大税金狩り」のようなことをしない限り、埋めることができない。で、その「週刊文春」には「新円切り換えが進行中」とあるのです(笑)。使い込んだ国民の金を埋めるために、国民から新たに金を調達するとは、ずいぶんと立派な政府ではないか。

PS・アルルの男さまへ。情報ありがとうございます


[2697] マクロとミクロの完全合一 投稿者:anji 投稿日:2002/12/08(Sun) 23:49:10

>私たちが、天下・国家を論じるということと、私たちひとりひとりの
>足元の、目の前の現実の、貧しく、あまり恵まれているとはいえない
>この現実そのものとは、一体どういう関係にあるのだろうか、と
>私は、いつも、この「一人一人の現実 と 天下(=世界)国家を論じることの乖離」で苦しみます。

私は在野のキャリアカウンセラー兼マクロ・ミクロ経済、企業会計の研究家です。
前述のお悩みに答えを出し、行動計画立案を支援し、結果をフォローするのが私のミッションです。
今年のはじめ、おそらく20世紀を代表するであろう経済学者、社会思想家、教育者とお話をする予定が、
電話したのが亡くなった翌日でした。その先生が主張されていたことを思い出しました。

マクロ経済と個人の生活は一直線に繋げ、明快な答えを導き出せなければ学問や教育機関に
何の意味もありません。

一般に経済学、経営学系の学者には若者のニーズに合致できる方はまずいません。

資格に頼るのはリスクが高いものです。
ネット技術者として職を得るルートは、秋葉原などのネットワーク系企業などにアルバイトでも何でも
とにかく入り込み、人的ネットワークを開拓していくことです。
正社員採用の就職試験というオフィシャルな場では「前職の実績が全てです。」実績の伴わない「資格」
がパスポートになると信じるとはしごをはずされる危険性があります。
何としてでも、業界に人的ネットワークを築き、採用形態にかかわらず業界で何かの実績をつくること、
その積み重ねしかキャリアを切り開く方法はありません。

現在の日本の教育機関では実践的な知識を身につけさせてくれるところはまずありません。
非公式な場を見つけるか、アメリカの行動科学系のメソッドを引っ張ってくることが有効です。


[2696] 若い読者とのメールのやりとり。先々の私の義務は、人生相談者しかないかもしれない。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/12/08(Sun) 05:37:16

副島隆彦です。 ネットで交信が即座に出来るということは、
このようなやり取りをすることが、多くなる、ということです。
私たちが、天下・国家を論じるということと、私たちひとりひとりの
足元の、目の前の現実の、貧しく、あまり恵まれているとはいえない
この現実そのものとは、一体どういう関係にあるのだろうか、と
私は、いつも、この「一人一人の現実 と 天下(=世界)国家を論じることの乖離」で苦しみます。

ですから、私は、これからは読書人階級の若者向けの人生相談屋か
運勢占い師(陰陽師)にでもなった方がいいのではないか、と自問することがあります。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

----- Original Message -----
From: ******************
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Saturday, December 07, 2002 11:07 PM
Subject: 再度、MLからの削除のお願い


副島隆彦先生へ
拝啓、お仕事中失礼します。
****です。
12月4日にMLからの脱退をお願いしたのですが、まだ、MLからメールが送られ てきます。

2003年のぼやき更新はいたしません。今、自分は更新どころではなくお金があり ません。他人の人生など関係ありませんが、お金を払わずにMLを読んでいたので、私の近況 を書きます。

今年の3月20日に会社を辞めてから、資格を取ろうと決心したのは5月になってからです。この6月27日に、CIW ASSOCIATION、8月1日にSCSA(Solari s8)・Part1、10月6日にSCSA・Part2に合格しました。情けないですが、Part2は3回落ちて、4回目で合格しまし た。一回の受験料が消費税込みで、25,250円なのでかなり痛かったです。

本当は9月末までに終わらす予定だったのですが、Part2でかなりてこずってし まいましたので、大幅に期間をオーバーしています。今は、3個目の資格であるCCNA取得に向けて学習中です。

あと、もうひとふんばりです。3個目を取り終えれば、必ず仕事にありつけます。い や、絶対にありつけないと餓死してしまうので、何がなんでもありつけてみせます。

3個目を取り終えれば、大阪に戻ることも考えていたのですが、関西は首都圏よりも 雇用情勢が悪いので、しばらくは東京に残ろうと考えています。ぶざまですが、それでも前進します。以上で近況報告を終わります。私のメールアドレスは *********** です。
MLからの削除をお願いします。

2002年12月7日  ****

----- Original Message -----


****さまへ
副島隆彦です

 **君からの「MLからの削除のお願い」は、先週いただいておりました。それを、私は、てっきり、ミーム君が、処理しただろう、とおもっていたのです。ミーム君に、時間と処理能力がないのなら、奥村君が即座に、やるべきなのです。そして**君にその旨を、簡潔にメールで知らせるべきなのです。

(略)

 **君へ。以上のような次第です。すぐにやりますから、お待ち下さい。君の人生環境の厳しさは、私なりに了解しました。私には、今の君を助けてあげることはできません。なんとか自力で生きてください。それでも、餓死する、という言葉は尋常ではありません。

 表面上は、健康そのものである若い君を、今の日本の各種の福祉制度は全く相手にしないでしょう。福祉は、「見るからにかわいそうな、母子家庭か、老人たち、か 身障者しか」相手にしないでしょう。

 今、日本の若者たちが、職が無くて追い詰められつつあります。ここに怒りがたまりつつあります。老人たちには平均で、3000万円ほどの資金があって、若者たちには何もない、という富の偏在状況です。老人は自分で長年こつこつためた金ですから、これを誰も奪うことはできません。しかし、やがて、この老人たちの金も、金融制度の激変(ハイパー・インフレと預金封鎖)で奪われるでしょう。

 私は、若者たちの怒りが充満してくるのをじっと待っている人間です。冷酷に世界を法則性で、見ている人間です。

 しかし**君を助けることは出来ません。君が、すこし頭の病気で苦しんでこられたということはこれまでのメールで知っています。東京におられる間に、せめて2,3度、私たちの集まりに顔を出してくれれば、何か助言できたのでしょうが、それも出来ませんでした。

 まだ若いのですから、ご両親と相談して、きっとご両親にもそんなに余裕はもうないでしょうが、(大学まで息子を出したら、あとは、もう自分で生きて行ってほしいと、親は思いますから)それでも、君ひとりぐらいが、平安な精神状態で生きられる最低限度の環境ぐらいは、準備してくれるでしょう。

 君が、コンピュータ・ソフト開発の技術の国家試験に本気になるのは当然です。しかし、君が今、そのように焦ると、その焦りは、まわりにすぐ伝わります。そうすると、就職の面接の時に、すぐにそのことが露呈します。面接担当者(会社側の人事の管理責任者)はそのことをいやがるでしょう。

 そうすると、君が不利になります。ですから、今は、なるべく精神状態を平安に保って、静かにのんびりと構えてください。家族を抱えて失業している中年男たちほどはまだ、君は苦しくはないのです。ここは、じっくりと思案してください。自分ひとりの平安な生き方を、自分で確保するという目標に向かって着実な行動を取って下さい。

 大きな夢などもう必要ありません。そういう時代ではないですから。全ての若者に夢が無くなった時代です。この傾向はどうにもなりません。オタクにでもなって、極小の、微小な世界に向かって行くしかないのでしょう。元々、若者よ夢を持て、などということ自体がきれい事だったのだと、分かっているのです。

 ですから、今は**君は、焦らないで、自分のまわりの、自分を助けてくれる要素をしっかりと、点検してください。誰が自分のためになってくれそうか、とか、真剣に考えてください。私には、それぐらいしか言えません。お元気でお暮らし下さい。

副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


[2695] 日中共同声明(1972年9月29日)を読む 投稿者:ひろや 投稿日:2002/12/08(Sun) 00:37:11

大学の授業でもらったプリントより日中共同宣言を転載します。
こうしてみると、この取り決めによって、今でも尾を引いていることがらが多くあります。
そういう重要箇所は、私、ひろやが太字にしておきました。

<転載開始>

日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明

 日本国内閣総理大臣田中角栄は、中華人民共和国国務院総理周恩来の招きにより、千
九百七十二年九月二十五日から九月三十日まで、中華人民共和国を訪問した。田中総理大
臣には大平正芳外務大臣、二階堂進内閣官房長官その他の政府職員が随行した。

 毛沢東主席は、九月二十七日に田中角栄総理大臣と会見した。双方は、真剣かつ友好的な話合いを行った。

 田中総理大臣及び大平外務大臣と周恩来総理及び姫鵬飛外交部長は、日中両国間の国交正常化問題をはじめとする両国間の諸問題及び双方が関心を有するその他の諸問題について、終始、友好的な雰囲気のなかで真剣かつ率直に意見を交換し、次の両政府の共同声明を発出することに合意した。

 日中両国は、一衣帯水の間にある隣国であり、長い伝統的友好の歴史を有する。両国国民は、両国間にこれまで存在していた不正常な状態に終止符を打っことを切望している。一戦争状態の終結と日中国交の正常化という両国国民の願望の実現は、両国関係の歴史に新たな一頁を開くこととなろう。

 日本側は、過去において日本国が戦争を通じて相国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。また、日本側は、中華人民共和国政府が提起した「復交三原則」を十分理解する立場に立って国交正常化の実現をはかるという見解を再確認する。中国側は、これを歓迎するものである。

 日中両国間には社会制度の相違があるにもかかわらず、両国は、平和友好関係を樹立すべきであり、また、樹立することが可能である。両国間の国交を正常化し、相互に善隣友好関係を発展させることは、両国国民の利益に合致するところであり、また、アジアにおける緊張緩和と世界の平和に貢献するものである。

一 日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する。

二 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

四 日本国政府及び中華人民共相政府は、千九百七十二年九月二十九日から外交関係を樹立することを決定した。両政府は、国際法及び国際慣行に従い、それぞれの首都における他方の大使館の設置及びその任務遂行のために必要なすべての措置をとり、また、できるだけすみやかに大使を交換することを決定した。

五 中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。

六 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互専重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両印の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日相及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

七 両国間の国交正常化は、第三国に対するものではない。両国のいずれも、アジア・太平洋地域において覇権を求めるべきではなく、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国あるいは国の集団による試みにも反対する。

八 日本国政府及び中華人民共和国政府は、両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、平和友好条約の締結を目的として、交渉を行うことに合意した。

九 日本国政府及び中華人民共和国政府は、両国間の関係を一層発展させ、人的往来を拡大するため、必要に応じ、また、既存の民間取決めをも考慮しつつ、貿易、海運、航空、漁業等の事項に関する協定の締結を目的として、交渉を行うことに合意した。

千九百七十二年九月二十九日に北京で


日本国内閣総理大臣 田中角栄(署名)
日本国外務大臣 大平正芳(署名)
中華人民共和国国務院総理 周恩来(署名)
中華人民共和国 外交部長 姫鵬飛(著名)

<転載終了>

ひろや拝


[2694] 山田たかあき さんに捧ぐ。 投稿者:アルルの男・ヒロシ 投稿日:2002/12/07(Sat) 21:40:12

リチャード・パールについて、興味深い記述が、広瀬隆の「世界石油戦争」(NHK出版)から転載します。

(引用開始)

パールは、レーガン時代に国家安全保障政策を担当した国防次官補だが、ブッシュ政権では、国防長官ラムズフェルドの諮問委員会議長として、アフガン攻撃後の戦争拡大を主張の最強硬論を展開した。軍備増強論の大御所で、あまりの過激な主張にレーガン時代に国務省と対立したこともしばしばだが、彼は、イスラエルの新聞”イエルサレムポスト”重役であり、エルサレムのイスラエル政府代弁者である。親会社の新聞社ホリンジャー・インターナショナルは、傘下にイギリスの”デイリー・テレグラフ””サンデーテレグラフ”を擁し、同僚重役には、ヘンリー・キッシンジャーのほか、世界ユダヤ人会議議長エドガー・ブロンフマンのビジネス・パートナーたち多数の名がある。[同書36ページ]
(転載終わり)
『世界石油戦争』広瀬隆 NHK出版

そこでためしに、Hollinger、Jerusalem Postで検索して見ると、さすがに現在は重役から外れているようです。

Jerusalem Post のサイトから転載します。

(転載開始)

The Jerusalem Post
70th Anniversary 1932-2002

Founded in 1932 by Gershon Agron

F. David Radler, Chairman, Board of Directors
Thomas A. Rose, Publisher and CEO
Avi Golan, Vice Chairman and Managing Director
Mark Ziman, Chief Financial Officer
Bret Stephens, Editor-in-Chief


Amotz Asa-El, Executive Editor
Calev Ben-David, Managing Editor
Caroline Glick, Deputy Managing Editor
Dan Gerstenfeld, Business Editor
Allyn Fisher-Ilan, Managing Editor / Internet
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Steve Linde, Night Editor
Saul Singer, Editorial Page Editor
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Ruth Eglash, Arts and Entertainment Editor
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INTERNET EDITION

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Allyn Fisher-Ilan, Managing Editor
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Shoshana Yossef, Marketing Manager
Doreen Ravona, Content Editor
Les Fried, Foreign Service Editor
Kira Volvovsky, Senior Web Designer
Amira Infeld, Web Designer

UPDATE EDITORS:

Dana Goldberg
Mayaan Jaffee
Ishai Mishory
Gavin Rabinowitz
Harry Rubenstein

(転載開始)
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?pagename=JPost/P/AboutUs

で、Hollinger links という、同サイト内でのリンクをたどると・・・

http://www.jpost.com/servlet/Satellite?pagename=JPost/P/Links

テレグラフが出てきました。参考になるか判りませんが、テレグラフのコラムにはパールが出たことがあります。対イラク主戦論で。

アメリカの高官は在任中は籍を抜けるということなのかな?


[2693] 私の法律学3部作についての質問メールへの返事 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/12/07(Sat) 19:21:44

副島隆彦です。

 私の法律学三部作の幻(まぼろし)の、3冊目を、探して古書店をさまよう人たちが本当にいるのです。

それに対する、私自身の返事は冷淡です。

(転載貼り付け始め)

----- Original Message -----
From: *****************
To:
Sent: Saturday, December 07, 2002 3:29 PM
Subject: 旧・法律三部作について

副島隆彦様

前略
取り急ぎ申し上げます。

本日、HPを見て驚きました。法律三部作というのは、「法律学の正体」と「法哲学・法思想とは何か」「法律実務家の事情」ではなかったのですか?

「法律学の正体」(たぶん初版)の巻末にこうあったので、ほぼ全図書館及び古本屋をここ1年余り探していました。宝島社では「過去に確かに出した。絶版だ。それ以上のことは知らない」 と冷たく言われましたよ! やはり、出版されなかったのですか?

あまりにも「法律学の正体」が良かったので、必死でした。「裁判の秘密」 「裁判のカラクリ」位では納得いきません。上記2冊から「法律実務家の事情」は何とか想像つくとしても、「法哲学・法思想とは何か」で何をお書きになる予定だったのですか?先生が書くのと、他の人では全然違うのです。

私は諦めきれませんので、同種の本を紹介して下さい。少々難しくても、頑張って読みます。勿論、教科書的なのは必要なしです。

いきなりメールさせて頂き、失礼致しました。探し回り、読みたいと渇望し、1年も悩んだ末ですので、お許し下さいませ。何卒、宜しくお願い申し上げます。
               草々

〒108-0023東京都港区*********
               ****
       Tel.*******
       

尚、先生よりご多忙中で返信頂けない時は、勿論事務所の方からでも結構です。必ず、質問に答えて頂きたく思っております。   以上

----- Original Message -----

****さまへ
副島隆彦です

メールでご質問をいただきました。

 私が、私の法律学三部作として出す予定であるとして書く予定とした「法律学の正体」と「法哲学・法思想とは何か」「法律実務家の事情」についてのご質問にお答えします。

 私は、第3巻目の「法哲学・法思想とは何か」は、いまだに出版していません。

 1991年の10月に初版を出した「法律学の正体」の巻末で、書く、と予定したのですが、そのあと、私の関心は、 現代のアメリカ政治思想の諸流派の研究の方に向かいました。

 それで、「近代の西欧の法哲学・法思想の諸流派の全体像を描く」という私の試みは、中断しています。中断している研究は、他にも10ぐらいあります。私の頭(能力)が限界になったからではありません。私に時間の余裕と、思考投入量さえあれば、出来上がるのです。そんなにも悩むほどのことではないのです。主要文献を200冊ほどを、きちんと解説すればいいのですから。

 ただし、今に至るも、法思想 どころの騒ぎではなくなりました。日本人には、ヨーロッパ近代法の継承は、、無理だろう。ただ、無理やり接木するだけだろう、と考えています。私が、何を考えるかではなくて、この日本という国が、どうにもならない。この現段階では、いくら、立派な法思想を説いてもねえ、という気分です。

 日本人には、いまだに、東大の法学部の教授たちを含めて、たとえば、right of way  ライト・オブ・ウェイ  という 公共領域 (public domain パブリック・ドメイン)の法律思想の基本的な思考枠組みひとつが分かっていません。

 貴兄は、私の法律学の本を、一年も探し回るなどしないで、私のアメリカ政治思想研究の本たちを読んでくれて、それで、満足してくれればいいのに、と、かえって私の方があきれてしまいます。

 それとも、君は、今から自分こそは大法学者にでもなろうと意欲しているのですか。

 私の「『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社プラスアルファ文庫,1999年3月刊、1000円)の、第四章の「法をめぐる思想闘争と政治対立の構図」をお読み下さい。ここに大きな答えが書いているはずです。一読して、そのあと私に再度、読んだ感想のメールを下さい。

 私が、70歳を越して、まだ生きていて、暇になっていたら、この土人(=前近代人)に向けて、「法哲学・法思想とは何か」を書きます。それまで待っていてくれてもいいです。

 もし、どうしても、日本語で書かれた、法哲学の本で一番いい本を、お読みになりたいなら、次の本をお勧めします。それは、

『現代法哲学 全3巻』
(長尾龍一、田中成明たなかしげあき 編 東大出版会、1983年刊 )です。

 これが今に至るも一番よい、日本語で書かれたうちでは、日本人法学者たちのぎりぎり秀作です。

以上、お答えしました。あとは、貴兄の人生です。私には関係ありません。

副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝

副島隆彦追記。 その後に戴いた返事のメール。

(転載貼り付け始め)

----- Original Message -----
From: ***************
To: GZE03120@nifty.ne.jp
Sent: Saturday, December 07, 2002 10:21 PM
Subject: 副島先生、有難う御座いました。

 私のような見ず知らずの者に、早速のご返信誠に有難う御座いました。教えて頂いた本読ませていただきます。   以上

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


[2692] 米の国家戦略家リチャード・パール 投稿者:山田たかあき 投稿日:2002/12/07(Sat) 17:05:53

再び同書より。

(P76〜79)
リチャード・パール45歳、色が浅黒く、ずんぐりとした体つきである。
(略)リチャード・パールこそ今度のイラク戦争の総元締めである。ワイントンでいま、サダム・フセインに対する戦いを始めたのが誰だといえば、そしてそれを一人あげろと言われれば、それは間違いなく彼である。
(略)彼を始めて知ったのは一九八二年の国防総省でだった。このとき、新たに国防次官補となったリチャード・パールは全力をあげてソビエトと戦っており、レーガン政権の強硬政策の中心人物であった。
「彼は根っからの反共主義者であり、多くの進歩学者やジャーナリストに嫌われている。『暗黒のプリンス』というのがあだ名だよ」
と、長年の親友であるジャーナリストのロバート・ノバックがこのとき教えてくれだが(略)
 それから二十年後、彼はブッシュ政権の国防長官候補となった。
「ブッシュ大統領もリチャード・パール自身も同意をしたのだが、ラムズフェルド氏が国防長官のポストを強く要求したため、結局彼は身を引いた」
 ワシントンの政界消息筋が私にこう説明したが、私の知る限りラムズフェルド氏はCIA長官になるはずだった。
 しかしながらラムズフェルド氏は、アメリカの国防総省を冷戦後の新しい形に変えるため、あえて古巣である国防総省に入り、国防長官になりたいと強く要求したのであった。(略)リチャード・パール氏はその他のすべてのポストを拒否し、結局国防総省の諮問機関ともいうべきディフェンス・カウンセルをつくり、自らがその委員長に就任した。

(P24〜25)
このディフェンス・カウンセルは新しいブッシュ政権の世界戦略を考え出すために2001年1月、国防総省に作られた。
 当面の任務はラムズフェルド国防長官の組織的な顧問ということになっているが、なにしろそのメンバーがすごい。キッシンジャー元国務長官、ベーカー元国務長官、シュレジンジャー元国防長官、クウェール元副大統領、それに歴代のCIA長官、マケイン上院議員、ルーガー上院議員といったアメリカを代表するエスタブリッシュメントがすべて顔をそろえて、アメリカの国益を保護するための新しい戦略作りを行っているのだ。(略)
 このディフェンス・カウンセルを取り仕切っているのがリチャード・パールで、彼が「次は金正日だ」と名指しで言ったのは、とりもなおさずサダム・フセインに対する戦いが一段落し、中東が落ち着けば、次は北朝鮮がアメリカの戦いの相手であるということを意味する。


[2691] イラクの次は北朝鮮 投稿者:山田たかあき 投稿日:2002/12/07(Sat) 16:43:35

以下、ハドソン研究所首席研究員である日高義樹氏の最新刊『世界大変動が始まった』(徳間書店)P22〜より。

 いまアメリカ政府の世界戦略をつくるうえで中心的な役割を果たしているのはハドソン研究所理事リチャード・パールである。(略)このリチャード・パールは、いまやブッシュ政権の世界戦略の知恵袋であり、あらゆる戦略問題に関わっているが、ワシントンでは北朝鮮に対してもっとも厳しい立場をとっていることで知られている。
 二〇〇二年十月七日、ワシントンで私と話したとき、彼はこう言った。
「北朝鮮は核兵器や生物・化学兵器を造っており、いまや世界でもっとも危険な国家のひとつである。いまアメリカはイラクと戦っており、北朝鮮を追い落とすための体制も準備も整っていない。しかしながら北朝鮮の金正日が、アメリカが北朝鮮を叩くために何もできないと思っているとしたら、それは大間違いだ」
 リチャード・パールはこう言ったあと、さらに言葉を続けた。
「次は金正日の番だよ」
 このときの話し合いの内容は、私のテレビリポートの中ですでにお伝えしたが、リチャード・パールが金正日を危険な指導者だと考えているということは、ブッシュ政権がサダム・フセインに次いで金正日を攻撃対象と考えていることを意味する。
(略)北朝鮮と国交を正常化するためには、何はともあれ金正日を排除することが必要である、金正日を排除することイコール北朝鮮との国交正常化である、といまやブッシュ政権の首脳は考えているのだ。


[2690] 山根りゅうじ参議院議員のメール・マガジンの転載 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/12/06(Fri) 03:32:58

副島隆彦です。

 送られて来た山根りゅうじ民主党参議院議員のメール・マガジンを勝手に転載します。山根議員のこのメル・マガやHPは、ここのぼやきの無料版で先月宣伝して、議員の名文を称揚しました。議員から私あてにメールが来ましたので、お返事のメールを差し上げました。数名のここの読者が、山根議員のメル・マガに入られたとのことです。 

もし加入を希望する場合は、丁寧な文面で、議員にお願いして下さい。

副島隆彦拝

(転載貼り付けはじめ)

Date: Thu, 5 Dec 2002 19:56:26 +0900
From: "山根隆治"
To:

==========================================================
■民主党 参議院議員 山根隆治(りゅうじ)メールマガジン
▼2002年12月 5日発行号
==========================================================

▼国立施設の視察(11月28日)

 特殊法人改革の審議が参議院 文教科学委員会でも始まったので、委員会視察で、国立スポーツ科学センターへ行った。一通りの視察・説明を受けた後、質問の機会が与えられたので、この施設の予算概要について聞いたが、総工費は270億円、年間の経費は22億円、人件費は4億5千万円という。市町村が、コミュニティーセンター等ちょっとした施設を造り維持する費用の約10倍であり、流石(さすが)に国立の施設だな、というのが地方議員を長くやってきた私の感想で、何でも直ぐに地方と比べる癖が私からは抜けない。

 同僚議員の江本孟紀さん(元阪神タイガース ピッチャー)がおもしろい意見を述べていた。

 「科学トレーニングというのは万能ではない。プロ野球のピッチャーで200勝以上あげた人が、(腕を?)アイシングしていたという話を聞いたことがない。昔は皆、中3日で投げていたのに、(トレーナーが薄っぺらな)科学の知識を持ってきて選手を指導するから、記録が伸びなくなっている」と指摘していた。

 そういえばある雑誌で、農学博士の小泉武夫さんが元東映フライヤーズの尾崎行雄投手のビデオを分析したら、163キロの球速だったと言っていた。西鉄ライオンズの稲尾和久投手も、強靱な肉体で昭和36年に130試合中78試合に登板し、42勝をあげた人だが、2人とも野菜や魚中心の質素な食事スタイルは最後まで変わらなかったという。

 そのことを思い出し、食事と運動選手の能力との関係データを、今からでも集積しておいたらどうかと、改めて私は提案してみたが、果たしてどこまで本気でやってもらえるだろうか。期待しておきたい。

 あるトレーニングルームではアップテンポの音楽が軽快にBGMで流れていて、「練習効果がこれで上がっているのでしょうね」と脇にいた江本さんに言ったら、「そういえば私が現役の頃は、グランドに演歌が流れていた」という言葉にはビックリした。

 噫(ああ)ガンバレ、阪神タイガース!

▼美術館を視察して(11月30日)

 国立近代美術館を先般視察した折、ある議員(以後A議員とする)が、庶民が身近に体感できる施設としてもっと工夫したらどうかと管理者に質問していた。どうもイメージとしては、一般国民の手になる作品の展示室を設けたり、陶芸のコーナーを設けて作品づくりの指導をしたりといった事のようだが、私はわが耳を疑った。世界中の名だたる美術館にそんなところはあるだろうか。莫大な予算を費やしてそんな事をやる為に、国立の美術館など存置する必要はない。国内外の第1級の作品を収集し展示することが、基本的に私は国立美術館の唯一の仕事だと思う。A議員は地方の美術館と国立美術館の役割分担をどう考えているのか、聞いてみたい気がする。

 管理者も役人だから丁寧に答えていたが、内心呆れていたろうと思う。

 今日、今度は地元・川越市立美術館のオープニングに招かれたが、国会議員としてではなく、市議会議員当時、「市立美術館 基本構想検討委員会」の一員だったことからのお呼ばれだった。当時(平成4年)は、バブルがもうはじけて市財政も厳しい時代だったから、構想をまとめても本当に陽の目を見るのだろうかと委員同士で囁いていたものだった。あれから10年経って、漸く形となってきた事を率直に嬉しいと思う。

 常設コーナーには、地元川越出身の著名な洋画家・相原求一郎先生の作品が寄贈され、展示されていたが、数多くの作品を一度に鑑賞させてもらうのは初めてだった。生前、直接、お目にかかることもあり、お人柄にも触れさせて頂いたが、穏やかなどこか白い印象を私は先生にずっと持ち続けていた。

 山の遠景、樹林、そして雪、海、土、雲、夕陽(決して朝ではないだろう)が相原作品に共通した画材だが、100号を超える全ての作品から私は、厳冬の中、禊ぎ払いをした後の洗われるような爽快感を受けることができた。作品を凝視していると冷気と霊気がきっと誰にでも伝わってくると思う。

 式典前、小柄で眼がクリクリと大きな夫人にも久々にお会いし、目礼した。私のことは失念されたご様子だったが、7〜8年前、知人の紹介で訪問し、アトリエを見せて頂いた事もあった。もう還暦はとうに超えられている筈だが、夫人の白く無垢で少女のような空気は、今も変わることなく漂っている。まるでこの世のものではないかのように。

▼党の混乱(12月2日)

 誰がどう仕掛けたか知らないが、新党を結成したところで、数年して又、同じ事が繰り返される事だろう。「大厦の倒るるは、一木の支えるところに非ず」という言葉があるが、この事態をじっくり見つめて、自分の選択を誤りないようにしたいと思う。

 人生、大きな節目での選択は、大義にのっとったものでないと結局、大きな過ちを犯すことになる。私はいやという程、友知人の失敗と成功を見せ付けられてきた。

 党勢拡大の失敗の原因を直視せず、新党づくりなど目先を変える事で活路を見出すという手法は邪道だと私は思う。選挙の度ごとに所属する政党が変わらざるを得ないような政局は、まともではない。何かが狂っているとしかいえない。内部の自助努力を放棄して、国民に新党への期待感をあおり、戦っていくという手法は、もうそろそろ限界にきている。

 私は民主党のギリギリのアイデンティティーは、自民党に政権を取って代われる政党になる事なのだと思う。気に入ろうが、入らなかろうが、党の最高議決機関で決まったことについては、人事であれ何であれ、党員や議員はそれを守るのが民主主義のイロハである。このルールが確立されない限り、解党−>新党結成−>解党の連鎖は限りなく繰り返され、国民の政党不信は益々増幅されていくことだろう。

 若手のテレビ出演も多く、そんな場で党の政策をPRすべきなのだが、マスコミの期待に便乗して、党内批判を繰り広げる一部若手議員が後を絶たなくなった。それが、「民主党はバラバラ」の印象を国民に植え付けてしまったのだ。多様性や自由な論議は政党にとって美徳なのだが、内で言うことと外で言うことの区別もつかない一部若手を増殖させたことは、取り返しのつかない失敗だった。

 もし、民主党の復活が可能なら、私は鳩山代表や菅前幹事長と近い世代の当選回数3回以上の中堅グループを大きく活用すべきだろうと思う。そうしたグループの人たちの失敗や成功、挫折や忍耐、涙や汗を見ることで、単に政策立案に止まらず、政治家としてのマナー、組織の一員としてのルール、先見性や忍耐力、人身掌握の力、他者を思いやる心、組織運営法等を若い人達が学んでくるのだと思う。

 国民の民主党に対する不満の1つは、重厚感や情の欠如にあるのだと私は思う。同じ政策の提言をマスコミを通して行っても、人情味あふれる人の口から伝えられる政策であるなら、それは温みと共に伝わっていくに違いない。味のある政治家からの解り易いメッセージを国民は待っているのだと思う。包容力や深みのある豊かな人間から発せられる言葉には、強い伝播力があるのだ。

 幕末の各藩も老壮青の微妙な人事構成の中で、若手の能力とエネルギーが程よく引き出され、閃光を各所で放ち、明治維新に大きな力を発揮してきた。しかし、一定の基盤を老壮で築いてからでないと、若手は組織の壊し方も創り方も学べないのではないだろうか。何が何やら解らず、思うようにならない苛立ちから党内批判を声高に叫び続ける人々は、いつの間にかブーメランのように自らを傷つけることになりはしないだろうか。

 自分が行ってきた言動や行為は必ず、それにふさわしい報いがあるという原理に気付くのには、人生に50年の歳月が必要なのかもしれない。

 国民の眼からは、若さが未熟さに映り始めていることを我々は感知すべきだろう。時の移ろいは速い。一部若手といわれる人々がいずれ中堅になり、ベテランとなった時、先の代表選で若手一本化迄の混乱した状況を省みて、その人達が本当に保身に走らず、真に若手を登用できるまでの人材になり得ようか。

 翻って、人格の向上を目指す者が、厄介で1番排除できないおぞましい人間の心は「嫉妬」なのだ。10年後、今の一部若手が将来の若手を嫉妬する心を抑える要諦は大義と忍耐でしかないのだが・・・。

 時々刻々と状況が変わる中では、今、多くを書く事はできないが、現時点での私の思いを記すこととしました。

▼再び党の混乱(12月 3日)

 今日、鳩山代表が両院議員総会で正式に辞意表明した。鳩山さんは、2つの武器を全く使うことなく、党内の一部勢力により倒されたといえるだろう。

 武器の1つは「党大会の決定」であった。「人気がないから辞めろ」の要求はあまりに理不尽なもので、党の最高議決機関の決定に従えない者こそが党を離れるべきで、怯(ひる)むことなく戦ってほしかったと思う。

 第2の武器は、党内支持者群だ。鳩山さんは批判勢力にばかり眼が向き、味方の意見には形の上ではともかく、全く耳を傾けていなかったようだ。

 ケンカにはそれを回避する方法もあれば、戦い方もある。そして、終戦の仕方もあったろうに、と無念な気がする。鳩山さんは私にとり恩人であり、徳のある方だから、改めて帝王学を身に付けられ復活されることを、私個人としては祈らずにいられない。

▼アロヨ・フィリピン大統領の演説(12月4日)

 演説内容はマスコミ報道のとおりだが、大統領は議場(参議院)に強い印象を残した。側近やご家族が入場された後、1〜2分程度、間を置いてのご夫妻の来場だったので、先に入場された大統領に似たご令嬢があまりに若く、議場の我々にはまさか大統領ではないよね、といった面持ちで顔を見合わせてしまった。
 
 間もなく背筋をピンと伸ばし、堂々と入場した大統領を見て、「そうだよ、この人だよな」と妙な安堵感が議場に広がった。

 愈々、女性大統領のスピーチが始まり、小さく円やかで端正な顔立ちからは想像もできぬほど太く、力強い声が、朗々と議場に響き渡った。

 ショートカットで7・3に分けられた黒髪の前頭部をおそらくはムースだろうか、こざっぱりと浮き上がらせている。そして、小さく柔らかな曲線を描いている白く広い額は、大統領の聡明さを際立たせていた。御国を偲ばせるように仕立てられた薄グリーンのスーツには、右胸よりも少し高く品良くブローチがとめられ、両耳のイヤリングが議場の天井から差し込んでくる太陽の光と共鳴するかのようにキラキラと輝いていた。

 演説が終わり大統領が茶色の細いフレームのメガネを外すと、一斉に拍手が湧き起こった。暫くして拍手が当然のように鳴り止み、静寂が訪れたが、それでも尚、カーテンコールを待つように静かににこやかに立ちつくしている大統領に、再び万雷の拍手が湧き上がった。

 一瞬の静寂にたじろがずに、尚も大きな喝采を待つ心根の太さは、職責が創り上げた強靱な精神の力だろう。

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★このメールマガジンは、議員本人が毎日の政治活動や日常生活を通して、考えたり思ったりしたことをありのままに書き綴った文章を、そのまま配信しております。

日頃なかなか見えにくい国政の実状や山根りゅうじの思いを、国民の皆様に広く知っていただき、更には交流・情報交換の場となることを目指しています。

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(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


[2689] あおぞら銀行買収関連の記事フォロー 投稿者:ひろや 投稿日:2002/12/06(Fri) 02:25:49

「日経テレコン21」より三井住友銀行のあおぞら銀行買収関連の記事をフォローします。(一応、有料コンテンツなので"フォロー"、"引用"などと表現します。)

 ここで基本的な知識を再確認しますが、目下のところ、日本の4大メガバンク(みずほ、東京三菱、三井住友、UFJ=いわゆる都市銀行=偉くてプライド高い←|歴然たる差別の壁|→その他、地銀=偉くない)のうち勝ち組と呼べそうなのは、東京三菱銀行のみである。みずほ銀行、UFJ銀行は完全に負け組み、三井住友は両者の中間あたりの勝ち負けが微妙なラインにある。

ひろや拝

<引用貼り付け開始>

三井住友FG、「会見予定無し」――「あおぞら銀株買収」報道で
日付 時刻:2002/12/04 15:37

【NQN】あおぞら銀行株をソフトバンクから全額買収する方向で検討に入ったと報じられた三井住友FGは4日大引け後、日経QUICKニュース社の取材に対して、「現在、社内で事実関係を確認中で、内容についてはコメントできない」(広報担当者)と話した。記者会見についても「予定していない」(同)とだけ答えた。

注目株、三井住友FG 「あおぞら銀買収」報道は消化不良

日付 時刻:2002/12/04 19:04

【NQN】4日の東京株式市場で、大引け間際の三井住友FG(8316)の動きに注目が集まった。14時40分にQUICK端末などを通じて「三井住友銀が、ソフトバンクが保有するあおぞら銀行株を全額買収する方向で検討に入った」との報道が流れたため。ただ、日経平均株価は報道後にむしろ下げ幅を広げ、相場全体の買い材料にはならなかった。内容を慎重に見極めたいとの空気が強かった。

 三井住友FGは一時前日比4000円安の42万6000円まで下げ渋ったが、大引けでは14時40分ごろの株価に戻った。ソフトバンク(9984)が1400円を下回る水準から、1400円台半ばまで下げ渋ったのとは対照的だ。「ソフトバンクには売却資金の確保という買い材料があるが、三井住友FGのメリットは分かりにくい(国内証券)」という。

 銀行アナリストの間では「悪い話ではない」との評価が多い。理由は(1)あおぞら銀は2002年9月中間決算で不良債権残高が3月末に比べ3割減るなど健全化が進んだ(2)瑕疵(かし)担保契約が1年近く残っている(3)連結ベースの自己資本比率を0.5%程度押し上げる効果が期待できる(4)あおぞら銀の持つ地域金融機関とのパイプを活用できる――など。

 だが、(4)のような前向きな理由なら、2000年秋に旧日本債券信用銀行が再民営化された時に動かなかったのはなぜか。「現段階で格付けが下位のあおぞら銀を買う理由が分からない」(スタンダード&プアーズの根本直子ディレクター)との疑問は根強いため、「外資系企業への売却を望まない政府に対して発言力を高める『焼け太り』戦略」(外国証券のアナリスト)との疑念さえ浮上している。

 「銀行危機に陥った国では、国内銀行の売却に際し『外国人に国内の財宝を略奪される』とのイメージが広がりやすく、政治的には困難」(小林慶一郎・経済産業研究所研究員)という。韓国でも外資導入には相当の摩擦があった。今回の動きには、一部政界の意向を汲(く)んだのではないかとの穿(うが)った見方さえある。ただソフトバンクが短期間で株式を売却し、三井住友FGが瑕疵担保請求をするなら、いわば外資に売ったのと変わらないことになる。(川田裕生)

<引用貼り付け終了>


[2688] グリーティング・カードのサービスをかたるウイルス 投稿者:Rss-K 投稿日:2002/12/05(Thu) 18:02:52

(貼り付け開始)

『ITPro ニュース』[2002/12/04]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20021204/1/

「11月の届け出件数はKlezがダントツ。年末年始はウイルスに注意」――IPA

 コンピュータ・ウイルスの届け出先機関である情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC)は12月4日,11月中のウイルス届け出状況を公表した。ウイルスを発見したという届け出は1408件,このうち実際に被害に遭った件数は176件である。最も多かったのはKlezで613件。次いで,Bugbearの613件,Opaservの113件である。年末年始はクリスマス・カードや年賀状に見せかけたウイルス・メールが出現する可能性が高い。そのためIPA/ISECでは,ウイルス対策の再点検をするよう呼びかけている。

 11月に届け出件数が多かったウイルスは,いずれもInternet Explorerのセキュリティ・ホールを悪用するものだった。このため,ウイルス対策の再点検として,セキュリティ・ホールがきちんと解消されているかどうか確認する必要がある。具体的には,「Windows Update」を利用する。加えて,ウイルス対策ソフトのウイルス定義ファイルがきちんと更新されているかどうかを確認する。

 毎年言われることではあるが,年末年始はクリスマス・カードや年賀状に見せかけたウイルス・メールが出現する恐れがある。これらは「Merry Christmas」や「Happy New Year」といった件名である可能性が高い。見知らぬ相手からのメールはもちろん,知っている相手からでも,本文が不審な場合や添付ファイルが実行形式などである場合には十分注意したい。

 実際,グリーティング・カードのサービスをかたるウイルス*1 が出現している。「FriendGreetings.com」*2である。一般のウイルスとは異なり,送られてくるメールにはウイルス本体が添付されていない。メール本文には「あなたに“E-Card”が届いてます。受け取る場合には,以下のリンクをクリックしてください(実際には英文)」といった内容が記されている。

*1 ウイルスというよりは,「悪質なプログラム(Malware)」である。しかし,現在では悪質なプログラム全体をウイルスと呼ぶ場合が多いので,ここではウイルスと記述する。
*2 ベンダーによって名前が異なる。例えば,シマンテックは「W32.Friendgreet.worm」,トレンドマイクロは「WORM_FRIENDGRT」としている。

 リンクをクリックすると,グリーティング・カードを読むためのクライアント・ソフトをインストールするように促される。インストールしてしまうと,ユーザーがMicrosoft Outlookを使っている場合に限り,登録されているすべてのメール・アドレスに,リンクを記載した同様のメールを送信する。

 「FriendGreetings.com」の特徴は,ウイルス本体であるクライアント・ソフトをインストールする際に表示される使用許諾契約書に,「Microsoft Outlookの連絡先リストに登録されている全メール・アドレスにメールを送信することを認める」といった内容が含まれていることである。つまり,ユーザーの同意の上で,FriendGreetings.comは大量のメールを送信することになる。IPA/ISECでは,「内容を確認せずに同意するなどの安易なクリックは禁物である」と警告している。

 読まれないことを前提に,使用許諾契約書に悪質な動作をすることを“断っておく”プログラムは目新しいものではない。また,FriendGreetings.com自体は大きな被害をもたらしていない。加えて,FriendGreetings.comのダウンロード・サイトは一時閉鎖された。

 しかし,トレンドマイクロによるとサイトが再開され,FriendGreetings.comの変種がダウンロード可能になっているという。また,FriendGreetings.comが話題になったために,同様のウイルスが新たに出現する可能性は高い。怪しいプログラムをインストールしないことはもちろん,怪しいメールに記載されたリンクもクリックしないほうがよいだろう。

(勝村 幸博=IT Pro)

『ITPro ニュース』[2002/12/04]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/NEWS/20021204/1/

(貼り付け終了)


[2687] トヨタのバランス感覚か 投稿者:マサウメ 投稿日:2002/12/05(Thu) 15:55:57

(1898)のマサウメです。

 私はてっきり「三井住友ーUFJ」「東京三菱ーみずほ」という組み合わせになると思っていたのですが、副島先生が(2686)で指摘してように逆なんですね。やはり「金融鎖国」にも書いてある通り創業者の意思、プライマリー・インベストメントを重視する組み合わせになるのでしょう。

 そうすると、三井系に近いトヨタ自動車がUFJを支援し、さらにはUFJがメーンバンクであるトーメンまでも救済するという行動はトヨタグループの利益とともに、三井住友=ロスチャイルド系以外にも一定の恩を売るというか、一定のコミットをしてバランスをとるいう意味も含まれているのでしょうか。トヨタの行動は当然、大きくは政官財の「金融鎖国タッグ」に沿った形なんだと思います。

 いずれにせよトヨタは豊田通商とトーメンを統合して「トヨタ版総合商社」をつくり、直接的、間接的にもUFJグループを支援することになったようです。

(転載開始)
NIKKEI NET 2002.12.5

豊田通商とトーメン、経営統合を検討

 トヨタ自動車グループの豊田通商とトーメンが経営統合の検討に入ったことが5日明らかになった。共同持ち株会社を設立し、両社を傘下に収める方式などを軸に調整する。トヨタも出資などを検討する。主要行のUFJ銀行など金融機関とも金融面での支援を含め協議に入る見通し。総合商社の経営統合は1977年の伊藤忠商事による安宅産業の救済合併以来。

 トーメンは経営再建の遅れから株価が低迷。2002年9月末の連結株主資本は49億円にとどまっており、トヨタグループは抜本的な再建策が必要と判断したもようだ。豊田通商はトーメンに11.5%を出資する筆頭株主。経営統合は実質的に、トヨタグループによるトーメンの救済になる。 (15:00)

(転載終了)


[2686] 孫正義が手放すあおぞら銀行は、三井住友銀行が買収することになった 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/12/05(Thu) 12:21:19

副島隆彦です。 

 三井住友銀行が、あおぞら銀行 ( 旧日債銀 、昔の 日本不動産銀行。戦前の国策銀行である朝鮮、樺太銀行の資産を引き継いでる )を買収することになりそうだ。
これは日経新聞のスクープだろう。以下に載せる日経の記事は、4日の16:00 となっている。
2つ目の毎日新聞の記事は、 4日の23時50分である。
金融庁は、旧日債銀 今のしあわせ銀行を、 アメリカのハゲタカ・ファンドの大手のサーベラスに乗っ取られるのを阻止して、なんとか三井住友銀行にひきとらせる計画である。これらも、日本の愛国派の
財界人たちと官僚、政治家たちの連携でできることだ。まさしく私の説く金融鎖国戦略の一環である。
みずほ銀行も外資に渡さずに、三井住友銀行と合併させるだろう。
UFJ銀行 (旧三和銀行系、昔の鴻池=こうのいけ財閥系) は、東京三菱と合併させる計画だろう。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

三井住友銀行、あおぞら銀行買収を検討

日経新聞 2002.12.5

 三井住友銀行はソフトバンクの保有するあおぞら銀行株(約49%)を全額買収する方向で検討に入った。4日までにソフトバンクに買収の意向を伝えた。2日に発足した持ち株会社の三井住友フィナンシャルグループの実質子会社として傘下に収め、連結ベースの自己資本比率を引き上げ経営体力を高める狙い。行内での最終調整を経て、近く金融庁に申し入れる見通しだ。

 あおぞら銀株の取得では、米サーベラスも名乗りをあげており、三井住友銀と買収を競うことになる。ただ、金融庁は外資系や投資ファンドが買収後に株式を早期売却する例が多い点を懸念。買収価格などの条件は明らかではないが、三井住友が名乗りを上げれば、経営の安定性を確保する面で有利になるとの見方もある。 (2002年12月4日  16:00)

● あおぞら銀行  三井住友銀行が買収検討 金融庁に意向伝える

 毎日新聞 2002.12.5

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中核である三井住友銀行は4日、ソフトバンクが保有しているあおぞら銀行株(48.87%)を全額買収する方向で検討を始めた。幹部が同日、金融庁に意向を伝えた。他の株主からも買い増しして保有比率を50%超にし、子会社化することも検討している。ソフトバンクの保有株には、外資系を含め複数の投資ファンドなどが買収を申し入れているが、金融庁は、ファンドへの売却は「短期売却の可能性がある」と懸念しており、三井住友銀が有利との見方もある。

 あおぞら銀は、98年12月に経営破たんした旧日本債券信用銀行が母体。一時国有化を経てソフトバンク、オリックス、東京海上火災保険の3社が買収し、00年9月に再民営化された。筆頭株主のソフトバンクは本業に集中するため、株式売却の意向を示している。

 あおぞら銀の不良債権残高は今年9月末で3415億円と同3月末に比べ約3割減少し、資産の健全化が進んでいる。自己資本比率は、国内基準行に必要な4%を大幅に上回る13%強。

 三井住友銀は、あおぞら銀を買収することで、三井住友FGの自己資本比率向上や顧客基盤の拡大につながると判断したと見られる。

 ソフトバンクの保有株をめぐっては、あおぞら銀行に11.52%出資する外資系ファンド、サーベラスなどが買収に名乗りをあげている。あおぞら銀の丸山博社長は「経営の継続性が維持できれば筆頭株主が外資でもいいが、少なくとも国内勢が過半数を持ってほしい」と話している。 【平地修】

■三井住友FG 01年4月、住友銀行とさくら銀行が合併して三井住友銀行が発足。今年12月2日、関連会社の三井住友カードなどとともに持ち株会社「三井住友フィナンシャルグループ」を設立。三井住友銀の02年9月末の不良債権残高5兆7030億円(02年3月末比3.3%減)、連結総資産104兆3969億円、連結最終(当期)黒字551億円。職員数2万4650人、本支店は国内外566店舗。

■ あおぞら銀行 02年9月末の不良債権残高は約3415億円(02年3月末比30%減)、連結総資産5兆9300億円、最終黒字は108億円。職員数は1500人、本支店は国内に17店舗。
(毎日新聞 12月4日23時50分更新)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


[2685] 今日、新規でぼやきの購読会員になってくれたNYで為替のトレーダーをやっている人からのメールを転載します。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/12/04(Wed) 16:35:50

副島隆彦です。

 以下に貼りつけるのは、現在、NYで金融のトレーダーをやっている若い人からのぼやき購読の申し込みのメールです。 私は、こういう最前線の現場を抱えている人たちをこれからもたくさん、お客(購読会員)として抱えるでしょう。このことは胸を張って威張れる事だ。

 それにしても、出来たばかりの「しろがね〜ぜ」掲示板の方が、一気に閲覧者が増えて、ここも、ふじむら掲示板も肩なしだなあ。世の中こんなものでしょうか。

 あるいは、よっぽど私、副島隆彦に反感を持っている人が充満しているということでしょうかね。それよりも、ミーム君。君が書いて、この掲示板に載せた惹(ひ)き句の短文、数行が大変いいです。あれを冒頭のどこかに載せたらどうでしょうか。削除警告の文のうえあたりに。

副島隆彦拝

(転載貼りつけはじめ)

◇-◇-◇

Date: Wed, 4 Dec 2002 00:04:41 EST
From: *****************
To: snsi@mwb.biglobe.ne.jp

「今日のぼやき(有料版)」の購読を申し込みたく、金**円を振り込みましたので宜しくお取り計らい下さい。

(略)

 先生の著書「世界覇権国アメリカ」及び「の衰退が始まる」等で知りました。

私は現在NYで働く金融マン(金利・為替のトレーダー)です。仕事上の興味から先生の著書を読み始めましたが、特に「世界覇権国アメリカの衰退が始まる」のはじめで解説された「レイシオ思想」に目が開かれる思いがしました。

私も当地に来て先ず感じた事は、「何て人工的な国なんだろう」という事、あるいは「金儲けのためだけに皆が集まって出来た国なんだなあ」という事でした。

そこは善悪の概念はなく、ただ効率的・効果的に「勝つ」ことを優先する社会とでも言うのでしょうか、まさに「レイシオ」社会です。この事は共に働く現地スタッフの言動や果ては先般の大統領選を見ていても同様に感じました。

また私の戦場であるマーケットも「フェア」とは口ばかりの大半はインサイダーの世界です(=それが一番確実に大きく儲かる)。政治・司法・学問・経済等全ての道具立てがここ一点に凝縮されてるような気がします。従って彼らの戦争は必ず勝つ戦争(含む八百長)ですし、仮に負ければペナルティは大変重いものになります。

先生のご指摘通りアメリカの日本に対する戦略は日本の「完全属国化」=「政治的・経済的にアメリカ圏にする事」だろうと思います。

確かに冷戦終了後、アメリカは唯一の覇権国になりましたが、それ故常に全ての点で優位に立たねばならない宿命・弱さも負っているのだとも言えます。経済的にはEUに並ばれ (10数年後には中国に追い上げられる?)、軍事的にもEU・ロシア・中国というリージョナル・パワーがいて、アメリカといえども仮にこれらの諸国を同時に敵に回したら勝てることはありえません。

経済的・地政的な意味からも日本を完全に取り込んでおきたいのだろうと考えます。その果ては天皇制の崩壊につながりかねないので、やはり日本はのらりくらり行くしかないのでしょうね。

幸い日本の権力構造は政だったり官だったり派閥だったり財界だったり民族派だったり且つこれらが合従連衡したりと重層的で大変わかりづらいので、「二大政党制」とか「首相公選制」だとかわかりやすく、扱われやすくしない方が良いのだと思います。

先生のお蔭でアメリカの支配構造・各派の動きは理解できましたが、言葉の壁もあり欧州・ロシア等の情報が極端に不足している気がします。この辺も気を付けて補っていきたいと思います。

蛇足ですが、日本において野球人気が落ち、サッカー人気が増えてきている事は良いことだとも思います。今後の先生の一層のご活躍をお祈りいたします。

****

◇-◇-◇

****さまへ
副島隆彦です

この度は、ぼやきの購読料のお振込みまことにありがとうございます。

(略)

**さまのような、現役の優秀な金融のトレーダーから、しかもNYの金融の現場におられる貴兄が、私どものサイトに加入してくれてうれしく思います。

私は、確かに自分が日本人としては、現代アメリカ思想研究では、第一人者であると自覚しています。日本の今の現役の政治学者どもの全てを軽く軽蔑しています。

私は、彼らから学ぶものはほとんどありません。直接、欧米から文献と資料と情報を集めてきて、自分で考えればいい、と思っていますから。彼らは、ただの馬鹿な日本人学者ですから、死ぬほど私の本から学んで、盗んで、冷や汗を掻きながら、それでなんとか、副島隆彦をそのうち煙に巻いてやる、よくも私たちに大恥をかかせてくれたな、と言う感じです。

貴兄は、金融の現場で、それだけの現実を厳しく目撃しているのですから、まさに貴兄の存在と言葉が、私が書いて来たことが事実であることの証明になっています。私は、そのことを誇らしく思います。私は弟子たちと、ご覧のように、日本土人社会ではこのように、ゴミのように扱われ、ひどい待遇のなかで、やっとのことで、細々とネットで自由な言論の場を確保しているだけです。

今に見ていろ。という気概と怒りだけは、私の脳中に激しくあります。

それでも、私たちはコツコツと地道にやってゆきます。焦ってもなんにもならないとよく分かっているからです。そのうち、SNSI副島国家戦略研究所は、多くの有能な人材を集めて、名実ともに、日本を代表する本物のシンクタンクになってゆくでしょう。その日まで着実にやってゆきます。

貴兄がご指摘の、欧州・ロシア情報・分析の専門家もそのうち育つでしょう。

気長にお付き合い下さい。今後とも宜しくお願い申し上げます。

副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


[2684] インドの乞食(カースト制最下層)は、我が子の腕を切り落とす、という現実 投稿者:ひろや 投稿日:2002/12/03(Tue) 03:08:31

 空手の極真会館の元館長で「牛の角折り」や10円玉硬貨を指でねじ曲げる、といった超人的な記録保持者である故・大山倍達(おおやま・ますたつ)の『武道論』(徳間書店 1992年 平岡正明との対談本)に驚くべき発言の数々がありました。特に以下に引用する箇所は、細かい言葉使いを修正すれば、副島所長の発言だと言っても、ほとんど区別がつかないのではないかと思います。

 なぜ、こんな本が私の手元にあるかというと、それは私が格闘技をかじっているからという全く個人的な理由からです。以下の記述は偶然見つけたものです。従ってこの本は、政治経済コーナーではなく、スポーツ・格闘技コーナーにあるので注意してください。(とっくに絶版になっているでしょうが…)

 このサイトも「学問道場」ですし、相通じるものがあるのかもしれません。引用文献がこれなだけに「ふじむら」に投稿しようかと迷ったのですが、大事なことなのであえて重掲に投稿します。

 まず、『武道論』 「第一章 変乱に処す P22〜23」から引用します。

<引用開始>

アメリカの覇権主義

大山 私は十四、五年前、ブラジルに行ったんです。ブラジルは地下資源がいっぱいあるし、大きな国だし、日本の二十何倍に近い大きな国なのに、どうして貧乏しますか、そう言ったら、ヘーグレという将軍が日く。「この国は、アメリカ人だ」と。「何で、アメリカ人ですか」と、私はキョトンとして言ったら、「アメリカのCIAが全部そういうふうに仕組んで、ここの大臣をやったやつは、必ず財産を全部アメリカヘ持っていって、アメリカに亡命してしまう」と。ブラジルのどの偉い大臣も、必ずやるというんだ。この国が豊かになるには、まずアメリカ人を追い出さなくちゃいけないと。

 「将軍、あなたは将軍だよ。そういうことを、言っていいのか」と。「いや、私は将軍だから、それが言えるよ」と、こう言っておったんです。それで、私はその後、西さんに会った。西大佐、日系人の。「昨日、将軍と食事をしながら、話をしたら、そういう話をしたんだ。西大佐はどう思いますか」と言ったら「いや、まさにその通りです」と。「アメリカ人を追い出さなくちゃダメだ」と。「CIAが全部仕組んでいる」と。

 だから、中南米におけるところの小さい国の、たとえばパナマのノリエガ、こういう人間は自分の民族を愛しているんだよ。だからアメリカの言うことを聞かないわけです。聞かないから、結局麻薬の罪にして、軍隊をパナマに出してそこの国の大統領を逮捕したりする。なにが主権か。リビアのカダフィにもそうだ。テロリストだと言って、外国の領土に飛行機を飛ばしてその国の指導者の宿舎を爆撃する。韓国に恩恵をもたらしてくれたのが、アメリカの国です。アメリカの国ですが、そのアメリカ人に「帰れ」と言ったのは誰ですか。朴大統領じゃないですか。「お前たち、帰れ、要らない」と。それを言ったがために、彼は自分の部下に殺されたよ。

 中国へ一番初めに行って、中国と仲良くしなくちゃいけないと言ったのは、田中角栄だよ。アメリカが行く前に、中国の毛沢東と会ったり、周恩来と会ったり。私たちアジア民族はアジア民族で団結しなくちゃいけないと言って、やった。面白くないんだよ。それで関係のないロッキード問題で、火の手が上がったのはアメリカからじゃないですか、日本からじゃないよ。そして、田中角栄という偉大なる政治家を失脚させて、今、半分狂い死にさせてしまったんじゃないか。

 フィリピンもそうだ。マルコス大統領の対抗馬にアメリカ亡命中のアキノを送りこんで、アキノさんが暗殺されると未亡人を立てて、選挙監視団を送りこんで、ついにフィリピンにある空軍と海軍の基地から圧力をかけた。それから、今イランがそうだし、イラクもまさにそうだ。アメリカの正義はあるのでしょう。しかしアメリカが軍事力を使って外国の元首の首をすげかえる権利がありますか。PKOなんてナンセンスだ。やっちゃいけないよ、あんなもの。

『武道論』 「第一章 変乱に処す P22〜23」
<引用終了>

ひろやです。今度は田中清玄のことについて出てきます。

<引用開始>

アジア民族の団結を説いた田中清玄

大山 ブラジルから日本に帰って、私が親しくする先生が一人いたんです。田中清玄という人です。私と家内の仲人なのよ。「大山師範、中国と日本といっしょになって、韓国もさることながら、アジア民族が団結しないと、これは大変だよ」と言う。「どうしてですか?」と尋ねると、「地球は限られている」と。彼らはサミットだとかいろんなことを言っているんだけど、全部これはトリックだよ。今、ソ連とアメリカが対立しているからいいんだよ、万一彼らが手をとるようなことがあったら、これは全部ユダヤ系統だと。地球は限られている。この黄色いモンキーたちが、子どもばっかりつくって、どうしようもないから、これを奴隷化しょうと。この地球の生存は、奴隷化しょうとする人種と、非奴隷にされてしまう人種の二つしかないと言うんだよ。

 だから、奴隷化しようといった場合、我らが力がないと奴隷になってしまう。彼らは全部兵器を持っているから、早く私たちも、同じ力を持たなくちゃいけないよということを、田中清玄が言った。「師範、イソップ物語知ってますね?」と、こう言うんです。万山の動物が集まって、会議をした。その時に、議長に座ったのがライオンだ。副議長はトラだ。その時に、ウサギが手を上げて、「議長、私にも発言権をくれ」と。「いいとも、君に発言権を与えるよ」と、すると、ウサギは、「天は我々に平等の権利をくれた。にもかかわらずあなたたちは私を見たら、エサにしてしまうんじゃないか」。するとライオンが「ハッハッハッ」と笑いながら、「ああ、いいことを言ってくれた。よろしい。明日から平等の権利をあげる。その代わり、私の持っている、この牙とツメを持ってこい」――。

 だから、それと同じく、アメリカに対抗する力を持たなくちゃいけない。それは日本と中国しかないという意味だよ。そして韓国だよ。「師範、これを忘れないでくれ」と、こうあの人は言っておったよ。

平岡 何年ぐらい前ですか。

大山 二十年近くなったかな。「師範、それを忘れたら、今に、私たちの孫の時代は、全部ユダヤ系統の奴隷になってしまうよ。今に見てくれ」と。米ソが間もなく手を握る、と、彼らは争わない。争う恰好はしてても、彼らは争わない。なぜならば、同一民族の系統だから。だから、今はいいんだけれども、手を握った時が怖いよ、と。だがね、ソ連が崩壊した。崩壊した今日どうなっている?
          
平岡 館長御夫妻の媒者が田中清玄氏とは知りませんでした。へんな縁ですね、僕が学生時代つまらない事件で早稲田の戸塚著にはいったとき、田中清玄を狙撃した右翼少年と同房になりましてね、一九六三年のことです。

前掲書 第一章 P36
<引用終了>

ひろやです。「大山先生、この本のタイトルは『武道論』ですよ」という突っ込みはさておき、以下、インドの乞食(カースト制最下層)は、我が子の腕を切り落とすという現実が描かれています。こういうエグイ事実も誰かが日本人に伝えなければならないと思います。

<引用開始>

大山 ああ、この国の貧民窟を見たいと言ったらね、連れていってくれたんだが、乞食の多いこと。それが鼻がなかったり、目が潰れたり、耳がなかったり、腕がなかったりするんだね、小さい子供達が。そして日本人を見たら全部ね、そう手を開いて「くれ」ということ。「どうしてこんなに多いんですか」と言ったら、説明する人が、日本で戦争中教育を受けたので日本語が少しできる人だよ、通訳が。

平岡 なるほど。

大山 乞食は、乞食にも隊長があるのよ。乞食村というのがあって、そして稼いで持ってきてその隊長に上げなけりやいけないのよ、親分に。私が乞食であるならば、私の子供にね、「私が乞食だからお前も乞食にならなければいけない」と言って、小さい時に腕を切っちゃうんだね。そうしないと人から貰えないから。五体満足であるともらえない。「お前働け」と。それでね、それでこんなに乞食が多いと言っておったよ。

前掲書 「第三章 ものに負けず、人間関係に負けず」 P158
<引用終了>

ひろやです。以上、ある意味「地上最強のホモ・サピエンス」であったがゆえに言えることかもしれません。

ひろや拝


[2683] 新掲示板 しろがね〜ぜ 投稿者:SNSI・副島隆彦事務所 投稿日:2002/12/03(Tue) 02:51:32

「最近、ふじむら掲示板が高級になりすぎだなあ」とお嘆きの貴兄!
副島系に「なんでもあり」掲示板ができました!

「重たい掲示板で削除されて、ふじむらに移されたことあるよ」
「おれなんか、そのふじむらで、投稿禁止処置になってるよ」
というそこの貴方方!
新掲示板「しろがね〜ぜ」に投稿してください!

出来る限り削除しない方針ですが、当掲示板はあくまで「副島隆彦の学問道場」の所有物です。
管理人の権限により、投稿を予告無く、削除することがあります。

新掲示板 しろがね〜ぜ
http://soejima.to/boards/bbs.cgi?room=sirogane


[2682] 【第9回政治実践プログラム】(忘年会もあります) 投稿者:直弟子@1210 投稿日:2002/12/02(Mon) 04:16:06

「学問道場」閲覧・参加者の皆様

 副島隆彦事務所の須藤喜直と申します。
『副島隆彦の学問道場』では、「これが現実の国民政治を知る第一歩だ。頭でっかちになるな。目の前の国民と向かい合え」を標語にして行なわれている、当学問道場の恒例の、「政治実践プログラム」である政策ビラ配りを行ないます。寒い中でのビラ配りです。そのあと忘年会をします。 この「12/14(土)第9回キャンバシング&忘年会」の参加者を募集しております。

メールsnsi@mwb.biglobe.ne.jp

まで、ご参加の旨をお書きになって、ご送信下さい。今年最後のSNSIの集まりです。初参加の方も歓迎します。

忘年会を含めて、参加者枠にまだ余裕がありますからふるってご参加下さい。

忘年会の会費は3,000円です。フランスの家庭料理の看板を掲げている、洋食を美味しく極めて安く食べられるお店で、忘年会を行います。
政治実践プログラム・ビラ配りの最中に、副島先生が休憩に立ち寄って、気に入ったお店です。

お酒はたっぷり飲めます。カリフォルニア産やオーストラリア産の安いワインですので、若い方や、お酒を飲み付けない方はお気をつけて下さい。

【12月14日当日のスケジュール】
(11:00―11:30)現地集合、事前説明など
(11:30―14:30)キャンバシング前半
(14:30―15:30)休憩
(15:30―17:30)キャンバシング後半。駅前に再集合
(18:00―20:00)忘年会

以上、よろしくお願いします。 

副島隆彦事務所
須藤喜直


[2681] メールのマナーは大丈夫?恥をかかない15のツボ 投稿者:Rss-K 投稿日:2002/12/01(Sun) 16:01:59

(貼り付け開始)

『朝日新聞 [Be on saturday]』2002.11.09 朝刊
http://www.be.asahi.com/20021109/W17/0036.html

メールのマナーは大丈夫?恥をかかない15のツボ

 毎日のように使う電子メールも、電話のかけ方や手紙の書き方と同じように、「読みにくくないか」「不快感を与えないか」といった気配りが欠かせません。メールのマナーなんて、いまさら人には聞きにくい……。そんな方は、ここでこっそりおさらいしましょう。(伊藤裕香子)

 インターネットやメールの月刊誌『ヤフー・インターネット・ガイド』の樋口義則編集長(35)に、「メールで恥をかかないツボ」を聞きました。

 「手紙に比べて気軽なためか、最近はマナーがおざなりのメールが目立ちます。大事なビジネスチャンスも逃しかねません」と注意を促されました。

 図を見てください。ビジネスメールを例に挙げましたが、基本マナーは、みんな共通です。

 まず、あて先(1)です。相手を「アドレス帳」に登録してある場合は、相手にその登録名が表示されます。目上の人なのに、呼び捨てにして、不快に思われないように、アドレス帳の姓名の「名」の後に「さん」や「課長」などをつけましょう。

 あて先と、CC=carbon copy(2)、BCC=blind carbon copy(3)も使いわけて下さい。CCは複数の送り先すべてに、送った全員のアドレスが表示されます。「返事は必要ないが、参考までに読んでほしい」というときに使います。BCCは複数の人に、他の送信先をみせずに同じ内容(転勤のあいさつなど)を送る場合に用います。BCCは、相手が「他の人も読んでいる」とは分からないので、「マナー違反」といわれることもあります。

 他人のメールを無断で第三者に転送するのも考えものです。

 「意外にきちんとできていない」のが、件名(4)です。毎日100通以上のメールを受け取る人もいます。ぱっとみただけで、用件が伝わるための工夫が必要です。発信元を知らせたいときは、「企画打ち合わせの件(朝日新聞・美井)」というように、件名の中でカッコ書きで名乗りましょう。

 添付ファイル(5)は、むやみに送ってはいけません。相手がウイルスを恐れてファイルを開けないこともありますから、本文中にファイル内容を書くことをおすすめします。

 樋口さんが「件名と並んで一番マナーが守られていない」と指摘するのが「本文の最初で名乗る」(7)こと。最後まで読まないと、だれから来たのかわからないようでは失礼です。

 署名(10)は社内用、社外用、プライベート用など複数あると便利です。ただし、自宅の電話番号などの個人情報は、やたらと書き込まない方が無難です。メールは封書と違って、完全な密封状態ではありません。だれかがのぞき見る可能性を忘れないでください。

 返信メールなどで、相手からのメールを引用する場合(11)もありますね。そのときは、まず自分の伝えたいことを先に書く方法が主流です。引用の間にコメントをはさむ形式は、読みにくいことがあります。

 最後に、「送信前の読み返し」(12)も大事です。感情的なメールを送ってしまっても取り消せません。「すみやかな返事」(14)も大切です。短くてもいいので、メールを受け取ったという返信は出しましょう。

 樋口さんは「いずれも『自分がメールを受け取ったときにどう思うか』をもう一度考えれば、簡単なこと。ちょっとした心遣いでメールの表情はがらりと変わります」とアドバイスします。当然ながら、パソコンの正確な時刻設定と、ウイルス対策も忘れないでください。

『朝日新聞 [Be on saturday]』2002.11.09 朝刊
http://www.be.asahi.com/20021109/W17/0036.html

(貼り付け終了)


[2680] 11月30日の14時以降に、副島隆彦GZE03120@nifty.ne.jp宛てに、メールを出した方へ 投稿者:SNSI・副島隆彦事務所 投稿日:2002/12/01(Sun) 13:56:55

SNSI・副島隆彦事務所です。

昨日、11月30日の14時以降、12月1日0時までに、副島隆彦GZE03120@nifty.ne.jp宛てに、メールを出した方へ。
こちらのメールボックスが満杯のため、メールを受け取れませんでした。
現在は、メールを受け取れますので、大変お手数ではありますが、再度こちら宛てにお出し下さい。

SNSI・副島隆彦事務所 拝


[2679] 宮崎哲弥氏の「覇権アメ」への書評 投稿者:有料会員1709 投稿日:2002/12/01(Sun) 07:47:14

副島先生が、「ぼやき」367で言及していた宮崎哲弥氏の書評です。
以下、「別冊宝島」1995年12月号から、全文転載します。
もちろん、「覇権アメ」の親本が出た当時の、それに対する書評です。

(転載開始)

アメリカ思想の新潮流「リバータリアニリズ」とは何か?

宮崎哲弥(評論家)

 フランスが南太平洋で強行している核実験について、日本の自称進歩派ジャーナリズムは、「人権の祖国であり、理性を重んじる国柄のフランスが何故こんな蛮行を?」などと慨嘆している。まったくバカ丸出しとはこのことである。
 民主制も徴兵制もこの「国民国家の祖国」に始まったことをお忘れか? フランスは「人権の祖国」だからこそ不遜なまでにゆるぎない信念を持って核実験を決行するのである。「近代理性に裏打ちされた怜悧な国民性」こそが国家意思の貫徹を支持しているのだ。
 アメリカ現代思想においては、すでに国民国家の存立そのものが自明視されなくなってきている。
 個人の自由と自律を絶対不可譲の価値と捉え、政府の干渉を極力斥けようとする思想をリバータリアニリズという。あらゆる社会計画に反対し、市場経済システムのもとに自生する秩序に篤い信頼をおくハイエクやフリードマンの新自由主義を先鋭化させた思想と考えればよい。
 リバータリアンによれば、政府は何も積極的政策を行うべきではないとされる。福祉政策も軍備も等しく排除勧告の対象である。「政府による課税とは強制労働に他ならない」と断じるスローガンは彼らの考え方をよく示している。
 こうしたアナーキズムにぎりぎりまで近接する思想が、いま現実的なパワーを帯びてアメリカ政治の表舞台に躍り出ようとしている。
 本書にはその理念と実状とが手際よくまとめられている。
 もちろん紹介されているのは、著者が期待を寄せるリバータリアニリズばかりではない。それと対立する「リベラル」派(日本の社民リベラルに近い。大きな政府論・福祉重視派)や旧保守(伝統保守)や「新保守」派(反共保守)等についても詳述されている。
 本書の際立った手柄は、こうしたアメリカ言論界の諸思潮と現実政治の流れの対応関係を、具体的な人脈や言論誌を中心としたメディアのつながりの中で概観できるようにした点にある。
 叙述も平明を旨とし、抽象論に終わることなく、実感として読者の腑に落ちるよう工夫されている。
 啓蒙書としてはこのように質が高く、類書にはない魅力に満ちた本書だが、学問的にみると論述の荒さや強引な図式化が容易に読み取れてしまうことが惜しまれる。
 例えばベンサム主義者=リバータリアンという等式はいかがなものか。著者はロバート・ノージックをリバータリアニリズの代表的な思想家と認めながら、ノージックの政治哲学がベンサムの功利主義と相容れないロックの自然権思想を源泉としていることには少しも眼を向けないでいる。
 また、ロールズやドゥオーキンがリベラルの法哲学者として僅か数行の記述で片づけられているのはどうしたことだろう。総じて著者は、七〇年代以降の政治学、倫理学における反功利主義の流れの意義を掴み損ねているようにみえる。
 それらの不備を認めながらも、益体もない観念的多弁に終始するフランス現代思想に取って代わられるべき、現実の問題解決に有用なアメリカ現代思想の入門編として本書を推奨せずにはいられない。

(転載終わり・「別冊宝島」1995年12月号 163頁)


[2678] 諸君のふざけたタイトルに激怒! 投稿者:崎谷 博征 投稿日:2002/11/30(Sat) 11:55:08

この度小林よしのり氏との対談が文藝春秋の諸君1月号に掲載されることになりました。現時点ではタイトルだけしか分かりませんが、以下になっております。

ポチ・ホシュへの「宣戦布告!」 聞け!聞け!
我らが「反米」という作法について
(漫画家)小林よしのり(評論家・常葉学園大学教授)副島隆彦
真の保守ナショナリストなら「北朝鮮を叩きつぶすために核武装も考慮」と言うべき(諸君1月号・文藝春秋)

12/2発行の記事と比べたいと思いますが、題名だけみてもこれは非道い。既得権益者(グローバリストの手先)が体よく枠内にはめ込んで無毒化する典型である。都合の悪いものは全て疎外するか、体よく枠にはめ込みラベリングする。

ここに副島先生が20年間も言論界から冷や飯を食らわされていた現実がひしひしと伝わってきた。
私を襲う閉塞感も一体何なのか最近ずっと考え込んでいた。実社会でもこれと全く同じ事が行われているのだ。
人間というは自分を過大評価する性質を元来持っている。しかし、冷静に周囲を見渡すと上手に排除されるか、ラベリングされているのが現実だ。
これの世界版がかつての大英帝国であり、現在のグローバリズムだ。
以前に「ふじむら掲示板」の涙ウ(できれば実名でお願いしたい)さんの人生訓の投稿を引用する。
(引用開始)
「おまえにとっての人生の本当の敵はおまえのすぐそばにいる、ということを決して忘れるな。そいつは、あたかもおまえの味方であるかのごとく何気なく振る舞い、自分の仕掛けた罠におまえがはまってゆく様を、何気ない振りをしてみているのだ。」

「本当に頭のいい奴は、自ら手を下さず、誰か他の者にやらせるものだ。そして、最も頭のいい奴は、操っている奴に「自分は操られている」ということをも悟られずに、目的を遂行しようとするのだ。」
(引用終了)

本当の敵は近くにいる。それも敵とは気付かれない程度の能力しかないものがほとんどだ。こいつらが手を取り合って権力者に擦り寄り真実を曲げる。これは“頭が良い”のではない。彼らの自己保存の法則(遺伝子)に従っているだけだ。中曽根康弘や岡崎久彦らも“おぞましい”遺伝的に組み込まれてた生き物だと断言しても差し支えない。
換言すると「生まれつき卑しい」から仕方ないという一言につきる。
これはダーウイン医学(進化論)の依拠する「自己保存(繁殖)を最大限にする“自然淘汰”“適応”」の副産物とも考えられる。

この状況に我々は淘汰されるか生き残るか。副島隆彦先生はアンタイグローバリズム抗体(antiglobalism antibody)を自任し生き残りを賭けて闘っている。
その先生の戦いにおける人生訓を有料版の記事(2002.6.6)から抜粋する。

(引用開始)
相手を着々と包囲していたら、ハッと気づいたら、自分がさらに大きくぐるりと包囲されていた、ということがある。これが一番恐いのだ。

これは、まさしく囲碁(いご)の世界だ。私は、これからは、SNSI( エス・エヌ・エス・アイ 副島国家戦略研究所)は、囲碁を、必須科目に入れようと思う。囲碁の世界は、まさしく相手を包囲した、と思ったら、自分が包囲されていた、ということの繰り返しの世界である。どこまでも、複雑にこの包囲合戦は続くのだ。

「一筋縄では行かない」という言葉でも表される。幾重にも、重厚に、縄を編んで、それで、自分自身にも縄が絡(から)まって、身動きが出来ないようになる、というまで、やりつづけなければならない。単純な思考で済まそうと思った者の負けだ。
(引用終了)
(2002.6.6ぼやき有料版)

この戦いは自己保存を賭けた血で血を洗う永遠の闘いだ。人類を覆うおぞましい閉塞感との闘いは、日本において副島先生の出現まで待たなければならなかった。副島先生の存在とはその位エポックメイキングな事なのだ。
したがって我々の本当の闘いは今始まったばかりである。
                    崎谷 博征 拝


[2677] 石黒一憲・危機管理セミナー(2) 投稿者:ミーム 投稿日:2002/11/29(Fri) 16:35:48

石黒一憲氏のセミナーの詳細をお伝えします。
早稲田大学の「リスクマネージメント連続セミナー」告知ページから引用します。

(貼り付け始め)

■ リスクマネージメント連続セミナー第2回
  〜新しい進歩・発展のための社会工学セミナー
時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。また、常日頃の本学産学連携活動へのご 協力に感謝申し上げます。
さて、題記の件、詳細を以下に記載いたします内容で開催いたします。ご多用中とは思いますが、ご参加をお待ちしております。
なお、当日の参加については下記にお示しする出欠回答票に記入して下さい。

1. とき 12月11日(水)14:40〜16:00

2. 場所

早大大久保キャンパス 52号館302教室

3. 内容

講師 東京大学法学部教授 石黒一憲先生
演題 我が国の対外危機管理のあり方 −世界貿易体制下の日本と世界−

4. 備考

(1)参加費は無料です。
(2)お問合せ先
   下記産学連携室大久保までお願いします。

5. 今後のテーマ(予定)

・今世紀の中国をどう読むか?
・わが国の対外危機管理のあり方
・理論的リスク管理アプローチ
・ベンチャー経営とリスク
・危機管理マニュアルの作成方法
・PL問題への正しい対応
・企業におけるセクハラ問題とその対応
・民事介入暴力と危機管理

<連絡先事務局> 産学連携室 大久保・青木
〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
TEL:03-5286-3047
FAX:03-3200-9886
※E-mail
大久保俊彦:ookubo@mn.waseda.ac.jp
青木 恵子:k-aoki@kurenai.waseda.jp

リスクマネージメント連続セミナー第2回出欠回答票
ご 出 席 ・ ご 欠 席
ご 所 属
ご 芳 名

(貼り付け終わり)

リスクマネージメント連続セミナー第2回
http://www.rise.waseda.ac.jp/news/021211.html

ミームです。
席に限りがございますが、SNSIの方で予約を受け付けております。

件名:石黒一憲・講演会希望
お名前・所属(会社、学校)・メールアドレス・人数
をお書きの上、
SNSI・セミナー係
seminar@snsi-j.org

までメールをください。
満員になり次第、締め切らせていただきます。

ミーム拝


[2676] 石黒一憲・危機管理セミナー 投稿者:ミーム 投稿日:2002/11/29(Fri) 03:37:00

SNSI・副島隆彦事務所のミームです

NTT、東京電力、日立、東芝などの日本の超一流企業が、アメリカからさまざまな手段で、カネをむしりとられています。
あるいは、マスコミから理不尽な攻撃を受けています。
おとり捜査で逮捕されてもいます。

これは、アメリカの意図を知らなかった、気づかなかったせいである、と石黒一憲・東京大学教授は言います。
ビジネス・ロー、戦略法務とは、そのための感性を鍛えるものだと。
これを、10月5日に行われた講演会で、「火消しの感性」と呼んでいました。
私も行きましたが、大変情熱的かつユーモラスな演説でありました。
聴衆を飽きさせず、やがて大きな問題にハッと気づかせる講演会でした。

その石黒一憲氏の単独講演会が、再び開かれます。
日時は、12月11日水曜日、14:40〜16:00です。
場所は、早稲田大学理工学部構内です。
料金は、無料ですが、資料代で1000円いただいております。
詳細は、追って告知します。

副島隆彦の近著『金融鎖国』でも、はやくから郵政民営化問題で警鐘を鳴らしていたと賛辞を受けている、東京大学法学部教授の石黒一憲氏の講演会、絶対損はしないと思います。
特に企業人・学生の皆さんは、必聴です。

席に限りがございますので、予約なさりたい方は、
件名:石黒一憲・講演会希望
お名前・所属(会社、学校)・メールアドレス・人数
をお書きの上、
SNSI・セミナー係
seminar@snsi-j.org

までメールをください。
満員になり次第、締め切らせていただきます。

ミーム拝


[2675] 中谷元(前防衛庁長官) 講演会のメモ書き 投稿者:ひろや 投稿日:2002/11/28(Thu) 21:29:15

11月28日、都内某所で行われた中谷元(なかたに・げん 前防衛庁長官。衆議院議員) 講演会に行ってきました。今週すでに他に野田佳彦、江田憲司の講演会にも行ってきましたが、中谷元さんの講演が一番得たものが多かったです。以下、講演会でとったメモ書きです。なお、私は著作などには書いてなさそうなことを優先的にメモするので、その点はご了承ください。

中谷 元 講演会のメモ書き

1.3歳の頃から、人と衝突を起こすことがなく、平和的だと父に言われつづけた。「だから政治家になりなさい」と一種の“洗脳教育”だった。

2.高校時代のニックネームは「日陰のモヤシ」。とにかく弱かった。心身ともに強い人間になりたいと防衛大を志望。ただし、当時は警察と自衛隊の違いもあやふやなくらいの知識だった。

3.防衛大では1ヶ月に5万円もらえた(注 中谷氏が在籍したのは昭和51〜55年。現在の約半額)。全寮制で24時間分刻みで拘束された。例、朝6時に起床ラッパで飛び起き、外に出て乾布摩擦など。身だしなみに対しても厳しく、外出もままならないことがあった。規則違反は減給処分。

4.寮は8人一室で、上下関係は厳しい。1年「アリさん」、2年「キツネさん」、3年「タヌキさん」、4年「ライオン・キング」と言われた。社会の底辺で働く人の気持ちや、上に立つものがどうあるべきか考えた。

5.人の上に立つものの条件は

 (1).人に好かれること
 (2).判断を間違えないこと
 (3).どんなに苦しくても、責任から逃れないこと (船長なら船と一緒に沈む覚悟を持つ)

6.訓練次第で人間は強くなれる。

例えば、一週間飲まず食わずのレンジャー訓練で中谷氏は訓練の途中で倒れ、救急車で運ばれた。
その時、考えたことは「なぜ人間は限界までやらないのか」。それは理性が邪魔をするからだ。
レンジャー訓練を乗り越えた隊員にはレンジャー・バッジがもらえる。
その際、隊員は自分たちが成し遂げたことに感極まって涙を流す。

7.本当の限界まで自分を追い込めるかどうかが、その人の器を決める。
自衛隊の上司に「お前の限界は俺が決める。だからもっと走れ」と言われた。身体で悟ったことこそ真理である。

8.国民の理解を得た上で、国防を憲法に位置付ける必要がある。どこの国も自分の国を守るために軍隊を持っている。また、国民が国を守っている人たちに敬意を払うことなしに国防は成り立たない。

9.アジアの安全を考えると、アジアはヨーロッパに比べ、文化や社会体制の上でもバラバラであり、同じ基盤を築く必要がある。一国だけの国防や専守防衛といったことはもはや成り立たない。

10.防衛費5兆円のうち、半分以上が人件費。日本の兵器のハイテク化は他のアジア諸国に比べれば進んでいる。イージス艦一隻につき1,300億円かかるが、本体の肝心な部分はアメリカ製に頼っている。

質疑応答

――徴兵制を復活させるべきだ。(場内騒然)

 現憲法下では人権などの問題から、奴隷的強制はできないことになっており、強制的に自衛隊なり軍隊に入隊させることはできない。シンガポールやドイツでは1〜2年、徴兵期間があり、国を守るという意識を持つことにより、人間性が磨かれ、社会に還元される。
国民誰もが、自分の国を守るという意識を持つことは必要だ。


中谷 元 (前防衛庁長官。衆議院議員)
昭和32年10月14日生まれ(44歳)。
自由民主党所属。選挙区は高知県第2選挙区。当選回数連続4回。


[2674] 新規のここの講読会員になってくれた人とのメールのやりとり。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/11/28(Thu) 09:10:26

副島隆彦です。

一昨日、ここのぼやきの有料会員になってくれた人とのやりとりの
短めのメールを載せます。この人は、2ちゃんねる から、私たちの
サイトにたどり着いた人です。そういう人たちが少しですがおられます。
私の 2ちゃんねる 論の断片(フラグメンタル)も書きましたので。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

Date: Thu, 28 Nov 2002 08:33:26 +0900
From: ****************
To: 副島隆彦 GZE03120@nifty.ne.jp

副島様。

*****です。
ご丁寧な返信ありがとうございます。
私は43歳の関西の電機メーカーに勤めるサラリーマンです。

副島様が「ぼやき」で書かれておりますように、仕事で疲れ切ったサラリーマンです。仕事から帰宅すると夕食を取って入浴して寝るだけというまさに家畜のような生活です。

「ぼやき有料版」の申し込みも以前から迷ってはいたのですが、上述のような生活では、とてもそこまで読んでいる時間はないだろうということで諦めていました。

しかし、今回の11月24日「369」はどうしても読みたくなって有料会員となることを決意しました。平日はゆっくりメールを書いている時間と体力がないので、いずれ感想などあらためてお送りさせていただきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いします。


*****さまへ
副島隆彦です

(略)

 *****さまは、2ちゃんねるから、私どものサイトに来られたとのことで、ありがとう ございます。私は、2ちゃんねるは、匿名の誹謗中傷が多いので嫌いですが、匿名であるが故に 普通は公表されない内部情報が書かれることがあります。これは、大変すばらしいことです。

 と同時に、政治警察や、アメリカの謀略などが、情報を操作するために、わざと 2ちゃんねるや、論壇同友会(りんだんどうゆうかい)に、計画的に、謀略情報を流して、日本国内を情報撹乱して、まさしく「流言鄙語」に陥れる事も出来るわけです。このことの恐さもあります。

 たとえば議員辞職して、失脚させられた辻元清美の内縁の夫の経歴等は、あれはいかにも、公安警察が意図的 に 2ちゃんねる に流したものでした。私は、2ちゃんねるの常連書きこみ人間は、各種の公務員が圧倒的に多いと分析しています。役所内で、ひねくれ果てた感じの、すこしは頭がいいのですが、公務員の政治活動(言論を含む)の禁止規定があるものですから、さらに性格が歪んでしまった者たちが、盛んに書きこみ(投稿)をやっているのだ、と分析しています。中には、大変質の高いすばらしい、本物の情報が散見します。

 2ちゃんねるに、今後、私の言論がどのような影響を与えて、日本の言論系のネット革命のために意味のあるものにしてゆくか、を私は本気で考えようと思います。 こちらこそ今後とも宜しくお願い申し上げます。 

副島隆彦拝

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


[2673] 新生銀行(旧長銀)に関して気になる点 投稿者:ひろや 投稿日:2002/11/27(Wed) 23:51:13

旧日本長期信用銀行、現在の新生銀行のWEBサイト
http://www.shinseibank.com/
の「新生銀行について」という箇所に色々と興味深い(ただし、私にとって)情報が掲載されていました。

まず、「よくある質問」から引用します。

<貼り付け開始>

Q. 新生銀行の設立の経緯を教えてください。

  A. 新生銀行の前身である旧日本長期信用銀行は、平成10年10月、政府より金融再生法に基づく特別公的管理の開始決定を受け、一時国有化されました。その後、特別公的管理のもと、不良債権の抜本的処理や各種の経営合理化策が実施された後、平成12年3月、欧米の有力金融機関等の出資を受けて組成されたニュー・LTCB・パートナーズへ一括譲渡され、一時国有化は終了いたしました。平成12年6月5日より、行名を「日本長期信用銀行」から「新生銀行」に変更致しました。
新銀行がスタートしてからの経緯については新生銀行のあゆみをご覧下さい。

Q. 新生銀行は日本の銀行ですか?それとも外資系の銀行ですか?

  A. 新生銀行は、「長期信用銀行法」に基づいて設立された日本の銀行です。一方で、欧米の一流金融機関等の外国資本の出資による初めての日本の銀行でもあります。
当行の大株主は、当行を一括買収することを目的として、米国リップルウッド・ホールディングスを中心に世界有数の金融機関等の出資により設立されたパートナーシップ(組合類似契約)のニューLTCB・パートナーズです。
私ども新生銀行は最先端の金融技術やノウハウを積極的に活用し、これまでの日本にはない新しい商品・サービスを提供して参ります。そして、ひとりひとりのお客さまから、「もっとも満足できる銀行だ」と評価していただくことを目指します。

<貼り付け終了>
http://www.shinseibank.co.jp/docsdir/info/index.htm

ひろやです。
これは副島所長が言っていた一時国有化→ハゲタカファンドが買収という手口そのままです。
新生銀行の役員の顔ぶれを見ると、新生銀行=旧長銀を動かしているのか、さらに見えてきます。

<貼り付け開始>

役員の状況

(平成14年11月15日現在))

取締役・監査役
代表取締役会長兼社長 八城 政基
代表取締役専務取締役 森 秀文
代表取締役専務取締役 山本 輝明
取締役 石黒 正
取締役(非常勤) ティモシー C .コリンズ(リップルウッド・ホールディングス 最高経営責任者)
取締役(非常勤) J .クリストファー フラワーズ(エンスター・グループ社 副会長)
取締役(非常勤) 青木  昭(日本証券金融株式会社 相談役)
取締役(非常勤) 今井 敬(新日本製鐵株式会社 代表取締役会長)
取締役(非常勤) 槙原 稔(三菱商事株式会社 代表取締役会長)
取締役(非常勤) 小川 信明(弁護士)
取締役(非常勤) マイケル J .ボスキン(スタンフォード大学教授)
取締役(非常勤) エミリオ ボティン(バンコ・サンタンデール・セントラル・イスパーノ 会長)
取締役(非常勤) ドナルド B .マローン(UBS アメリカ会長)
取締役(非常勤) マーティン G .マックギン(メロン・フィナンシャル・コーポレーション 会長)
取締役(非常勤) デイヴィッド ロックフェラー
監査役 齋藤 宏二
監査役(非常勤) 須藤 章(公認会計士)
監査役(非常勤) 保田 眞紀子(弁護士)

<貼り付け終了>
http://www.shinseibank.co.jp/docsdir/info/index.htm

ひろやです。私が気になったのはリップルウッドのティモシー C .コリンズ、 三菱商事の槙原 稔、UBSのドナルド B .マローン、デイヴィッド ロックフェラー などです。

メロン・フィナンシャル・コーポレーション(=メロン財閥?)についても少し気になります。
私なりに調べてみようと思います。


[2672] 森田裕之さんの「中小企業論」講義 投稿者:ミーム 投稿日:2002/11/27(Wed) 01:40:54

ミームです。
ある集まりで、リバータリアン技術士である森田裕之さんが持論の「中小企業(は個人である)論」を話しました。
面白いので、メモしたものをテキスト化しました。
森田さんが最終チェックしたものを、下のリンク先に載せました。

リバータリアニズム掲示板 をクリック!
http://soejima.to/boards/bbs.cgi?room=libertar


[2671] ここの講読会員のウェブサイト(ホームページ)を紹介します 投稿者:副島隆彦 投稿日:2002/11/26(Tue) 12:28:04

副島隆彦です。  以下の載せるのは、今日のぼやきの講読会員のF君の
サイトです。ご紹介しますので、興味のある人は訪ねて下さい。

(転載貼り付け始め)


 副島隆彦氏への(長〜くなりそうな)手紙
#0:「はじめまして」
 副島隆彦様
 はじめまして。縞蘇鉄ともうします。  今日は、2002年2月28日です。

  「縞蘇鉄」というハンドルネームを、これから貴兄のサイトにお邪魔するときには使わせていただきます。
 実は私にも「ホームページ」(以下、HP)なるものがありまして、タイトルが「志摩の素人哲学者ー女神 」URLは、

http://www2.ocn.ne.jp/~megami-k/

です。
「志摩の素人哲学者」→「志摩素哲」→「縞蘇鉄」というわけです。
(2002/02/28)

 私のHPは、2000年4月1日に一応公開しておりますが、2002年3月1日の今日現在における「アクセス・カウンタ」数は590ばかりしかありません(半分位は自分で見ているわけで、外部からのアクセス実数は300ばかりか)が、なに、気にしません。 どうせ私のHPなどは、自分の「思考の道具」にしかすぎないのですから。
(2002/03/01)

 貴兄のサイトを、私は「テロ世界戦争と日本の行方」という本の最後に記された URL で初めて知りました。
 それ以来、「FinePrint2000」というシェアウェアソフトの小冊子印刷機能というのを使って、せっせと「ぼやき」を本にして読んでいます。

 最新の月から遡って、いまやっと前年の9月(おお!あの9・11)まで一応読んだところです。 毎月80から百数十ページの本(それも、かなり上質で、アップトゥデートな)が出来てしまうこのサイトは一体なんなのだ?!。
(2002/03/10)

「正論」誌連載の「World Watch」は、かなり前から目にしておりましたが、こんなにも沢山の興味深い本を書かれている方だということは、ちっとも知りませんでした。 幸せなことです、これからそれらの本が読めるということは!・・・しかし、<金>と<時>の工面は?・・・という悩みもまた幸せの内と「悟って」おきましょうか・・・
(2002/03/11)

 「World Watch」を読んでの私の感想を、思い切りよく大きく一つだけ一言で言わせていただけば、「<陰謀論>の臭いがする」というものです。
(2002/03/13)

  太田龍という人を私は、1960年代末から70年代初め頃にかけてだと思うのですが、平岡正明、竹中労と組んだ「三バカトリオ」というのがあって、平岡氏が彼のことを「龍将軍」と呼んでいた頃から知っていて、「辺境最深部へ退却せよ」という(ちょっと記憶が曖昧ですが)本なども読んで、好きだった、というか、なんか非常にウマ(バイブレーション)が合うと思っていた、という記憶があるのですがね・・・・
 
 その彼が、20年ばかり後に、森下敬一主宰するところの「自然医学」という雑誌で、顧問格のようなかたちで連載記事を書いているのに出くわして、本当に吃驚したことがあります。 二重の意味で「吃驚した」。一つは、玄米菜食を説くこのような団体の重要な位置に何で、彼のような極左というもおろかなような人がいるの?ということ、

もう一つは、彼の説くことが、一つは、極右的なまでに民族主義(日本主義)的だったことであり、もう一つは、パリパリの<陰謀論>だったことである。 いまになって思うに、彼は自らの言説どおりに「辺境最深部への退却」を断固として貫徹し、そのあげくに至ったのが、一つには、玄米菜食という、(日本人的な)人間の生物的レベルでの真実と、保守主義という、人間の文化的なレベルでの真実であり、

 そういった真実の実存を根底から破壊しつつある、或る、強力で、グローバルな、<何もの>かが存在する、という認識だったのではないか。・・・
 ・・・といった迂遠なことを何で言っているのかといえば、要するに、そういったことがあって、私は<陰謀論>については少しは「鼻が利く」と思っていただきたいがためです・・・(どうみても、現在日本における<陰謀論>の急先鋒は太田龍じゃないでしょうか?)・・・が、今は、この事に関してはこれ以上のことは述べません。・・・近々私のHPでごく短く心がけた<陰謀論>についてのエッセイを書くつもりです。もしも出来上がったらまたそのときは必ず連絡申し上げますので、暇を見てのご一読をお願いもうしあげておきます。(2002/03/16)

・・といいつつ、もう少しだけ・・ <陰謀(論)>に対する、私のスタンスについて。「<陰謀>というものの実在を信じるか?」と聞かれたとしても、私には「信じる」とも「信じない」とも、なんとも言いようがない。しかし、<陰謀論>が有り、<陰謀論者>いることは間違いないし、つねに留意し、考え続けるべきである、と思うものである。

 だけどまあ、一口に<陰謀論>といっても、ピンからキリまでというか、色んなレベルのものがあるようでして、最近にも、次のような新聞記事を目にしました。

(日本経済新聞:2002年03月21日「大機小機」欄:「陰謀史観がまん延する国の行方」:(祥))

  ところがわが国では、この手の陰謀史観が大流行。識者の皮を被った俗物がうそ八百を垂れ流している。不良債権処理を怠り続けた結果、回り回って経済や金融が悪化している責任を誰かになすりつけるため生贄を探している。まるで魔女狩りだ。

 最近の標的は外資。当局の高官が永田町の先生方を説得するために使った説明資料によれば株を空売りする外資は諸悪の根源だそうな。「東京から撤退を考えている外資が大多数であり、食い逃げに走る可能性が大」だから、「場合によっては、証券会社ではなく社員本人を標的にした処分を考える必要」などと明記してある。脅迫されたトレーダーが空売りポジションを急いで買い戻す姿が目に浮かぶ。

 今わが国では、「当局の高官」までもが、 「識者を自認するのであれば、駆使してはならない反則技」であるところの 「陰謀史観」を弄んで、「冷静な現状分析」を怠っており、そんなことじゃあ「この国は終わり」だ、ということを筆者(祥)氏はいいたいらしいのですが。

  <陰謀>というものをもっと(というか考えられる限りにまでに、ということは所謂<グローバル>なまでに)大きく、かつ、もっと<不可視的>なものとしてイメージしている私としては、「えっ!そんなことまで<陰謀>なの?」と、ちょっと驚いてしまう。

(以下略)

(転載貼り付け終わり)

http://www2.ocn.ne.jp/~megami-k/

が上記のF君のサイトです。

副島隆彦拝


[2670] 近年の代表的な資源・エネルギー論文とその要旨 投稿者:ひろや 投稿日:2002/11/26(Tue) 05:41:16

最近、資源やエネルギーといったことがよく話題になっているので、フォーリン・アフェアーズ日本語版で近年の代表的な関連論文とその要旨を集めました。要旨はフォーリン・アフェアーズ日本語版のWEBで検索して該当箇所を貼り付けました。役に立ててもらえれば幸いです。

その1

石油をめぐるロシア対サウジの最終決戦

エドワード・L・モース/前米国務副次官補(国際エネルギー担当)
ジェームス・リチャード/ファイヤーバード・マネジメント社ポートフォリオマネジャー

フォーリン・アフェアーズ日本語版 2002年4月号

論文の要旨

<貼り付け開始>

ロシアの石油企業によるロシア、中央アジア地域での開発が実現すれば、今後4年のうちに旧ソビエト諸国からの石油輸出の合計は、サウジアラビアの輸出にほぼ匹敵するものになる。9月11日が、ロシア、アメリカ、石油輸出国機構(OPEC)にとって、全く新たな地政学状況を作りだしていることを、ロシアは、政治・経済的に立ち直る好機と捉えている。問題は、サウジアラビアがロシアの開発を阻止できるほどの、徹底した価格競争を戦う余力があるかどうかだ。

<貼り付け終了>

その2

米外交問題評議会タスクフォース・リポート
二十一世紀の戦略的エネルギー政策の課題
エドワード・L・モース/ 米外交問題評議会・エネルギー政策タスクフォース議長
エイミー・M・ジャッフェ/ 同ディレクター

フォーリン・アフェアーズ日本語版 2001年10月号

要旨

<貼り付け開始>

使用済み核燃料の隔離にかかわる未解決の問題が、アメリカの主張する開放型の核燃料サイクル(核燃料の使用を一回限りにとどめ、後は地層に埋める)という選択肢の足を引っ張っている。これに対してフランス、日本などが主張する閉鎖型の燃料サイクル(使用済み核燃料の再処理を行い、抽出したプルトニウムを再利用する)には、分離されたプルトニウムが蓄積されていくという問題があり、経済的でもない。

<貼り付け終了>

その3

資源の効率利用が育む「新資源」
――アラスカ野生保護区の開発は必要ない
エモリー・B・ロビンス/ ロッキーマウンテン研究所研究担当最高経営責任者
L・ハンター・ロビンス/ ロッキーマウンテン研究所戦略分析担当最高経営責任者

フォーリン・アフェアーズ日本語版 2001年10月号

要旨

<貼り付け開始>

エネルギーの効率利用のペースが石油資源の枯渇ペースを上回り続ければ、いずれ石油は低価格であっても市場で見向きもされない資源になる。効率利用によって節約される資源は、いまや国内エネルギー供給の5分の2に匹敵する規模に達しており、これこそ最も急速に拡大している「資源」である。 石油価格を引き下げ、安定させることができるのは、唯一需要サイドでのエネルギー効率利用の促進だけだし、効率利用レベルをほんの少し引き上げるだけでそれは実現する。石油の供給を増やすのではなく、使用効率に重点を置いた需要管理措置とクリーンな代替エネルギー促進策を政策の基盤に据えるべきである。

<貼り付け終了>

その4

カスピ海資源開発の政治経済学
ジャン・H・カリッキ
ウッドロー・ウィルソン・センター研究員

フォーリン・アフェアーズ日本語版 2001年10月号

要旨

<貼り付け開始>

カスピ海周辺のエネルギー資源を間違いなく地域市場、国際市場へ搬出するには、ロシアのパイプライン輸送に依存している現状を見直して、多層的なパイプライン建設を実現する必要がある。 膨大な資源を有するカスピ海周辺諸国が、ロシアやイランの力を借りずにエネルギー資源とパイプラインを欧米と共同開発することこそ、アメリカと世界全体を潤すだけでなく、カスピ海周辺諸国にとっても自国の安全と繁栄を確保する最も確実な道であり、ブッシュ政権はこの方向での政策面の見直しを早急に行うべきだ。

<貼り付け終了>

その5

新エネルギー資源の誕生
The New Petroleum
リチャード・G・ルガー (米上院議員)
ジェームス・ウールジー (元CIA長官)

フォーリン・アフェアーズ日本語版 99年 3月号

要旨

<貼り付け開始>

 いずれは枯渇する石油資源、とくに中東石油への依存は、安全保障、環境、経済のどの側面でみても好ましくない。幸いにも、遺伝子工学の進歩、そして生成技術の発展によって、これまでの穀物エタノールから、遺伝子工学を駆使したバイオマス・エタノールへのシフトが起きつつあり、いずれ石油への依存から離脱するのも夢ではない。 「エネルギー熱量は若干低いとはいえ、オクタン価でみれば、バイオマス・エタノールはガソリンをはるかに上回り、より高い燃焼効率をも持つ。さらに、温室効果ガスの排出を大きく削減でき、空気の質も改善できる」  この「科学的ブレークスルー」を放置して、しだいに先細りとなりつつある中東の石油資源への依存を続けるのは、経済,環境,国際安全保障のいずれの面でも賢明ではない。環境に優しく、価格的にも問題のない、バイオマス・エタノール実用化の時代がすぐそこまで来ており,その実用化へ向けて全力を注ぎ込むべきである。

<貼り付け終了>

その6

カスピ海資源とOPECの教訓
OPEC as Omen
ジャハンガー・アムゼガー / 元イラン国大蔵大臣
 

フォーリン・アフェアーズ日本語版 99年 2月号

要旨

<貼り付け開始>

 アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンという四つのカスピ海周辺諸国は、今後、間違いなく石油資源を中心とする経済ブームに沸き返ることになるだろう。だが、あり余る豊かさから、使い古しの雑巾のようなボロボロの状態へと至った石油輸出国機構(OPEC)の経験から教訓を学ばない限り、カスピ海周辺諸国もエネルギーブームの魅力がもつ危険な落とし穴にはまりこむことになろう。労なくして手にできる「石油地代」に惑わされたOPEC諸国は、社会保障や官僚制の肥大化、無節操な投資計画、効率性を欠いたインフラ整備プロジェクト、大規模な軍事支出など、財政上の「ブラックホール」を次々とつくりだした。その結果、莫大な資金を浪費して、今日の悲惨な現実に至っているのだ。OPECを反面教師として、カスピ海諸国が堅実な経済運営を行い、市場経済に必要な透明性を備えた制度を確立していかない限り、限りある資源を持続可能な豊かさへ変えていくのは不可能である。

<貼り付け終了>

その7

アジアのエネルギー問題をどう解決するか
ダニエル・ヤーギン

98年05月

要旨

<貼り付け開始>

今後、アジア経済が再び高度成長路線へ転じる可能性は高く、石油を中心とするエネルギー需要も高まってくるはずだ。これを背景に、アジア諸国間で緊張、資源競争が起こり、紛争を予見する専門家もいる。だが、国家が自国経済の舵取り役を一手に管理しようと試みた時代から、市場力学、商業化、規制緩和、民営化が世界の経済思考を司る時代への移行が進んでいることを忘れてはならない。膨大なコストを要する資源開発インフラを整備するには、国際金融市場からの資金調達や先端技術をもつ諸国との協調が不可欠である。エネルギー問題だけでなく、アジア経済の回復がどれだけ進むかを占うキーワードはここでも「市場、規制緩和、民営化」である。

<貼り付け終了>

その8

危うしアジアのエネルギー資源
Asia's Empty Tank
ケント・E・カルダー /プリンストン大学政治学教授

フォーリン・アフェアーズ日本語版 96年 5月号

要旨

<貼り付け開始>

アジアのエネルギー問題は、この地域での領有権論争、核拡散問題、軍拡路線に深く関連しており、これを純粋な経済問題とみなすのは間違いだ。なかでも中国のエネルギー需要の増大は、環境悪化だけでなく、海底資源をめぐる近隣諸国との対立、外洋型海軍力の増強路線、イランやイラクという中東とのコネクションの深まりなど、環境・政治・外交面での憂鬱な結末を招きかねない。エネルギー問題を、アジア・太平洋地域の不信と不確実性を先鋭化させる引き金とするのではなく、この問題への積極的な関与、支援を通じて、日本、米国、そして大いなる暴発の危険性を秘めた大陸アジアとの協調の礎とすることが急務である。

<貼り付け終了>

ひろや拝

http://www.foreignaffairsj.co.jp/


[2669] 「奥田発言」と銀行大連合への展望 投稿者:マサウメ 投稿日:2002/11/25(Mon) 19:49:47

会員番号(1898)のマサウメです。

〔2666〕でネルソンさんが取り上げたトヨタ自動車の「奥田発言」について考えたことを書きます。トヨタの奥田碩会長に対する私の基本認識は、肝っ玉のすわった極めてしたたかな経営者で、良い意味での「ワル」であるということです。従って、自分の意図とは異なる内容を軽はずみに失言するような男ではありません。特にマスコミに対する発言では、いかにも自然に、率直に、大胆に言っているようなそぶりを見せながら、「ここでこう言えばこう報道されるはずだ」という用意周到な計算、戦略があることが過去に幾度もありました。今回もそうだと思うのです。

 過去の代表的なものは1997年初めの「英国がEUの通貨統合に参加しないのなら(トヨタは)対英投資を控える」という発言です。奥田社長(当時)は外国プレス向け記者懇談会の場でこう言ったとされ、英国の新聞が1面トップで取り上げて大騒ぎになりました。トヨタはこの時、「奥田社長はそうは言っていない」というコメントを出しました。でも結局はその後、欧州新工場をフランスに建設することを決め、英国に対しては既存工場の生産能力アップでお茶を濁しました。

 「4大銀行のうち2行は脆弱だ」などと言った奥田発言の2行は明らかに「UFJ」と「みずほ」です。副島先生が指摘するようにダイエーが簿外で巨額の保証債務を抱え、他にもフジタやミサワホーム、トーメン、日本信販などの問題企業を抱えているUFJ銀行は、もはや自力再建が極めて厳しい状況であることは明らかでしょう。「竹中ショック」による株価急落を受けて、UFJは5000億円規模の増資を検討。その有力引き受け相手先候補としてトヨタが取りざたされていました。今回の「奥田発言」はまさにこういうタイミングで出た訳です。

 きょう11月25日発売の「週刊ポスト」に次のようなレポートがありました。

(引用開始)
《竹中プラン》にかかわっている自民党金融族幹部がこう語る。「トヨタはUFJとは旧東海銀行以来のつき合いだが、いくら資金力があるとはいえ、これから何兆円もの不良債権処理を行わなければならないUFJを丸ごと抱えるとなると大きな損失を覚悟する必要がある。経営判断としてそれはあり得ない。増資の引き受けにも消極的だろう。むしろトヨタとしては政府に早くメガバンクの処理を進めて欲しいのが本音ではないか。例えば、UFJの自力再建が難しい場合、一時国有化して不良債権切り離すのが竹中プランの骨格だ。そうして優良債権だけを引き継いだ新銀行は高い収益が見込めるから、その段階になればトヨタも投資することができる。奥田発言はメガバンク再編を早く決断して欲しいというサインだったと考えている」
確かに、トヨタの経営姿勢からみても、いつ紙クズになるかわからない企業の増資を簡単に引き受け受けるとは考えにくい。
しかし、竹中氏が打ち出した金融再生プログラムによると、経営危機に陥って一時国有化など政府の特別支援の対象となった銀行は、不良債権部分の「再生勘定」と通常債権の「「新勘定」とに分けて再建をはかる方針になっている。そうしたやり方が外国資本に邦銀を売却するやり方だと批判されているが、トヨタが新銀行を買い取って《トヨタ銀行》をつくり、日本の銀行再生に積極的に乗り出すのであれば事情は全く違ってくる。
(引用終了) 

 UFJ銀行はいきなり国有化されることを嫌ったのか、同25日に不良債権のうち約1兆円を分離して別会社に移す、と発表しました。以下は共同通信ニュースです。

(引用開始)
UFJ銀行は25日、保有する不良債権のうち中小企業向けを中心とする約1兆円を、本年度末をめどに別会社に移す方針を固めた。不良債権をまとめて別会社へ切り離すのは大手銀行で初めて。分離は本体の不良債権を減らし財務体質を改善、貸し出し余力の向上などにつなげる狙いがある。
(引用終了)

 トヨタグループに属する多くの企業や下請け企業はUFJ(旧東海銀行)への依存度が強く、トヨタはUFJの破たんを静観する訳にはいきません。UFJが国有化するにせよ、しないにせよ、トヨタは何らかの形で支援することになるのではないでしょうか。今回の「奥田発言」はやはりこのことを念頭に置いた意図的な物言いだったように思います。以下の7月17日付・朝日新聞の記事からすると、トヨタはすでにグループの総合金融戦略の中にUFJを組み入れているとも言えそうです。

(引用開始)
「トヨタ自動車が全額出資する証券会社『トヨタファイナンシャルサービス(FS)証券』で社員の給与振り込みを今秋にも始めることが16日、明らかになった。社員の使い勝手はこれまでと大きく変わらず、高利回りの運用が期待できる。UFJ銀行との提携で実現したもので、将来はトヨタ自動車以外の社員にも広げる。トヨタは個人客の金融サービスに本格参入することになり、銀行や郵便局に影響を与える可能性がある。
(中 略)
証券総合口座への給与振り込みはこれまでも制度上可能だったが、給与の支払い側と証券会社をつなぐシステム投資などが必要なため、これまで本格的な例はなかった。今回はトヨタと取引のあるUFJ銀行が提携し、UFJとトヨタFS証券の口座を共通にした形にするシステムを作ることで実現した」
(引用終了)

 トヨタはここ1、2年、金融事業へ本格参入するための戦略的な布石を打ってきました。再び「週刊ポスト」から引用します。

(引用開始)
「銀行業への進出に一貫して慎重な構えだったトヨタは最近になって大きく戦略を転換させた。子会社の千代田火災と大東京火災を合併して『あいおい損保』をつくり、保険部門を強化したのを皮切りに、00年にはグループの金融統括会社『トヨタファイナンシャルサービス』(TFS)を設立、金融事業に本格参入した。TFSの下に『トヨタFS証券』を設立して証券業務に進出し、『トヨタカード』によるクレジット事業も直営化している。
本体の自動車部門の戦略上も金融業務は重要になってきている。同社はカーナビやETC(自動車料金収受システム)など車に搭載する情報通信システムを通じて、ユーザーが車に乗ったままインターネットなどを利用してモノや情報を購入できる『バリューチェーン』の構築を事業戦略の柱に位置づけており、その代金のやりとり、つまり決済機能を充実させるためにも銀行業務への本格進出を視野に入れていると見られているからだ。
そこにトヨタがUFJを飲み込む形で《トヨタ銀行》にする経営戦略上の意味が出てくる。そして、『エース』トヨタの登場は、UFJ危機にとどまらず、銀行界全体の再編へとつながる」
(引用終了)

 ここでトヨタに期待したいのは、UFJとともに親密な旧三井銀行(三井住友銀行)をも組み入れた銀行の大同団結を主導することです。トヨタは戦前、経営危機に陥った時に助けてくれた旧三井銀行と親しくなる一方、見捨てられた旧住友銀行とは仲たがい状態になりました。しかし、1996年にトヨタの豊田達郎の息子と住銀の堀田庄三の娘が結婚したのを機に「手打ち」になったという観測が一気に流れ、その後、副島先生がロックフェラー系に対抗する形で実現したロスチャイルド系の連合と指摘する「三井銀・住友銀」の合併が決まりました。トヨタがその気になれば、ロックフェラー系に対抗する銀行大連合として、「トヨタ・三井住友・UFJ」という一大グループを組める可能性があると考えます。

 トヨタは本来、おカネにとことんこだわり、利益の追求に愚直にまい進する企業です。ただ、1990年代後半のある時から、「トヨタがいくら頑張っても日本がつぶれたら終わりだ」という危機感が強まって、奥田氏が財界総理を引き受けながら国益とトヨタ益の最大公約数を模索してきたのだと思います。90年代半ばまでは「グローバルスタンダード」を声高に掲げていましたが、その後はアメリカともうまくやりながら極めて愛国的な行動をとってきたと映ります。

 今回はもとより政管のスクラムによる「竹中・人柱作戦」でアメリカの邦銀乗っ取り戦略を封じた訳ですから、それを受ける形の産業・金融再生策にトヨタが乗り出してくれば、これ以上心強い「政官財」の金融鎖国タッグはありません。UFJの不良債権分離策は、不良債権処理にまでも「新勘定」「旧勘定」という言葉を当てはめて、宮沢喜一や小池百合子に言わせてきた「預金封鎖」への地ならしにも活用しようとする政府の策略が見え隠れしますが、この際、国益という大きな観点から、失言のように見せかけて金融鎖国タッグの実現を導く「奥田・トヨタ」の愛国心を信じたいと思います。
(了)


[2668] 【第9回政治実践プログラム&忘年会のお知らせ】 投稿者:直弟子@1210 投稿日:2002/11/25(Mon) 02:47:27

「学問道場」閲覧・参加者の皆様

お世話様です。投稿しないで事務連絡ばかりの須藤喜直と申します。
来月12月14日(土)に、今年最後の政治実践プログラム(キャンバシング活動)を行います。お忙しいところ畏れ入りますがどうかご参加ください。初参加の方も大歓迎です。初参加の方は、お名前の他にお電話番号、ご住所、年齢、等も併せてメールの中でご記入下さると幸いです。私共へのメールの宛先はsnsi@mwb.biglobe.ne.jpです。

その夜は懇親会も開きますが、この懇親会でSNSI忘年会も兼ねます。料理のおいしいお店を予約しました。予定では40人弱くらいで楽しく騒ぐことになります。忘年会を目当てでも一向にかまいませんので、ふるってキャンバシングにご参加下さいませ。
この懇親会のときの参加費は3,000円になります。
「政治実践プログラムだけに参加して、懇親会には出席できない」という方は、特にその旨もお知らせ下さい。それでもプログラムに参加して頂けるだけで有難いです。

本年度もお付き合い下さいまして、誠に有難うございました。

【12月14日当日のスケジュール】
(11:00―11:30)集合、事前説明など
(11:30―14:30)キャンバシング前半
(14:30―15:30)休憩
(15:30―17:00)キャンバシング後半
(18:00―19:00)楽しい忘年会